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ningyo’s BOOK COLUMN

2002.07.07

厄除け詩集
井伏鱒二
講談社文芸文庫

最近どうも体調不良です。気候のせいでしょうか。
これでちょっとつらいことがあったり、苦手な人に会うと
そのあとの自分を復旧するのに苦労します。
心のささくれを静めるのにはこんな詩集がよろしいかと。

では有名なのをひとつご紹介

照鏡見白髪  張九齢 作


宿昔青雲志
 蹉跎白髪年
誰知明鏡裏
形影自相憐

 

シュッセシヨウト思ウテヰタニ
ドウカスル間ニトシバカリヨル
ヒトリカガミニウチヨリミレバ
皺ノヨッタヲアハレムバカリ

 

 漢詩の自由訳では、「勧酒」(ハナニアラシノタトヘモアルゾ  「サヨナラ」ダケガ人生ダ)が人口に膾炙しておりますが、結構この詩も身に沁みませんか? ティーンエ−ジャーのかたがたはともかくとして、浮世の風に直接あたるようになりますと、歳が若くてもドキリとすることはあると思います。

  井伏鱒二との出会いは小学校時代図書館で 井伏訳の ドリトル先生シリーズ(ロフティング著) です。さざなみ軍記、山椒魚、荻窪風土記 と好きな本はたくさんありますが、何かというと出して繰るのがこの厄除け詩集です。
 本当に効きます。
 私はお酒飲むとジンマシンが出てしまうのでほとんど飲まないのですが、厄除け詩集を肴にほんの少し飲んでぱっと寝てしまうことに成功すると、かなりよい朝を迎えられます。

 

 

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