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ningyo’s BOOK COLUMN

2002.06.27

パイドパイパー
 ネビル・シュート著 創元推理文庫

第2次世界大戦中、
ドイツ軍侵攻さなかのフランスから
イギリス人の老人と幼い子どもたちが
イギリスへを目指し必死の逃避行

生きることへ、明日へと向かう
勇気の書!

  買って帰って2時間で読了。読んでいるうちに、以前NHKで見たテレビドラマの原作だということがわかった。 あの時はピーター・オトゥール(大好き!)が主演で、「あー、アラビアのロレンスがボケ老人の振りをする老人の役やってる!」などというつまらないことに気をとられたせいか、あまりドラマ自体の印象が強くなかった。主演女優が今ひとつタイプでなかったからかもしれない。

 読んでいて、中ほどから幾度も涙してしまった。主人公もさることながら、ヒロインの言葉一つ一つが沁みました。

 舞台は第2次世界大戦時のフランス。主人公は70に手が届こうとするイギリス人の老人で、言うに言われぬ苦しみを味わった直後。どうしたことか、まったく縁のない子どもを預かってドイツに侵攻されたフランスからいっしょにイギリスへ帰ることになる。
 戦時の旅は順調ではない。まして幼い子連れであり、幼い子どもというのは平時でもむちゃくちゃなものである。なぜか子どもたちの数はどんどんふえていく。そういうまったくアクションに無縁なメンバーで、戦争さなかの敵地に道を切り開いていかねばならない。武器は経験と冷静な頭、子どもたちの未来を閉ざしてはならないという不屈の意思だけ。途中から協力者として道連れになるのは主人公の息子の恋人だった女性。

 その旅の中で、お互いに自分自身のいのちの意味と大きな悲劇を乗り越える光を見出していきます。

 この本を読み逃すのは損です!

 (それにしても子連れという状況は、父親としての経験あればこそ乗り越えられるかも。兄弟経験だけではつらいかな。それに若い元気な男性では幼児に対する辛抱強さを維持することは結構たいへんだろう。幼児というのは時として宇宙人だから。)

 

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