1995年に製作された第1作『シベリア超特急』は、映画評論家・水野晴郎が映画生誕100年、戦後50年、そして自身の映画生活40周年を飾り、初監督にして、主演・製作・原作・脚本・主題歌の1人6役をこなした、恐るべき「スーパーサスペンス・アクションロマン」として、現在も話題が耐えることがなく根強い人気を誇っている。
その作品は、水野が敬愛するA・ヒッチコックやブライアン・デ・パルマを髣髴とさせるサスペンスで、事件の謎を解く山下奉文陸軍大将役を水野が演じている。
軍人でありながら、徹底した戦争反対、平和主義者であった山下奉文陸軍大将。かつてにっかつの『落陽』(1992)に水野が同役で出演以来、遺族の方との交流を通じてこの役が生まれた。
また1作目に続き、山下将軍と共に謎解きをする山下将軍の側近役の佐伯大尉(前作では西田和晃)に、本作ではコント山口君と竹田君の竹田高利が初挑戦。
そして山下将軍と満州菊富士ホテルに同宿することになったシベリア超特急の1等乗客たちに淡島千景、草笛光子、加茂さくら、光本幸子、二宮さよ子、長門裕之ら、映画の黄金期を支えた名優たちが集結。その上、歌舞伎界のプリンス・中村福助、舞台を中心に活躍中の寺島しのぶは、本作が映画初出演となる。また、ベテラン陣に囲まれフレッシュな魅力を見せるのは、こちらも歌舞伎界から名門音羽屋の御曹子・尾上松也と、第7回美少女コンテストグランプリの須藤温子。ナレーションは前作に引き続き黒沢明の『影武者』でデビューした名優・油井昌由樹が務める。また、作品の語り部として登場する作家という重要な役を安井昌二が演じている。
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