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窃盗未遂で逮捕され、ショック死の男性−誤認逮捕!?
サンスポ(02/21/04)の記事
★「無実だった可能性が強い」四日市南署

 これまでの調べによると、亡くなった同市の男性は「シロ」とみられる。防犯ビデオの分析結果 では、17日午後1時ごろ、ATMを操作していた男性の背後に子連れ女性が出現。映像はコマ送りだが、男性にぶつかり体を触るようなしぐさをした後、男性のほほに張り手しているもよう。声を上げ、男性ともみ合っている瞬間も写 っていた。

 その後、周囲にいた店員や客ら計20人ほどが男性を取り囲み、最後に近くの買い物客3人が取り押さえ、たまたま店内にいた署員2人が男性を逮捕した。しかし現場で男性のキャッシュカードが見つかったことや、女性から物を奪った映像はなく同署は「無実だった可能性が強い」とした。

★子連れ女性の正体?

 最大の謎は、男性と“争った”子連れ女性の正体。男性が取り押さえられ騒然とする中、小走りで現場を去り、行方をくらませている。防犯ビデオや目撃者の話などから、女性は25−30歳前後。身長約1メートル60のやせ形で、肩まで掛かる茶髪だった。2歳ぐらいの子供を抱いていたという。事件が報じられても、名乗り出る気配もない。同署は女性が真相解明のカギを握るとして、約50人態勢で行方を追っている。

★ストレスが原因で急死か

 逮捕された男性は直後に体調が急変。18日未明に搬送先の病院で息を引き取った。同署によると男性は逮捕された際「何するんだ!」と抵抗。署員2人は応援署員が到着するまでの約20分間、逮捕術の「制圧」態勢で床に男性を押さえつけていたため、この際のストレスが原因で急死した可能性があるという。

 同署は逮捕時の経緯を調べながらも、「子供を抱えた若い女性が被害を訴え、男性が取り押さえられている状況から逮捕はやむを得なかった」と説明しているが…。男性の妻は、病院で亡き夫の姿を見ると「何で!!」と号泣した。

★警察の責任は計5000万円ぐらい?

 弁護士の田中喜代重氏は、誤認の場合、警察の責任は(1)逮捕するに相当な理由があった(2)男性への制圧行為が妥当なものか−が争点になると指摘する。「逮捕時の状況により、警察の責任は大きく異なります。2点とも警察に非があったとして、多く見積もると、遺族側への補償は慰謝料2500万円前後+男性の将来収入となるはずの逸失利益約2000万円で、計5000万円ぐらいでしょうか」。

 明日はわが身の可能性すらある誤認逮捕。田中氏は「無実で逮捕された場合は、暴れたり逃げたりしないで冷静に対処するしかない」と話した。

 
事件経過
 「ジャスコ四日市尾平店」のATMで17日午後、男性とぶつかった女性が「泥棒」と叫び、近くの買い物客が男性を取り押さえたことが発端。店内で万引警戒に当たっていた四日市南署員2人が抵抗する男性の後ろ手に手錠をかけて「制圧」し、現行犯逮捕。だが直後に男性は激しく吐いて意識不明に。近くの病院に運ばれたが、18日に高度のストレスに起因する高血圧症心不全と不整脈のため死亡した。



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