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ATMで「泥棒!」呼ばわりされショック死‐68歳男性
サンスポ(02/19/04)の記事

 スーパーの預払機コーナーで、子供を抱いた母親に「泥棒!」と指さされた三重県四日市市の男性(68)が、抵抗したため後ろ手錠で20分間も床に押さえ付けられ、一種のショック状態で急死してしまったことが19日わかった。肝心の母親は騒ぎ最中に姿を消し、防犯ビデオには犯行の事実は映っていなかった。勘違い逮捕の可能性が高いうえ、過激な拘束で命を落とすとは…。

 もし「勘違いでした」でも、取り返しの付かない事態になった事件は四日市尾平町の「ジャスコ四日市尾平店」で起きた。四日市南署の調べなどだと、発端は17日午後1時、同店内にある銀行の預払機(ATM)コーナーで、子供を抱いた30歳前後の母親が「泥棒!」と叫び声を挙げたこと。もみ合う相手は同市に住むアルバイトの男性。

すぐに周囲の客らが男性を取り押さえ、店内で万引警戒に当たっていた同署員が駆け付けて窃盗未遂の現行犯で逮捕した。

 同署によると、男性は逮捕された際「何するんだ。離せ!」と抵抗。このため署員は後ろ手に手錠をかけたうえ、応援の署員が到着するまでの約20分間、逮捕術の「制圧」の態勢で床に強く押さえ付けていたという。

 直後に男性は体調が急変、嘔吐(おうと)して意識を失ったため病院へ搬送されたが、18日未明になって意識不明のまま息を引き取った。

 司法解剖の結果、死因は過激に拘束されたことによる「高度のストレス」と「高血圧性心不全」「不整脈」が重なったことが19日に判明した。

 一方、被害者であるべき母親は、男性が取り押さえられて騒然とする中、そそくさと現場を立ち去り、被害実態の聞き取りはできていない。

 そこで同署がスーパーから提出された防犯ビデオを分析したところ、映っていた男性が母親に窃盗行為をしようとした様子は確認できなかったという。

 同署は当初、署員による制圧行為を否定していたが、19日になって一転「泥棒として引き渡しを受けたので適切な対応だった」と行為を認めた。

 スーパー側は「亡くなられた男性のためにも、すっきりした事実がわかれば…」と話しているが、例の母親は、男性が死亡したことを知ってか知らずか今も名乗り出ていない。

 同署は母親を捜すとともに、制圧行為を行った署員らから改めて事情を聴いている。

★最近の主な誤認逮捕★

 ★痴漢(平成15年7月15日) 15年3月末、大阪市の路上で帰宅途中のOL(29)が自転車に乗った若い男に尻を触られる事件が発生。男が逃げ込んだコンビニの防犯ビデオの映像などから中2の男子生徒(14)が府警に事情聴取されたが、後にぬ れぎぬと判明、府警が陳謝していたことが7月に発覚した

 ★空き巣(16年1月30日) 札幌市の女性宅から15年10月に1万4000円入り財布や預金通 帳などを盗んだとして40代の無職男性が逮捕された。物証もないがアリバイもなく、防犯ビデオ映像が理由だったが、北海道警は16年1月、誤認逮捕と発表した



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