作:◆cCdWxdhReU
九連内朱巳は支給された名簿を見ながら考える。
自分の知り合いがいるのか。
それはYESだった。
一人は統和機構内でも『最強』と呼ばれる男
フォルテッシモ。
そいつに狙われた人間はほぼ確実に死ぬといってもいい男。
名前自体が恐怖さえ持つその男が参加している。
これはある種このゲームのキーの一人であるだろう。
もし会ってしまったら死を覚悟するしかない。
なにしろ相手は『最強』なのである。
MPLSなど持ち合わせない自分が出会ったらまず終わりだ。
そしてもう一人、
自分と縁のある人間が混じっていた。
「まさかこんなとこでこの名前を聞くとはね」
私が名づけた名、炎の魔女。
霧間凪。
唯一私に対抗できた存在。
能力者を前にしても動じないその勇気。
他にも評価する点はたくさんあるが、彼女もたぶん生き残るだろう
一度会って話をしてみたいが会うことなんてできるんだろうか?
「それよりも生き残れるかってことよね、このアイテムで」
私は自分のバッグに入っていたテーブルゲームセットを見る。
トランプに10面ダイスが2個、20面ダイスも2個、そしてなぜかドンジャラ。
他にもなにやらいろいろあるが武器になりそうなものはなく。私は確認するのをやめてしまった。
かなり本格的というか高級な作りのものではあるが、自分はハズレを引いたんだなとため息をつきたくなる。
でも、私にはこの頭脳がある。そしてポーカーフェイスが。
このアイテムもいつかきっと使う日が来る。
そう私は確信する。
「ガサガサうるせーよ。静かにしろ」
隻眼の男、屍刑四郎の声が飛ぶ
「うっさいわね。いろいろ考えてんのよ」
朱巳は刑四郎に言う。
まずこのアイテムを役立たせる時まではこの男と居なければ。
それが今の私のとり得る最良の手段だ。
【D-7/平野/1日目・1:00】
【九連内朱巳(050)】
[状態]:正常
[装備]:なし
[道具]:デイバッグ(支給品入り) テーブルゲームセット(トランプ、10面ダイス2個、20面ダイス2個、ドンジャラの他にもあるらしい)
[思考]:屍に付いてく 休憩 ハズレのこのアイテムを当りにしてみせる
【屍刑四郎(111)】
[状態]:正常
[装備]:なし
[道具]:デイバッグ(至急品入り)
[思考]:休憩