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第148話:渚の思索

作:◆a6GSuxAXWA

 蒼い殺戮者は思考する。
 命令が途絶えた今、自分のとっての最優先事項は正常な命令系統への復帰だ。
 そして、参加者名簿には同様に命令系統から切り離されたと思しきしずくの名がある。
 無論同名の別人という可能性もあるが、断言できない以上は捜索せねばならないだろう。
 そして、この見知らぬ空間――このような空間での任務の経験はあるが、脱出の手段は自分の知識には無い。
 島を探索して情報を探り、他の参加者――火乃香、パイフウの名もあった――たちと協力するべきだろう。
 ――だが、夜は危険だ。
 武器を持ち、ゲームに乗って人を襲おうとする者――そう、先程の銃撃の主のような者――は、夜闇に紛れたがるだろう。
 関節部に銃撃を喰らえば動きは制限されるし、当たり所が悪ければ培養脳が破損する可能性もある。
 蒼い殺戮者は己の蒼の装甲を茂みに紛れさせる。
 遮蔽装置は起動できないため、複合センサの感度をやや上げる。
 そうして、蒼い殺戮者は朝を待つ。


【F−1/海岸沿いの茂み/一日目4:37】

【蒼い殺戮者(025)】
[状態]:飛行ユニットの翼に弾痕あり、ただし飛行に関しては問題無し
[装備]:梳牙(くしけずるきば)
[道具]:無し(地図、名簿は記録装置にデータ保存)
[思考]:1.しずく、火乃香、パイフウの捜索 2.脱出のために必要な行動は全て行う心積もり

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