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バーチャルスター声優学3

専業と兼業

副業?

今まで何度か一般人を巻き込んだアニメブームというものがあり、声優人気もその都度高まっていた。声優番組(「渋谷でチュ」など)なども組まれ、声優さん自身のTV露出などもするようになる。そうなると当然、声優さん自身をいろんな方法で売り出して儲けようという動きも出てくる。ここでは声優さんの声優業以外の仕事を挙げてみる。

パーソナリティは…

声優さんは声を出す仕事。ならばというわけで、もっとも直接的な副業はラジオ等のパーソナリティが挙げられる。ラジオでは声優がパーソナリティーを務める番組がたくさんあるようだ。残念ながら個人的にはラジオを聞く習慣がないのと後述する理由によりあえて聞かないこともあり、この方面には全く詳しくない。ただ一つ言えることは、声優としての声の良さとお喋りのうまさは別物である、ということだろう。

もう一つレベルが上がると、「アニメぱらだいす!」などTV番組の司会を務める仕事もある。これはお喋りのうまさに加え、やはりビジュアル・見た目の良さも必要になってくる。…残念ながら、この点はちょっと苦しいと言わざるを得ない。ほっそりした体型のヒロインを演じている声優さんの体格はその正反対だったとか、可愛い声を出している少女役の声優さんがそのイメージとあまりにかけ離れていたとか、その手の体験はおよそ声優ファンの諸兄なら一度はしていることと思う。その意味で「アニメぱらだいす!」の司会(私の知っている限り)飯塚真弓・山本麻里安・野上さくらは、まあ、普通に見れるかと思う。余談だが、"さくら隊長"だった頃の方が可愛かったような気がしなくもない。やはりルックスもよく、声も良いとなれば、あえて声優になる理由はないと言うことだろうか…。

歌手として

もう一つ、声の仕事に近いと言えば歌を歌うこと。アニメのOPやEDで出演している声優の一人が歌も歌ってしまうというのは最近よく見かける。これはうまくいけば制作側・声優側・視聴者側それぞれ三方一両みたいなうまみがある。登場キャラが歌を歌うことでさらに深みが増したりする。代表的な例はやはり川澄綾子。「星界の紋章」「まほろまてぃっく」等で登場キャラとして歌っている。ただ―ファンの方には申し訳ないが―「まほろさんが歌っている」と思うと萌えだが、"アーティスト"川澄綾子としてみると多少苦しいのではないだろうか。

それがさらに進むと"キャラもの"としてではなく、声優本人によるアルバムが出たりする。この系統のアルバムも最近では雨後の竹の子のように出ているためほとんど把握していないが、林原めぐみが最右翼だろうか(本当なら堀江美都子を挙げるべきかもしれないが、いろんな意味で年季が違うので) ? 林原風味の歌というものがあり、上手いと思う。

また上の流れとは逆に、最初からアーティスト面を重要視している声優もいる。この例ではやはり坂本真綾が一番だろう。主にプロデュースしている菅野よう子の力も大きいと思うが、声優歌手としては圧倒的な力量である。声優はどういうわけか、発声訓練を受けている割にあんまり歌は上手くない人が多いが、そんなのばっかりじゃないという好例である。ただ、真綾ちゃんは、声優としての力量は凡庸である点が残念ではある。

個性を売る

歌も出すが、それより声優自身のキャラクターで売っている、という希有な例も存在する。それは井上喜久子。「「お姉ちゃんといっしょ」春の号」なんてCDを出している声優を私は他に知らない。業界の「お姉ちゃん」と言われる彼女だがそういう彼女自身のキャラクターが支持されるのは、演じる役との乖離が少ない点にあるのではないだろうか。虚像と実像の間で悩む声優がいる中、幸せなパターンかもしれない。

専業と兼業

さて、以上駆け足で「副業」について述べてきたが、こうした「本業」以外については私はあまり詳しくない。あえて手を出していないその理由はキャラクターのイメージが壊れるのを恐れるため。以前、私が萌えていたあるキャラの声優さんはキャラのイメージを重ねられるのが嫌で、それを壊すような言動を繰り返していた。私はすっかり落胆してしまった。キャラと役者を同一視するのがおかしい、という意見もあろうがやはりイメージというものがある。それにプロなら最後まで役を演じきって欲しいと思うのだ、少なくともファンの前では。

そんなわけであくまで声優の役柄としての声・演技を愛でている声優ファンとしては、あまり兼業はして欲しくないと言うのが本音である。もっとも専業だけではなかなかやっていけないだろうから、ファンの勝手な希望でしかない。ただ前述した通り、イメージが壊れなければ良いわけで、キャラや作品を膨らませるような展開ならば大歓迎である。

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