第十話 人馬宮・射手座の咲耶
兄 「石田くん、あれはなんだ!?トラックか!?」
キキーッ!
兄 「なにい!?」
石田 「目前の咲耶ちゃんの家の前に止まりましたよ!!」
ザン!
兄 「ここが九番目の妹・・・射手座(サジタリアス)の咲耶の家だ!」
石田 「残念ですが感慨にふけっている暇はありません。・・・ですが、人の気配が有りませんが・・・。」
兄 「あっ、そうだ。咲耶は今、休みを利用してカナダにホームステイに行ってるんだった。」
石田 「な、なんですって!?じゃあ、キーは一体どこに・・・。」
兄 「郵便受けに入ってないかなぁ?」
石田 「うっ、ちょっと待ってください!」
兄 「な・・・なにい!?あれはーッ!?」
配達員 「こんばんはー、宅配便でーす!」
兄 「た・・・宅配業者だ!!」
配達員 「いや〜、誰もいないみたいで、どうしようかと思ってたんですよ。
ちょうど帰ってきてくれたんで助かりました。
それじゃ、ここにハンコをお願いします。」
兄 「えーと、サインでもいいですかね?」
スラスラスラ
配達員 「どうもありがとうございましたーっ!」
ブロロロロ・・・
兄 「そ・・・そうか。さっきのトラックはこれだったのか・・・。しかし、この小包は一体・・・?」
石田 「一体、差出人は誰なんでしょうか・・・?」
カパッ
兄 「うっ・・・箱が開いた!?こ・・・これは!?」
ビュン!!
石田 「な・・・中から何かが飛び出した!?」
ドン!!
兄 「バ・・・バカな、これは・・・咲耶!?」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
眞深 「ハアハア・・・ここがあんちゃんの家だ・・・。あんちゃんは・・・まだきてないのか。
何をもたついているんだ。早く家に辿り着かないと、非血縁エンドを迎える事になるぞ〜。」
ガチャガチャ!
眞深 「ああ・・・なぜこんな鍵がキーが無いと開かないんだ。
いっそのこと力任せに壊してしまえば何とかなるのでは・・・。」
?? 「・・・・・・フフフ・・・・・・何をしようとしているんだい・・・・・・?」
眞深 「だ、誰だ!・・・うっ!!・・・あ・・・あなたは・・・!?」
?? 「・・・・・・鍵を壊すフリをして、鍵穴を詰まらせるつもりかな・・・・・・?」
眞深 「あ、あなたは・・・千影!?魚座(ピスケス)の千影がなぜここに!?」
千影 「・・・・・・フフフ・・・・・・眞深くんと会うのは・・・・・・久方ぶりだね・・・・・・。」
眞深 「な・・・なぜ黄金妹のあなたがあんちゃんの家に!?」
千影 「・・・・・・いや、私の家は一番最後なんでね・・・・・・。
兄くんが来るまで・・・・・・ここに魔法陣でも書いておこうと思ったのさ・・・・・・。」
眞深 「なっ・・・そうはさせるか!!」
千影 「・・・・・・おや?・・・・・・・私に・・・・・・・拳を向けるのかな?・・・・・・感心しないな・・・・・・。」
眞深 「あんちゃんと非血縁エンドを迎えさせるわけには行かない!!くらえっ!!」
オ リ キ ャ ラ フ ァ ン ト ム ア ロ ー !!
千影 「・・・・・・愚かな・・・・・・。」
フッ!
眞深 「な・・・消えた!?」
千影 「・・・・・・白銀妹と黄金妹の違い・・・・・・その身で知るといい・・・・・・!」
眞深 「ば・・・ばかな!?いつの間に私の背後に!?」
千影 「・・・・・・いくよ・・・・・・!!」
ロ イ ヤ ル デ モ ン ク ロ ス !!
眞深 「うわぁ〜〜〜〜っ!!こ、これは十字架!?大量の十字架が私の体を!?」
千影 「・・・・・・フッ・・・・・・動こうとしても無駄だよ、眞深くん・・・・・・その十字架は眞深くんの周りを囲み、
一切の動きを封じるんだよ・・・・・・。」
眞深 「な、なんだって!?」
千影 「・・・・・・さあ・・・・・・そこで魔法陣ができあがるまで、見えているといい・・・・・・。」
眞深 「ああっ、や・・・やめろ!」
千影 「・・・・・・フッ。」
?? 「待て!それ以上、陣を書いたら、命は無いぞ!!」
千影 「・・・・・・誰だい・・・・・・私の邪魔をするのは・・・・・・?」
眞深 「あっ、ああ・・お前たちは・・・・・・!?」
むつき 「ユニコーンの一文字むつき!!」
きさらぎ 「ヒドラの二ノ舞きさらぎ!」
やよい 「ウルフの三世院やよい!!」
うづき 「ライオネットの四天王うづき!!」
さつき 「ベアーの五箇条さつき!!」
千影 「・・・・・・キミたちは・・・・・・ママか・・・・・・!?」
むつき 「いきますよ!!」
むつき 「ユニコーンメイドギャロップ!!」
きさらぎ 「マッドサイエンスポイズン!!」
さつき 「ホイッスルベアー!!」
やよい 「巫女みこハウリング!!」
うづき 「ライオネットコスプレボンバー!!」
ドガガガッ!
千影 「・・・・・・うっ・・・・・・まいったな・・・・・・。さすがに1対5では分が悪い・・・・・・。」
フッ
眞深 「き・・・消えた・・・!?」
やよい 「眞深ちゃん、大丈夫!?」
きさらぎ 「・・・治療が必要です・・・。」
眞深 「それより、あんたら一体今までどこへ姿を消していたんだ!G’sの読者に無断で勝手だぞ!」
やよい 「無断じゃない、私たちは編集部のお許しを得て、誌上とは別の道へ行ってたのよ。」
きさらぎ 「・・・つまりはそういう事です・・・。」
眞深 「なに、誌上とは別の道だと!?バ・・・バカな、連載以外で地道な活動をしてきたという事か!?」
むつき 「そう、みんなそれぞれ、シスプリに敗北した悔しさを胸に、アニメ、ラジオと活動の幅を広げていたの。
萌えを・・・ママ萌えを普及させるためにね。」
うづき 「遅くなってごめんなさい。今からは全力でおにいたまの安全を守るからね!」
さつき 「オレたちが命懸けで戦うからな!」
眞深 「・・・あの、言いにくいんですけど・・・」
むつき 「何かしら?」
眞深 「あの・・・出番はコレで終わりだそうです。」
むつき 「なにぃ!?」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ドン!!
兄 「バ・・・バカな、これは・・・咲耶!?」
石田 「な・・・なんですって!?」
兄 「これは・・・咲耶・・・咲耶のイラストがプリントされた抱き枕だ!!」
石田 「な・・・抱き枕ですって!?」
兄 「う・・・しかしどうして咲耶の抱き枕が僕に飛びついてきたんだ!?
もうちょっとで、危なく押し倒される所だった・・・。」
石田 「はっ!」
兄 「どうした石田くん!?」
石田 「箱の中に、手紙のようなものがありますよ!」
兄 「な・・・なんだこれは!?」
咲耶 『Dear お兄様v
CHAO、お兄様!がんばっているかしら?
今回お兄様争奪戦があるって聞いて、私も参加しようと思ったけど、
ちょっとスケジュールの都合が合わなかったの・・・
悔しいわ・・・せっかくお兄様と結ばれるチャンスだったのに!
でも、他の妹たちにお兄様を取られるのを黙っているわけにはいかないの!
キーは手紙と一緒に同封しておいたから、これを使ってしっかり勝ち残ってね。私とお兄様との約束よv
そして、ホームステイが終わったら、私が実力でお兄様と非血縁エンドを迎えてみせるわ!
だって、私とお兄様は運命の赤い糸で結ばれているんですもの。
そうそう、一緒に送った私の抱き枕は、私の代わりだと思って大切にしてあげてね。
でも、変な事に使っちゃダメよ!w
それじゃ、残りの妹達にも負けないで頑張ってね。See You
Love
Sakuya xxxxx 』
石田 「な・・・なんて書いてあるんですか?」
兄 「つまりはこういう事だ。
『ここを訪れしお兄様・・・お兄様に運命を託す・・・咲耶・・・』と書かれている。
『お兄様に運命を託す・・・』
『お兄様に運命を!』」
石田 「な・・・なんだろう・・・涙が後から後から溢れてくるなんて・・・。」
兄 「体の底からこみ上げてくるこの熱い感情は何だ・・・!?
そして、傷つき失われた力が再び甦ってくるようなこの感動は・・・。」
石田 「咲耶ちゃんは、お兄様がここまで辿り着く事を信じていたんですね・・・
いつ来るか分からないお兄様を・・・永久に誰も訪れないかもしれないこの咲耶ちゃんの家で。」
兄 「咲耶の熱いLOVEがあの僅かな文面から伝わってくる!」
石田 「『お兄ちゃんたち、一人一人の手におまかせする時が来たのでしょう』という、
公野櫻子先生の言葉があります。企画が終了した後、大切な妹達を託せる兄こそ、本当の兄だと!」
兄 「公野・天広両先生は、僕たちに妹を託すといった、最も掛け替えのないものを託してくれた・・・。
両先生、今ここで改めて誓おう!シスプリの妹たちは、僕達が必ず守り抜くと!!」
石田 「・・・話はだいぶ横道にそれましたが、残す妹の家は3つ!時間も僅か3時間です!」
兄 「だけど、よくここまで辿り着けたものだ・・・ここまでこれた事を石田君に感謝するよ!」
石田 「僕は話を繋いだだけですよ・・・おにいたまが力を出し切ったからこそ、これたんです!」
兄 「いいか、この先どんな事があっても負けるんじゃないぞ!」
石田 「この果てしなき星渦巻く銀河で、同じ企画を分かち合って生まれてきた!」
山田 「熱き血潮の兄弟たちよ!!」
兄 「お前、いたのかよ!!」