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第六話 獅子宮・獅子座の雛子

 

兄 「雛子ちゃん、さあ、わがまま言わないで、おにいたまにキーをくれるかな?」

雛子 「ダメ!ヒナ、ぜったいあげないんだから!」

兄 「どうしたんだ、雛子ちゃん?おにいたまの言う事はちゃんと聞くって、この前約束したじゃないか!?
   どうしてそんな聞き分けの無い子になっちゃったんだ?」

雛子 「これはヒナのものだよ!おにいたまには、あげないよー!」

石田 「うう・・・これが雛子・・・獅子座(レオ)の雛子か!?
     まるで取り付く島が無いとはこの事だ・・・一体雛子ちゃんに何があったんだ?」

兄 「だが、もたもたしている暇は無い!こうなったら力ずくでも・・・。」

雛子 「それよりおにいたま、ヒナと遊ぼうよー!」

 ラ イ ト ニ ン グ 抱 っ こ !!

兄 「うわぁぁぁああああ!!」

 バァァァァン!!

兄 「な・・・なんと言う突進力だ・・・。」

石田 「子供は手加減しませんからねぇ・・・。」

雛子 「くししし・・・おにいたとくっついていると、ヒナ、体がポカポカしちゃうよ〜。」

兄 「な・・・なんてかわいいんだ・・・いや、そんな事を言っている場合じゃないんだ。
   雛子ちゃん、おにいたまとお話しようか。」

雛子 「うん、いいよ〜。」

兄 「いいかい雛子ちゃん、あのね、僕は今日の夜中の12時までにお家に入らないと、
   雛子と兄妹じゃなくなっちゃうかもしれないんだよ。」

雛子 「ええ〜っ!・・・おにいたま、ヒナのおにいたまじゃなくなっちゃうの・・・?
     ・・・ヒナ、そんなのいやだよ〜!」

兄 「僕だって嫌さ。・・・さあ、だからそのキーを僕にちょうだい。」

雛子 「・・・う・・・うう〜〜・・・でも、それはダメ!おにいたまには、ぜっっっっったいにあげれないの!」

兄 「うう・・・だめだ、どれだけ説明しても無駄と言うわけか・・・。」

雛子 「くしししし。ねえねえ、おにいたま。今日はヒナとずうーーっと遊ぼーうよ!」

 ラ イ ト ニ ン グ 抱 っ こ !!

兄 「うわぁぁぁっ!!」

 バァァァァン!!

兄 「ぐはっ!・・・だ、だめだ、これはかわす事が出来ない・・・。」

石田 「そうですか?確かに突進力はありますけど、避けれないほどではないと思いますが・・・。」

兄 「なんて事を言うんだ!僕が避けたら、雛子ちゃんが転んじゃうだろうが!」

石田 「なにぃ!?」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


?? 「チェキ!いいデスよ、雛子ちゃん。これでもはや兄チャマに勝ち目は無いデス。
     兄チャマの雛子ちゃんへのやさしさが、自分の首を締めてマスね。

     雛子ちゃんは、兄チャマと会った事が引き金となり、ワガママな子に変身するのデス!
     兄チャマがいる限り、永遠にイイ子に戻る事は無い・・・クッククク・・・。」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ココちゃん 「今日は雛子ちゃんは私と遊んでくれないねぇ・・・どうしちゃったんだろう?」

かえるさん 「はっ、それが・・・今おにいたまがお家に来て一緒に遊んでいるようです。」

ココちゃん 「なに?おにいたまが?・・・ならひとまずは安心だね。」

かえるさん 「さあ、どうですか・・・今日の雛子ちゃんは、いつもの雛子ちゃんではありません。
        雛子ちゃんは今、サビシイサビシイ病におかされているのですよ!」

ココちゃん 「な・・・なんだって!?・・・淋しくて死んじゃうと言われる、あのサビシイサビシイ病にか!?
        バカな、いくら雛子ちゃんが幼いとは言え、もう小学生だ。流石にもう甘える歳でもないだろう。」

かえるさん 「それが、この前雛子ちゃんが可憐ちゃんと遊んでいた時です。
        突然もう一人の妹が現れて・・・・・・。」

 ・・・・・・

ココちゃん 「バカな!!あの妹が雛子ちゃんに・・・おのれ・・・!」

 バッ!

かえるさん 「あっ!ココちゃん、一体どこへ!?」

ココちゃん 「止めるな、かえるさん!雛子ちゃんのところに決まっているだろう!」

かえるさん 「そして、おにいたまの代わりに遊んであげると言うのですか!?」

ココちゃん 「!!」

かえるさん 「ココちゃんがその気でしたらば、この両生類にも考えがあります。」

ココちゃん 「なに!?」

かえるさん 「ごめん!」

 ピピッ!!

ココちゃん 「うっ・・・お前・・・私の服に何をつけた!?」

かえるさん 「ガマの油です・・・ココちゃん、そんなベタベタの服で雛子ちゃんと遊ぶおつもりですか?」

ココちゃん 「か・・・かえるさん、お前・・・。」

かえるさん 「ココちゃん、雛子ちゃんは幼い頃あなたに出会い、いつも一緒に遊べて幸福でした・・・。
        でもやっぱりあなたは縫いぐるみ。どうか、これからも雛子ちゃんと遊んでもらいたいのです・・・。」


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雛子 「くししし・・・ねえ、おにいたま、今度は何して遊ぶ?鬼ごっこ?それともお砂場で遊ぶ?」

兄 「も・・・もう疲れたよ、雛子ちゃん。」

雛子 「だめだよー!今日は寝ないで遊ぶんだからー!
     早く遊んでくれないと、お水ビショビショの刑にしちゃうよー!」

兄 「う・・・うう、やはり違う。今まで何度も雛子ちゃんと遊んでいるが、こんなに甘えんぼさんなのは初めてだ。
   雛子ちゃんは、ロリ・ぷに・チビを兼ね備えた妹の鑑のような子だったはず・・・。」

雛子 「ぶー、おにいたま元気がないの?じゃあ、ヒナが元気のお歌を歌ってあげるね!
     そしたら一緒に遊ぼうねー!」

?? 「まて!」

兄 「だ・・・誰だ一体・・・?」

かえるさん 「雛子ちゃんは、この私と遊ぶんだよ。」

兄 「お・・・お前は・・・か、かえるさん!?」

雛子 「ありり?かえるさんも遊びに来たの?でもね、ヒナは今日はおにいたまと遊ぶのー!
     だから今日はね、かえるさんとは遊べないのー。ごめんね。」

かえるさん 「そうか・・・それなら仕方がない。なら帰ろう・・・と言いたいが事情が変わった。
         うおーっ!!」

 ペタン!

雛子 「い、いや〜〜っ!かえるさん、くっつかないでよ〜っ!」

兄 「かえるさん!?」

かえるさん 「おにいたま、ここは私が押さえる!早く逃げるんだ!!
        雛子ちゃんは今、サビシイサビシイ病になっている!このままだと一生一緒に遊ばされるぞ!」

兄 「な・・・なんだって!?やはりそんなことだったのか!」

かえるさん 「早く!私が雛子ちゃんと遊んでいる間に早く行けー!」

雛子 「だ、だめだよー!おにいたま、行っちゃやだーっ!!」

 プチン!

兄 「な・・・なにい!?バカな!?」

雛子 「あっ・・・!」

兄 「か・・・かえるさんが雛子ちゃんに踏まれてしまった!?」

雛子 「か・・・かえるさん!大丈夫!?」

かえるさん 「・・・・・・。」

雛子 「おにいたま・・・かえるさんが・・・かえるさんが・・・ぐすっ・・・。」

兄 「ま・・・まずい!?」

雛子 「う・・・うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」

兄 「こ・・・これは!?」

 ク ラ イ ン グ プ ラ ズ マ !!

兄 「ぐわぁぁぁっ!!」

石田 「な・・・なんという力だ!!」

兄 「し・・・しまった!雛子ちゃんは一度泣き出すと手がつけられないぞ!」

雛子 「おにいたま・・・おにいたま・・・うえぇぇぇぇぇぇぇぇん!!」

兄 「くっ・・・小宇宙よ!オレに奇跡を与えてくれ!どうか、雛子ちゃんを元のよい子に戻してくれ!!」

 ガバッ!

雛子 「ぐすん・・・ぐす・・・はむ・・・・・・ありり?」

兄 「雛子ちゃん・・・泣き止んだかい?」

石田 「あ・・・あれは、おはぎ!? 雛子ちゃんがダイダイダーイ好きな、おはぎだ!!」

雛子 「うわぁ・・・甘くてほっぺたが落ちちゃうよぉ!ねえねえ、おにいたまも一緒に食べようよ!」

兄 「雛子ちゃん、今日入ったいどうしたんだ?なんでそんなにワガママな子になっちゃったの?」

雛子 「あのね・・・このまえ、変なおねえちゃんが来てね、
     このキーを大切に持ってると、おにいたまとずぅっと遊んでいられるって言ったんだよ。
     だからヒナ、こうやっておててのなかでギュッってして、大事に大事にしてたの。」

兄 「なんだって?変なおねえちゃんってのは誰なんだ!?」

雛子 「う〜ん・・・ヒナわかんない。でもね、おっきなメガネをしてたの。あと、お帽子とね、マントもつけてたよ。」

兄 (ま・・・まさか、あいつ・・・クローバーの仕業なのか?)


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


かえるさん 「いやぁ、もう少しで死ぬかとおもったよ。」

石田 「無事でよかったです。」

かえるさん 「ハハハ・・・雛子ちゃんぐらいの体重なら、潰れる事は無いさ・・・痛ててて・・・。」

雛子 「かえるさん、ごめんね・・・。」

かえるさん 「気にしなくてもいいよ。それよりそんな泣きそうな顔をしないでくれ。
        いつもの元気な雛子ちゃんの笑顔が見たいなぁ。」

兄 「ほら、雛子ちゃん。元気を出してって。」

雛子 「そうだ!かえるさんが早く元気になるように、『痛いの痛いの飛んでけー!』って、してあげるね。」

兄 「・・・な・・・なんてかわいいんだ。」

石田 「・・あの・・・そろそろ次に行かないと・・・。」

兄 「・・・あと3時間ぐらい、ここにいちゃダメか?」

石田 「早く行きますよ!!」

 

 

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