石田 「もう2時間が過ぎました。残り10時間ですね。」
兄 「見えたぞ!あれが四葉の家だ!」
石田 「ですが、おかしいですね・・・。また人の気配がしません。」
兄 「あっ、そうだ。そういえば、四葉は今イギリスのグランパの所へ遊びに入ってるんだった。」
石田 「え!?では、キーは一体どこに?」
兄 「・・・ここでもたもたしている時間もない!よし、このドアをサムターン回しで・・・。」
石田 「な、なにをする気ですか!?」
?? 「オイオイ、ちょっと待てよ〜。」
兄 「ん?僕らを呼び止めるのは誰だ!?」
?? 「冗談きついぜ〜。この顔を忘れたのかよ?」
石田 「なっ!?」
兄 「お・・・お前は!?」
ザンッ!
鞠絵 「お久しぶりですね、春歌ちゃん。リボンを縫って差し上げましょうか?」
春歌 「あ、あなたは鞠絵ちゃん!?いつ日本に!?」
鞠絵 「例の手紙を頂いて、それで日本に駆けつけたわけですよ。それより兄上様と戦われたようですね。」
春歌 「アッハッハ、すっかり兄君さまにやられてしまいましたわ。」
鞠絵 「フッ、ですがあなたが勝負にこだわって、なぎなたを使えば兄上様に勝てたはず。
なぜ不慣れな竹刀などを・・・。」
春歌 「たとえ力で捻じ伏せて兄君さまと非血縁エンドで結ばれても嬉しくありませんわ。
それに、兄君さまと結ばれなくても、妹としてお尽くしする事は出来ると思いましたので・・・。」
鞠絵 「そうですか・・・。」
春歌 「ですが、次の四葉ちゃんとの戦いでは、兄君さまは苦戦なさるかもしれませんね。」
鞠絵 「四葉ちゃん?確か四葉ちゃんからイギリスに行くというメールが届きましたが・・・。」
春歌 「私もそのメールは受け取りました。ですが私はハッキリとこの耳で聞きました。
昨日、四葉ちゃんの家の前を通りかかった時に、家の中から「チェキ〜、チェキ〜」という声がするのを。」
鞠絵 「ま・・・まさか、もしそうなら四葉ちゃんの家での兄上様の戦いは、最も恐ろしい戦いになる!
私の予感が正しければ、四葉ちゃんの家にいるのはおそらく・・・。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
?? 「忘れてもらっちゃこまるぜぃ。」
石田 「お・・・。」
兄 「お・・・お前は、山田!?」
山田 「そうだぜ。ボクちんを置いていくのはずるいぜぃ。」
兄 「いや〜、お前どこに行ってたんだよ!(すっかり忘れてたな。)」
石田 「大変だったんですよ。(いないのに全く気付きませんでしたね。)」
山田 「実は突然鞠絵ちゃんの眼が光ったと思ったら、いつのまにかプロミスト・アイランドにいて・・・。」
石田 「ど、どうやって戻ってきたんですか!?」
?? 「フフフ・・・人の事より自分の事を心配した方がいいデスよ。」
石田 「ん!?誰かいるんですか!?」
山田 「お・・・お前は!?」
兄 「怪盗クローバー!?」
クローバー 「ふはははは、違うよ兄チャマ・・・いや、名探偵スペードくん。
“美少女”怪盗クローバーデスよ。」
兄 「一体何故お前がこんな所に!?」
クローバー 「いやなに、またカワイイ四葉ちゃんをさらっちゃおうと思ったのだ。ふははは。
・・・だが、どうやら四葉ちゃんはここにはいないようデスね。」
兄 「四葉を誘拐だと!?そんなことしてみろ、ボクが許さないぞ!」
クローバー 「安心したまえ。気が変わった。四葉ちゃんをさらうのは止めたデス。その代わり・・・。」
兄 「代わりに・・・なんだ!?」
クローバー 「スペードくん・・・君を捕まえる事にしたよ。
さあ、この私の真の力の恐ろしさをとくとみるがいいデス!」
兄 「な・・・なにぃ!?」
石田 「これはーっ!?」
ア ナ ザ ー リ ー フ デ ィ メ ン シ ョ ン !!
兄 「な・・・空間が裂けた!?」
石田 「う・・・吸い込まれる・・・!?」
山田 「うわぁ〜〜〜っ!!」
兄 「や・・・山田が吸い込まれていく!?」
フッ!
石田 「き・・・消えた!?」
兄 「クローバー!山田は一体どこへ消えたんだ!?」
クローバー 「ふははは。アナザーリーフディメンション。つまりエロゲーの世界へ飛ばされたのデス。」
石田 「なにぃ、エロゲーの世界!?」
クローバー 「そうデス。一度ハマったらなかなか抜け出る事の出来ないエロゲーの世界を、
山田はこの先ずっと漂い続けるのデス・・・未来永劫、永遠にな・・・フフフ・・・。」
兄 「な・・・なんという恐ろしい技なんだ。」
クローバー 「フッ・・・今頃「マルチ萌え〜」「ふきふき〜」とか言ってるかもしれないデスね。」
石田 「・・・しかし、あの人は復帰したと思ったら、またすぐに消えるんですね・・・。」
クローバー 「さあ、スペード君も今度こそ飛んでいくデス!!」
ア ナ ザ ー リ ー フ デ ィ メ ン シ ョ ン !!
兄 「う・・・うわぁ!!吸い込まれる!!」
クローバー 「ふははは。心配しなくてもいいデス。スペード君だけは後で出してあげマスから・・・。」
兄 「も・・・もうダメだ・・・。」
クローバー 「さらばだ、スペード君!!」
バシッ!!
クローバー 「うっ!!」
ドサッ!!
兄 「うう・・・ここは・・・元の四葉の家?・・・助かったのか・・・?」
クローバー 「い・・・痛いチェキ〜。頭に何か当ったデス。一体何が・・・?
・・・こ、これは・・・シャープペンシル!?
・・・バカな!?・・・一体誰がチェキの邪魔をしたんデスか!?」
兄 「・・・な・・・なんだ・・・?」
クローバー 「おのれ・・・絶対に犯人を見つけてやるデス。この千里眼虫眼鏡を使うデスよ・・・。」
(検索中・・・)
クローバー 「見えた!街が見えるデス!どこか見覚えのある街デスね・・・。
ここに犯人が・・・うっ・・・こ、これは・・・!?」
ガシャーン!!
石田 「・・・ん?」
兄 「虫眼鏡を落とした!?」
クローバー 「ばかな!?何故あの男が、私の邪魔を!?」
石田 「動揺していますね・・・一体何が?」
クローバー 「・・・仕方ない。スペード君、今回は一旦退かせてもらうデス。
でも、また近い内に逢う事になると思いマス。ふはははは。」
ガッ!
兄 「待て、一体お前の正体はなんなんだ!」
石田 「いや、正体って普通わかるでしょ・・・。」
クローバー 「い・・・痛いチェキ〜!離すチェキよ〜!」
チャリーン!
石田 「ん・・・これは!?」
兄 「キー!?なぜクローバーがキーを持っているんだ!?」
クローバー 「ふはははは。スペード君、また逢おう。さらばだ。」
兄 「あっ・・・待て!・・・・・・しまった、逃がしたか・・・。」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
ドシャッ!
山田 「う・・・ボ・・・ボクちんは一体どこをさまよっていたんだ・・・。
なんかとっても幸せな夢を見ていた様な気がするけど・・・。
にしても、あのメイドロボから逃げれたのはいいが、ここは一体どこなんだ?
・・・まさか、またプロミストアイランドに?」
ザッ!
?? 「いや〜ん、ですの〜!急に男の人が降って来たんですの〜!」
山田 「え・・・ええっ・・・キミは・・・白雪ちゃん・・・!?
・・・水瓶座(アクエリアス)の白雪か!?」
白雪 「や・・・山田さん!?お久しぶりですの。でも、なんでこんな所にいるんですの?」
山田 「白雪ちゃんがいるという事は、ここは白雪ちゃん家なの?」
白雪 「違うんですの。ここは衛ちゃんの家の前ですの。」
山田 「衛ちゃん家?でも、なんでこんな所に白雪ちゃんが?」
白雪 「姫は衛ちゃんに、お砂糖を借りにきただけですの。それより山田さんは何でこんな所にいるんですの?」
山田 「いや、それがボクちんにもわからなくて・・・にしても・・・。」
白雪 「な・・・何を見てるんですの!?」
山田 「いや〜、そのお弁当、おいしそうだな〜って思ってさぁ・・・ちょっとちょうだいよ〜。」
白雪 「だ・・・ダメですの!!これはにいさまに食べてもらう大事なお弁当ですの!!」
山田 「いいじゃんケチ〜。ねえ、ちょっとだけだからさぁ〜。」
白雪 「さ・・・さわっちゃダメですの〜!!」
山田 「おいしそうだな〜。ぐへへ〜。」
白雪 「も・・・もう姫は怒ったですの!!」
ゴゴゴゴゴ
山田 「・・・な・・・なんだ!?白雪ちゃんの萌えが膨れ上がっていく!?」
白雪 「山田さん、覚悟するんですの!!」
山田 「おお、ステンレスの容器を振りかぶった!?
・・・そして、その容器の口から、とうとうと煌きながらほとばしる・・・あれは・・・。」
オ ー ロ ラ ス イ ー ト デ コ レ ー シ ョ ン !!
山田 「う・・・うわぁ〜〜〜〜〜〜っ・・・・・・・・・。」