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悪役1号(帝国陸軍仕様)

製作記


 大日本絵画刊『宮崎駿の雑想ノート』の第3話「多砲塔の出番」に登場する戦車です。宮崎駿の妄想を、タスカというメーカーが形にしてしまいました。

 宮崎氏の妄想を形にしただけあって、戦車モデラーの私としては、正直作りにくいです。というか、これは完全にキャラクターモデルですね・・・・まっ、当然ですが。大量のパーツの合わせ目消しとか、正直ガンプラを作っている気分になります。息抜きのつもりでつくり始めたら、逆にイライラしてきました。てか、ヒケが多いがや!!(怒りの名古屋弁モード) 側面下部の裏側に、転輪取り付け用の棒がずらりと並んでいるのですが、ここが全てヒケているっ!しかもリベットいっぱいでペーパーがかけづらい。もう、泥でも塗りたくろうかとも思いましたが、根性で整形しました。パーツが所々白いのは、サーフェイサーを吹いて、合わせ目やヒケの消え具合をチェックしたためです。

 にしても、めっちゃ砲塔が多いです。萌えます。実在したソ連の多砲塔戦車、「T-28」や「T-35」を組んでみたくなりました。・・・・在庫の山のどっかにあったはずですが。

 で、私なりのリアリティーの追求なんですが、「こんな丸い砲塔はどうやって製造されるだろうか?」ということを考えました。まぁ、そもそもこんな量産に不向きなデザインは、現実世界では採用するはずないのですが。そんなことは置いといて、この球体を再現するにはきっと鋳造するしかないだろうということになりました。戦車モデラーなら容易に思いつく結果ではありますが(汗)

 ってことで、砲塔などの球状の物体に、鋳造跡表現を施しました。方法は、最もポピュラーな「流し込み接着剤と筆で表面を荒らす」という方法です。これに使った筆は、本当にヤバくなります。なので、要らない筆やることをお奨めします。

 履帯は、ベルトにスパイクを1つずつ接着していく方法です。新鮮で、結構楽しい作業でした。真ん中のは、車体中央につけるバリケード走破用履帯。戦車のお腹がつっかえないようにってことみたいですね。さすが、目の付け所が違います。

 私の部屋には、小さなクモさんが1匹住み着いているんですが、なんとこのクモさんが悪役の履帯の爪の隙間に巣を作ってました(汗)別に長期間放置してたんじゃないですよ、わずか数十分の間に・・・・よほど心地よい隙間だったんだろうか??

 このキット、履帯をはじめとして、あちこち可動するんですが、1つだけ可動になっていないものを発見しちゃいました。車体に設置されたボールマウント機銃であります。「これは可動にするしかないっ!」ってことでプチ整形しました。多分改造を施すのは、ここくらいじゃないですかねぇ?てことで、以下5葉は、ボールマウント機銃可動化工作です。めっちゃシンプルなので、是非やってみてくださいまし。

 まず、用意したのはケガキ針、テンプレート、0.5ミリのプラバン。テンプレートは、KOTOBUKIYAのモデリングテンプレートというのを使っています。プラバンに穴を開ける以外に、透明プラバンをくり抜いて、ヘッドライトレンズなどを作るのにも使っています。

 直径4ミリのテンプレートで、ある程度キズをつけたら、あとは外してグリグリしちゃいます。結構適当でもいいです。この時、写真のように少し外に倒しながらグリグリすると、断面が斜めになって、ボールマウントにぴったりフィットしますよ。

 適当なサイズに切り出したのがこれ。あとは、ボール部分に接着剤がつかないように、本体につけましょう。キットのボールマウントには、なんかよく分からないポッチ(写真参照)が出ています。このままでは、機銃が自由に回らないので、一思いに削りましょう。

 くっつけると、こんな感じ。これで、しっかりついています。

 因みに、タイトルのところにある「○○○軍仕様」についてですが、塗装によって、実在するある軍隊の車両に仕上げてみようかと。宮崎氏の設定では、悪役1号は、1930年代に開発されたとか。当時の某国軍隊仕様にしてみようと思います。さてさて、もっと製作のピッチを上げていかねば・・・・

2005年7月30日

 一晩でここまでいきました。組み立てはほぼ終了です。合わせ目や、ヒケを消す作業が終わってからは、サクサク組めました。

 後ろから見るとこんな感じ。超壕用の尾体がイケてますねぇ。

 何何?更新が早くないかって?そりゃもう、夏休みですから。暇大学生ですから。・・・・卒論まだやってませんからっ!

 サイドの張り出し部分を取ると、中はこんな感じ。てか、こっちの方がかっこいいかも。さて、明日マスキングゾルを買って来たら、塗装しようかと。

2005年7月31日

 マスキングテープと、マスキングゾルを使って塗装しました。マスキングをはがす瞬間が、一番楽しみであります。・・・・・・がっ!!!!

 剥がしてビックリしやした。今回、私はMr.Hobbyの「Mr.マスキング・ゾルNEO」を使用しました。NEOがなんか、新型っぽかったので。しか〜〜し・・・・・使用方法には、こう書いてありました。「Mr.マスキング・ゾルNEOは塗料におかされません☆」・・・・って、お前が塗料おかしとるがや〜(怒りの名古屋弁Part2)もう、面白いくらい、ゾルと一緒に塗料が剥げました。そこで、レタッチという名の再塗装を行う羽目に(涙)これじゃぁ、油粘土でマスキングした方がええがや〜

 で、キレイにお化粧直ししたのがこれです。朝9時にマスキングを剥がし始めて、この状態になった時には太陽が沈んでおりました。

 もうお分かりですかね?日本陸軍迷彩です。やっぱり、黄帯がよい☆迷彩の境界を黒線で仕切ったバージョンにしました。レタッチで不鮮明になった境界をごまかす意味も込めて・・・

 でもまぁ、このバカでかい車体に、縁取り迷彩って、菱形戦車っぽくていいっす。この前買ったマークW、組みたいなぁ。ちょうど、雄雌買ってきたし。機関銃がどうしようもなくしょぼくて、自作しないかんけど・・・・

 後ろから。ここで発覚したのですが、可動部分の銃塔類を回すと、あれよあれよと塗料が剥げる・・・・こりゃ、完成しても、遊べそうにないなぁ。キャラクターモデル作る人たちって、こういう問題をどうしてるんでしょうかねぇ?どなたか教えてくださいまし。

 車体下部と足回りは、ラッカーパテに麻紐を混ぜた泥を、塗りたくっています。決して側面のヒケを消すのが面倒になったからではございません。本当です・・・・

さてさて、あとは汚しなど、仕上げをしたら終わりです。でも、ここからの道のりが長い。

2005年8月3日