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Fit-PC2の特設ページ(2010/04/10作成)(2010/08/19更新)



  完全無音PC(ただしSSDの場合)のFit-PC2の特設ページです。







  便利なリンク

  有限会社イーテック(CompuLab社代理店)のFit-PC2公式サイト
  Fit-PC2公式サイト(英語)

  Fit-PC2が購入できるオリオスペック



  はじめに

  DNRH-002(イオシスのアレ)を購入し、いかに無音PCが難しいかを悟りました。
  DNRH-002は涼しい時は最高峰の性能なんですが、いかんせんシステムが古く保守が難しく、
  35度を超える部屋では熱暴走してCPU使用率100%になるため、夏でも安定して使える無音PCを探していました。
  そんな中、2009年6月にFitPC2という小型PCがあることを発見し、2009年7月に購入しました。

  このPCが何故すごいかというのを簡単に説明します。
  (1)軽い。片手どころか指先でつまんで持てます。
  (2)小さい。3.5インチのHDDより小さいです。
  (3)無音。動いていて全く気になりません。
  (4)思ったより高性能。Intel x86系だけあって、無音PCというジャンルでは最強です。
  (5)低消費電力。7〜13W(搭載するSSDやHDDや外付けUSB機器で上下する)という、ワットチェッカーでの実測値でした。
  (6)簡単。SSDやHDDを用意して組み込むだけです。
  Atomのノートブックと同じ性能ですので、一般の方にはAtomノートPCをお勧めします。
  AtomのノートブックにはOS、HDD、液晶画面、電池、キーボードが付いて4万円くらいです。
  大切なのでもう一度言います。CPUの性能はAtomノートブックと全く同じです。

  このPCは24時間起動しっぱなしのLinuxやWindowsを実現したい方にお勧めです。



  次に〜OS選択

  公式サイトでサポートされているOSのインストールがお勧めです。

  私はまず、Ubuntu8.04(日本語版)をインストールしようとしましたが、SATAのSSDを認識しませんでした。
  インストール時にコマンドラインで、HDDやSSDが認識するようにゆるい設定にしましょう。
  その後、公式サイトにあるグラフィック設定をすれば、1920×1080表示ができます。
  また、H.264動画が再生できるようにもなります。公式で推奨されているUbuntuを使うと幸せになれます。

  WindowsXPは、すんなりインストールできました。



  実際に利用する際の注意点

  (1)本体が熱くなります。発熱が少ないサムソンまたはインテルのSSDや、評判が良いHDDを使用するこをお勧めします。
  (2)BIOSが古い場合、BIOSアップデートが必要です。
  (3)バスパワーのUSB機器は消費電力が小さいものを接続するようにしてください。
  (4)HDMIから音が出ません。DVI接続用と思ってください。

  なお、気温35度(実測・西日の当る部屋)でも余裕で連続正常動作しました。2009年夏を乗り切った実績があります。
  本体が冷却用ヒートシンクなので、本体を冷やせる環境に置いてください。



  利用方法

  (1)個人用プチLinuxサーバ
  WEB、DB、iTunesサーバに向いています。似たようなLinuxサーバ(玄箱、QNAPファンレス系)より圧倒的に性能がいいためです。
  ただし、本体に搭載できるのが2.5インチSSDやHDDのため、大容量が必要なファイルサーバには向きません。

  (2)常時起動WindowsPC
  起動時間0、待機電力7WのWindowsPC。軽いWEBブラウジング作業ならイライラしないし、
  大画面にHDMI接続すればAtomノートブックより快適。
  ただし、ニコニコ動画やYouTubeや重いページは苦手です。Atomノートブックと同じ性能なのです。



  検証1〜H.264動画再生について

  公式サイトで謳われている「HD動画再生可能」が本当かどうか検証しました。
  実際、H.264動画を再生してみると、意外と再生できます。
  しかし、UbuntuとWindowsXPにおいて、インターレース縞のような動画の乱れが見えます。
  WindowsXPの場合(元の動画はH.264の1920×1080の24pハイビジョン動画)
  


  Ubuntu8.04LTSの場合(元の動画はH.264の1920×1080の24pハイビジョン動画)
  

  WindowsXPの場合は画面上部が乱れ、Ubuntuは動きの激しいシーンでこのように縞となります。
  Ubuntuはあまり乱れませんが、Windowsは上部に動きがあるときほぼすべてのシーンで縞となります。
  HD動画でなくSD動画でも、フルスクリーンにすると乱れます。
  HD動画を1920×1080ではなく、小さく表示すると綺麗に見れます。

  よって、H.264の動画のデコード処理は成功していますが、グラフィックの描画が間に合ってない、
  と考えられます。ドライバ、またはBIOSの対応がされれば直るかもしれません。
  また、ディスプレイの解像度を1920×1080にしてフルスクリーン再生したときは、
  コマ落ちが発生しています。本当に描画が間に合ってません。
  

  ※ディスプレイの解像度を1280×720にしてフルスクリーン再生するとコマ落ちはしませんが、
  画面上から1/3のところに垂直同期ズレが発生します。
  また、ディスプレイの解像度が1920×1080であっても、動画の解像度が1280×720であれば、
  フルスクリーンで再生してもコマ落ちしません。

  結論
  Fit-PC2で再生する場合は、1280×720で24pか30pのH.264動画にエンコードするのがお勧め。
  動画再生支援を使えば、動画を楽しく見られます。(ただし垂直同期ミスあり)



  検証2〜外気温が高温時の動作について

  ファンレス機構のため、不安定動作になったり、CPU100%になりサーバ機能や動画再生が明らかにおかしくなるかどうかを
  2010年夏に検証します。(続く)
  なんとなくいろんなことが分かってきました。



  検証3〜スペックはどのくらい?

  Atom Z530の性能通りです。Pentium4 1.6GHzと同程度です。
  Core 2 Duoの900MHz程度、PhenomIIの850MHz、Core i7の800MHz相当です。

  実際のベンチマーク結果はこちら。
  
  2010年時、このスコアは6万円のPCの1/8程度のスコアです。



  このPCの良いところ、悪いところ

  ○無音なので、つけっぱなしでも夜に気になって起きたりせずに済みます。
  ○10Wくらいの省電力なので、つけっぱなしでも電気代が気になりません。
  ○回転する部品がないので、保守が楽です。ホコリを取り除くため、PCを開けたりせずに済みます。
  ○電源とHDDの動作表示LEDが、まぶしくない緑色なので目に優しいです。
  ○Windowsのちょっとしたソフトウェアを常時起動する、個人レベルでLinuxのサーバ機能を利用するには便利です。
  ×SATA接続のSSDやHDDが使えますが、内部ではPCI経由のIDE接続になっています。
  ×本体全体がヒートシンクなので、本体は多少熱を持ちます。
  ×本体裏面に滑り止めがないので、置く場所によっては滑ります。
  ×ACアダプタや電池などをOSが誤認識して、見苦しいところがあります。
  ×拡張性がないため、拡張性を楽しむことはできません。



  備考

  (1)新製品にFit-PC2iがありますが、CPUがAtom Z530なので計算能力に変化はありません。
  USBの数を取るか、NICの数を取るかの差が大きな違いです。
  (2)Atom Z510のものがありますが、これは70%の性能しか出せない製品でお勧めしません。
  (3)OCできますが、PCI-Eのクロックも同時に上がるので、PCI-E接続のNICが使えなくなるので、
  OCはしないほうがいいです。このPCは計算能力よりも安定を求めるほうが懸命でしょう。
  (4)NICは蟹です。



  2010年〜夏〜

  猛暑となりました。そんな暑い中、私が仕事中も寝てる間も2台のFit-PC2は動作を続けました。
  そして、暑い日の温度ログが取れました。
  
  17時、室温37度のとき、CPU温度は50度程度でした。詳しく知りたい方は「ジャンパー家ページ(プログラミング系)」へ。
  暑くても安定して動く無音PCとして実証されました。

  なお、普通の暑い日にORTHOSを回した場合は次のようになりました。(ORTHOSとはCPUとメモリに負荷を与えるソフトウェアです)
  
  17時、室温34度で60度までCPU温度が上昇しています。なお、17時でエアコンを入れ、20時でORTHOSを止めました。
  暑い部屋でも普通にORTHOSが動きながら温度計プログラムも動作していたことを証明しています。

  注意してほしいのが「本体がCPUヒートシンク」であることです。
  本体内蔵のSSDやHDDは、CPU温度と同じ温度になります。
  HDDの動作保障温度は大体55度までなので、高音は故障の原因となります。
  SSDの場合は0度〜70度でこれを上回ると危険です。


  室温とFit-PC2のCPU温度差は、CPU使用率1%未満のアイドル時や100%のフルロード時に平衡していることがわかりました。
  残念ながらCPU温度は36度以下は計測できませんが、室温とCPU使用率がわかれば推測できます。

  最後に、Fit-PC2本体は高温になる可能性があるのでさわらないでください!



  いろいろわかってきたけど、どーでもいい余談

  どーでもいい余談1
  Computerworld.jpの「データセンターの空調は27℃で十分」――グーグル幹部が語る省電力対策の記事にあるように、
  Fit-PC2は室温27〜28度で、CPU使用率100%でもCPU温度は50度なので冷却は十分間にあっています。
  ファンのついている強力なXeonと非力なファンレスAtomを比べるのは意味が無いですが、PCを動かす部屋の温度には最適温度があり、
  googleの場合は27度だそうです。人間とFit-PC2が共存できる温度の最高は28度だということが分かってきました。最低温度はいくらだろう?

  どーでもいい余談2
  Gigazine「Googleによると、ハードディスクは温度や使用頻度に関係なく故障する」記事からすると、HDDの温度45度越えは寿命に関係しています。
  よって、室温とCPU温度の関係が分かった以上、Fit-PC2にHDDを載せるのはあまりお勧めしません。

  どーでもいい余談3
  同じ部屋でファンつきのPCを動かしたらCPU温度変化はどうなんだろう?
  Fit-PC2に扇風機で冷却したらどうなんだろう?
  とりあえず時間があればやってみます。



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