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折口信夫の正体!?

 11月某日、私はこんな文章に出会いました。角川春樹氏がクスリやってて逮捕された件について、日本最強の評論家とされる福田和也氏が述べたものです。
 だいたいせがれがホモだとか、春樹はヤク中だとか文句つけてるけど、男色もコカインも本当は由緒正しいんだぞ。角川書店の創業者で春樹さんの親父の角川源義は、折口信夫っていう学者の弟子だった。
 この折口ってのは、角川さん以上の大天才でね、それまでの国文学の歴史をみんなひっくり返したとんでもない奴で、今どきの学者は折口の仕事の残り滓をあさって辛うじて偉そうな顔をしてるってほどの大学者なんだ。コカインとホモもすごかった。まぁ戦前はコカインは非合法じゃなかったから薬局いけば買えたんだ。それでも折口先生は吸いすぎて鼻の粘膜がボロボロになって血を噴いたっていうからね。実際鼻血だらけの原稿用紙が残ってるんだ。角川さんの口の回りがただれてたなんて、可愛いもんだよ。
 それに少年愛でね、弟子はみんな丸刈りにしてメガネをかけさせていた。それが先生のお好みだったんだな。目星をつけたのには、しつこくしつこく迫って、学問は頭からだけ入るもんじゃないとかいって襲ったり。与太じゃないよ、命からがら逃げた弟子がちゃんと書いているんだから。

福田和也『人でなし稼業』新潮社 H11.8/1 P21


 國學院大學出身の泉獺です。大学じゃこんなこと教えてくれませんでした。でもまあ、大学の方も教えたくはないでしょうね。
 ちなみに、大学で教えてくれたのは、折口信夫は教室の隅に座ってメモを片手にブツブツ言いながら授業をやっていたとか、大勢の学生を自宅に下宿させていたので財務は破産状態だったとか、あとは中学生時代ホモだったって告白していることですかね。
 それにしてもすごい人間がいたものですな。いや、大学にいても、この人の全集がズラーッと並んでいましたから、すごいというのはわかっていましたけど、まさかここまでとは思いも寄りませんでした。

 私のカードワースシナリオに登場する折口信夫はそんなキャラクターではないのですが(貧乏なのは一緒)、福田和也氏のこの文章を読んでしまっては、変化は免れません。とりあえずコカイン中毒とショタホモってのは使えそうです。

(追伸@H17.2/25)その後、拙作のCWシナリオ「ある日…11」でショタホモってのを出しておきました。いや、シナリオ自体はヒドイ出来なんですがね。
 それじゃあ次はコカイン中毒だ! って言っても、ネタがちょっと出てこないので、それはまたずっと先の話かと思います。来年あたり…じゃ遅いかな?
著・泉獺 (H16.12/5)
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