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「働く価値って何ですか? 若者VS大人」報告書

日時平成18年3月26日(日)13:00〜16:45
場所東京しごとセンター(飯田橋)
入場料無料(入退場自由)
第1部 「小さくまとまるな!」
大人VS若者たちのトークセッション
13:00-14:30(予定)→13:10-14:45(実際)
第2部 若者応援ライブ!
「スペシャルゲストが語る価値観!」工藤啓VS室井佑月
14:45-16:45(予定)→15:10-16:45(実際)

 そもそも私がこのイベントに参加するきっかけとなったのは、ニートサポートナビにあります。私はそこにニートとして登録していて、ある日、サイトを覗いたらこのイベントの告知があり、数分の沈思黙考の後、行くことを決意。
 有料会員のページに入って掲示板にそのことを書くと、多少の反響(レス)があり、引くに引けない状態になりました。ここで逃げたら彼らに会わせる顔がない(笑)。
 又、掲示板で「報告する」と宣言してしまいましたので、なにがしかを書かないといけない。しかし掲示板というスペースの都合上、長く詳細な文章は無理なので、短くまとめたものを掲示板に記述し、こちらでは写真を入れながら長文を書きたいと思います。

旅立ち
 黄緑色のネクタイを締め(ええと…ネクタイピンはどこだったかな?)、スーツを着て(本当に久しぶり!)、飯田橋へ。JR総務線・飯田橋駅から東へ歩いて東京しごとセンターへ。
 受付開始時刻11時半に到着し、速攻で受付を済ませたので、2番の席をゲット。
 1Fの受付ではこのセミナーのアンケート用紙と東京しごとセンター利用者申込書を貰い、貼り紙の指示に従って地下へ。講堂の前にはパソコンが複数台あり、無料で適性診断ができるとのこと(私の診断結果は後ほど報告します)。
 会場へ入ると、外国の名も知れぬシャレた音楽が流れていて、いい雰囲気を出しています。座席の上にはセンターの茶封筒があり、中にはグッズやらチラシやらが入っていました。
 尚、予約者先着250名にプレゼントされるプレゼントされるグッズは、携帯電話の液晶クリーナーでした。

会場の東京しごとセンター。建物が大きすぎて写真に収まりきれませんでした。ちなみに私がここへ来るのは初めて。 帰り際に撮影。講堂入り口。既に撤収されていますが、左側で適正診断が行われていました。 手に入れた資料の数々。パンフレットに、ポケットティッシュに、液晶クリーナーに…。

 開始10分前に立ち上がって背伸びをしながら客席全体を見渡すと、殆どがナウなヤング。しかも私を含めて背広組は一握りしかおらず、圧倒的多数は普段着で、ジャケットを着ていればいい方だという有様。まあ、面接ではないからそんなに畏(かしこ)まる必要はないし、気軽に参加してもらいたいという主催者側の意向もありますから、別に眉をひそめることもないでしょう。でも、スーツで固めておけば、服装のことでとやかく言われなくてすむと思います。少なくとも私はそう思って背広姿で来ました。
 ちなみに、中高年の姿もチラホラ。おそらく息子さん・娘さんのことでお悩みなのではないでしょうか。

第1部
「小さくまとまるな!」大人VS若者たちのトークセッション
出演
(大人)
五十嵐公彦(株)レディースニューヨーカー人事担当
田口めぐみ(株)レディースニューヨーカー人事担当
大川進居酒屋「四角い亭」オーナー
奈月みか女優兼講師(元宝塚)
後藤聖樹化学メーカー研究職
出演
(若者)
小野、滝本、日高、高村、田中、
イナバ、安達、相田(敬称略)
※左側が大人チーム。右側が若者チーム。
 「VS」とありますが、ディベート形式ではなく、司会が質問を発してそれに各氏が答えるというものでした。

Q(若者チームに質問)なぜ皆さんは、仕事を探しているのか?
日高:(東京しごと)センターを利用しようと思ったきっかけは、私は警備員をやっていたのですが、警備員は社会保障とかないんですね。それで将来が不安になって辞めたら色々あって動けなくなって(※1)、清水(※2)の舞台から飛び降りるつもりで(センターに来ました)。
小野:自分は自己実現の場を探している。(ここで司会から「自己実現ってどういうこと?」と突っ込まれ)自己実現とは自分の夢を実現すること、だと今は思っている。
高村:大学3年生になって、「就職活動しなさい」という流れの中で自分なりに考えて、(その結果)仕事は自己実現の場と思いました。また、社会に貢献したいし、親のすねをかじってきたので親に恩返ししたい。
相田:自分は大学を中退しました。「どうしたらいいんだろう?」と考えて、辿り着いたのがここ(東京しごとセンター)だった。ここでお世話になって「何がしたいか」がわかり、就職できました。
イナバ:私の場合はお金です。長い間学生生活を送って親のすねをかじっていて、そろそろ自立したいと思っています。それから、自分がやっていて楽しいと思える仕事がしたいです。
田中:「人生を豊かにしたい」「このままでいいのだろうか?」と思い、ここ(東京しごとセンター)に来ました。正直、うまくやっていけるか不安ですが、(会社から)内定を貰ったんだからこれも縁だと思い、行ってきます。
滝本:(仕事をするのは)楽しいからです。(今の仕事は)楽しいです!(※3)

Q(大人に質問)今の仕事になぜ就いたのですか?
後藤:新卒で就職した時は「こうしたい」というのは決まっていなかった。(その時は)待遇がよさそうなので入社しました。
 働いているとイヤなことが多い。しかし、そういうことを乗り越えた時は喜びも大きい。(私は)それを肥やしに頑張っている。
 結婚して子供ができると、「自分も頑張らなければ」と思うようになった。
 仕事に限らないんですが、認めてもらえると嬉しい。「良かったよ」と言われると小さなことでも嬉しい。(※4)
大川:15年間企業に入って仕事(※5)をしていく中で、「もっと個人とアナログ的に、マンツーマンで関わる仕事をしたい」と思うようになりました。
 又、土日に家でゴロゴロしていると、妻から「ゴハンでも作りなさい」と言われ、最初は冷凍ピザをレンジでチンするだけだったのが、料理にハマってきて、そのうち生地から作るようになってきました。
 この2つがリンケージして居酒屋の経営になりました。
奈月:「仕事って何だろう?」っていつも思っています。中学1年で宝塚に出会い、入りたいと思いました。まさかそれが(舞台女優という)仕事に結びつくとは思わなかった。
五十嵐:中学・高校・大学と、ずっとサッカーをやっていました(※6)。全く考えずに大学4年間を過ごし、知り合いのツテで全く関心のなかったアパレル会社に入り、このコワモテの顔(※7)で婦人服売り場に配属されました。知識が全然ないからそこで先輩のオバチャン社員たちにいじめられるわけですが、まずはこのオバチャンたちに誉められたいと思って勉強しました。
 今は採用を担当しています。自分が採用した人が以下に早く活躍するかが今のやりがいです。
田口:今の会社に入ったきっかけは…。そもそも私は洋服とかおしゃれ好きで、「デパートで働いたら社員割引で洋服が安く変えるかな〜♪」と思ってデパートの洋服売り場でバイトをしたら楽しくて、でも、就職活動するときはそっちへ進むとは考えていませんでした。でも、就職活動がうまく行かない中で、バイト先の社員に社員の仕事内容を訊いたら、自分でもできそうだなと思いました。それで(入社試験を)受けたら、受かってしまった。そんなに無理しないで、このままの自分でいいと思いました。

Q(大人に質問)今、何のために働いているのですか?
後藤:2つあります。1つは、家庭があるということ。生活するためにはお金が必要です。もう1つは、今の自分より明日の自分は大きくなっていたいという欲求があり、それを満たすため。
田口:仕事を通して知識やスキルなど得るものが多いので(働いている)。
五十嵐:生活をするため。人のため、誰かのため。
奈月:自分らしく生きるため。
大川:家族を含めて楽しく生きていくために仕事をしています。

Q(若者に質問)なぜ、その仕事に就いたのですか? あるいは仕事に就いていない方は、目標・したい仕事はありますか? 又、どうやってそれを見つけましたか? そして、働くことに不安や楽しみはありますか?
安達:右往左往しながら(建築資材の施行管理という今の仕事に)辿り着きました。
小野:私は地元が青森ですが、私の目標は青森を発展させることです。そのために今、いろんな会社にアプローチしています。青森は鉄鋼など第二次産業が盛んなので、第2次産業の会社に入って、将来は青森に帰って「何らかの大きい仕事」をしたい。会社を作るか政治家になるか…(※8)。
日高:ここ(東京しごとセンター)に来た時は何がやりたいかはっきりしていませんでした。
 そもそも私は人と話すのが好きなんですが、話が長い。そこで聞き上手になりたいと思い、そうなる仕事を探してみると、オフィスコーヒーの機械をレンタルする会社の営業に辿り着きました。
 コーヒーを飲んでみるとインスピレーションが沸くので、コーヒーショップもいいかもしれないと思いましたが、私はサッカーのFC東京を応援していて、試合のある土日に働くコーヒーショップは×。営業なら土日は休めるので。
 自分らしく、自然にできれば、失敗してもやっていける気がしています。
相田:「定時に帰れる仕事ないかな〜」と探したんですがなかなか(入社試験を)通らなかった。そこで一度リセットして、営業という仕事が自分に向いているんじゃないかと思いました。求人広告はいろんな仕事を扱っています。
(面接で)自分がやってきたことを人事にぶつけて「あ〜、君が入ってきたら面白そうだね」と言われた会社に入りました。
(今の仕事は)自分自身のためになる、営業を通して人と出会える。ちなみに当初の希望だった定時には帰れていません。
田中:就職活動中、物事を考えすぎて投げ槍になってしまいました。そこでセンターの先生に相談したところ、「視点を変えてみたら」とアドバイスされ、一旦(就職活動から)離れて5ヶ月間アルバイトしました。そのバイト先の電気工事の配線でモノヅクリに目覚めました。又、アルバイトしながら合同説明会に行き、今の会社に入りました。

Q(大人に質問)フリーターやニートなど、今、悩んだり、踏み出せない人たちに対してアドバイスをどうぞ。
大川:自分は新人類と言われた世代です。上の世代から「何を考えているかわからない」と言われていた世代です。
 就職活動した時、僕自身はあまり悩みませんでした。最初の会社を2年で辞めてから悩みました。それを隠すために昼間からテレビを観ていました。
 働くことってイヤなこと辛いことがあるけど、楽しいことが一握りある。「自分が楽しむ」という視点で仕事をする。まず自分が楽しまないと。
奈月:自分で選んだ道(宝塚)でも、落ち込むこともあったし、辞めたい気持ちもいっぱいありました。でも、そこから逃げ出さないで成長できた。宝塚の先輩から言われたことなんですが、「四方を壁で囲まれたら上を見ればいい。そこには空があるから」(※9)
 皆さんは一人ではない、自分でもできることがあると思って過ごしていただきたい。
五十嵐:あまり自分探しにどっぷりはまると、迷路に入って抜けられなくなります。まず一歩、自分の興味があるところにアルバイトなり何なりして世界観を広げていただければ。
 人事担当者としては、新入社員には最初から期待していません。(洋服売り場で)「明日から100万〜200万円売れる」と思う新人は一人もいません。
田口:仕事はやってみないとわからない部分が多いと思います。
後藤:自分も手探り状態で働いています。とりあえず今の自分にできることからやっています。例えば、「定時に帰りたい」と思いながら仕事をすると、効率的に仕事をやっている自分がいたり…。

 この若者チームの人たちは東京しごとセンターの利用者であり、センターの宣伝役も兼ねている。そのあたりの事情に留意して彼らの発言を読み解くのが、メディアリテラシーの基本でしょう。


【第一部の注釈】
※1.具体的な例を挙げなかったところを見ると、言いたくないのでしょう。
※2.この人は「シミズ」と発音。正しくは「キヨミズ」。
※3.最初の自己紹介(本文では省略)によると、滝本さん(女性)はアダルトショップの店員をしているとのこと。
※4.後藤さんは研究職なので、舞台の上でしゃべることに慣れておらず(そのことは司会者も指摘していた)、緊張のあまりべらべらと色々なことを言ってしまったのだと思われます。
※5.大企業の営業とのこと。
※6.高校時代はサッカー部のマネージャー。
※7.本当に怖い。ヒゲづらで目つきが悪い。
※8.ホリエモンの影響があるのかもしれません。
※9.部屋の中だったらどうなの? というツッコミはナシですか。どうもすいません。

第2部
若者応援ライブ!
 冒頭、工藤啓さんだけが出てきて、
「室井さんの登場は一時間後です。しばらく一人で頑張らないと…」
 などとボヤきつつ数分が経過。工藤啓独演会が一時間続くのかと思いきや、数分後には室井佑月さんが颯爽と登場しました(※1)。そして登場するや、毒を吐きまくり、そのために私は不覚にも最初の数十秒をメモし忘れました。というわけで、話は途中から始まります。

室井:アタシは人からチヤホヤされたい。だから会場のみんなから「キレイ」「カワイイ」とか言ってもらいたい。
工藤:今日のテーマは「働く価値って何ですか?」ということですので、室井さんの働く価値について、そして室井さんの経歴についてお話しいただきたいと思います。室井さんは銀座のホステスをやっていらしたんですよね。
室井:アタシの経歴は全てしくじった経歴。OLもクビになった。英検1級とウソついて会社に入ったんだけど、(それが)バレてクビ、会社が事業縮小する時アルバイトより先に切られたの。次に裸専門のモデル、すぐ殺される役の役者もやった。
 銀座のホステスもやった。4店渡り歩いたけど、銀座のホステス業界は「こいつ使える」とわかったらすぐ引き抜かれて、そのたびに給料がアップするの。
(ホステス時代、)クラブに来た作家が、取り巻き――後で考えると編集者だと思うんだけど――にチヤホヤされているのを見て「これだ!」と思った。だって作家ってウソを書くのが仕事でしょ? ウソついてこんなにチヤホヤされるなんて、なんてイイ仕事だと。
 アタシは客に「自分は大きい旅館の娘」「大病院の娘」とかウソをついていた(※2)から、ウソをつくのは得意だったの。で、投稿したら受かった。アタシの場合、苦節なしで小説家になった。
工藤:作家になるために、どんな勉強をしましたか?
室井:アタシは作家になってから作家の勉強をしたの。
工藤:どんな勉強ですか?
室井:本を読んだり―小説・ノンフィクション…、きれいな絵を見る、男とケンカする。仕事に対しても好きなことを追求していった方がいい。アタシも昔は何ができるなんて一つもなかった。
工藤:働く価値というと、やりたいことと、生活(のために働くということ)が出てきますよね。
室井:アタシね、マンション買ったの。作家の仕事が来なくなったら、アタシができるのはホステスぐらい。でも、このトシじゃ銀座では無理だから、地方でバーを開いてママをやろうと思って貯金してきたんだけど、ハングリー精神を保つためにマンション買って貯金をゼロにしたの。
 あれ? 話何でしたっけ?
 30過ぎてからわかったんですけど、自分だけのために働くのは辛い。好きな人のために働くのはまだしも。
 私は人の紹介では仕事をしない派。人の紹介だと色メガネで見られて、どんなに頑張っても80点にしか評価されない。しがらみもイヤだし。
 酒場に行くと喧嘩している。
 10代・20代の頃には「殺すなら殺せ〜!」という感じで、命以外は何を失ってもいい、怖いものはないという状態だった。今は守るべきもの(※3)があるので弱いものがある。
工藤:室井さんはハローワークに来たことはありますか?
室井:ないですね。アルバイト情報誌を持って銀座をブラブラする派ですからね。
 ところでさっき適性診断をやってみたら当たっているの!
工藤:(診断表を取り出して)室井さんの診断結果がこちらにあるんですが、計数対応度と機器対応度(※4)が0〜1なんですけど(※5)、マスコミへの適性はありますね。(この後、性格の特徴についても語ってくださいましたが、メモし忘れたので省略。ちなみに性格の特徴も「当たっている」とのこと)
 今回は当たっていましたが、もし仮に当たっていない、自分が思っていたのと違う診断結果が出ていたらどうしますか?
室井:アタシは自分の方を信じる! 診断結果に縛られるより(※6)、部屋の隅っこで膝を抱えて自分と話す時間を持った方がいい。自己理解というやつ。(自分との)対話を続けて苦しんで苦しんで――3年間やったんだけど――よかったと思っている。その期間があるから今の自分がある。
工藤:悩んでいることって、すごく大事じゃないですか。でも、その時間を親から貰っていることがバッシングされている。
室井:アタシはそうします!(※7)
 アタシは作家の中では(1)女で(2)顔出しOKで(3)官能小説を書く、ということで出版社から重宝されていた。
 ワガママは通ると思って言いたい。だから通るように、まず結果を出さないと。ワガママを通すのが私の価値観。だから恋愛がうまくいかない。
 アタシ高二ぐらいから全然中味変わっていない(※8)。外見なんてただの入れ物だもん。(聴衆に向かって)年齢はあまり気にするな。
工藤:最近は仕事を選ぶのが大変になっています。
 又、夢を持つのはものすごく大変なんです。僕の親戚に小学校5〜6年生の男の子がいて、話をするんですけど、その子がサッカー好きで、僕が「将来は中田(英寿)になるんだ?」って言ったら、その子は「中田になれるわけない」って言うんです。「どうして?」って訊くと、「ネットでナカタを調べたら、ナカタは小学生の時からサッカーの特待生で、自分たちは到底かなわない。もしナカタになりたいなんて周りに言ったら、馬鹿にされる。なれるわけないじゃん。」今の時代、インターネットでナカタのすごさがすぐにわかって、諦めさせちゃうんです。
室井:夢をかなえるのは根拠のない自信。根拠のある自信なんて、その根拠が崩れたらおしまい。(そもそも)人生なんてバクチじゃん? 最初からフツーを目指すのもどうかと思うの。
工藤:今の時代、「夢を持て」と言われるけれど、就職活動をすると「いつまで夢を見ているんだ」と言われます。「それじゃあ夢って一体何だ?」ということになるんですが、室井さんの夢はなんですか?
室井:今は(夢は)変わっているんですけど、今一番大事なのは息子(5歳)の幸せ。自分の将来より息子の将来が楽しみ。子供って一番のぜいたく品なのよ。少子化問題でアタシたちがいろいろ言われるけど、アタシたちを責めるのかよ(怒)。
工藤:僕は28歳で、親からそろそろ子供を産め産めって言われるんですけど、これは人に言われて産むんじゃなくて、自分で決まるしかない。自己決定・自己責任でやらないと。
室井:オジサンたちから「産め産め」って言われるけど、「だったらお前が産めや!」(と言いたい)。最近では医療技術が向上して高齢の男性でも子供を作ることができるようになってるんだし。

聴衆との質疑応答
Q.第一部のテーマが「小さくまとまるな!」とありますが、お二人は、現代の若者は小さくまとまっていると思いますか?
室井:若者は小さくまとまっていると決め付けるのはよくない。老人だって小さくまとまっている者もいる。
工藤:(言いたいことは)2つあります。1つは、何を以って小さくまとまるというのか(定義の問題)。それに、小さくまとまってもいいと思います(※9)。

Q.お二人の睡眠時間はどのくらいですか?
室井:1日5時間以内。週2日は(執筆のため)徹夜する。そして金曜日は12時間寝溜めする。
工藤:僕は一日3〜4時間ですね。
室井:(質問者に向かって)ねえ、眠くて眠くてしょうがないんだけど、どうしても寝るわけにはいかない時、どうすればいいか知ってる? 教えてあげようか? 眠い時に寝ないでいられる方法を教えてあげる。
 コーヒー豆を口に入れてガムみたいにかじって吐き出すの。そうすると眠気が吹っ飛ぶ。それでダメなら、爪と指の間に針を刺す。
工藤:(針を刺すなんて)本当にやっているんですか!?
室井:うん、いつもやってる。これでどんなに眠くても大丈夫。

Q.室井さんは作家という大好きな仕事をしていて、イヤなことってありますか?
室井:作家の仕事は殆どがイヤなこと。本が出た時、評価されるのが嬉しい。好きなことを仕事にしていると、辛いことにも耐えられる。

Q.自分は全然モテないんだけど、どうすればいいでしょうか?
室井:私もモテないの。でも、「こういうのが理想だ」と決めたら、電車の中でも路上で通り過ぎる時でも見逃さないと思うの。
 (口説く場合)女は顔を誉めること。アタシは顔で(男を)選んでいるので、(付き合うのは)性格最悪な男ばっかり。

Q.工藤さんの価値観は何ですか?
工藤:支援するのは好きでないけど、支援する人が好き、というのが僕の価値観です。僕の目標は、一緒に働いている人が豊かになること。

Q.今の学生・新社会人に期待することは?
室井:日本って資源が少ない国なので、そろそろとんでもない天才が生まれるんじゃないかと思っている(※10)。その天才が自分の息子であって欲しい。
 これからは格差社会など生きにくい世の中になり、そのストレスが天才を生む。(将来)日本は天才を輸出しなければならなくなる(※11)。

(ここで10分間の休憩)

Q.年を取ることについての室井さんのスタンスは?
室井:なるたけ重力(※12)と戦うようにやっている。どこまでも戦いたい。

Q.重力に逆らうために努力していることは?
室井:全然何もしてない(※13)。(文化人なので)体が弱いフリをしているが、体は無茶苦茶強く、学生時代はマラソンをやっていた。あ、でも、(重力に逆らうために)やっていることは、(1)ヒアルロン酸の注射と(2)恋をする。新しい職場へ行くと、そこにいる格好いい男の人を見つけて、その人と空想の世界で恋愛する(脳内恋愛)。この考えを理解してくれる人は、今まで会った中で一人しかいなくて、それがKABAちゃん。KABAちゃんも同じことをしている。

Q.どうしたら綺麗で美しい室井さんと付き合えますか?
室井:(自分が所属している)オーケープロダクションに入ってマネージャーになると、朝まで飲みに連れ回す。

Q.芸能人の裏話を…
室井:芸能人が「○○さんとよく飲みに行く」というのはウソ。そんなにみんな群れて遊ばない。スケジュールが合わないし、番組が終わったら会わない。

Q.就職って、どこがゴールですか?
室井:例えば結婚でも、その結婚が良かったのかどうかは死ぬ時にならないとわからない。(それから)「○○社の○○さん」より「○○できる○○さん」の方がいいと思う。

Q.行動に移すきっかけは?
室井:絶対的に世間が「嫌い」とか「バカ」とか言っても両親は愛してくれる。だからやっていける。成功するのはたまたまだと思っている。悩んでいる時間は停まっている時間。

Q.悩んでいる人たちに一言。
室井:幸せって不幸がないことじゃない。新しい幸せを掴むために(悩む)、と考えた方がいい。
(第2部終了)

【第二部の注釈】
※1.このあたりの事情は想像ですが、おそらく室井さんが工藤さんにイジワルしてワガママを言ったのではないでしょうか。「アタシは一時間後じゃないと出ないから、アンタはそれまで一人で引っ張って!」←ただし、あくまで想像です。
※2.お水の世界ならその程度の嘘は許されるでしょう。そもそも客に夢を見せる商売ですから。
※3.子供のこと。
※4.計数対応度…数字、計算等に対する関心度・処理意欲。機器対応度…機械、機器に対する関心度・処理意欲。
※5.要するに計算が苦手、機械が苦手ということでしょうか。
※6.例えば「あなたは社交的な性格です」と診断されると、自分は社交的な性格なんだと自分に暗示をかけ、無理をして社交的に振舞おうとする、といったようなものでしょう。これはノイローゼの元です。
※7.親のスネをかじって悩み続けることか。
※8.成長していないということか、あるいは三つ子の魂百までということか。この人の場合、どちらとも取れるから厄介です。
※9.なぜ若者に対して「小さくまとまるな!」と言うのか? 自分なりに推察するに、「若者は大きな野望・夢を持つべきである(少年よ大志を抱け!)」(a)という考えがあって、そこから「従って若者は小さくまとまってはならない」(b)となったのではないでしょうか。しかしながら、(a)の思想が正しいとは限らず、例えば中庸の徳や老荘思想などはこれを是としないでしょう。私がソクラテスなら(a)の社会通念が間違いであるとしてこれを論破し、その考えに立脚している(b)の言説を否定してみせるところです。
※10.日本の資源が少ないのは今も昔も同じことであることは、筆記者として指摘しておく必要がある。
※11.ナカタやイチローみたいなものだろうか。又、研究者や芸術家も含まれる。
※12.時間の流れを比喩的に表現したもの。又、年を取れば肉がたるんで重力によって下へと垂れ下がることから来ているのかもしれません。
※13.前の発言と矛盾しているようです。しかしながら、例えば「禁煙するぞ!」と言っている人がついつい紫煙をくゆらせてしまうことがあるように、目標は掲げてもそれに向かって努力しない、というスタンスなのでしょうか。

室井佑月の印象
 私にとっての室井佑月さんの第一印象は、
「あ、この人は変人だな」
 というものでした。
 話し方からして常人のそれとは何か違う。有名人に喩えるとYOUや千秋のような喋り方をしていました。
 第2部のトーク内容を読んできた諸兄の皆様ならば、室井佑月さんが変人であることに間違いないと思ってくださることでしょう。
 しかしながら、私は「変人」という表現だけではまだ不充分であると感じました。変人なら小泉首相と一緒だが、この二人を同じ範疇に入れることに抵抗があります。
 というわけで、後々になって室井佑月を形容するに相応しい言葉を頭の中から探してみました。工藤啓氏は対談の相手を「ざっくばらん」と評していましたが、私の場合は「エキセントリック」と表現することにします。

 ちなみに、この対談では、室井佑月さんの強烈な個性があまりにも光りすぎていて、もう一方の工藤氏を大きく食っていたように感じました。(実際、喋る量も質も室井の圧倒的優勢!)

おまけ(私の進路適性診断)
 パソコンで約50の質問に「はい」「いいえ」「どちらでもない」を直感的に選ぶだけで自動的に診断結果が印刷されます。
 室井佑月さんがやってみて「当たっている」と驚いておられましたが、私も第1部開始前にやりました。私の診断結果を紹介すると…

理論性★★★★
創造性★★★★★
慎重性★★
自発性★★
活動性★★
社交性★★
計数対応度***
機器対応度********
※★は5つが最高。"*"は10が最高。

 理論性と創造性が高く、特に創造性はトップクラス。でもまあ、そんなことは、このサイトのトップページを観察すればわかることで…。
 計算は苦手だが、機械の操作ならデキるということでしょうか。


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