老賢者(Old Wise Man)
「智恵」の象徴。主人公が困った時に、助言と助力(アイテム)を与える、白ヒゲの老人。夢の中では、魔法使い、医者、聖職者、教師、祖父などの姿で現れる。
- 精神的欠乏状態を補償してくれる。
- 自分の力ではどうすることもできない、疲労困憊、もしくは絶望した状況下に出現して、知識・洞察・熟慮・智恵・賢明・直感をもたらす事によって、どうしたらよいか、どうすればこの局面を打開できるかを教えてくれる。それによって困難な状況から抜け出す糸口を掴めるのである。昔話や神話の教えてくれるところによると、この助言に従えば成功を手に入れることができ、聞き入れなければ破滅する。
- 道徳的性質を持つ。
- 老賢者は親切心を持ち、良き助言(時にはアイテム)を与えてくれるという、一種の道徳性がある。塩堆神は山幸彦に、竜宮へ行く小舟を作ってやり、井戸端の木の上にとまるよう助言したし、魔法使いマーリンは、アーサー王を泉のある所へ連れて行って、聖剣エクスカリバーを授けた。
- 父親像を持つ。
- 老賢者は時に、断固たる信念、禁止、忠告を出す。これらは父性に属し、従って老賢者は父親像を背負う事になるのである。「スターウォーズ ジェダイの復讐」で、ヨーダがルークに、「ダークサイドに落ちてはならぬ」と言ったのは、まさしくヨーダの信念であり禁止であり忠告なのである。
また、時には試練を課す場合もある。これも父性のなせる業(わざ)である。
- 邪悪な性質もある。
- 老人の知恵というものは、裏返せば狡知であるし、魔法使いの魔法が悪用されることも多いのである。
表徴としての例
魔法使いマーリン(『アーサー王と円卓の騎士』)、塩堆神(記紀神話)、仙人(中国)、フィレモン(ユング自伝)、太上老君(中国、真・女神転生)、ヨーダ(スターウォーズ)、マイスター・ホラ(ミヒャエル・エンデ『モモ』)
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