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太母原型(Great Mother)

絶対的な優しさと安全感を与えてくれる、「母なるもの」のイメージ。このイメージは実際の母親に投影される場合もあるが、寧ろ、それを越えて、「大地の女神」や「母なる大地」として表現される事が多い。また、「母性社会」という形を取っている事もある。

特徴

母性原理
 少し長くなるが、河合隼雄『母性社会日本の病理』を引用する。
<母性の原理は「包含する」機能によって示される。それは全てのものを良きにつけ悪しきにつけ包み込んでしまい、そこでは全てのものが絶対的な平等性をもつ。「我が子である限り」すべて平等に可愛いのであり、それは子供の個性や能力とは関係のないことである。>
 ちなみに同書では、ユングが、「母性の本質として、慈しみ育てること狂宴的な情動性暗黒の深さ、をあげている」と述べている。
慈しみ育てる
 前項と重複する所もあるが、グレートマザーの肯定的な特徴は、母が子供を産み、保護し育てるように、全てのものを生み出して包み込み、養い育てる、ということである。
呑み込む
 又、グレートマザーの否定的な側面としては、母が我が子の独立を阻むように、対象を掴んで離さず、抱きしめ、遂には「暗黒の深さ」をもつ母体へと呑み込んでしまう事である。
 尚、飲み込む礼としては、「牛方山姥」が牛を丸ごと飲み込んだことや、インド神話でカーリーが、無数の魔神ラクタビージャを丸ごと呑み込み血を一滴も残らず啜った、ということなどが挙げられよう。

グレートマザーの働き(『昔話の深層』より)

グレートマザーの表象としての例。
肯定的並存型否定的
観音菩薩(仏教)
ガイア(ギリシャ)
デメテル(ギリシャ)
マリア(キリスト教)
サラスヴァティー(インド)
ニブヌ(台湾)
チュチュホチダル(台湾)
イザナミ(記紀神話)
鬼子母神(仏教)
魔女(「白雪姫」「ヘンゼルとグレーテル」など)
夜叉(仏教)
ヤマタノオロチ(記紀神話)
トルーデさん(グリム童話「トルーデさん」)
セドナ(イヌイット)
山姥(日本昔話)
ヘカテー(ギリシア)
カーリー(インド)

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