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東京の堕落

泉獺 H15.10/26
新宿歌舞伎町の通りを巡り、よく見て、悟るがよい。
ネオンの下で尋ねてみよ、
正義を行い、真実を求める者がひとりでもいるか。
いれば、世間は随分マシなものになろう。
「いくら稼げるかで人間の価値は決まる」と
公言してはばからないからこそ
彼らの言葉はまやかしの言葉となるのだ。
目よ、彼らの目よ、その目は真実を求めているか。
彼らは道徳に背いても、彼らの良心は痛みを覚えず
彼らに因果の報いが来ても、彼らは懲らしめと受け取らず
その面の皮を超合金よりも固くして
守銭奴から離れるのを拒んだ。

心ある人は思った。
「これは心の卑しい人で、彼らは無知なのだ。
 金の道、欲の道を進むだけで、他に知らない。
 心の豊かな人々を見てみよう。
 彼らならもっとマシなはずだ」と。
だが、彼らも同様に金を拝み
札束に頬を叩かれて喜んでいた。
それゆえ、銀座のダニが彼らを襲い
渋谷のゴキブリが彼らを荒らし尽くす。
ウイルスが町々をねらい、出てくる者を皆、侵蝕する。
彼らは堕落に堕落を重ね、その背徳が甚だしいからだ。

どうして、このようなお前たちが救われようか。
お前たちは神々を捨てて黙殺し
神でもない俗物を神聖視して崇拝する。
彼らは金の力で捨てるほどの食べ物を手に入れた。
すると、彼らは姦淫を犯し
中国や東南アジアの売春宿に群がって行った。
彼らは、さかりのついたバカ犬のように
コールガールに欲情していきり立つ。
これらのことで、報いを受けずにいられようか。
このような市民の悪に対し、悪の報いがもたらされる。

暗黒街に入って、これを滅ぼせ。
しかし、滅ぼし尽くしてはならない。
闇を地下へと逃がしてやるがよい。
闇を滅ぼし尽くすなど、人間のできることではない。
彼らは堕落を繰り返した。
彼らは欲に目がくらんで言う。
「世界が根底から覆るはずがない。
 我々に災いが臨むはずがない。
 9.11テロもイラク戦争も、対岸の火事だ。
 聖者と呼ばれる者の予言はインチキだ。
 『このようなことが起こる』と言っても
 所詮はインチキなのだから聞くに価しない。」
彼らが不遜と傲慢を口にするからには
見よ、その言葉は砒素となり牛刀となって
お前たちにかえってくる。

見よ、外からも内からも、様々な害悪が
お前の上に襲いかかる。
大和の国よ、それは神代から続く国、言霊の幸う国。
その言葉は理解し難く、悪魔の言語と呼ばれている。
そのスーツは戦場でまとわりつく死神。
彼らは皆、トランジスタラジオのセールスマンだ。
お前たちは収穫した物も輸入した物も食い潰す。
更に、文化、技術を食い潰す。
幼児や老人を食い物にし
嫁と団塊の世代を食い物にする。
お前が頼みとする株や土地などの資産は
災害の憂き目に遭って、風の前の塵となる。

罪悪感のない者が言う。
「何でこんなことになってしまったのか。」
言ってやるがいい。
「お前たちが犯した罪業や、放置してきた怠惰が
 巡り巡ってお前たちのもとに還ってきたのだ。」

愚かで、心ない市民よ、これを聞け。
目があっても、見ようともせず
耳があっても、聞こうともしない市民。
人間を超越する存在に畏敬の念を抱かず
なおかつ知ろうとしないのか。
あの世とこの世の間には境がある。
これは永遠の定め。
誰もがこの境を超えねばならず
一旦超えると戻ってくることはできない。
世界中の金塊を積み上げても、それを侵し得ず
世界中の権力を集中させても、その道理を変え得ない。
しかし、この国の民の心はかたくなで、
この不変の法則を意識から締め出す。
彼らは、心に思うこともしない。
それどころか、いずれ来る死から逃れようと
むなしい努力を重ねて疲れ果てる。

国民の中には道理に背く者がいる。
網に網を張り、鳥を捕る者のように、潜んでうかがい
罠を仕掛け、人を捕らえる。
籠を鳥で満たすように
彼らは欺き取った物で金庫を満たす。
こうして、彼らは裕福になり、富を蓄える。
彼らは太って、色つやもよく、その悪事には限りがない。
利権を持たない者の訴えを取り上げず、助けもせず
弱い者を正しく裁くこともしない。
これらのことで、彼らが報いを受けずにいられようか。
このような市民に対し、世間は必ずその悪に報いる。
恐ろしいこと、おぞましいことがこの国に起こっている。
宗教家はデタラメな教えを垂れ流し
聖職者はその手に富をかき集め
人々はそれを良しとしている。
その果てに、お前たちはどうするつもりか。
続く

元ネタ:「エレミヤ書」5.1-31 イスラエルの堕落
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