桃の子桃太郎(十九)
桃太郎一行が新潟に入港すると、鬼ヶ島を討った英雄の帰還だぞと大歓迎の嵐。歓呼と紙吹雪の中を凱旋しました。
桃太郎はいい気になって、武勇談を誇らしげに、しかもカメラ目線で語りました。
テレビもラジオも週刊誌も新聞も2ちゃんねるもブログも桃太郎一色のもてはやしよう。桃太郎は一躍時の人となりました。
桃太郎が講演すれば会場は満員御礼。
桃太郎がテレビに出演すれば視聴率は急上昇。
桃太郎が自伝を出版すればたちまちベストセラー。
桃太郎が握手会を開けば数十kmの長蛇の列。
桃太郎が資金集めパーティーを開けば億単位の収入。
桃太郎がヘアヌード写真集を出せば即完売。
森永バブルもなんのその。いやはや、桃太郎バブルはここに究まれりといったところでしょうか。
(続く)
©IZUMI_Kawauso
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