桃の子桃太郎(十四)
食いしん坊の桃太郎、道行く途中のあちらこちらで、ここぞとばかりに袋の札束を使って土地の名産を食べまくりました。
浅草の人形焼、横浜中華街のシューマイ、箱根の温泉卵、静岡の緑茶、浜松のウナギ、名古屋のういろう、奈良の鹿せんべい、京都の八橋、大阪のたこ焼き、和歌山のラーメン、香川の讃岐うどん、愛媛のみかん、広島のお好み焼き、下関の河豚、福岡の豚骨ラーメン。
食いも食ったりそのお口、詰めに詰めたりそのお腹。うっかり八兵衛もこれには及ばないことでしょう。
おっと、お供の三匹のことをうっかり忘れてしまいましたが、彼らは残飯に群がるハエのごとく、ちゃっかりおこぼれにあずかっていました。
(続く)
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