序曲のマーチ | デモ画面 |
間奏曲 | 冒険の書セレクト |
王宮のトランペット | 城(昼) |
王宮のトランペット(夜) | 城(夜) |
街角のメロディ | 妖精の国 |
カジノ都市 | カジノ |
街は生きている | 街 |
淋しい村 | 淋しい村 |
さびれた村 | さびれた村 |
ずっこけモンスター | スライムタッチ |
愛の旋律 | 結婚前夜 |
はめつの予感 | 国王就任後のイベント |
哀愁物語 | 哀愁感あふれるイベント |
天空城 | 天空城 |
地平の彼方へ | フィールド |
暗黒の世界 | 魔界フィールド |
洞窟に魔物の影が | ダンジョン |
死の塔 | 塔 |
高貴なるレクイエム | 全滅・レクイエム |
聖(ひじり) | 修道院・ほこら |
大海原へ | 海 |
空飛ぶ絨毯 | 空 |
戦火を交えて | 戦闘 |
不死身の敵に挑む | 中ボス戦 |
大魔王 | ラスボス戦 |
結婚ワルツ | エンディング |
CDリスト |
序曲のマーチ Overture |
オープニング (PS2版はデモ画面も) |
C major |
DQ4と同様のファンファーレに始まる。 アレンジはDQ1の序曲の2回目のループとほぼ同じ。 ファミコンの音源に親しんでいた耳には、 スーファミの音源の華やかさは驚愕だった。 |
間奏曲 | 冒険の書セレクト画面 | C major |
DQ4以降おなじみ。 |
王宮のトランペット Castle Trumpeter |
城(昼) | C major |
冒頭の「ドッドッドッドッミ〜〜レドシッシッシッドッレ〜〜」というメロディは、 まさにトランペットのためのメロディだと感じさせるものだ。 トランペットが奏でるとき最も生かされるメロディ、 と言ったほうが正確かもしれない。 オーケストラヴァージョンでは中盤からAマイナーになり、 弦とトランペットが「追いかけっこ」をするのがたまらなく好きだ。 |
王宮のトランペット(夜) Castle Trumpeter |
城(夜) | C major |
リメイク版で追加。やはりチェンバロアレンジ。 |
街角のメロディ Melody in an Ancient Town |
妖精の国 | C major |
妖精の国で流れる、優しく可愛らしい感じの曲。 3拍子で、メロディやパーカッションが 1拍をさらに3連のリズムに刻む。 流れるような軽やかなメロディ。 半音が心地よいアクセントになっている。 心地よい。そしてほんの少し切ない。 |
カジノ都市 Casino |
カジノ | F major (SFC音源は G major) |
オーケストラでは、この曲の前に「宿屋」が流れる。 カジノな感じのこの曲は、ピチカートストリングスの上で クラリネットによるメロディがはね回る。 中盤、Am→D7→G7 が Abm7(b5)→Db9→Gb7 と ほぼそっくり半音下降して繰り返されるのが面白い。 |
街は生きている Lively Town |
街 | C major |
たまらなく優しい曲。 この曲はどの街でも流れるが、 やっぱり、幼年時のサンタローズの印象が強い。 主旋律と対旋律が、どちらも限りなく美しく、印象深い。 終盤、過去のサンタローズでこの曲を聴くと、泣ける。 |
淋しい村 Sad Village |
淋しい村 | C major |
山奥の村やカボチ村などの曲。 この曲は「街角のメロディ」のアレンジであり、 4拍子でスローテンポになっている。 ヴァイオリンのトレモロとハープの上で、 フルートが優しくメロディを奏でる。 |
さびれた村 Disturbed Village |
さびれた村 | A minor 〜 D minor |
襲撃後のサンタローズの曲。 弦のコード進行の上でオーボエがメロディを奏でる。 このコード進行だけですでに良い。 |Asus4 E/G#|Gdim F#m7(b5)|Fdim Em7|Am7 D| |E7sus4 D#dim|Bm Dm|Gm7 Cm7|D/B|Gm7 Cm7|A| 冒頭はベースラインが半音ずつ下がっていき、 dimが非常に効果的に挿入されている。 で、|Am7 D| で泣く。 Am7の部分のメロディのbシがたまらなく良い。 全体的にDなのかFなのかAmなのかわからないような調性感が、 廃墟になった故郷のどうしようもない光景にマッチする。 |
ずっこけモンスター Comical Fight |
スライムタッチ | C minor |
スライムタッチをプレイ時に流れる曲。 少しコミカルでまさにミニゲームっぽい。 今後のシリーズでも使われそう。 DSのDQ6ではスライムカーリングで使用されている。 |
愛の旋律 Melody of Love |
結婚前夜 |
G major 〜 Bb major (SFC音源、金管五重奏は F major 〜 Ab major) |
ゆったりとしたテンポに、3連符主体のメロディー。 そして、メジャーセブンスのコードがこの曲の肝である。 前半のコード進行はこの通り。 |GM7|CM7|BM7|EM7|BbM7|EbM7|Cm7 Am7(b5)|Dsus4 D| GM7→CM7は普通のI→IVの進行だが、 その次に短二度下がってBM7へ。 ここでものすごくねじれた感じになる。 そして、このBM7をI度として、IV度のEM7へ。 メロディも、GM7→CM7の部分のメロディを長三度上げたものとなっている。 さらに、EM7からBbM7と、増四度の跳躍。Bbへ転調する。 その後またBbM7→EbM7。つまりI→IV。 続いてCm7→Am7-5→Dと来る。すなわちIIm7→VIIm7-5→III。 ここから通常、D→Gmと来てGm(Bbの平行調)へ転調するかということろだが、 D→GM7と来て冒頭に戻る。Gmではなく、Gに転調するのだ。 この数小節でのめまぐるしい転調、 そしてほとんどがメジャーセブンスで構成されているそのコード感が、 最高にやり場のない感じにさせてくれる。 この部分が2回繰り返されると後半部へ。 後半はBb調のまま、メロディーも伴奏もほぼ三連になり、 ほとんど12/8拍子のようになる。 1ループ目はフルートのソロ、2ループ目はヴァイオリンのソロが メロディを叙情的に奏でる。 そしてストリングスのピチカートやトレモロがバックで曲を引き立てる。 ラストはCM9(#11,13)というさらにやりきれないコードで終わり。 淡く、やるせなく、ドラクエの曲の中でも異端な、印象的な曲だ。 交響組曲のキーもいいが、SFC音源・金管五重奏のキーのほうが好みだ。 |
はめつの予感 Mysterious Disappearance |
国王就任後のイベント | 不定 |
王位継承パーティーの夜に妻子がさらわれるイベントでの曲。 ヴィブラフォンとグロッケンが奇妙な気分にさせるメロディを弾き、 その合間にクラリネットが不安げに鳴る。 コードも、長二度の不安定な音程が多く使われ、 まさに「はめつの予感」な感じがするのである。 後半は木管と弦がメロディを奏でている。 |
哀愁物語 Make Me Feel Sad |
哀愁感あふれるイベント | A minor 〜 A major |
パパスの手紙を読む場面やサンチョとの再会の場面など、 ドラマチックな場面で流れる曲。 メロディも和声も非常にわかりやすい曲だ。 イベント専用の曲というのはそれまでのDQにはなかった(MEはあったが)。 DQ5にはこの曲と「愛の旋律」、「はめつの予感」がある。 これらの曲を作る必然がDQ5にはあったのだろう。 そしてそれは大正解だったと思う。 ゲーム中流れる回数は他の曲に比べると少ないが、 「ラシドレミファソラー」というメロディは非常にキャッチーで、 かつグッとくる印象深いものだ。 前半はAマイナーで弦が主旋律と対旋律で哀しげにかけ合う。 後半はAメジャーに転調し、木管が安らぎのようなメロディを歌う。 そしてこの部分は特にハーモニーが美しい。 2ループ目は担当楽器が変わって盛り上がりを見せる。 DQ5と言えば「哀愁物語」、サンチョと言えば「哀愁物語」である。 |
天空城 Heaven |
天空城 | C major |
その名の通り、天空城の曲。 クラリネットが大活躍する。 まさに天国、雲の上のような印象を与える始まり。 そして途中からは和声が複雑になってきて、 マイナーへ転調し、フワフワしながらも重厚な感を受ける。 |
地平の彼方へ Toward the Horizon |
フィールド | A minor |
ドラクエ的な、ドリアンスケールのフィールド曲。 1ループ目はドリアンスケールで印象的に奏でる弦楽器をバックに オーボエやフルートが静かにメロディを歌う。 トレモロの弦も加わり、不安が醸し出される曲調だ。 2ループ目はメロディが弦にバトンタッチ。 木管や金管、パーカッション等も加わり、壮大な曲調へ変わる。 交響組曲では、「街角のメロディ」からこの曲につながる。 この、「街角のメロディ〜地平の彼方へ」の「〜」の部分が良い。 クラリネットによる、「街角のメロディ」のメインメロディが、 少しずつ不安な色を帯びてくるトレモロのかかった 弦の和声進行とともに変化していき、 そして「地平の彼方へ」に入る―これが美しい。 |
暗黒の世界 Dark World |
魔界 | 不定 |
魔界での曲。奇妙な曲。 ほとんど半音で進行するホルンをバックに、 木管がオクターブユニゾンで変わったメロディを奏でる。 最後、 |D7|G7|C7|F7| というセブンスのドミナントモーションの上で #ソラレ#ソラレレレという同じメロディが繰り返される部分も奇妙で良い。 どうしようもない悪というより、狂気を思わせる。 |
洞窟に魔物の影が Monsters in the Dungeon |
ダンジョン | D minor |
弦が16分で細かく上下し、恐怖感を醸し出す。 その上で木管が、半音をふんだんに使ったメロディを奏でる。 恐怖を表現しながらも美しいメロディだ。 2ループ目に入ると、逆に弦がメロディを、 木管が伴奏を担当するのも面白い。 |
死の塔 Tower of Death |
塔 | D minor |
3拍子で、弦をバックにオーボエがメロディをうたう。 これも恐ろしくも綺麗な曲だ。 マイナーキーだが、メジャーへの転調が随所に盛り込まれており、 これが逆に恐怖感を助長している気がする。 SFCの音源では、イントロなどで ベンディング(なめらかな音程変化)が使われている。 それが非常に印象深かったものだ。 この曲を聴くとレヌール城を強烈に思い出す。 |
高貴なるレクイエム Noble Requiem |
全滅・レクイエム | F minor |
荘厳なレクイエムである。 低音の弦でモチーフのメロディが静かに鳴って曲は始まる。 このメロディは、「戦火を交えて」と 「不死身の敵に挑む」でも使われている。 Fmで始まり、モチーフが2回繰り返された後、 Cで解決したと思いきやそこからオクターブユニゾンのバイオリンが 悲痛なメロディを奏でる。 そのバックでは、和音が半音ずつ下がっていくおもしろい進行。 曲の後半は、モチーフが少しずつ変形されて、 ピッチを上げ楽器を変えながら次々つながっていく。 バックではティンパニーがリズムを刻み、徐々にクレシェンドしていく。 じわじわこみ上げる感情のようで、やりきれない気分になる。 |
聖(ひじり) |
修道院・ほこら | C major |
弦をバックにオーボエが伸びやかに鳴る。 シンプルな美しい曲である。 バックを支える弦は2パートしかない。 そしてそれぞれの音は、 基本的に半音ずつ下がっていく。 簡単なようでこんなに難しいことはないと思う。 |
大海原へ The Ocean |
海 | C major |
バスと木管の上で低音の弦が雄大なメロディを奏でる。 そしてホルンが静かに吹かれると、 軽く転調し、オーケストラ全体が盛り上がりを見せる。 ここは圧巻であり、この曲の見せ場(聴かせ場?)のひとつである。 そして三連のフルートが静かにメロディを奏でる。 と思いきや、またオーケストラ全体が三連でF/Gを鳴らし、冒頭に戻る。 ここも見せ場である。 DQ5はオープニング(正確にはオープニング直後)が船の上なので、 この曲はほとんどオープニング曲でもあるとも言えるだろう。 雄大な曲想が、これから始まる壮大な物語を予感させてくれるのだ。 |
空飛ぶ絨毯 Magic Carpet |
空 | C major 〜 D minor |
ヴァイオリンとハープが上昇して曲は始まる。 そのままヴァイオリンが高音を弾き続け、 それとピチカートをバックに木管が歯切れの良いメロディを歌う。 そうしたまさに空を飛んでいるような爽快な曲調から、 一転して不安げな三連のハープ上でヴァイオリンが伸びやかに奏でられる。 続いて三連のフルートの流れるようなメロディの後、 ピチカートをバックにしてクラリネットやフルートの跳ねるようなソロがある。 これがなんというか、寂しい感じなのだ。 すぎやま氏はなぜか、空の曲に寂しいものが多い。 |
戦火を交えて Violent Enemies |
戦闘 | C minor |
半音で上昇する弦と、それに交差するように下降する弦で曲は始まる。 スネアドラムの小気味よいリズムに乗って、 オーケストラ全体で激しい展開を見せる。 交響組曲では、この曲の後に「地平の彼方へ」のメロディが流れ、 「不死身の敵に挑む」につながる。 |
不死身の敵に挑む Almighty Boss Devil is Challenged |
中ボス戦 | 不定(SFC音源は全音高い) |
ティンパニが大活躍する曲だ。 重厚で複雑な和音が多用されており、 「普通の敵とは違う強敵との死闘を繰り広げているよ感」がすごい。 中ボス曲が作られるようになったのは、DQ5が初めて。 おやぶんゴーストにはもったいない、大迫力の曲だ。 もっとも、SFCの音源では迫力が伝わりきっていないが、 オーケストラヴァージョンは本当に大迫力なのである。 |
大魔王 Satan |
ラスボス戦 | 不定 |
イントロで、ティンパニが大活躍。 DQ1の「竜王」ふうの長二度を8分で刻むバス。 至る所でいろんな楽器が奏でる悪のモチーフ。 この曲のヤマは、なんと言っても中盤、 弦が悪のモチーフで絡み合うところだろう。カッコ良すぎ。 アウトロでも、ティンパニは大活躍。 |
結婚ワルツ Bridal Waltz |
結婚式・エンディング | Ab major 〜 Db major 〜 F minor |
軽やかで優雅な、結婚式のワルツ。 エンディング曲がゲーム中盤でも流れるのは珍しい。 半音の装飾がニクい前半部を終えると、 AbメジャーからDbメジャーに転調。 そして少しだけFマイナーに転調、 そして盛り上がりを見せつつAbメジャーに戻る。 対旋律のトランペットも加わり、 最後はオーケストラ全体で盛大に締める。大団円。 ちなみに、「ルーラ」という女性ユニットが この曲に歌詞を付けた歌でデビューしたこともあった。 |
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すぎやまこういち 指揮 東京都交響楽団 交響組曲「ドラゴンクエストV」天空の花嫁 SVWC-7313 アニプレックス/SUGIレーベル |
すぎやまこういち 指揮 ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団 交響組曲「ドラゴンクエストV」天空の花嫁 SVWC-7065 SPE・ビジュアルワークス |
すぎやまこういち 指揮 NHK交響楽団 交響組曲「ドラゴンクエストV」天空の花嫁 APCG-9004 バンダイ(アポロンレコード) |