「あはれなる言」を古語だけで続けるのは大変だと、 もう思い始めている僕である。 で、思いついたのがドラクエの呪文のネーミングについてだった。 なんじゃそりゃ、とお思いであろう。 僕もそう思います。 まあ、ただのドラクエオタな僕である。 ドラクエ知らんとか嫌いとかの人にはすいません。 じゃあ始めよう。 ドラクエの呪文は、基本的に造語である。 英語そのまんまでもないし、(そのまんまも稀にあるが) どっかのファンタジー用語からとってきたわけでもない。 (少なくとも最初の頃は)堀井雄二のセンスで命名されたものだ。 実在する言語である日本語や英語などの語感とは感じさせず、 それでいて「呪文らしい」ものが選ばれている。と思う。 聞いて、なんとなく効果がわかるような語感だ。 炎の呪文「メラ」は、炎はメラメラするからだろうし、 閃光の呪文「ギラ」は光がギラギラしているからだ。 そういう擬態的な語感のものが、まずある。 上のものと似ているが、 日本語や英語をもとにしているものもたくさんある。 例えば、 変身の呪文「モシャス」は「模写す」だし、 混乱の呪文「メダパニ」は「目玉がパニック」かな? 攻撃力を倍にする「バイキルト」は明らかに「倍」が入っている。 で、この「バイ」に「キルト」をつけたのが堀井氏のセンスだね。 (「倍切ると」なのかもしれないが。) 呪文やMPに関する呪文には、頭に「マホ」がつく。 MP吸収は「マホトラ(魔法取ら)」だし、 呪文はね返しは「マホカンタ(魔法カウンター)」、 呪文無効化は「マホステ(魔法捨て)」といった具合だ。 これらは日本語や英語を連想させるからその効力を推測できるのだが、 全体の語感は日本語や英語とは違うのだ。 語感はあくまで異言語の語感として捉えているのに、 意味は日本語や英語を連想して把握しているのである。 あとは、まったく意味はなくて語感だけの場合。 守備力UPの「スカラ」や逆にDOWNの「ルカニ」。 蘇生の「ザオリク」、致死の「ザラキ」。 ワープの「ルーラ」、ダンジョン脱出の「リレミト」。 他、たくさん。 なんだかわからないが、語感と効力がすんなりと結びつく。 「ルーラ」っていう流れるような語感と、 空を飛んで瞬時に移動するという効果がマッチしている。 ……と思えるのは、 やはりすでにその呪文の効力を知っているからだろうか。 なんにも知らない人に、 ルカニとスカラはどちらかが守備力をUPさせるもので、 どちらかはDOWNさせるものです。 と言ったら、どちらがどちらかをなんとなく当てられるのだろうか。 僕は「スカラを唱えて守備力が上がっている光景」を それこそ数百回数千回見ているわけで、 「スカラ=守備力UP」なる関係が完全に頭の中でできあがっている。 そういう知識なしに、 スカラが守備力UPっぽい語感だと本当に言えるのだろうか。 僕はドラクエを知ったのが小2だったので、 意味と語感のことなど考えたことがなかった。 だからもはや今となってはわからない。 でも、たとえば稲妻の呪文「ギガデイン」とかは 確実に攻撃系の呪文って感じしないか? オタの幻想かもしれないが、 語感が効力にマッチしているというのは確実にあると思えるのだ。 そしてドラクエはそれが優れていると思う。 どうでもいいが、 「デミムーア」 って「邪悪な紫の波動で攻撃する呪文」って感じしない? はぁ?って感じですか。 (あ、これって魔法陣グルグルの 「ザムディン」のネタと本質的に同じじゃないか……) それはともかく、 もう少し書きたいことあるので、次回につづけます。 |