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tomiyumi webその他もろもろソフトコンピューティング ― ソフトコンピューティング 〜人間っぽいコンピュータ〜

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ソフトコンピューティング
〜人間っぽいコンピュータ〜


1. これは何?
2. これをコンピュータに
3. 忠実だが融通のきかないコンピュータ
4. 人間っぽいコンピュータ
5. そしてソフトコンピューティング



1. これは何?

さて、これが何だかわかりますか。






そうです。
ひらがなの「ぬ」です。

三田俊寛に、
いや、見た瞬間にわかりましたね。
(「みたしゅんかん」を変換したら
 「三田俊寛」と出ました。住職か何かか。)

なぜ、三田俊寛に、
いや、見た瞬間にわかったのでしょうか。

なぜもくそもないですね。
脳が、勝手にやってくれるのです。

「この線がこう曲っていて、
 ここで一回転して云々……」
などと考える必要もないのです。
そんなこと考えなかったですよね?


2. これをコンピュータに

では、このように、
画像を見て文字を答える、
という作業をコンピュータにさせるには
どうしたらいいでしょう?
上の画像を入力したら、
「ぬ」だと答えるようなコンピュータ。

コンピュータは、
自分では考えてくれません。
人間がプログラムを書かないといけないのです。

「この数値がこうであるときには
 あの数値を3倍してその数値に加え、
 さらにそれとそれをかけて、
 ここまできたらあそこまで戻る、
 そんなこんなをあれこれやって、
 っていうのを10回繰り返して、
 ………………」

……といった感じのものを書かないといけないのです.
で、プログラムを書いてやれば、
きわめて忠実に、正確に、
素早くやってくれるのがコンピュータです。


じゃあ、どんなプログラムを書けば
コンピュータは
上の文字を「ぬ」と答えるようになるでしょう?


3. 忠実だが融通のきかないコンピュータ

上の画像は、
タテ150×ヨコ150=22500 の画素からできているので、

「1番目の画素が白で、
 2番目の画素が白で、
 ……
 1873番目の画素が黒で、
 ……
 22500番目の画素が白なら、
 その文字は「ぬ」」

なんていうプログラムを書けば、
この画像を「ぬ」と判断してくれそうです。


……って、
そんなの大変すぎます。

しかも、こんなやり方だと、


 


こんな風にちょっと書き方が変わっただけで
プログラムは使い物にならなくなります。
さらに白黒ではなくカラーだと
想像を絶するほどややこしいでしょう。

上は極端な例ですが、
こういうプログラムを組んでいる限り、
コンピュータは、
「融通がきかない奴」になります。

精度は高いし計算は速いんですが、
ややこしいものを扱うときには
それ相応のややこしいプログラムが必要になるし、
想定外のことが起こったら
いっさい対処してくれません。

「いや、たしかにそうは言ったけど……」
「それくらいわかってくれや……」
「このマニュアル人間(?)め!!」
的な奴ができあがります。


4. 人間っぽいコンピュータ

ここでは
手書き文字の認識の話を
とくにしたいわけではありません。

「コンピュータに、
 人間がやるような感じで、
 何かをさせるのは難しい」
ということが言いたいのです。


人間は、無意識に、てきとうに、
難しいことができてしまいます。

文字の画像を見て、
即座にそれを答えることができます。
文字認識に限らず、いろんな場面において、
あーだこーだと徹底的に解析したりしません。
いちいち微分方程式みたいなすごいものを解いたりしません。

扱うものがちょっとくらい
想定したものと違っていても、
なんとかしてしまいます。

さらに、いろんなことを
体験から学習することができます。
あーだこーだしているうちに、
「なんとなくわかってくる」のです。


そういうことを
コンピュータにさせるには
どうしたらいいでしょう。


5. そしてソフトコンピューティング

上で説明したような
従来のコンピュータの使用方法、
正確に、高精度に対象を解析して、
それをプログラム化するような方法は、
ハード(硬い)コンピューティングと呼ばれたりします。

コンピュータで扱う対象が
ちょっと複雑になると、
こうした方法では対処しきれなくなるでしょう。
もう、あれやこれやが入り組みすぎてて
わけわからん、なのです。

正確に、高精度に解析するためには、
お金も労力もかかります。


このハードコンピューティングに対して、
ソフト(柔らかい)コンピューティング
というものが考えられています。

ソフトコンピューティングでは、
正確さや精度をとことん追求したりせず、
情報のあいまいさや不確実さを許容して、
人間のように柔軟な処理を行うことを目指します。

ソフトコンピューティングは、
ファジィ理論を考えだした
L. A. Zadeh によって提唱された概念であるようです。

主に、あいまいさを扱う「ファジィ理論」、
生物の神経回路をもとにした「ニューラルネットワーク」、
生物の進化をまねた「進化的計算
といった理論や技術を用いて柔軟な情報処理を行う
コンピュータの計算手法の総称だと言えるでしょう。


以下のページなども参考にしてください。
Soft Computing Home Page
ソフトコンピューティングとは?


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