remove
powerd by nog twitter
科学的な視点からの学習法
既有知識と理解学習のポイント--作業興奮--脳を活性化する歩き方
朝食を食べると記憶力・習得能力が増す-なぜ学習能力が高まるのか?
記憶--長期記憶--忘却曲線による記憶の定着--忘却の原因
音読について室温での集中力
良質な睡眠をとるには?--睡眠
パレートの法則学習意欲


既有知識と理解
我々が何かを理解しようとする時,そこには必ず既存の知識があります.
既にある知識を既有知識と称しましょう.私たちが理解を行う時,この既有知識の概念が重要になってきます.
私達が理解するというプロセスはジグソーパズルに似ています.
ジグソーパズルの場合,新しく当てはめるピースと既に出来上がっているパズルの部分とを,巧く合致させる必要があります.
同様に私たち人間でも,既有知識にぴったりと合致した知識が流れ込んでくると,それはぴったりと頭の中に収まります.
 知識を巧く当てはめられると良いのですが,情報はパズルとは違い,いつもぴったり合致するものとは限りません.
そこで我々は「情報」を「既存の知識に合う」ように「変化」させる必要があります.
また,既存の知識に間違いがある場合は,「既存の知識」を「変化」させなくてはなりません.
私たちの頭の中で行われている情報処理は,粘土で出来たジグソーパズルを組み立てるようなものなのです.
 ですから,私たちの思考に必要なものは,「情報を変化させる技術」 「既有知識の間違いを発見し,改修する技術」
という技術です.もし,「情報」の側を変化させるべき時に,既有知識を変更してしまうと,それは間違った形での知識の形成となります.
勿論,これは以後の学習によっては突き崩されることもありますし,そのような時は前の所から組み立てていかなくては成りません.
覚えておいて欲しいのは,この「間違い」は"悪"ではなく,学習過程において必ず起こるものだということです.
このような誤認と再認を繰り返して,人は学習していくのです.
既有知識と新情報の扱い方.
この方法に熟達することが効率よく理解するための第一歩となるでしょう.


学習のポイントは、脳に繰り返し刺激をあたえ、
学習したものをすぐに引き出せる記憶として成立させることです。1度覚えたものを覚えなおすとき、新しく脳に刺激があたえられます。
それによって以前に覚えたときよりも強い記憶として残ります。これは、短期記憶でも長期記憶でもポイントは同じです。
強い刺激を何回あたえるか、それがポイントなのです。

それを何度も行うことで記憶を定着させます。ここで問題となるのが何回繰り返すかですが、
ゲイツによると、新しいものを覚える時には、読む時間「1」に対して、 暗唱する時間「4」が最も効率の良いそうです。
これを受験に応用すると、例えば、「文法の問題集を解くとき(まず、今回解く範囲を決めて)1回解く、そして理解する。
その後、間違えたものを4回解きなおす」のが良いということになります。
このとき、同じ問題をすぐに4回解きなおすのでは、脳に刺激がいかないので、間違えた問題を4週するといいです。


作業興奮
みなさんは学校でいやいや掃除をしていたが、次第に楽しくなり熱中したことありますよね。これは作業興奮という事象が関係しています。
作業興奮とはどのようなことかというと、やる気がなくても勉強をはじめると勉強しているうちにやる気が出てくるということです。
どういうメカニズムなのかというと、人間の脳の中の側坐核(これはある程度の刺激が来ないと活動をはじめません)という部分が刺激されると、
アセチルコリンという神経伝達物質が出ます、これがやるきのもととなるということです。
つまり、とにもかくにもまず勉強をはじめるのが大切だということです。勉強をはじめれば自然とのってきます。
運動とやる気
適度な運動(特に大腿筋を動かす)をすることでも、この側坐核は刺激され、活性化されるようになりは集中力は増す。


脳を活性化する歩き方
1.朝、早起きして歩く
2.緑の多い所や、いつもと違った場所を景色を見ながら歩く
3.背筋をピンと伸ばして歩く
4.つま先に体重をかけて歩く


朝食を食べると記憶力・習得能力が増す。
「デンマークの国立労働健康研究所のワイオン博士が10歳児を対象にした研究で明らかにした。
1日の必要摂取量の約25%を朝食で摂取すると、計算能力・創造力が高まった。
メキシコで開催された“朝食とパフォーマンス”サミット(3日間)に栄養学・心理学・神経科学など世界中から専門家が集まったが、
朝食は記憶力・問題解決力・創造的思考力が向上し、教室での子供たちの活動を良くするためにも重要であるとの見解が一致した。
又、朝食は青年や中高年の知的活動にも重要な効果があることが討議され、
8〜80歳の人々を対象にして、炭水化物を摂取すると、短い話を記憶して話す能力が高まるという研究も紹介された。
朝食をきちんと摂取すると、なぜ学習能力が高まるのか
これまで炭水化物のグルコースが記憶力と脳の活動に何らかの影響を及ぼすとされており、
朝食を抜くことで生じる短気記憶(10秒ほどしか保持出来ないような記憶)はグルコース摂取により回復することが明らかになっている。


記憶
何か注意・興味が向けられるとその情報が海馬に送られ、シナプスの活動が活発になる。これが、記憶を留めること。
留められた記憶を頻繁に呼び起こすことによりシナプスの繋がりがより強固になり、何年も忘れない記憶となる。
各連合野に貯蔵された記憶を呼び起こし、総合的に結びつけて1つのまとまりにするのが前頭連合野。


長期記憶
長期記憶には大まかに分けると、宣誓的記憶と手続き的知識の記憶があります。
宣誓的記憶はことばで述べられる記憶であるが、手続き的知識の記憶は述べにくいという点で2つが区別されています。
また、長期記憶の最も重要な特徴は情報が構造的に貯蔵されているところにあります。
構造化されていることで、自分がほしいと思う情報を効率よく探し出せるというわけです。
この構造化の違いによって、宣誓的記憶は意味記憶とエピソード記憶に分類されます


忘却曲線による記憶の定着の最短って1日後、一週間後、一ヵ月後、3ヵ月後でいいの?
A.個人差があるうえ理解の深さなどによって変わってくるのですが、1日後、一週間後、一ヵ月後、3ヵ月後とみて、問題は無いはずです


忘却の原因
記憶には何かを覚える「記銘」と脳の中にとどめておく「保持」,思い起こす「想起」があることは述べました.
想起が出来ない事を一般に忘却と読んでいます.
では何故忘却が起こるのかと言うと,大きく分けて二つの原因が考えられます.一つは相互干渉,もう一つは逆向抑制です.
相互干渉は学習したものや経験したもの同士が相互に干渉試合,忘れさせる事です.
特に  ・その学習が類似している  ・学習の程度が低い ・時間的に接近している
という条件を満たすと相互干渉が起こる可能性が高くなります.つまり,この逆を行えば記憶は長く想起の可能性を持つ事になります.
寝る前に覚えて,就寝すると朝になって覚えている事が多いのもこれが原因だと考えられています.


音読について
視覚作用と発声作用という2つの作用による記憶が中心となるので、視覚作用だけの黙読に比べて、より確かな記憶となるそうです。
ただ、黙読にくらべて時間をくうので、音読するものはどうしても覚えたいことや、英語や古漢の文章などの語学的なものだけにしといたほうが無難です。
また、こうして音読したものを録音して移動時間などに聞くのも有効です。何かの本で読んだのですが、人の声より自分の声を聞いたほうが覚えやすいそうです。
mirさんの本でも、英語、古文、漢文や暗記すべき事項の音読をすすめていましたね。


室温での集中力
夏の暑い日って集中力がでませんよね、逆に冬場に暖房をいれてもなんだか眠くなってきます。
実は、室温は集中力と大いに関係があるのです。室温が高いと脳の血流が変化するために、脳の活力が低下するそうです。
昔からいわれているように、頭寒足熱(足元の温度の方が、頭部の温度よりも高い状態)を基本に考えるのがベストです。
したがって、冬場も部屋全体を暖めるよりは、足元を暖めた方がよいです。
寒いなら上着を着る。そして、頭は冷えた状態で保つことが大切です。休憩し た後に、冷たい水で顔を洗うのも非常に有効な手段です。


良質な睡眠をとるには?
ある程度体を疲れさせることが重要です。ただ、寝る前に激しい運動をすると交感神経が刺激されるので、就寝直前は控えましょう。
また、夜9時以降は極力、食事をとらないようにしましょう。食べたものが胃に残っていると、睡眠の質が落ちます。
他には、リラックスすることが最重要。特に、寝る直前は否定的な考えが頭に浮かばないようにしましょう。


睡眠
レム睡眠が記憶の保持と関係があるらしいことは多分皆知っていることでしょう。
このレム睡眠は約90分に一回の周期でやってきますが周期を減るにしたがってレム睡眠の時間が増加するらしいです。
つまり、1回目のレム睡眠より2回目のレム睡眠の方が長い、ということです。
特に睡眠時間が7時間から7時間半あたりに達した頃に来るレム睡眠は、非常に時間が長いので
受験生の方は7時間程度の睡眠を取ることをお勧めします。夜、冴えない頭で勉強するよりも、十分な睡眠を確保した方がプラスになります。

また、睡眠不足が続いてるときは10分から30分程度の昼寝が効果的です。
ただしこれ以上寝ると、睡眠が深くなり容易に起きれない+おきても頭がはっきりしない状態になるのでくれぐれも昼寝はとりすぎないように。

なお、正反対のものとして「短眠」というものがあります。この短眠、実行可能なようで、実際にやっている人もいます。
が、どうもただ睡眠時間を短くすればいいわけではなく、色々と方法があるようなので注意してください。適当にやると深刻な睡眠不足になりかねません。
また、必ずしも万人に有効な方法ではないようです。私は以前軽く試しましたが無理でした。


パレートの法則
これは、ものごとは8対2に分割できるというもので、「8割2割の法則」ともいいます。本当に大切なのは全体の2割であって、
そこを押さえれば80点はとれる(100点をとろうとすると10割を押さえないといけない)


学習意欲には、内発的動機づけと外発的動機づけが関連しています。
内発的動機づけには、勉強自体が楽しいということから来るものと成長欲求あるいは達成への欲求(チャレンジ精神)からくるものとがあります。
内発的動機づけをうまく使うには、大きい目標の他に、小さい目標をつくり達成感を味わうこと。
逆に、外発的動機づけは、行動することによって得られる報酬によってやる気がでるということ。
例えば、テストでいい点をとったら、何か買ってもらえると言うことでやる気が出ると言うこと。また、一般に内発的動機づけだけでは、勉強意欲が低下するそうです。

内発的動機づけを利用するには、レイアウトが学習しやすいものを選ぶ、
1色ずりの参考書はできるだけ避ける、分かりやすい参考書を使うなどの方法もあります。

戻る