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大ちゃんと俺の関係
- 1 名前:代打名無し :03/10/21 08:21 ID:e1SiBL5q
- 今日、バイトを終えて家に帰ったら、何故か台所に大ちゃんがいた。
大ちゃんは、シュウマイを作りながら俺に
「やあ、おかえり」と微笑みかけた。
俺は、なぜ俺の家の台所に大ちゃんがいるのかわからずに当惑したが
「た、ただいま」
とぎこちなく微笑みかえした。
その後、大ちゃんが作ったシュウマイを食べた。
うまかった。
- 2 名前:代打名無し :03/10/21 08:23 ID:/6Dy9dZ1
- 2ならうんこ漏らす
- 3 名前:代打名無し :03/10/21 08:23 ID:/a5LoSR4
- だがそのシュウマイには毒が入っており、翌日俺は死んだ。
- 4 名前:代打名無し :03/10/21 08:23 ID:/6Dy9dZ1
- うわーしまった
- 5 名前:代打名無し :03/10/21 08:26 ID:XJGdk49t
- (`Д´)クセー!!
- 6 名前:代打名無し :03/10/21 08:31 ID:fG+0iKkR
- 王シュレットであらってこい
- 7 名前:代打名無し :03/10/21 08:40 ID:VU8y9z5t
- 俺は今大ちゃんとパワプロをやってる。試合は8回で1点差で大ちゃんがリードしてる。 俺はこの回1アウト満塁に持ち込んだ。・・・大ちゃんが考えてる。まさか!! 「ピッチャー、デニー」 もちろん俺は逆転勝ちした。 それだけかも
- 8 名前:代打名無し :03/10/21 10:12 ID:2igheNyA
- 2のうんこ>>>>>>>>>1
- 9 名前:代打名無し :03/10/21 11:58 ID:VU8y9z5t
- あげ
- 10 名前:代打名無し :03/10/21 12:00 ID:OazlCqGA
- |
|
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
| \
|. ヽ
|. | コソーリ
| (●) (●) |
|:: \___/ |
|:::::::. \/ .ノ
- 11 名前:代打名無し :03/10/21 12:01 ID:WQbpDgYV
- ヘ:::::::::;;: -‐''''""( )1
゙、::::::::-‐''""" ̄"'i
:V;;||:::: '~ニ=ッ, r='| ショカツリョウ
i!f !::::: ゙、i 諸葛亮いわく
i!ゝ!:::: ‐/リ
i::/:、 :::、 /''ii'V 「柳の下にドジョウはございませぬ」
 ̄ハ:::::\ "''il|バ''
- 12 名前:代打名無し :03/10/21 12:01 ID:ulD3JkMu
- 部屋とYシャツと大ちゃん
- 13 名前:代打名無し :03/10/21 12:01 ID:p81yEg5E
- あげ
- 14 名前:代打名無し :03/10/21 12:01 ID:DjOvFxsG
- ビートたけしの伝説のネタ「消えたしゅうまい」を思い出すなぁ
- 15 名前:代打名無し :03/10/21 12:58 ID:wGz6wSi6
- / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄ヽ / 世界、糞スレ発見!
|__T_i_ | 大ちゃんはボッシュート!
|ミ. ・ ・ | / __________
/'')(6〈 / Jヽ 〉  ̄ ̄
/ ,‐i| Д |
_,,,l ;! ::|l\____)
, -‐'゙゛ i::.. | .ヽ/;ヽj!`‐-、_
l ノ::. .:|、 .ヽ,:ヽ| <゛~ヽ、
,:''`` ''"゙.|;;:‐''゙|.ヽ、 ヽ;::| / .|゙l
,: ヽ::il;;! ヽ、ヽ| / | :|
i o゚ :`;''゙ ヽ| / | .|
i ..:::::,:::'::::: . |゚ |,,;:->、
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- 16 名前:代打名無し :03/10/22 00:20 ID:aV9iaj71
- 大ちゃんage
- 17 名前:代打名無し :03/10/22 12:30 ID:4pw3FJfy
- テレビを見ていると大ちゃんが帰ってきた。
すごい落ち込んでるので「大ちゃんどうしたんだ?」と聞くと
「また、負けちゃった。デニーを出して。」って。
大ちゃんは今にも泣きそうな感じだ。俺は、
「まだシーズン終わってないじゃないか。最後まで全力出そうぜ。な?
それに大ちゃんはデニーを信じて出してるんだろ?最後まで信じてやろうや。」
俺がそう言ったら大ちゃんは大泣きした。俺は頭をよしよししてやった。
大ちゃんは元気が出たのかいつもより多めにシュウマイを作った。
今日のシュウマイはちょっとしょっぱいな。
それだけかも
- 18 名前:代打名無し :03/10/22 14:05 ID:VKWj/NZQ
- こんな文章で萌えてんじゃねーよ、俺!
- 19 名前:代打名無し :03/10/22 14:16 ID:l7Brq+pT
- 今日は天気がいいので俺は大ちゃんと買い物に出かけた。
・・・なんか周りの人が目を覆い隠すし、大ちゃんが「ありがとうございます」って頭下げたら
八百屋のおっちゃんなんかは「うわぁ」って逃げるし。
大ちゃんは周りの反応に当惑してる。気付いてないのか。
これからは出かける時には水泳帽かタオルを頭に着用を義務づけよう。
それだけかも
- 20 名前:代打名無し :03/10/22 19:41 ID:Ddps1qI0
- なぁ大ちゃん。どうして大ちゃんは頭のことといい采配のことといいなんで
空気が読めないんだ?
・・・そんなわんわん泣かなくてもいいじゃないか。だってウッズにバントとかありえねぇ。
鳥越を敬遠する以上にありえねぇ。
・・・あっ、出て行っちゃった。
俺も言いすぎたかな。大ちゃんごめん。
そして俺は大ちゃんが作りかけだったシュウマイを作って食べた。
・・・やっぱ大ちゃんの作ったシュウマイのほうが美味しいや。
それだけかも
- 21 名前:代打名無し :03/10/22 20:12 ID:sw6Y7LPZ
- 会社の俺の机の上、雑然と広げられた資料がなくなってた。
まるで、新入社員を迎えるかのようだ。
ちがう。俺の机だ。
そうだ、俺、思わず会社に来たけど、もう辞めてたんだ。いや、辞めさせられたんだ。
あんなに、俺、頑張ってたからかな。無意識のうちに、会社に来てしまったのか。
「どうしたんです?主任…あっ…いえっ、○○さん・・・」
「わ、…忘れ物ですかぁ?」
周囲の微妙な発言に戸惑う。ふふふ。辞めた、いや、辞めさせられた
俺がここに居ることのほうがおかしいよな。
「いえ、なんでもないです…。」とかなんとか言ってとっとと出てきた。
会社を出て、駅に向かう途上、ふと、涙が出た。
帰ろうか。家に。
そうだった、帰るところはあるんだ。
大ちゃんとシュウマイ食べて、就職活動、がんばってみようかな。
そんだけ。
- 22 名前:代打名無し :03/10/22 23:48 ID:aV9iaj71
- あげ
- 23 名前:代打名無し :03/10/23 00:08 ID:I4wQUb8N
- ここからきたのか?
ディアッカと俺の関係
http://ex3.2ch.net/test/read.cgi/shar/1065144686/l50
- 24 名前:代打名無し :03/10/23 00:13 ID:DZ96Nmxc
- だろうな
- 25 名前:代打名無し :03/10/23 00:20 ID:lio3BhUt
- 今日仕事を終え、家に帰り、俺の部屋に入ると
そこにいつも居るはずの大ちゃんが居なかった。
泣いた。
- 26 名前:代打名無し :03/10/23 01:40 ID:61Kls48q
- ttp://dodo.isa-geek.org/Log/WaraS1/kanukannkei.html
オオモトはこの関羽と俺の関係なんだけどな。
でも、このスレの大ちゃんも萌えるし、泣けるよ、きっと。
そんだけ。
- 27 名前:代打名無し :03/10/23 04:32 ID:Dg1xwtfn
- あげてみたり
- 28 名前:代打名無し :03/10/23 05:00 ID:lLMtUAyW
- 昨日大ちゃんと二人で甲子園に行ってきました。
試合はサヨナラで阪神が勝って僕は大ちゃんに
「やっぱり今年の阪神は最後の粘りが違うね」と言いました。
大ちゃんは複雑そうに「…そうだね…」といって下を向いてしまいました。
その後、ご飯(シューマイ)を食べて電車で帰りました。
駅から出ると途端に雨が降ってきて
「大ちゃん、これかぶって」と僕はキミマロの古い方をかぶせました。
そしたら大ちゃんは目から雨を降らしながら走っていってしまいました。
でも急に立ち止まり、振り向いて「来年はガムバルから!絶対に…」
と言って夜の闇に消えてゆきました。
俺は限界だと思った。
- 29 名前:代打名無し :03/10/23 09:46 ID:KMLhChD5
- 大ちゃん。
漏れの部屋に居るのは、もういい、許す。
しゅうまいを作るのも勘弁しよう。
ただ… 裸にエプロンだけの姿で料理するのは止めてくれ。
たのむ。
- 30 名前:代打名無し :03/10/23 23:32 ID:DZ96Nmxc
- なぁ大ちゃん。ダイエーが負けたからってシュウマイにつけるカラシの量を増やすのはやめてくれ。
- 31 名前:代打名無し :03/10/24 12:07 ID:pxZ3HLcj
- ピッチャーデニー
- 32 名前:代打名無し :03/10/24 12:19 ID:yTzcQLpH
- 昨日は一緒に日本シリーズを見た。
大チャンはシュウマイを食べながら見ていた。
試合の後半、大チャンがぽつりと呟いてた。
「ピッチャーデニー」
小さな声だった。
それだけ。
- 33 名前:代打名無し :03/10/24 12:30 ID:NukT5mvV
- 今日、バイトを終えて家に帰ったら、何故か便所に大ちゃんがいた。
大ちゃんは、うんこを生みながら俺に
「やあ、おかえり」と微笑みかけた。
俺は、なぜ俺の家の便所に大ちゃんがいるのかわからずに当惑したが
「た、ただいま」
とぎこちなく微笑みかえした。
その後、大ちゃんが生んだうんこを食べた。
うまかった・・のか?
- 34 名前:代打名無し :03/10/24 12:44 ID:S323qHG9
- 萌えスレの予感
- 35 名前:代打名無し :03/10/24 12:51 ID:BcwL+aVh
- 寒い夜、こたつでくつろいでいたらピンポンが鳴った。
ドアを開けてみるとそこには土鍋を持った大ちゃんがいた。
どうやら今晩は漏れと鍋をしたかったようだ。
もう晩飯を食べたと告げると大量の食材と鍋を持ったまま
大ちゃんはとぼとぼと帰ってしまった。
先に連絡ぐらいよこせよと思いながらも
冷たい夜風に耐えながら帰る後姿を見ていられなかった。
そんだけ。
- 36 名前:代打名無し :03/10/24 13:04 ID:ztQX8FKK
- 大ちゃんが地元の中学生に絡まれていた。
どうやらカツアゲをされていたらしい。
俺が近寄ると中学生どもはそそくさと退散して行った。
どうやらすでに金を取られた後だったらしい。
泣きじゃくる大ちゃんにいくら取られたのか尋ねると、
大ちゃんは174円と答えた。
全財産を出したのにまだ金を隠していると思われて開放してもらえなかったそうだ。
俺はポケットに入っていたキスミントを一つやった。
それを受け取った大ちゃんは涙を拭い、けなげに微笑んで見せた。
俺の頬に熱いものが流れた。
そんだけ。
- 37 名前:代打名無し :03/10/24 14:12 ID:yTzcQLpH
- 仕事を終えて家に帰ると、なぜか大チャンが鍋の用意をして待っていた。
「あったかいから一緒に食べよう」と言うので、
俺は「ちゃんと勝ってくれたらいつでも食うよ」と応えた。
大チャンはうつむいて鍋を見つめたまま、
「うん、明日は勝つよ。デニーが抑えるから」と震える声で呟いた。
鍋の中にぽとりと水滴が落ちてた。一粒、二粒。
俺は黙って箸を取り、鍋をつついた。大チャンは笑顔だった。
一緒に食べた鍋はおいしかった。
それだけ。
- 38 名前:代打名無し :03/10/24 14:18 ID:pxZ3HLcj
- 大ちゃんが「巨人の星」を読んでた。・・・河原に大リーグボール三号投げさせようとするなよ。
- 39 名前:代打名無し :03/10/24 22:24 ID:pxZ3HLcj
- 大ちゃんが「宗リン・・・」ってしきりにぼやいて泣いてる。俺はコンビニで買った肉まんをそっと置いていった。
- 40 名前:代打名無し :03/10/24 23:20 ID:3JrTKir5
- >>35
激萌えしてしまいますた
- 41 名前:代打名無し :03/10/24 23:25 ID:PMrRTnDR
- 外は雨が降っている やみそうな気配もない
窓から外を眺めているとふいにドアをノックする音が聞こえた
ドアを開けるとそこにはずぶ濡れになった大ちゃんが....
「来ちゃった....」
その後はご想像にお任せします
- 42 名前:代打名無し :03/10/24 23:37 ID:eOpD6YjJ
- >>41
「どうしたんだよ大ちゃん!?ズブ濡れじゃないか!?」
俺は風邪をひくといけないと思って大ちゃんを風呂に入れた。
大ちゃんは風呂でリフレッシュしたらしくずいぶん元気だ。
「改めて聞くけど傘はどうしたんだ?」
「球場出る時、傘置き場に僕の傘だけなかったの。だから・・・」
大ちゃんは涙をこらえてる。
「きっと心無い奴がパクったんだよ。ホントロクでもない奴がいるよな。」
俺は大ちゃんを元気づけようと「さいたまさいたま!」と連呼して踊った。
泣きそうだった大ちゃんに笑顔がもれた。
「アハハ!何それおかしいよ。」
すっかり元気が出たようだ。
その後大ちゃんと一緒にシュウマイを食べた。
いつも以上に美味かった。
そんだけ
- 43 名前:代打名無し :03/10/24 23:59 ID:HfXDwXIE
- 糞スレと思わせ良スレの予感!!
そんだけ
- 44 名前:代打名無し :03/10/25 00:22 ID:+9lzc//r
- / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
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/ ヽ
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|::::::::::: ヽ / |
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ヽ:::::::::::::::::::. \______ノ
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/ _ノ ,_ノ\
/ / iニ)ヽ, /rj:ヽヽ ヽ おどかしてごめんね
l::::::::: ;〈 !:::::::c! ' {.::::::;、! 〉. |
|:::::::::: (つ`''" `'ー''(つ | ちょっとやってみたかっただけなんだ
|::::::::::::::::: l | l | |
ヽ:::::::::::::::::l::. r‐''""~) l ノ
- 45 名前:代打名無し :03/10/25 00:34 ID:X41jMbK7
- 目の前を大ちゃんが笑顔で歩いてゐる。
キュムキュム
キュムキュム
嗚呼、まるで泣いているやうじゃないか。
私は大ちゃんを見ながら訳も無く泣いてゐた。
それだけ
- 46 名前:代打名無し :03/10/25 01:51 ID:KTHHIH3Q
- 今日も大チャンと一緒に日本シリーズを見ていた。
大チャンは本当に野球が好きなんだな。
俺がどっちを応援してるのかと聞くと、
「どっちも応援してるよ。頑張ってる姿が好きなんだ」
と少し照れながら言った。
俺は黙ってシュウマイを食べた。
川アと秀太が激突したシーンでは、
「大丈夫かな、大きな怪我じゃないといいね。みんな元気で野球してほしいね」
と大チャンはちょっと悲しそうな顔で呟いた。
「秀太の走塁が悪いんじゃないか?」
そう俺が言うと、大チャンはぷるぷると首を振った。
「みんな一生懸命やってるんだ、誰も悪くないよ。僕はみんなを応援してるんだ」
大チャンの目は綺麗だった。シュウマイを食う俺が写っていた。
それだけ
- 47 名前:代打名無し :03/10/25 16:53 ID:r0m+mhkN
- 萌え
- 48 名前:代打名無し :03/10/25 17:41 ID:nnK2Gy9I
(´д`;)ハアハア
漏れも大ちゃんの焼いたシュウマイ食いて〜〜!
- 49 名前:代打名無し :03/10/25 17:47 ID:/hrt9/Gc
- 大ちゃんイイ…
- 50 名前:代打名無し :03/10/25 17:47 ID:sgxMjrpF
- >>48
シュウマイは普通焼かないが・・・・・
- 51 名前:代打名無し :03/10/25 18:05 ID:CjUmbmAa
- . .: : : : : : : : :: :::: :: :: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
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. . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
∩_∩ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
/:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
このスレ読んで、せつなくなって泣いてしまった漏れは
もう逝ってよしかと思われ(ry
- 52 名前:代打名無し :03/10/25 20:54 ID:2owzw2L3
- . . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
/:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
>>51 漏れもだよ…。ここの大ちゃん、けなげだよな…。
- 53 名前:代打名無し :03/10/25 22:08 ID:HrUJpOO7
- / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
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/ ヽ
l:::::::::. |
|:::::::::: (●) (●) | キャハ!
|:::::::::::::./// \___/ /// |
ヽ:::::::::::::::::::. \/ ノ
ボクってそんなにけなげ?
- 54 名前:代打名無し :03/10/25 23:07 ID:Ij+GsjJq
-  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄○ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
O 。
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/ \
/ ヽ
l:::::::::. |
|:::::::::: (●) (●) |
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ヽ:::::::::::::::::::. \/ ノ
- 55 名前:代打名無し :03/10/26 03:04 ID:0YNRw1fP
- シウマイじゃないの?
- 56 名前:代打名無し :03/10/26 13:24 ID:JUv9rrl4
- 夜、いつものようにゴミを出しに行ったら、電柱の下に大ちゃんがいた。
「寒くないの?」俺がそう言うと
「反省してるんだ、今季のこと…だからそっとしておいてよ。」と大ちゃんは言った。
しかし、そう言いながらも大ちゃんの肩は震えている。
やはり秋とはいえ相当寒いのだろう。
だからといってここで甘やかしてはいけない。
「そうか。頑張れよ。」
「うん。」
大ちゃんの頭を軽くぽんと叩いて、俺は再び家への帰路を歩く。
帰る途中、何度も「くしゅん!」と大ちゃんのくしゃみを聴いた気がした。
そんだけ。
- 57 名前:代打名無し :03/10/26 20:24 ID:JeIVt3PD
- (´・ω・`) ダイチャン・・・
- 58 名前:代打名無し :03/10/26 21:41 ID:6z8QLfUJ
- >>46
激萌え
- 59 名前:代打名無し :03/10/26 22:27 ID:GkHCSi/X
- 謎の巨大宇宙生命体の出現。
そして山下監督の謀反により、横浜ベイスターズは壊滅的打撃を受けていた。
山下の号令の下、ハマスタに集結するデニー軍団。
それを迎え撃つタクローだったが、力の差は歴然としていた。
そして、解散していたベイスターズの村田、内川、金城
さらにファンタジスタの罪で投獄されていた古木までが、この戦いに駆り出された。
自らの目で山下監督の復活を確かめんがため、その野望を阻止せんが為に立ち上がった古木。
巨大宇宙生命体、山下の復活の意味とは!?
新型助っ人は敵か味方か!?
今ここに、ウッズ対デニー軍団。
そして謎の新型助っ人を交えた壮絶なる戦いの火蓋が切って落とされた!!
古木の操縦するウッズは、行く手に立ちふさがる悪の軍団を次々と破壊していく!
敵はハマスタにあり!!!
第一話「復活!悪の要塞横浜スタジアム!!!」
- 60 名前:代打名無し :03/10/26 22:48 ID:BvmOM7bb
- 真面目に書こうとすると、けっこう難しいな、これ。
なんかネタ探してこよー
- 61 名前:代打名無し :03/10/26 22:51 ID:GkHCSi/X
- 今日某スーパーでバイトしてたら大ちゃんがきた。
「来ちゃった。」大ちゃんは笑う。
「どうしたんだ大ちゃん?買い物にきたの?売上貢献ありがとうね。」
「うん。君が頑張ってる姿を見たら僕も頑張れると思ってね。
そうそう。今日の晩御飯はチャーハンとシュウマイだから楽しみにしててね。それじゃ」
大ちゃんは笑顔で帰っていった。
俺はいつもの3倍頑張った。
そんだけ
- 62 名前:代打名無し :03/10/26 23:08 ID:jVrYbv7L
- 「今日の晩御飯はシウマイだよ」
いつものように大ちゃんが満面の笑みを浮かべてシュウマイを持ってくる。
「だからさ、大ちゃん。シュウマイだって。何度も教えただろ」
「う、うん。シュ、シュチュ、シウマイ」
言えないのかな。俺は不思議に思いながら大ちゃんを見ていた。
「シュ、シュー、チューマイ。シウマイ」
大ちゃんの大きな目が、だんだん悲しそうに濡れてきていた。
「もういいよ。早く食おうぜ。冷めちまう」
「う、うん、そうだね、熱々のシウマイおいしいもんね」
嬉しそうに笑う大ちゃんを見てると、
シュウマイでもシウマイでもどっちでも良く思えた。
火傷するほど熱いシュウマイ、湯気の向こうで大ちゃんの笑顔が揺れていた。
それだけ
- 63 名前:代打名無し :03/10/26 23:10 ID:jVrYbv7L
- ああん、上で大ちゃんシュウマイって言ってた(;´Д`)
- 64 名前:代打名無し :03/10/26 23:36 ID:bP24P2/t
- >63
>62萌えたから気にすんなw
- 65 名前:代打名無し :03/10/26 23:36 ID:YOn7OjOH
- ここの一人称の「俺」はベイファン?
- 66 名前:代打名無し :03/10/26 23:49 ID:fMGAcX3z
- >>65
「俺」の数だけ「俺」がいる。
それだけ
- 67 名前:代打名無し :03/10/27 00:10 ID:OUfbPTzi
- みんな山下が良い人と思ってるみたいだけど本当の山下はわがままなんだよ
- 68 名前:代打名無し :03/10/27 01:56 ID:Qqm9gQy8
- わがままな大ちゃんもいい。
萌えるから。
それだけ
- 69 名前:801 :03/10/27 02:12 ID:aRAjWr7H
- n
B_A_Y_S_T_A_R_S_ノ V|
`''´
The days which are wrapped in the scene of sadness and to pass heartlessly
DAI-tyan’s wonder command repeated with the HAGE-light
A pennant continues to where as well
He is waiting in the lowest rank
__(/__
,.-'´ `ヽ
r'´ ゝ' `ヽ
{ "'' " ii}
li i i ii
_i_i i i i_リ'_
<___,.ニ=‐-‐- <__>;
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// ヽ\____
ん'^l:::: ::::|ト ノ´し'⌒`
|::::: (●) (●) :::::|
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l:::::::,ィ´ベ ;゙†.! /∧:::|
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く::::く ゝ、::::\ /:::::::::ノ /
\::`コ==} `' ::::::{==「::j
\:::::レ'` ー--‐ァ''´\j/
´ _,,. ‐''" / ハ\
- 70 名前:代打名無し :03/10/27 04:14 ID:fTIKaymk
- スーパーに買い物に行ったら、ひき肉の前にいつもの大ちゃんがいた。
アレは一体なんなのだろう。アンマン?
「シウマイシウマイ〜今日は何シウマイにする?」」
小さな手で携帯を取り出し、なにやら嬉しそうに話している。
電話の向こうの相手が心底羨ましいと思った。
いつもより倍近く高いチルドシュウマイを買った。
何故か後から後から涙が出てきて。
ワンルーム8畳の部屋が広かった。
そんだけ。
- 71 名前:代打名無し :03/10/27 08:52 ID:+VeCd9Zi
- バカスレ
- 72 名前:代打名無し :03/10/27 09:12 ID:XEb4KUc3
- >>70
・゚・(つД`)・゚・
- 73 名前:代打名無し :03/10/27 12:53 ID:j1b/zhFd
- あげ
- 74 名前:代打名無し :03/10/27 18:17 ID:fOKY4bAs
- ここはひどい萌えスレですね
- 75 名前:代打名無し :03/10/27 18:47 ID:bYu7y4yM
- 今日も大ちゃんと日本シリーズを見た。
「来年はあの舞台に立てたらいいな。」と俺が言うと
「うん、でもどこのチームも日本一目指してるんだ、全部のチームが優勝できたらいいのにな・・・。」
と大ちゃんは言った。
俺は「大ちゃんは優しすぎるよ。」と言おうと思ったが大ちゃんの目を見ると何もいえなくなった。
しばらく黙り込んでいると急にテレビが切れた。
びっくりして前を見るとリモコンを握り締めたまま大ちゃんが泣いてた。
今にも消えそうな声でなんども「ごめんね・・・みんなごめんね・・・。」と謝っていた。
俺はそんな大ちゃんを正視できずに上を見上げた。
少しするとテレビがつく音が聞こえて、大ちゃんはすこし寂しそうに微笑むと
「シウマイ作るね。」と言った。
そんだけ。
- 76 名前:代打名無し :03/10/27 18:59 ID:FLlDiAQq
- >>1よ大ちゃんとはBまで行ったのか?
- 77 名前:代打名無し :03/10/27 22:37 ID:QTcOIvPe
- だめだ・・・・゚・(ノД`)・゚・
- 78 名前:代打名無し :03/10/27 22:47 ID:fTIKaymk
- 今日は大ちゃんと一緒に最後のシリーズを見た。
勿論シュウマイを食べながら。
胴上げと花火。
「勝つって、どういうことなんだろう。」
いつもより小さな背番号77が大ちゃんの顔に映っている。
「俺には大ちゃんが最優秀賞だよ。」
目を伏せて割り箸を操る。
震えている大ちゃんを抱くことが俺にはできなかった。
冷め切ったシュウマイ、いや、シウマイはしょっぱい。
大ちゃんと一緒に見た最後のシリーズだった。
そんだけ。
- 79 名前:代打名無し :03/10/27 23:05 ID:Ovt6GNCU
- >>76
下ネタ( ・A ・)イクナイ
- 80 名前:代打名無し :03/10/27 23:35 ID:Peib5XVG
- 今更だけど>>2がどうなってるか心配だ
- 81 名前:代打名無し :03/10/27 23:38 ID:oRNDQCuc
- 当然漏らしていることでしょう
- 82 名前:代打名無し :03/10/27 23:59 ID:TOHcE+eU
- 大ちゃんが>>2のことを心配してる。
「大丈夫かな。臭いだろうな。みんなに避けられてるだろうな。」
目が潤んでる。
「あまり大口は叩かないほうがいいよね。僕もこれからは
優勝じゃなくて勝率5割を目標にするよ。」
. . .... ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::: : :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
Λ_Λ . . . .: : : ::: : :: ::::::::: :::::::::::::::::::::::::::::
/:彡ミ゛ヽ;)ー、 . . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i . .:: :.: ::: . :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
/ :::/;;: ヽ ヽ ::l . :. :. .:: : :: :: :::::::: : ::::::::::::::::::
 ̄ ̄ ̄(_,ノ  ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄
それじゃだめだって・・・
そんだけ
- 83 名前:代打名無し :03/10/28 00:00 ID:KMqP7M4h
- まあ、来年は大ちゃんと仲良く最下位争いするんだな。
- 84 名前:代打名無し :03/10/28 00:07 ID:7l8bbASV
- kkk
- 85 名前:代打名無し :03/10/28 00:09 ID:TT2L9/px
- おれがいつものように駅からの帰途をたどっていると
大きな街路樹の下に大ちゃんが居た。
おれが「やあ。今日もここに居るんだね」と声をかけると、大ちゃんは
少し笑いながら「ぼくはこの古い木が大好きなんだ」と言った。
「そっか。じゃあ、急いでるからまたね」と言うと大ちゃんは手を振ってくれた。
で、家に着いて服を脱いだらポケットに大きなシュウマイが2ヶ入ってた。
そんだけ。
- 86 名前:代打名無し :03/10/28 00:17 ID:4ixtAgFe
- 今日いきつけの飲み屋に行くと
マスター、隣の人たちにスコッチを・・・
ぶっちぎり最下位
↓
五位 三位 二位 ぶっちぎり優勝
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ( ) ↓ ↓ ↓ ↓
/ \ ...( ) .::::::::: ::::::::::::
/::::::::::::::: :::::::::: ヽ( ). . .::::::::: ::::::::::::
l:::::::::::: ::::::::::|( ( . .::::::: ::::::::::::::.
|::::::::: (●) (●) ::::::| ).)::::::. . ..: : :: :: ::: :::::: :::::::::::. ..: : :: :: :::
|:::::::_ \__/ _///===・ . .:::: ΛCΛ ΛGΛ ΛDΛ ΛTΛ
ヽ/ ヽ:: \/ ( /:::ノ::::: :: .../:彡ミ゛ヽ;)ー、 /:彡ミ゛ヽ;)ー、 /:彡ミ゛ヽ;)ー、 (`Щ´ )-、
/ ::::人l||>::: :: : ::::: |:: |/ ヽ:::::::::/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i:., (mソ)ヽ i
/ ::::/::::~~:: ::::: ::::: :::: |::: ヽ / ::::/ :::/コージヽ ヽ ::l/ :::/タツノリヽ ヽ ::l/ :::/ ヒサシヽ ヽ ::l / /センヽヽイチl
.(_/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\_ノ ̄(_,ノ ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ(_,ノ ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ(_,ノ ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ ̄(_,ノ ̄ ̄ヽ、_ノ
↑続投決定 ↑ ↑ ↑名誉の勇退
ヘッドコーチに前々監督が就任 辞任 ↑
シーズン途中で解任(クビ)
来期はオレ流(落合)にバトンタッチ
それだけ
- 87 名前:代打名無し :03/10/28 01:46 ID:1kH1/oy/
- >>85
なんか(・∀・)イイ!!
ちょっとageてみる
- 88 名前:代打名無し :03/10/28 02:52 ID:5HMyH6X2
- まあ、文章は萌えるんだよ。萌えたさ。
しかしだ、その情景を思い描こうとするとリアル大ちゃんが出てきてしまうんだよ。
>>29なんて最悪だ。リアル大ちゃんが裸エプロンだ。誰か助けて…。
- 89 名前:代打名無し :03/10/28 04:30 ID:1PSlTDFP
- 俺と大ちゃんは背中合わせの関係だ。
そんだけ。
- 90 名前:代打名無し :03/10/28 04:56 ID:TT2L9/px
- 僕は犬の散歩に出かけようと思い、まだ夜が明けきらない早朝に出発した。
せせらぎだけが聞こえる川沿いの遊歩道に、僕と愛犬の息が響いている。
しばらくした時、向こう岸から人の叫ぶ声のようなものが聞こえた。
「ピッチャー加藤!」「ピッチャー木塚!」「ちくしょう!・・・」
あれから三日が経ったけど、あの声が大ちゃんだったんだと気づいた。
今日の晩飯はしゅうまいにしようと思う。
そんだけ。
- 91 名前:代打名無し :03/10/28 05:49 ID:C/ltGTSm
- 何だ、このシュールリアリズムを地で行く微妙な名スレは・・・
- 92 名前:代打名無し :03/10/28 08:13 ID:fLDGfPGb
- 近所のダイエーを通りかかったら大ちゃんが並んでいた。そんだけ
- 93 名前:代打名無し :03/10/28 08:27 ID:gtMHxEbZ
- >>92
ちょっぴりワラタ
そんだけ
- 94 名前:代打名無し :03/10/28 11:36 ID:LfHTed0B
- 家に帰ってくると、電気が消えていて寒々とした空気が漂っていた。
(大ちゃんの奴、さっき電話した時はいたのに・・・。買い物にでも行ったのかな?)
電気とTVをつけて、着替え始めると寝室がら物音が聞こえてきた。
ドアを空けて電気をつけると、大ちゃんが布団にくるまって泣いていた。
「どうした?何かあったの?」
「みんながデニーなんかストッパーに起用するなって・・・・。」
どうやら苛められたらしい。
「そんな事言われたからって泣いてちゃ駄目だろ。」
「だって・・・ホワイトサイドさえ役目を果たしてくれてたら・・・。」
「もう終わったことなんだからさ。それより、早く晩御飯たべようよ。」
無理矢理布団から大ちゃんを引き剥がして食卓まで連れて行き、
帰りにスーパーに立ち寄って買って来たシウマイを温め直した。
少し遅めの夕食をとり始めると、大ちゃんがポツリ・ポツリと喋りだした。
「ホワイトサイドのせいにしちゃいけないよね・・。僕が頼んで連れてきたんだもんね。」
「うん。人のせいにしちゃいけないな。」
「ギャラードも来てくれたし、来年はもっと勝てるよね。」
「そうなるとイイね。期待してるからな、大ちゃん。」
大ちゃんは泣きながら笑った。その顔が少し不細工だったので僕も笑ってしまった。
つけっ放しにしてあったTVでバラエティ番組でもやっているのだろうか?
ヤラセっぽい独特な笑い声がTVからやけに大きく聞こえた。
そんだけ。
- 95 名前:代打名無し :03/10/28 19:32 ID:TT2L9/px
- 今日は秋晴れの空が広がっている。「よし、キャッチボールでも行くか。」
そう思い立ち、電話で大ちゃんを誘って、近くの運動公園に繰り出した。
「パシーン!」大ちゃんのグラブは素晴らしい音を立てて捕球する。
さすがにプロだったんだなあ、と改めて思った。
しばらく汗をかいた後、2人で近くのスーパーでシュウマイを買って食べていた。
すると大ちゃんが「ぼくも現役のころは凄かったんだよ。」と笑いながら
小さな声で呟いた。あいにく俺は大ちゃんの現役時代を知らない世代だ。
僕はなにも返事ができなかった。なぜかはわからないが。
帰り道、夕日がとてもまぶしく感じる。前を歩く大ちゃんの背中が大きく見えた。
そんだけ。
- 96 名前:代打名無し :03/10/28 22:09 ID:zfA/R8Xs
- 今日は大ちゃんと映画を見た。
「ねぇ・・・僕も誰かの為にいいことができるかな。」
ありがちな戦争映画でぼろぼろと涙をこぼす大ちゃんの肩に手を置く。
少なくとも関西の人間には、と言い掛けたがやめた。
「な、俺腹減ったよ〜、メシつくってよ、大ちゃん。しゅうまいくわせてよ。」
「・・・うん!」
ありがちな映画よりも、大ちゃんに泣いた。
そんだけ。
- 97 名前:代打名無し :03/10/28 22:34 ID:SEJyEkov
- このスレは名スレ。がんばれ。超がんばれ。
そんだけ。
- 98 名前:代打名無し :03/10/29 00:15 ID:cxIQrVWB
- >>95
一瞬スーパーシュウマイを買って食べていた、に見えて
にょきにょきでかくなる大ちゃんを想像した。
チョトワラタ
そんだけ。
- 99 名前:代打名無し :03/10/29 00:20 ID:HEb49eyk
- 会社帰り、バスに乗ったらそのうち客は俺だけになっていた。
外は真っ暗。窓には自分の呆けたような顔が映っている。
バスの振動。俺は最後列にだらしなく座りながら睡魔と戦っていた。
すると一人乗ってきた。大ちゃんだった。
ほかの席が全部空いてるのにも関わらず大ちゃんはなぜか俺の隣に座った。
俺は意を決して話しかけ、大ちゃんに間違いことがわかるとしばし野球の話で盛り上がった。
自分がベイファンなこと、監督を応援してること、優勝を心待ちにしてること・・・。
大ちゃんはうんうんとうなずいて必ず果たすと約束してくれた。
なんか俺、自分でもびっくりするぐらい熱く語っちゃって、
今年はあんまり成績が酷いんでスポーツニュースとかあんまりよく見てなかったんだけど、
やっぱ俺野球好きなんだなーって再確認した。
大ちゃんはずっと笑顔だった。
ぐらりと体が傾いて我に返った。
どうやら眠っていたらしい。
・・・大ちゃんはいない。なんだ、夢だったのか。そりゃそうか。
ふと右手に違和感を覚えて見ると、何かを思い切り押し潰している。
その感触から虫なんじゃないかと焦って手をどけたら潰れていたのはシウマイひとつ。
「次は西竹の里町」
俺は慌ててボタンを押した。
バスが走り去ってテールライトが夜道に消える。
ふと空を見上げると雨上がりの夜空に光る星。
そのとき俺は確かに横浜の海に浮かぶ星を見ていたと、今でも奇妙な実感がある。
まあそんだけ。
- 100 名前:代打名無し :03/10/29 00:30 ID:ZKSijRSF
- 100
- 101 名前:代打名無し :03/10/29 00:36 ID:E3BvNOFN
- 横浜駅ホームにある崎陽軒の売店に大ちゃんが居た。
俺は大ちゃんに
「何でこんな所でシウマイ売ってるの?」
と聞いたが大ちゃんは答えない。
「大ちゃん答えろよ!何でこんな所に居るんだよ!」
何回聞いても大ちゃんは黙々とシウマイを売り続けるだけだ。
「おい大、答えろ!」
俺はついに大ちゃんをひっぱたいた。
大ちゃんは目に涙をいっぱいにして歯を食いしばっている。
俺は諦めてシウマイ弁当を一つ買ってやり、東海道線に乗り込んだ。
そのシウマイ弁当は不味かった。
それだけ。
- 102 名前:代打名無し :03/10/29 00:49 ID:poJYrjtO
- 俺が帰宅した時、大ちゃんの目は真っ赤になっていた。
言葉少なに俺にシウマイを出す大ちゃんに
「何だよ、また悲しいドラマでも見ちゃったのかよ」とひやかした。
スポーツニュースが始まり、星野監督の勇退会見のVが流れた。
二人で黙ったまま見ていた。ニュースが終わり、大ちゃんはぽつりと言った。
「星野くん、お疲れさま…」
俺はふと大ちゃんの手に目を留める。なんとなくふにふにしてると思ってたその手は
いくつものタコや、歴史を思わせる傷跡がたくさんあった。
「大ちゃんだって頑張ってるだろ。お疲れさん、来年また頑張れ」
俺はシウマイの海老を全部大ちゃんの皿に載せてやった。
大ちゃんは、また目を赤くしてニッコリ笑った。
そんだけ。
- 103 名前:代打名無し :03/10/29 01:00 ID:bq9oGv8e
- @@@@@@@
/ \
/ ヽ 俺を舐めるなよ!!
/ ̄\ l / ,, ,, \ | 来年こそ日本一になってみせる!!
,┤ ト | (・ ) ( ・) |
| \_/ ヽ _ |
| __( ̄ | _二◎ ノ
ヽ___) ノ
- 104 名前:代打名無し :03/10/29 01:45 ID:EHs4YgNJ
- 今日は大ちゃんと遊園地に行く約束をしている。
ふと時計を見ると、待ち合わせの時間まであと5分になっていた。
服を適当に選んで、パンをかじりながら待ち合わせ場所の駅前に走った。
僕は「ごめん。待った?」と咳き込みながら大ちゃんに謝った。
「ううん、いいんだ。たった30分じゃないか」と大ちゃん。
大ちゃんの寛容さと陽気な笑顔に胸が救われる思いだった。
簿たちは電車に20分ほど揺られ、やがて遊園地に到着した。
入場門に差し掛かったとき、悲しむべき出来事が起こった。
「休園日」の立て札がかかっている。僕のミスだ。ふと横に居る大ちゃんに目をやる。
「気にしないで。ぼくは大丈夫だから。」と大ちゃん。嫌な顔ひとつせずに
笑ってくれている。やがて僕も笑っていた。「ありがとう、大ちゃん」と心の中で呟く僕。
来たことのない駅への道を引き返していると、一軒の中華料理屋が目に入った。
蒸したてのしゅうまいを2人で頬張る。おいしい。
大ちゃんが「失敗したおかげでこのしゅうまいを食べられたんだよ」と言った。
「失敗ばんざい!」店のフロアにいつまでも2人の笑い声が響いた。
そんだけ。
- 105 名前:大ちゃんの告白1 :03/10/29 02:14 ID:Q8iv944B
- 僕が家に帰ると大ちゃんは泣いていた。
「どうしたの?」心配して声を掛ける僕に対して、大ちゃんはただ顔を横に振るばかり。
「お腹すいたでしょ。なんか作るね。」買い置きしていた塩ラーメンを取り出し急いで鍋に火をかける。
しばらくしてお湯が沸騰し、ラーメンを鍋に放り込んで、僕は3分間脳を働かせる。
(何か大ちゃんにあったのか?昨日まであんなに元気だったのに・・・)
3分はあっという間に過ぎ、2つの丼に生卵を上に乗せただけの塩ラーメンが完成した。
「ほら、食べなよ。大ちゃんが大好きな生卵ラーメンだよ。」
大ちゃんは何も言わずに、ラーメンを勢いよく食べ始めた。
(よっぽどお腹空いてたんだな・・・)
とりあえずご飯を食べる元気はあったことに僕はひとまず安心した。
- 106 名前:代打名無し :03/10/29 07:22 ID:DQnoC2A3
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ マチクタビレタ〜 マチクタビレタ〜
マチクタビレタ〜 / \ ピッチャーデニ〜
/ ヽ マチクタビレタ〜 ピッチャーデニ〜
マチクタビレタ〜 l:::::::::. | マチクタビレタ〜
|:::::::::: (●) (●) | / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
へ |::::::::::::へ \___/ | < 大ちゃんの告白2マダー
\\ ヽ:::::::::::\\.. \/ ノ \____________
チン \\\. \\ ヽ
チン \\/ \\ _ | マチクタビレタ〜
\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/ / ̄ ヽ / _
\回回回回回/ ̄ ̄ヽ / ̄ ̄/| マチクタビレタ〜
\___/ ヽ____/ / .|
- 107 名前:代打名無し :03/10/29 12:29 ID:MoPtTYtM
- マダー?
- 108 名前:代打名無し :03/10/29 12:37 ID:Q/QWBcnR
- >>106
IDがDQn
- 109 名前:勝手に続き創作 :03/10/29 13:58 ID:20AVV6Cc
- ラーメンの鉢を半分ほど空けたところで大ちゃんがぽそりとつぶやいた。
「僕も…あんな風になれるのかな」
「え?」
「今テレビのニュースで星野さんの勇退会見をやってたんだ。
星野さんが会場を後にする時、阪神ファンがホシノ・コールを贈ってたんだ」
大ちゃんの箸は止まったまま動かない。
「いつもいつも心の中ではファンの人達に申し訳なく思ってるんだ。
でも…それにこたえられない自分が歯がゆくて…」
僕は何も言えなかった。
「僕も…あんな風に愛されたい…」そう言うと大ちゃんは一気に塩ラーメンの残りを
すすりはじめた。
「大ちゃんは…もうじゅうぶんに愛されてるよ…」だって大ちゃんは大ちゃんだから…。
うまく言葉をみつけられない自分にもどかしさを感じながら、僕は後片付けをはじめた。
二つ目の丼を洗っているとき、背後から大ちゃんの声がした。
「そうだね。僕にはこんなおいしいラーメンをつくってくれる人がいるんだったね。
ラーメンごちそうさま」
僕は二つ目のどんぶりを洗い終えた。
そんだけ。
- 110 名前:代打名無し :03/10/29 15:48 ID:NBexNvdu
- >>103
超キモイな。
- 111 名前:代打名無し :03/10/29 16:03 ID:SgWccjnr
- AA大ちゃんなら萌えるけどリアル大ちゃんだと激しくキモイな
- 112 名前:代打名無し :03/10/29 16:40 ID:MoPtTYtM
- 俺の部屋で待っている大ちゃん
俺の為にエビの入ったシウマイをせっせと作ってくれている
描いたらカシワモチみたいになってしまった…
http://v.isp.2ch.net/up/a7d7b0d691e4.gif
- 113 名前:代打名無し :03/10/29 17:09 ID:s05TtmGU
- ここは泣いてる大ちゃんを慰めるスレか?何か、読んでると切なくなって来る
んやけど・・・。
- 114 名前:代打名無し :03/10/29 17:12 ID:6WhGj9Wa
- >>113
せつなくなったら泣けばいい。
そんだけ
- 115 名前:代打名無し :03/10/29 17:35 ID:b6LuTfaH
- 俺の中では吉田戦車っぽいんだよな、ここの大ちゃん。
いじめてくんなんかに出てくる時々ほろっ、というかしんみりさせる時の空気が似てる気がする
- 116 名前:代打名無し :03/10/29 18:00 ID:fIKXZVi3
- >>112
かわいい…
けど、シウマイを両手で抱える程のサイズの大チャンだともっとかわいかったかも。
- 117 名前:代打名無し :03/10/29 18:39 ID:6WhGj9Wa
- 大ちゃんが珍しくPCに向かって調べ物をしている。
(一体、何調べているんだろう?)
そーっと近づいて後ろからモニターを覗こうとしたら、
大ちゃんは気がついたらしく、顔を赤くしながら画面を必死に隠そうとした。
「何調べてんだよ。教えてくれてもイイだろ。調べるの手伝うよ。」と言うと
「なんでもないよ!なんでもないから、あっちいってて。」と恥ずかしそうに僕を押し返してきた。
「わかったよ。ケチだなあ。」と離れかけたんだけど、僕はその時画面を見てしまった。
どうやら、新人王やベストナインにチームの選手が選ばれていないか調べているみたいだった。
急に大ちゃんの押し返してくる力が弱くなった。
「やっぱり僕のチームからは誰も選ばれていないよね。」
赤かった顔が真っ赤になった、今にも泣き出しそうだ・・・。
「ファンのみんなも悔しい思いだよね・・・。」
大ちゃんの目にみるみるうちに涙が溢れ出してきた。
「でもね、来年はファンのみんなが笑顔でいられるようにするよ。きっとするよ。」
震える声で、でも力強く大ちゃんは言った。
「じゃあ、大丈夫だな。今年は駄目だったけどノージンジャーだな。」
と僕はおどけて大ちゃんの真似をしてみた。
「真面目に話をしてるのに、何そのノージンジャーって?馬鹿じゃない?真似しないでよ。」
大ちゃんは少し怒って・・そして笑った。
外の風がつよいからか窓がカタカタ鳴っていた。もうすぐ冬なんだな。
そんだけ
- 118 名前:代打名無し :03/10/29 21:17 ID:AQXnb6dq
- 俺と大ちゃんと番長の三人で番長の故郷奈良を訪ねた。
大ちゃんが鹿と戯れてるのをマターリ眺めながら市中を観光し、
最後に東大寺の大仏殿を参詣することにした。
本殿に入ってすぐ脇の有名な穴くぐりには長い行列が出来ている。
「ねえねえ僕もくぐっていいかな?」言うが早いか大ちゃんはすでに頭を穴に突っ込んでいる。
こんなに元気な大ちゃんを見るのはひさしぶりだな、と思っていると、どうも大ちゃんの様子がおかしい。
「あ、あれ?ぬ、抜けないよ!?」
そんなはずはないと思って後ろからおしりを押してみたが、
頭のキュムキュムした部分が突っ張ってどうにも動かない。
俺と番長でそれぞれツルツルして持ちにくい頭の先と、足を持って引っ張ってみてもダメだった。
周囲に出来た人だかりに「ガンバレー」と声をかけられるが、何をやっても動かない。
ついにレスキュー隊が来た。
「バールのようなもの使いますか!?」と言われたが、それでは大ちゃんが傷つく。それにバールのようなものは
もっと殺伐とした事態の時に使うものだ。
いつの間にか日が暮れている。番長の自慢のリーゼントも心配のあまりシオシオになってしまっていた。
どうしようかと途方にくれて、何気なく窓外を見やるとたいまつに火が灯されていた。
たいまつの燃え盛る様を眺めていると突然アイデアが閃いた。
「大ちゃん。ピッチャーデニーをコールするんだ!!」
「!? ピッチャーデニー!!」(AA略)大ちゃんのピッチャーデニーのコールが暗い堂内に朗々と響き渡る。
その顔が変形した一瞬を狙って一気にひきずりだした。
周囲の拍手に包まれて泣いている大ちゃんを見ながらほっと肩でひと息ついた時、背後に気配を感じたので
ふと振り返ると、リリーフカーから降りたばかりのデニーが立っていた。
そんだけ
- 119 名前:代打名無し :03/10/29 21:42 ID:rWz7tF9f
- >>118
すごい面白かったよ。
バールのようなものとかラストのデニーとか、かなりツボだった。
そんだけ。
- 120 名前:代打名無し :03/10/29 22:22 ID:02l5yUkq
- >>109
大ちゃん。俺は大ちゃんを愛してるよ。
浜ファソじゃないけど。
それだけ
- 121 名前:代打名無し :03/10/30 00:19 ID:BqQiy9OS
- / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ヽ
l:::::::::. |
|:::::::::: (●) (●) | シウマイ買って来たよ♪
|::::::::::::::::: \___/ |
ヽ:::::::::::::::::::. \/ ノ
 ̄ ̄ ̄,ゝ\/" \
┌-〈 ~^~ 、|>'\ `ー┴i
| // \/ヽ /
</ .\,,-'、 ./
_/ \/``-、_
/____,.....................__ \ _,-'"
/-'"/:::::::::::::::::::::::::::ヽ..__ __ `i-'
`-、ヽ" ̄ ̄`ー―--、::::``'"::::ア
~'-、-t'"^ヽ、 _,.-、`ー一-iゝ
`-'ゞ_,.<_`,.、_7、,.=,-ー-'
.|_::::::| |:::::_|
j>、ノ.|,.<|
'一'" `ー'
そんだけ。
- 122 名前:代打名無し :03/10/30 01:41 ID:fBOxafr0
- 家に帰る途中、古木や村田、吉見らベイの選手数人がウロウロしてるのに出会った。
「何してるの?」と聞くと夜間練習の途中大ちゃんがいなくなったという。
これは一大事だ。僕も大ちゃんの捜索を手伝うことにした。
「大ちゃんーーーーーーーー」
「カントクゥーーーーーーー」
ほうぼうに声をかけ、あちこち探してみるがみつからない。
最後のあいさつに来た小川も一緒に探してくれているが、どうしようもない。
「残念ですね。最後にご挨拶したかったんですが…」本当に残念そうな様子で小川は最終の新幹線に乗るために駅へと向かった。
川の方も探してみるか…。
自転車に乗って堤防の上を飛ばしていると遠くの方で貧弱な自転車のライトに反応するものがある。
まさか!?
近づいてみると大ちゃんとホッシー君がふたり並んで堤防のちょうど坂になっているところに膝を抱えて座っていた。
大ちゃんはホッシー君の左に座っていたが、これはホッシー君が左しか見ることが出来ないためだろう。
堤防の上に自転車を止めて、僕は大ちゃんのもとへと駆け下りた。
- 123 名前:代打名無し :03/10/30 01:42 ID:fBOxafr0
- 「大ちゃん何やってるの!?みんな心配してるよ!!」
ホッシー君がいつもの表情で何か言いたそうにしていたが、結局何も言わなかった。
「さあ帰ろう。みんなが待ってるよ」
「ダメだよ…。僕は戻れない…。」大ちゃんの視線は真っ暗な水面を見つめたままだ。
「今日から秋期キャンプが始まったのは知ってるよね。古木、村田、加藤…若い選手達が一生懸命練習してるのを横から見てたんだ。
ほんとうに一生懸命なんだ。彼らは野球を楽しんでる。最初のうちは頼もしいと思いながら見てたんだ。でもならばチームとして結果が出なかったのはなぜ?
その時気付いたんだ。今年結果が出なかったのは僕の責任だ、って…。」
ホッシー君は首をやや右に曲げていつもの表情ながら悲しげな瞳で大ちゃんを見つめていた。
「僕はあそこにいちゃいけないんだ。僕には居場所がないんだよ…」
このままでは大ちゃんの心ははあの川の色のように沈んだままだ。何とかしなければ。
「それは…違うよ大ちゃん。」体の中からなんとか言葉をふりしぼった。
「大ちゃんには…まだ来年がある…」
ホッシー君がいつもの表情で二度うなづいた。
大ちゃんがようやくこっちを向いてくれた。
「確かに今年は…でもまだ来年は始まっていない…来年も指揮をとることが出来ずにやめていく人たちもいるんだ。
大ちゃんは違う。まだ来年もベイの監督だ。みんなにとってはまだ監督なんだよ。だから居場所がないなんて…」
大ちゃんはこちらを驚いたような表情で見つめている。
「みんな大ちゃんを探してたんだ。小川さんだって最終の新幹線までギリギリ…。みんな大ちゃんのことが必要なんだよ」
大ちゃんは立ち上がった。まだ弱弱しいが笑顔にはなってる。
「そうだね…僕はまだベイの監督だったんだ。帰ろうか」
「うん」
「今日は僕がシュウマイをおごるよ」
またシュウマイだ。そう、またシュウマイだ。いつもの大ちゃんだ…。
初冬の夜空に向けてホッシー君が打ち上げるプレゼント入りボールの音がポン、ポンと
あたりにいつまでも響いていた。
- 124 名前:代打名無し :03/10/30 01:46 ID:fBOxafr0
- 無駄連レススマソ
そんだけ
- 125 名前:代打名無し :03/10/30 09:16 ID:itepVa/T
- いや、おもろかったぞ。ホッシーくんの視界ネタとか。
リアル大ちゃんはようわからんのだが、2ちゃんの中の大ちゃんは好きだな。
そんだけ。
- 126 名前:代打名無し :03/10/30 12:23 ID:5XTNNV6X
- このスレの味わいは川上弘美の小説に近いな
そんだけ。
- 127 名前:代打名無し :03/10/30 12:42 ID:nark+pjG
- ある日、街を歩いているとシュウマイ占いをしている大ちゃんを見かけた。
「俺と大ちゃんの相性を占ってくれ」と声をかけると大ちゃんはシュウマイを蒸しだした。
何でもシュウマイを蒸した時に出る蒸気で相性の良し悪しがわかるらしい。
大ちゃんは蒸気を見て俺に言った。「うん、君と僕の相性はバッチリだよ!」
俺は占いの結果に気分を良くし、鼻歌を歌いながら小さくガッツポーズをした。
すると大ちゃんの顔色が変わった。「それって六甲おろし…君阪神ファン?」
とっさに「でも大ちゃんのことは大好きなんだよ」とフォローしたが駄目だった。
大ちゃんは遠い目をしながら呟いた。「君にとって僕とは…いい相性だよね」
『来年頑張ればいいじゃないか!』と言おうとしたが結局言えなかった。
「来年、頑張るよ」と大ちゃんの方からそう言ってきた。笑顔が眩しかった。
そんだけ。
- 128 名前:代打名無し :03/10/30 12:59 ID:NwgLfhvw
- >>127
ウマイ!
そんだけ。
- 129 名前:代打名無し :03/10/30 13:57 ID:5XTNNV6X
- お払いにいこうということになった。
何でも夜な夜な大ちゃんの枕元に幽霊が現れ、うなされるのだという。
最初の日は体が半分しかない幽霊が現れた。
次の日は「スクイズスクイズ…」とぶつぶつ唱える幽霊だった。
そのまた次の日は「木塚木塚木塚…」とすがるように連呼する幽霊だったという。
こんなことが一週間続いた。
彼らは口々に「忘れるな。外様の運命忘れるな」と言ってスポンサーのご好意による延長戦もなく
朝日が差し始めるときっかり消えていった。
いや、正確にいえば、一人翁然とした幽霊だけが部屋の隅っこで茶をすすりながら今もいるのだが、
「ええ、ええ。ここでランナー還れば同点ですね。ええ、ええ」としか言わず、特に害もなさないようなので
そのままにしている。
「とても眠れないよ」と大きな目を充血させて大ちゃんが訴えるので、近くに神社がないかぶらり散歩ついでに出かけることにした。
歩いて十五分ほどのところに神社を見つけたので入ってみる。狛犬の代わりに金箔の拳の像が飾ってある
妙な神社だった。
「お払いお願いできますか」と奥に向かって声をかけると、セカンドバックを手にした大きな神主さんが出てきた。
ひとしきり僕達の話を聞いた後、神主はこう言った。
「それは大事な大事な大事な背番号を訳のわからない外国人にすぐにあげた祟りですね」
僕と大ちゃんが顔を見合わせて、そんなことあったかなあという顔をしていると、
「いや、あるんです」と神主は力強く断言した。
とにかくお払いしてもらうことにした。
神主さんが祈り始めると、炎上といっていいほど燃えていたろうそくがすぐに消えたのが不思議だった。
また何かあったらお願いしてもいいですか、と聞くと
「いや私はこれから米国にいかなければいけないんです。代わりに小桧山という者を置いていきますから
何かあったら小魔神としてご活用ください。でも大魔神は他にはいませんからね。他には。
あとマホームズという類似品には注意してくださいね。魔法は使えませんから。魔法を使えるのは井上…」
くだくだと神主さんが述べるのを半分くらい聞いて僕達は神社を後にした。
お払いの効果か、大ちゃんの枕元に幽霊が現れることはなくなったという。
でも部屋の片隅にはまだあの翁の幽霊がいる。
そんだけ。
- 130 名前:代打名無し :03/10/30 15:48 ID:WZHF83im
- ・質問された時→デニーの力を、俺たちの力を信じるんだ!
・同意を求める時→〜だよね、こうじ君
・同意する時→そ、そうだね、せんいち君
・自信が無い時→フッ、チームが持つかどうか
・都合が悪い時→デニーに全てを委ねるんだ
・都合が悪い時2→あとはお前たちの手で切り開け、球界の未来を、さらば!!!!
・驚いた時→奴ら、貯金もあったもんじゃないな
・ムシャクシャした時→ピッチャーデニィィィィィ!!!
・不信感を持った時→まて!こいつは禿だ!!
・遅刻しそうなとき→ギャラードのストレートに賭ける!
・森前監督が興奮してるとき→やるじゃねぇか!じじい!
・デニーが出たとき→劇場認定。
・投手がリリーフ失敗した場合→○○!!デニーに代われ!
・荒らしが来た時→ウッズのホームランを叩き込む
・荒らしが来たとき2→(ファンタジスタだ・・・ファンタジスタを○○に使うんだ! )
・わりと甘いボールもふる 【重要だぞ村田ァァァァ!】
・大ちゃんの頭に力を集めてみる
・きわどいコースを投げられた時→古木に……古木が打てるように投げろぉぉぉぉッ!!
- 131 名前:代打名無し :03/10/30 15:51 ID:dLe3KtzX
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|::::::::::::::::::::::::::::.. | <呼んだ?
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- 132 名前:代打名無し :03/10/30 16:11 ID:nOQxicoD
- 昨夜、布団に入ろうとした俺に、先に横になっていた大ちゃんが、
「にゃんこがそっち側にいるからそっと入ってね。」と言った。
寝相の悪い俺の側にはいつも潜ってくれず、大ちゃんとばかり寝て
いる愛猫と今夜は一緒だぜ!!!と喜びつつそ〜っと入って、手を
伸ばした…いない。
大ちゃんが「嘘だよ〜。だまされたね。」とにやにやした。
やはり今夜も猫は大ちゃん側に入っていたんだ。
無性に悲しくなった俺は、「大ちゃん、そうやって期待をさせて
おいて裏切るなんて最低だ! ファンのこともそうやって裏切って
きたんだろう!」と叫んでしまった。
大ちゃんは、「ごめん、ちょっとした冗談だったんだ…僕って最低
だね。」と小さな声で謝ってきた。暗い中でも大ちゃんの目が潤んで
いるのがわかった。
「いいよ、怒ってないよ。そんなに謝らなくても大丈夫だよ…」と
言ったけど、大ちゃんは布団の隅に小さくなって眠り込んでしまった。
いつも大ちゃんの頭が邪魔で、狭かった布団が、ものすごく広くなってしまった。
そんだけ。
- 133 名前:代打名無し :03/10/30 17:24 ID:i7fASluK
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みんな僕のことが大好きなんだね。
- 134 名前:代打名無し :03/10/30 18:10 ID:MudxqZHQ
- 好きっていうか…え、好きなのかこれって?
- 135 名前:代打名無し :03/10/30 18:44 ID:NOaC9fSS
- 悲しいBGMかけながら、このスレ見てたら涙が・・・・
- 136 名前:代打名無し :03/10/30 18:56 ID:BUD4Xy1m
- このスレすごく癒される。
職人さん&大ちゃん、ありがとう。
明日も頑張るね。
- 137 名前:代打名無し :03/10/30 20:40 ID:W2c13q5e
- >>132
本気でこの文を
す、好きになってしまったよ。。
責任とってくれ。
- 138 名前:代打名無し :03/10/30 21:03 ID:sxb92BE9
- 仕事がたまっていたので早めに出社したのに、事故で電車が動かない。
いつもならもう会社に着いている時間だというのに、俺は未だに電車の中だ。
下ろしたばかりの靴は踏まれてボロボロ。
クリーニングから返ってきたばかりのスーツには女性の化粧がべったり。
秋だというのに汗だくで、朝から無性に疲れてしまった。
たまにやる気を出せばこれだ。
たまった仕事を片づけるどころか、残業確定だろう。
いつだって思い道理になった試しはない。
ひどく空しくなって、何だか泣きたくなった。
乗り換えの電車を待つ間、少しだけメールで大ちゃんに愚痴ってみた。
メールはすぐに返ってきた。
『大丈夫!明日はきっと仕事も片づくよ!』
大ちゃん、明日は俺シフト休だよ。
何だかひどくおかしくて、重苦しかった気持ちが少し軽くなった。
駅でいつもは買わないシュウマイ弁当を買った。
昼休みにはシュウマイ弁当を食べよう。
そんだけ。
- 139 名前:代打名無し :03/10/30 21:12 ID:HFX/6vrk
- >>138
小田急線ユーザー?
- 140 名前:代打名無し :03/10/30 21:29 ID:jmTz8KnL
- 俺は猫の肉球が好きだ。
日曜日の昼下がりに、猫をバンザイさせて両手の肉球をふにふにすると、
それだけでたっぷり二時間は潰れる。
ある日、ふと思いついて縁側で昼寝している大ちゃんの頭頂部をふにふにしてみた。
俺は満足した。
そんだけ。
- 141 名前:代打名無し :03/10/30 21:55 ID:fENOhZRD
- 頭皮が柔らかいと禿げないんじゃなかったんだっけ?
ま、まさか、剃ってる……?
- 142 名前:代打名無し :03/10/30 21:56 ID:svKjrCn7
- このスレを読んでいると私生活でも『シュウマイ』を『シウマイ』と
言ってしまう(笑)
- 143 名前:代打名無し :03/10/30 22:05 ID:KFAe1jx/
- |┃ /★\
|┃三 ( ) _________
|┃ | | /
|┃ ≡ | | < 大ちゃん! ピースな愛のバイブスで
____.|ミ\__( ・∀・) \ ボジティブな感じでお願いしますよ
|┃=__ \  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|┃ ≡ ) 人 \ ガラッ
- 144 名前:代打名無し :03/10/30 22:15 ID:ySzb9Woh
- 大ちゃんは今日も我が家の縁側に座っている。
ちょこんと腰掛けた姿がかわいらしくもあるが、
こう毎日毎日居座られては気が散って仕方がないのだ。
「あのさ、大ちゃん」何気なく、自然に話しかける俺。
「大ちゃん、ここが気に入ってるの?」と遠まわしに問いかけてみた。
すると「ここでシュウマイを食べるのが僕の日課なんだ」と答えた。
「ここは僕の家なんだよ!なんで大ちゃんが毎日入ってくるんだ!」
大ちゃんの気兼ねのない返答に俺はつい怒鳴ってしまった。
しまった。言い過ぎたかな?いや、俺は正しいことを言ってるじゃないか。
「ごめん」と言い大ちゃんは下を向いてしまった。禿げた頭が僕を見つめる。
やがて大ちゃんは帰ってしまった。
その夜、俺はベッドの中で自問自答を繰り返した。
「大ちゃんは間違っている。でもかわいそうなことをしてしまった。」
そんなことを考えているうちにまどろみ、俺は眠りに落ちた。
次の日。
「・・・」大ちゃんは昼になっても縁側にやってこなかった。
言い様の無い罪悪感が俺を襲う。大ちゃんの言い分も聞いてやるべきだった・・。
もう一度ふと縁側に目をやると、なにかおかしい部分がある。
今まで大ちゃんの足が邪魔をして視界に映らなかった床下だろう。
そこへ近づき、ペンライトで照らした。「はっ」思わず声が漏れた。
小さな桐の箱が置いてある。これは大ちゃんの持ち物だろうか?
中を覗いてみると「今までありがとう」などと走り書きした手紙と、
「横浜スタジアム年間シート券」と書かれた小さな紙切れが入っていた。
そんだけ。
- 145 名前:代打名無し :03/10/30 22:30 ID:Hf7rFzsG
- 大ちゃんいなくなっちゃったん?
なんか読んでて泣きそうなんだが。
- 146 名前:代打名無し :03/10/30 22:33 ID:c4fsJUPq
- なんとなく大ちゃんの恩返しという単語が思い浮かんだ。
そんだけ。
- 147 名前:代打名無し :03/10/30 22:47 ID:7/5QGRXF
- >>1なんだが、こんな良スレになってるんで感動してる。
- 148 名前:代打名無し :03/10/30 22:51 ID:Hf7rFzsG
- なんかエピソード毎に
職人さんの個性が出ててイイ!
- 149 名前:代打名無し :03/10/30 23:00 ID:ev9zFOb9
- 我が家の愛犬は太っている。
肉が邪魔をしているので、首を回して振り向けない様子は可愛いのであるが
散歩すると息切れをし、このままでは健康が不安である。
動物医師からも食事を減らすように言われ、
きちんとカロリーの計算をした餌をやっているのであるが一向に痩せない。
犬種のせひであろうか、と縁側から犬を眺めていると、
両手いっぱいにしゅうまいを抱えた大ちゃんがやつてくる。
犬も大ちゃんを見つけて嬉しそうである。さういふ事であったかと、合点がいつた。
我が家の犬の健康の為にも大ちゃんと仲直りしなくてはな、と思いながら
暮れゆく陽に黄金に染まる禿頭を見つめた。
それだけ。
- 150 名前:代打名無し :03/10/30 23:42 ID:LlpLB0Lf
- いつもの通り、大ちゃんと差し向かいで夕食をとっていると、突然ドアが乱暴に開かれて男が入ってきた。
「いつもいつもシュウマイの臭いプンプンさせとるのはお前かー!!」と男は叫ぶと、
こちらに向かって襲い掛かってきた。
ヤバイ。こいつ大ちゃんを狙っている。守らないと…。
大ちゃんの前に出ようとしたその瞬間、男の両肩にしがみついた者がいる。佐伯だった。
「監督はよ逃げてください!!」
暴れる男をどうにか抑えながら佐伯は叫んだ。
今のうちだ。
「いこう、大ちゃん」俺は大ちゃんの手をとって開け放たれたままのドアから出た。
アパートの外に出て、俺の部屋のあたりを振り返ると、ジャイアントスイングをかけている佐伯のシルエットが窓に映えていた。
しばらく夢中で走り、もうこのあたりなら大丈夫だろうという距離までくると、ひと息いれることにした。
さすが元野球選手だけあって、大ちゃんの息はそんなに乱れていない。
何故かしきりに体のあちこちを匂っている。
「何してるの大ちゃん」
「僕、そんなにシウマイの匂いするかな…」おびえた顔で大ちゃんがいった。
「あんなやつの言う事、気にすること無いよ」
「僕はシウマイが大好きだけど、嫌いな人もいるんだね…」
大ちゃんの顔色が物憂いに沈んだ。
「俺は好きだけどな、シウマイ」
言った後自分でもはっきりわかるほど恥ずかしさがこみあげてきた。
あわてて照れ隠しに空に顔を向けた。
白い月が光っていた。
だけど大ちゃんの顔がさっきよりもこころなしか明るくなったのは、その月のせいじゃないとわかっていた。
俺達は真っ白な夜道の中を崎陽軒へと向けて進んだ。
そんだけ。
- 151 名前:代打名無し :03/10/31 00:44 ID:Lrg6Tb6Y
- 赤い包装紙、かわいい「ひょうちゃん」の醤油入れ、おしぼり、竹のようじ。そして、お肉とホタテがたっぷりつまった、あの小さな粒、あの匂い。
崎陽軒のシウマイは、とくべつな雰囲気をまとっている。
普通に「ゴハンのおかず」というよりは、
「オミヤゲに買っていこう! 大ちゃんが喜ぶぞう!」
「よっしゃ、これから遠征だ、新幹線の中で、ビールと一緒に食べるぞ!」
など、お楽しみアイテムとして愛されているように思う。
人のテンションを上げる、不思議な魅惑のシウマイなのだ。
今年、崎陽軒横浜工場に見学コースが作られた。5月22日から実施されたばかり。
さっそく大ちゃんと見に行った。
新横浜駅からバスで10分のところに、崎陽軒横浜工場はある。今年新しく出来た建物は、ピカピカだ。
横浜の顔である大ちゃんは係員に丁寧に頭を下げられ、俺は自分のことのように誇らしい。
スリッパにはきかえて中に入る。中ももちろんピカピカ。
「おかげさまで見学コースが好評で、来月まで予約がいっぱいなんですよ」
係員さんの説明に、心なしか大ちゃんの顔が曇った。
「若い方も、年配の方もいらっしゃいますよ。第1号の見学の方は、宮城からいらした、修学旅行生でした」
「私も社員研修でやったことがあるんですが、ほんとに………大変な作業なんですよー。慣れた方は、いっぺんに15粒のシウマイをつかんで移動させますから」と係員さん。
「プロなんですね」
ガラス越しにてきぱきと働くスタッフを見ながら大ちゃんがぽつりと言った。
俺は大ちゃんの気持ちが少しだけわかったけど、黙りこくってマシンの動きを見ていた。
ひょうちゃんをお土産にもらい、土手を歩きながら俺は大ちゃんに話しかけた。
なんとなく、はげまさなければいけないような気がしたからだ。
「さすが横浜の三大名物だね」
「へえ、初めて聞いたよ。あとの二つはなに?」
「ん?そりゃもちろん、大ちゃんのいるハマスタと山下公園だよ!」
大ちゃんは照れくさそうな顔をして嘘だーと言うと、突然駆け出した。
「早く帰って特製シウマイ食べよう!」
その顔はすっかり明るくなって、夕日よりまぶしく見えた。
- 152 名前:代打名無し :03/10/31 00:47 ID:va1fhHTW
- 「寒っ・・・。」
もうそこまで冬が近づいてきてる。この時期ぐらいから、朝起きるのが辛い。
「仕事・・・行きたくねぇな・・・。」
憂鬱な気持ちで呟くと、タバコを吸うため窓を開ける。
ひんやりとした風と共に、眩しい太陽の光が飛び込んでくる。
ふと道路の方に視線を移すと、太陽の光を反射してるものが・・・。
大ちゃんだ。
大ちゃんは毎朝ランニングを行ってる。
「大ちゃん!おはよう。」
そんな大ちゃんに、毎朝挨拶を交わすのが俺の日課になっていた。
「あぁ。おはよう!」
大ちゃんは俺の声に気付くと笑顔で返してきた。
「大ちゃん。いつもの頼むよ。」
「・・・いつもの?」
「うん。ほら、元気の出る呪文。」
俺の言葉に、あぁ!と理解して、親指を立てながら飛びっきりの笑顔を零した。
「ピッチャー、デニー!!」
勢いのある通った声で、俺に向けて叫んだ。
「ありがとう。ランニング頑張れよ!」
俺も笑顔で返すと、大ちゃんは軽く手を振って再び走り始めた。
「ピッチャー、デニー・・・か。」
だんだん小さくなっていく大ちゃんの背中を見ながら呟く。
さぁ、今日も一日頑張ろう。
俺の心には、澄み切った青空と、笑顔の大ちゃんが広がっていた。
そんだけ。
- 153 名前:代打名無し :03/10/31 01:14 ID:3VSrXO3n
- 嫌なことがあったり落ち込むとここへくる俺って一体…
そんだけ。
- 154 名前:代打名無し :03/10/31 03:26 ID:bJdeRyNf
- 振られた。俺は振られたんだ。2年半付き合った女に振られた。
結婚まで考えていたのに。「俺って一体・・・。」
足取りは思ったよりスムーズにマンションの屋上に向かっていた。
野ざらしの屋上、10月も終わろうという秋の夜風が不思議と冷たく感じない。
さあ、もう俺に生きてる価値なんてない。うだうだ考えずに飛び降りよう・・・。
「まちなよ」
突然、さきほど上がってきた階段から聞き覚えのある声が響いた。
「だ、大ちゃんじゃないか。なんでここに居るんだい?」
動転しながらも平静を装う。しかし嫌なところではちあわせたなあ。
「さあ、用が無いなら立ち去ってくれるかな?大ちゃん」
俺はきびすを返して大ちゃんに背を向けた。その時だった。
「しゅうまい、食べない?」
思いもよらない大ちゃんの言葉に俺は一瞬耳をうたがった。
「蒸したてのあつあつなんだ。いっしょに食べない?」
その優しい語り口に、ふと我に帰った俺は屋上の端から飛びのいた。
そして自分がYシャツ一枚だったということに気づいた。寒い。
すると大ちゃんは何も言わず割り箸とシュウマイの入った紙箱を差し出した。
気がつくと俺はシュウマイを口に放り込んでいた。おいしい、そして温かい。
「ぼくも失敗つづきで死のうとおもったことはあるよ」
シュウマイにぱくつきながら大ちゃんが諭すように語りだした。
「でもね、負けたままじゃだめだと思うんだ」と続ける大ちゃん。
俺はなぜか涙が止まらなかった。女に振られた時にも流れなかった涙。
そうだな、大ちゃんの言うとおりだ。負けたまま死ぬなんてあんまりだ。
いつも笑顔の大ちゃんにも辛い時がある。そう、人は誰でも苦しむのだ。
その夜は大ちゃんと一緒に寝た。ちなみに怪しい関係にはなってない。
そんだけ。
- 155 名前:代打名無し :03/10/31 04:11 ID:pd8VhnO6
- 崎陽軒のシュウマイ食いたくなっちゃうじゃねーか!
ところで、崎陽軒って一発で文字変換できるのね(笑)
- 156 名前:代打名無し :03/10/31 06:33 ID:gz67IFTD
- シーズンオフのせいか、いろんなところで大ちゃんと会う。
今日は競馬場の前で大ちゃんに会った。
俺を見上げる大ちゃんは大きな目をキラキラと輝かせ、
いかにデニーが熱い男かを熱心に語ってくれた。
大ちゃんの目があまりに熱っぽく、純粋で、真っ直ぐで。
俺はそれがちょっとだけ勘に障った。
「確かにデニーは熱いよな。マウンドが」
冷たく言い放つと、ショックを受けたように大ちゃんは大きな目をさらに大きくした。
瞼が少し押し下がり、大きな頭が次第に項垂れていく。
何度も何かを言おうとしては口ごもり、口ごもっては何かを言おうと口を開く。
長い長い沈黙の後、大ちゃんは目を伏せたまま薄く笑みの形に唇を引いた。
「デニーは…万馬券みたいな男なんだよ」
くしゃくしゃになった外れ馬券を握りしめた大ちゃんの黒い瞳は、
今にも涙が落ちそうな程に揺れていて。
ぬれた瞳でそれでも笑おうとする大ちゃんに、
「当たればでかいけど、外れりゃ紙くず以下なとこまでそっくりだな」
とはどうしても言えなかった。
「大ちゃん」
「うん」
「万馬券じゃないけど俺結構大きいの当てたんだ。シュウマイ食いに行こうか」
「………うん」
来年は勝つよと約束した大ちゃんの小指は短くて暖かかった。
そんだけ。
- 157 名前:代打名無し :03/10/31 11:01 ID:5wlmvkVo
- 子供のころから苦手な自宅への帰り道がある。
その道は河原の土手沿いの狭い道で、もちろん車が通れる幅ではなく、
昼間は子供が遊んでたり、老人達が散歩してたり結構にぎわっているくせに
夜になると全く人気もなく、500m程にわたって外灯がなくて寂しい道なんだ。
終電ぎりぎりで帰宅するはめになってしまった俺はその道を歩いているうちに、
自分の足音と川の音とは別に背後から奇妙な音が聞こえてくるのに気が付いた。
立ち止まって耳を澄ますと、その音もピタッと止まる・・・。
歩き出すと、またその音が聞こえてくる。自分の足音に混じって微かに聞こえてくる・・キュムキュムって音・・。
思い切って後ろを振り返ると大ちゃんが立っていた。
「びっくりした?帰りが遅いから迎えにきたんだよ。」
薄い月の光が川面と大ちゃんの頭を青白く照らしている。
ニコニコしている大ちゃんを見て腹が立った俺は、つい怒ってしまった。
「おいコラ、禿。人に迷惑かけんのもいい加減にしろよ。
そんなんだから、みんなから馬鹿にされんだよ。これじゃ来年も最下位だろうな。」
びくびくしていた臆病な自分を見られた恥ずかしさが手伝い、つい余計な一言を口走ってしまった。
大ちゃんは黙ってうつむいた・・・そして何も言わず走り去って行ってしまった。
(どうせ、すぐに帰ってくるだろ。あとで、ちゃんと仲直りしよう。)
嫌な気持ちを引きずったまま、家まで辿り着いた俺は食卓を見て愕然としてしまった。
食卓にはケーキとシュマイが綺麗に並べられていた。今日は俺の誕生日・・・。
その夜をさかいに俺の前に大ちゃんが姿をみせることはなくなった。
そして、俺はその道を通るたびに耳を澄ますようになった。キュムキュムって音が聞こえてこないだろうか・・。
そんだけ
- 158 名前:代打名無し :03/10/31 12:38 ID:Q6wu6UZj
- >157
・゚・(ノД`)・゚・。
- 159 名前:代打名無し :03/10/31 13:45 ID:fcDvDqN+
- 最初に見つけたのは漁師の良平だった。
かなり興奮気味に老人たちが浜へとかけてゆく。
「しうまい様!!」「しうまい様じゃ!!」
今日は年に一度のしうまい様があがらっしゃる日。
老人だらけの陰気な村もこの時ばかりは華やぎだす。
目を覚ましたしうまい様は稚児のような足取りで山上のお社まで真直ぐ歩みだす。
皆、しうまい様の後をついてゆく。
御座の上に鎮座ましましたしうまい様に大量のシウマイを供えて、長老がお言葉を申し上げる。
「しうまい様、何卒我が村に豊漁の恵みをもたらさんことを…」
「選手はよくやってる。責任は感じている」しうまい様が悲痛な面持ちでお言葉を発せられた。
「は、しうまい様ありがとうございます。実は最近沖の方に渦が発生いたしまして、それが漁のさまたげになっておるのでございます。
何とかしていただけないでしょうか…」
すると、しうまい様は何やら祝詞のようなものを唱え始めた。
「のーあうといちにるいばんとばんとばんとばんとばんと…」
「おい!あれを見ろ!」
佐吉が立ち上がって叫んでいる。一同が佐吉の指した方向を見ると、沖の渦が弱弱しくなっていた。
ついに渦が消えた。
どよめきにも似た声にならない声が響く。
「吉見はだんだんよくなっている。これからも使いたい」
そう言い残すと、しうまい様は山の下へ降りていかれ、海へと消えた。
しうまい様の最後のお言葉は、この村の運気がこれから上昇するということではないかと解釈された。
しうまい様があがられた今日は祭りだ。女たちはかまどに火を入れ始めた。
かまどの神様へ呼びかけながら…
「ぴっちゃーでにーぴっちゃーでにー」
それだけ。
- 160 名前:代打名無し :03/10/31 17:03 ID:O9S/z+me
- 今年も秋祭りの季節がやってきた。
駅から自宅に向かう途中たくさんの露店を目にする。
わたがし お好み焼き リンゴ飴 焼きそば…
どれもこれもありきたりの露店ばかり。
そんなことを考えながら歩いていると左側の露店の並びに『シュウマイ』の文字が見えた。
物珍しさから俺はその露店に立ち寄ってみようと思った。
ふと覗いてみると丁度大ちゃんがシュウマイを焦がしてあたふたしている所だった。
大ちゃんは真っ黒になったシュウマイをパックに包んで客に渡した。
客は受け取ったシュウマイをパックごと大ちゃんに投げつけこう言い放った。
「だから最下位になっちまうんだよ!」
黒いシュウマイは泣き崩れる大ちゃんの足元に醜く飛び散った。
大ちゃんの嗚咽が周囲の賑やかな声に握り潰されるように、かき消された。
放心状態の大ちゃんに俺は「デニーはどうなるの?」と声をかけた。
大ちゃんは「デニーは誰にも渡さないよ」とわれを取り戻し
ヒックヒックとしゃっくりをしながら、黒焦げのシュウマイを拾い集めゴミ箱に捨てようとした。
そんな大ちゃんに俺は言ってやった。
「そのシュウマイを投げてごらん」
大ちゃんはキョトンと目を丸め、首をかしげた。俺は親指で自分の口の中を指しながら
「ほら、この口目掛けて投げてごらんよ」
ともう一度言ってやった。
大ちゃんは全てを悟ったかのように頭と目を輝かせながら
デニーのピッチングフォームで俺の口へ向かってシュウマイを投じた。
とんでもない所に飛んでいったが俺は大ちゃんの投げたシュウマイを何が何でも受け取らないといけないと思い
死ぬ気でダイビングキャッチをし、隣の露店にぶつかりながらも口でのキャッチに成功した。
俺は天を仰ぎ両手でガッツポーズをしながらシュウマイを飲み込んだ。
正直、不味かった。
大ちゃんはそれを察して申し訳なさそうにしていたが、やがて笑顔がこぼれた。
「今度からシュウマイは焼かずに蒸すよ!」
大ちゃんの頭の輝きがより一層増した気がした。
それだけ。
- 161 名前:代打名無し :03/10/31 19:21 ID:bJdeRyNf
- 「お菓子を出せー!出さないと食べちゃうぞー!」
そんな元気な子供たちの声が響く住宅街。そう、今日はハロウィーン。
仮装した子供、いや、お化けたちがお菓子を求めて夜の町を練り歩いてゆく。
近頃アメリカでは、子供に毒入りのお菓子を渡すという物騒な事件が
起こっているらしく、俺は近所の子供たちの見張り番として付いてきたのだ。
この町の大人たちはとてもノリがよく、子供たちも大盛り上がりだ。
しかし仮装行列が薄暗い神社の辺りを過ぎた頃、異変が起こった。
「…シュウマイくださーい……シュウマイくださーい…」
しわがれた男の声だ。神社の近くだったこともあり、子供たちは大パニック。
子供たちが逃げて迷子になったりしたら、親御さん達に合わせる顔がない。
「落ち着いて、みんな!俺から離れちゃだめだ」
あ、そういえばライトを持ってきてたんだ。ピカッ!「うわっ」
ライトを声の方に向けると、目も眩むような光が反射してきた。
大ちゃんだった。
そんだけ。
- 162 名前:代打名無し :03/10/31 19:31 ID:J9pqhqcv
- 朝はいつも憂鬱だ。学校なんてなくなっちまえばいいのに。
周りの人より数倍遅いスピードで歩く通学路。
視界を足元のローファーからふと横にある公園に移した。
ベンチの一部がぴかぴか光っている。大ちゃんだ。
俺はなんだか嬉しくなって、大ちゃんの元へ急ぐ。
「大ちゃん、おはよう」
大ちゃんは朝食代わりのシウマイを食べていた。
「やぁ、おはよう。これから学校かい?」
大ちゃんの問いかけに、俺は黙ってしまった。
そうだ、学校へ向かわなくてはならない。気分が一気に落ち込む。
「どうかした?急がないと遅刻しちゃうよ」
俺は大ちゃんの言葉に返事をしなかった。できなかった。
そんな俺に、大ちゃんは言う。
「…辛い事も、嫌な事もあるよ。それが人生だからね。でも、僕は全然辛くないよ。
これからの楽しい事を考えるんだ。優勝…日本一…」
大ちゃんの瞳はとても輝いていた。
大ちゃんも頑張ってるんだ。
「優勝できるといいね!行ってきます!!」
俺は走り出しながら言った。
そんだけ。
- 163 名前:代打名無し :03/10/31 20:41 ID:DiswKpV/
- >>162
本当にこんな出来事があったら学校だって頑張れるのに…。。・゚・(ノД`)・゚・。
大ちゃん、どっかに落ちてないかなあ。
てか、妙にリアルで涙出そうになりますた。
- 164 名前:代打名無し :03/10/31 20:46 ID:v6W5BqHX
- 大ちゃんとバボちゃんは似ている
そんだけ
- 165 名前:代打名無し :03/10/31 22:06 ID:AVjdsxrD
- このスレの「俺」に嫉妬してしまった
そんだけ
- 166 名前:代打名無し :03/10/31 22:50 ID:FJN5FjZS
- 大ちゃんとたまにはお酒を飲もうと思い、
シウマイと缶ビールでちょっと誘ってみた。
「だめだよ。飲めないから」
大ちゃんは強く固辞するが、1杯だけだからと、
嫌がる大ちゃんにちょっと強引にビールを渡した。
………後悔した。
…翌朝大ちゃんの姿はなく、冷めた缶コーヒー飲料が机の上にあった。
そんだけ。
- 167 名前:代打名無し :03/10/31 22:53 ID:3VSrXO3n
- 自分は「大ちゃん」はリアルでなくAAキャラのほうを思い浮かべているんだが
みんなはどうなんだろう?
人間のオジサンで思い浮かべたほうが味が出るのかな。
でもどーしてもあのAAで涙ぐんだり走り去ったりしてるとこが思い浮かぶ。
なんか寂しい人の前に現れる妖精みたいで可愛い。
ってなことを考えて微笑んでる自分は一体…
そんだけ。
- 168 名前:代打名無し :03/10/31 23:27 ID:+AzzQpef
- >>167
書き手としてもAA大ちゃんの方を念頭に置いて書いてまつ(漏れの場合)
リアル大ちゃんも愛くるしい姿だけど、そのまま使うのは、さすがにつらいでつ
そんだけ。
- 169 名前:代打名無し :03/10/31 23:42 ID:LgSTF3EK
- 俺はリアル大ちゃんしか思い浮かばない。
そんだけ。
- 170 名前:代打名無し :03/10/31 23:43 ID:0kAUD3hp
- 大ちゃんは大ちゃん。
そんだけ。
- 171 名前:代打名無し :03/10/31 23:48 ID:LOYVTBgn
- 「大ちゃん。アタマ触っても良い?」
ある時、俺はいつものように居間に寝っ転がってTBSのバラエティ番組を見ている
大ちゃんに向かってそう言った。
「え、やだよ。毛がないから恥ずかしいよ」
大ちゃんはキュムキュム足音を立てて台所の方に隠れてしまった。しばらく俺はほっておいたが、
どうもおかしい。台所には大ちゃんがいるはずなのに気配がない。
「おい、大ちゃん。俺が悪かった」
隠れた大ちゃんをみつけようと台所に行くと、何故か大ちゃんは冷蔵庫にすっぽり
収まっていた。
「だ、大ちゃん!」
俺は急いで大ちゃんを引っ張り出す。
「寒いよー。凍えそうだよー」
「なんで冷蔵庫にはまったんだ?」
「しうまいを作ろうとおもったんだよー」
「バカだな、大ちゃん」
その日、俺は大ちゃんを暖めるように抱いて寝た。そして、ちょっとだけ頭を触った。
大ちゃんの頭はぷにぷにしていた。
そんだけ。
- 172 名前:代打名無し :03/10/31 23:55 ID:TmRgrubo
- >172
ぷにぷに…(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ
そんだけ。
- 173 名前:代打名無し :03/11/01 00:03 ID:GTHt7THu
- 「お父さんお母さん先立つ不幸をお許しください」
そう書き置きを残して俺はマンション屋上の縁に立った。
神仏など信じたことはない俺が、知らない内に手を合わせて拝んでいた。
「南無…」そのまま前に倒れ込むと、
それまでの人生が走馬燈のように駆けめぐった。
仕事で大きなミスを出し重い足取りで家に帰宅途中に知ったベイスターズの敗戦、
彼女にふられて、ひとりぼっちで見たベイスターズの大敗、
悪徳金融業者に追い込まれて、居留守をつかい
電気も点けず布団を被って聞いたラジオの実況中継、ベイスターズのサヨナラ負け…
嗚呼、負け犬の俺に寄り添うように、いつだって優しくベイスターズは負けてくれたじゃないか。
大ちゃんは、明るい笑顔と頭で、俺をハゲましつづけてくれたじゃないか。
まだ、生きたい!
そう思った瞬間、地面が近づいて!? いや何か白い物体が近づいてきた…
気が付くと俺は、ビル脇の植え込みに投げ出されていた。
何があったんだろう? ふと周りを見渡すと、崎陽軒のしゅうまいが一面に散らばり、
大ちゃんが頭を凹ませて倒れていた。
大ちゃんがクッションになってくれたおかげで俺は助かったんだ!
「ありがとう山下監督。俺、頑張って生きるよ…」
俺は倒れている大ちゃんに一礼をし、ちょっと胸を張ってその場を歩き去った。
それだけ。
- 174 名前:代打名無し :03/11/01 00:10 ID:f+u4ux85
- 俺が小さい頃、そばにはいつも大ちゃんがいたんだ。
大ちゃんはいつも僕の味方だった。
いじめっこに捕まったときはすぐに助けに来てくれたし、怖い犬も追い払ってくれた。
今思うと大ちゃんは決して体は大きくなかったし、争いごとも好きじゃなかった。
それでも俺のためにいつも体を張ってくれたんだ。
俺がお腹を空かすと大ちゃんがシウマイを作ってくれた。日本一美味しいシウマイさ。
夜眠れないときは本を読んでくれた。歌を歌ってくれた。
大ちゃんは俺のことを本当に大事にしてくれたんだ。
・・・でも、ある日俺は大ちゃんにある頼みごとをしたんだ。
「横浜ベイスターズを優勝させて欲しい」
その日から大ちゃんは頑張った。ピンチになったら必死にデニーをコールし、レフトとライトの守備位置を変えてみたりもした。
チームが負けたらその責任を全部一人でかぶっていた。
でも、ベイスターズは勝てなかった。
オールスターの頃、悲しそうな顔で大ちゃんが俺のところに来て、言ったんだ。
「ごめんね、一生懸命頑張ったけどこのままじゃベイスターズを優勝させてあげられそうにないよ。本当にごめんね。」
俺は激昂し、大ちゃんに酷いことを言ってしまったんだ。内容は思い出したくもない。
良く考えれば、コックスが働かないのも、コールする中継ぎがデニーしかいないのも、古木や村田がソロしか打てないのも、
若田部が川詐欺化しているのも、狭い浜スタでラビットボールを使っているのも、全部大ちゃんのせいじゃないんだ。
むしろ大ちゃんはその悪条件の中で必死に頑張っていたんだ。・・・俺にベイスターズの優勝を見せるために。
だまってうつむく大ちゃんをおいて、俺は外に飛び出した。それ以来大ちゃんには会っていない。
大ちゃん、元気かな。謝りに行ったら許してくれるだろうか。
・・・また大ちゃんのシウマイが食べたいよ。
そんだけ。
- 175 名前:代打名無し :03/11/01 00:46 ID:3w8X6PHP
- 俺はここで日夜罵声を浴びせられている大ちゃんがあまりに哀れに思えたので、
なんとか大ちゃんをはげまそうと考えた。
真剣に大ちゃんの喜びそうなことを考える。ぬか喜びではだめだ。
鳥谷が来てくれるんだよなんて嘘をつくのもだめだ。
俺がこんなに真剣にものを考えるのなんて、大学受験の論文記述以来だな。
結局あそこの大学は落ちて、それは直接のきっかけではなかったけど、
もっといい大学に受かった彼女とは自然消滅してしまった。
俺はだんだん悲しくなってきた。どんなにポジティブに考えようとしても
大ちゃんを励ませるだけの材料が思いつかない。
虚しくなって天井を眺めていると、部屋の扉が突然開いた。
「ご飯だよ!今日のシウマイはえびの…」
「バカやろう!ノックぐらいできねえのか!扉のノックもできないんじゃ
監督自らノックバット持ってもたかがしれてるな!」
俺は激昂するままに大声を出してしまった。
すぐ我に返って大ちゃんに謝ろうとするが、うつむいたまま
台所へとぼとぼと歩いていく大ちゃんの後姿があまりに悲しくて声がかけられない。
俺と大ちゃんはちょっと冷めたようなシウマイをぼそぼそと食べた。
いつもは二人で蒸し器からつつきあうのに、今日は別々の皿に盛られた
そのシウマイは、えびがたっぷり入っていた。
そんだけ。
- 176 名前:代打名無し :03/11/01 01:34 ID:GTHt7THu
- 人類初の有人惑星間航行の夢を乗せたベイスターズ号は、今、危機に晒されていた。
軌道が大きく狂ってしまったのだ。
今機体は放物線軌道を描き地球から太陽系から遠ざかろうとしている。
このままでは宇宙の深淵を旅する青い彗星になってしまう。
船体を諦め、乗組員に脱出を命じる艦長大ちゃんの目は潤んでいた。
「5分後に宇宙服完全装備して船外活動ロビーに集合。急げ」
日野副艦長の緊張した声が艦内に響く。大ちゃんのブーツがキュムキュムと落ち着かなげに鳴る。
様々な苦難を乗り越えてきたベイスターズ号、
右舷と左舷を入れ替えたり、中継基地デニーからの応援で炎上トラブルを防いだり…
いや、後者は完全にトラブル回避とはいかなかったが、苦楽を共にしてきた船体である。
一介の乗務員にすぎない俺でも感傷は抑えきれない。
ただでさえ涙もろい大ちゃんが泣くのも無理はなかった。
そして5分後、脱出の準備を整えた船員が並ぶ。
地球に帰るには、後5分以内に船外活動用機に乗り込んで脱出せねばならない。
本体を爆破して、そのエネルギーで地球に帰るのだ。
少しでも時間が狂うと、宇宙の藻屑となってしまう。
しかし大ちゃんの姿はそこになかった。
「山下艦長はベイスターズと運命を共にするつもりなんだ!」操縦士の三浦が叫ぶ。
「そうだ!山下艦長は俺達の帰路が狂わないようにたったひとり頑張るつもりなんだ」
俺達は大ちゃんの最後の心遣いを無駄にしまいと、必死で脱出準備に取り組んだ、
そして、爆発緩衝剤を幾重にも挟み込み船外活動用機を地球方向に固定する作業を終えて、
ふとベイスターズ号を振り返ると、小さくて頭に入らないヘルメットと格闘する大ちゃんの姿が見えた。
「さよなら大ちゃん…」急いで機内に入りハッチを締めたその数秒後、ベイスターズ号は爆発した。
こうして大ちゃんは夜空のお星様になったとさ。
そんだけ。
- 177 名前:代打名無し :03/11/01 02:49 ID:NezNMSGB
- いくつかの文で不覚にも泣いちゃったじゃねえか
そんだけ
- 178 名前:代打名無し :03/11/01 04:30 ID:2BtzoNo6
- あの日も我が高校の食堂は腹を空かせた生徒でごった返していた。
俺はいつものように食券売り場へ伸びる列に駆け込んだ。
ここの人気メニューは、コロッケカレー。サラダがついて250円だ。
皆がこぞって注文するため、券売機のコロッケカレーのボタンは
磨り減ってもはや字が読めなくなっていた。おっと、俺の順番だ。
「コロッケカレー・・・ポチッと」俺は3枚の100円玉を投入し、ボタンを押した。
ん?お釣りが50円多いぞ、ラッキー!食券を手にカウンターへ向かった。
「おばちゃん、お願いね」食券を差し出す俺。「あいよ」と元気な返事。
空いた席を探そうとした次の瞬間、おばちゃんの大きな声が俺を呼び止めた。
聞くと「あんた、なんなのよこの食券は」と叫んでいる。急いでかけよる俺。
再び俺の手に舞い戻った食券をよく見てみると、なんとこう書かれていた。
「しうまい定食 200円」
俺はハッとした。というのもこの食堂にまつわる伝説を思い出したからだ。
かつてこの高校には幻の人気メニューがあったという話を、受験する年に聞いた。
そのメニューも、コロッケカレーと同じように券売機のボタンが磨り減っていたらしい。
放課後、食堂のおばちゃんに詳しい話を聞くことにしよう・・・。
「昔、この高校に大ちゃんというお方が来られてね」おばちゃんが語りだした。
「僕の大好きなシュウマイをみんなに食べさせてやってくれないか、と言うんだよ」
その姿があまりに誠実だったので、調理師として雇うことになったらしい。
その男は料理の腕もさることながら、実においしいシュウマイを作ったそうだ。
やがて生徒の内でも大ブームとなったというわけだ。
おばちゃんの粋な計らいにより、再現したシウマイ定食を食べさせてくれた。
おいしい。これは絶品だ。プリプリの具を透き通った皮が包んでいる。
なぜ販売停止になったのかは、その時おばちゃんは結局教えてくれなかった。
そして高校、大学を出た俺は今、調理師として母校の調理場に立っている。
大ちゃんという人には敵わないかもしれないが、シュウマイのレシピも習得した。
なぜシュウマイ定食は販売停止になったのか。その理由を求めて俺はこの道を行くんだ。
そんだけ。
- 179 名前:ミニーちゃん ◆0sdAzlOO/U :03/11/01 08:54 ID:iamIINjl
- このスレ、ほんとほのぼのする…癒される。
そんだけ
- 180 名前:代打名無し :03/11/01 09:48 ID:2BtzoNo6
- ああ。連休の初日だというのに何も予定が入っていない。
大ちゃんと家の中で遊ぶか。「ぐーぐーぐー」いびきをかきながら眠る大ちゃん。
うーん。なんか起こすのかわいそうだなあ。なんかイタズラでもしてみるか。
筆で頭をなぞってみた。起きない。指から水を数滴たらしてみる。
「んん…ムニャムニャ…」しまった、起きちゃったかな?
「…ピッチャー…デニー……グーグー」どうやらまだ寝てるみたいだ。
俺はいけないと思いつつ油性ペンを手に取り、頭をキャンパスに見立てて
芸術の秋を楽しんだ。それでも何も知らずに眠る大ちゃん。くくく。
起きたらびっくりするだろうな。もう飽きたから一人で散歩でも行こっと。
そういえば顔洗ってなかったなー…ってうわああああ!
鏡を見たら俺の顔がめちゃくちゃに落書きされていた。
「どう?びっくりした?ふふふ」今の叫び声で目を覚ました大ちゃんが
七色にコーティングされた頭で「してやったり」という顔をしている。
ぷっ、アハハハハ。 そのあとは二人とも笑いが止まらなかった。
理屈じゃない。大ちゃんと居る部屋がどんな映画より楽しく思えた。
そんだけ。
- 181 名前:代打名無し :03/11/01 12:22 ID:vdwVCyqi
- >>175
。・゚・(ノД`)・゚・。ウワァァァァン
- 182 名前:代打名無し :03/11/01 12:38 ID:ZhbgS/5D
- 合格発表の日、大ちゃんと俺はドキドキしながら自分たちの番号を探していた。
大ちゃんは筆記テストの結果に自信を持っていて余裕だったが
俺は全く自信がなかったので物凄く気が重かった。
おそるおそる自分の番号があるであろう場所付近を探してみることに…
もう少しで自分の番号の所……駄目だ、怖くて見れない。
しょうがないから俺は大ちゃんに俺の番号を確認くれと頼むことにした。
大ちゃんは俺の頼みを快く引き受けてくれた。
しばらく大ちゃんは俺の番号を探し、そして残念そうな表情を作ってこう言った。
「これからもっと大変になるね……毎日この大学まで通学しなきゃいけなくなるし」
ということは合格!?と聞くと大ちゃんはニッコリと笑いながらうんうんと頷いた。
脅かさないでくれよっ、と俺は大ちゃんを肘でこづいてやった。
大ちゃんは笑いながらごめんごめんと俺を諭した。至福の一時だった。
「ところで大ちゃんはどうだったのさ」と俺が聞くと
「まだ確認できてないよ、世話がかかる相棒のおかげでねっ」とおどけてみせた。
大ちゃんが掲示板に目をやっている横で俺はもうすぐやってくるキャンパスライフに思いをはせた。
「大学に入ったらさ、美人のお姉さんと知り合いになれるかな?
でもあんまり鼻の下伸ばしていたらあやしいサークルとかにさ誘われちゃったりしてねっ
そーだ、大ちゃん一緒のサークル入らない?って気が早いかなー」
俺は興奮してしゃべりまくった。ふと大ちゃんを見てみると、大ちゃんの顔が真っ青になっていた。
「僕の番号、ないよ」と大ちゃんは言った。
続けて「一緒のサークル、入れなくてごめんね」と言ったきりうつむき黙りこんでしまった。
「何かの間違いだよ、もう一度しっかり探したらきっとあるよ」と俺が言うと大ちゃんは
「ウワァァァァァァァァァァン」と泣きながら人込みの中を無理やりかき分け、どこかへ走り去ってしまった。
その日以来、俺は大ちゃんと会うことはなかった。
それだけ。
- 183 名前:代打名無し :03/11/01 13:28 ID:ZhbgS/5D
- 俺と大ちゃんは今日から一週間かわりばんこで料理当番をすることになった。
月曜日、俺はカレーを作った。
火曜日、大ちゃんはシウマイを作った。
水曜日、俺はシチューを作った。
木曜日、大ちゃんはシウマイを作った。
金曜日、俺は肉じゃがを作った。
土曜日、大ちゃんはシウマイを作った。
日曜日、俺もシウマイを作ってみた。なぜかみんなに怒られた。悲しかった。
そんだけ。
- 184 名前:代打名無し :03/11/01 13:51 ID:JuKDxRJn
- >>176
。・゚・(ノД`)・゚・。ウワァァァァン
単なる置き去りかよぅ。
- 185 名前:代打名無し :03/11/01 20:06 ID:M9xo1OpG
マスター、隣の人達にスコッチを
ぶっちぎり最下位
↓
三位 二位
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ( ) ↓ ↓
/ \ ...( ) .:::::::::::: ::::::::::::::: ぶっちぎり優勝
/::::::::::::::: :::::::::: ヽ( ). . .:::::::::::: ::::::::::::::: ↓
l:::::::::::: ::::::::::|( ( . .:::::::::::: :::::::::::::::.
|::::::::: (●) (●) ::::::| ).):::::::::::. . ..: : :: :: ::: :::::: ::::::::::::. ..: : :: :: :::
|:::::::_ \__/ _///===・ . .:::::::: ΛGΛ ΛDΛ . . . .: : : ::: : :: ::: : :: :::::::::
ヽ/ ヽ:: \/ ( /:::ノ::::: : : ::: ..../:彡ミ゛ヽ;)ー、 /:彡ミ゛ヽ;)ー、 __ . . .: : : :::::: :
/ ::::人l||>::: :: : ::::: |:: |/ ヽ:::::: :: :::::/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i /Tigers\. .:: :.: ::: . ::::::
/ ::::/::::~~:: ::::: ::::: :::: |::: ヽ / ::::::::::::::/ :::/タツノリヽ ヽ ::l__/ :::サブマリンヽ ヽ ::l__/ | :::::::::|\:. :. :. .:: : ::
.(_/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\_ノ ̄ ̄ ̄(_,ノ ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ (_,ノ ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ /: ̄\1001/:::::::::
/:::::  ̄ ̄:/::
↑続投決定 ↑ ↑ 巛:ヽ 彡::::::::::
辞任 シーズン途中で解任(クビ) ↑
(実質解任) 体力の限界
- 186 名前:ミニーちゃん ◆0sdAzlOO/U :03/11/01 21:28 ID:iamIINjl
- 大ちゃん☆すてき☆
- 187 名前:代打名無し :03/11/01 23:51 ID:NO1xOC7h
- 大ちゃんはもちろんイイ!んだが、>>42で大ちゃんを慰めようと
「さいたまさいたま!」と連呼して踊る「俺」に萌え。
>>176
SFキター!と思ったら、か・哀しい…
「グスコーブドリの伝記」のような自己犠牲大ちゃんかと思ったら、メットワラタ
- 188 名前:シウマイと大ちゃんと俺 1 :03/11/02 00:25 ID:LPgHhbo9
- 「はぁ・・・仕事・・・マジで辞めようかな・・・」
仕事を終えた帰り道。俺は溜息を漏らしながら呟いた。
俺がここまで憂鬱な原因・・・。
会社の上司と喧嘩した。周りの同僚達もそれを見て見ぬふり。
思い出しただけで腹が立つ。
「あー!今日はヤケ酒だ!!」
叫びながら財布を覗く。・・・たった1000円しか入ってない。
再び肩を落とす。と、その時。
「お兄さん。シウマイ食べてかない?」
急に声を掛けられた。
「え?」
驚いて振り返ると、そこには『横浜名物 シウマイ』と書かれた看板の屋台があった。
つづく
- 189 名前:シウマイと大ちゃんと俺 2 :03/11/02 00:34 ID:LPgHhbo9
- 「シ・・・シウマイ・・・?」「そう。シウマイ。」
声を掛けてきたのは頭に一本も毛が無い親父。どうやらこの屋台の主らしい。
恐る恐る屋台に近づく。『シウマイ5個\200』・・・。
「あっ・・・じゃあ・・・このシッ・・・シュ・・・シウマイ5個入りのヤツ下さい」「あいよ!」
笑顔で返事を返されると、禿げた親父は『シウマイ』をパックにつめていく・・・。
「お兄さん。1個試食で食べてみてよ」
親父は俺に手を差し出すように促す。手を出すと、熱々のシウマイを手の平に置いた。
「熱ッ!ふーふー」
食べやすいように冷ましながら口に放り込んだ。
「・・・美味しい・・・」
率直な感想を漏らした俺に、親父は嬉しそうに微笑んできた。
「そう。良かった。ところで君は何で叫んでたんだい?」
親父の問いに、俺は今日あった出来事を話始めた。
俺が感情的に話す中、親父はうんうんと真剣に話を聞いてくれてる。
全て話し終えると、愚痴を聞いて貰ったおかげか、かなり気分はすっきりしていた。
「そっか・・・。色々と辛い思いをしたんだね。僕は気の利いたこと事は言えないけど・・・。
また何かあったらここにおいで。僕でよかったら何時でも話を聞くから」
その言葉に何か癒される気持ちになる。
「あっ・・・ありがとう。親父さん、お金」「ははは。親父さんはよしてくれよ。皆僕の事『大ちゃん』って呼んでくれるよ」
・・・大ちゃんは俺の手の平に乗ってる200円をそのまま俺の手に握り返した。
「お金はいいよ。その代わり、君の嫌な気分を貰うから」「・・・大ちゃん・・・」
俺は少し涙目になりながら、自分の手の平の200円を握り締めた。
「さあ。早くしないと終電終わっちゃうよ?明日も早いんでしょ?」「うん。うん!俺・・・頑張るよ!!」
大ちゃんに手を振ってその場を後にした。
家に帰ってからシウマイのパックを開けると、5個入りのはずが7個入りだった。
その心遣いが嬉しくて、また少し泣きそうになりながら、シウマイを箸でつついた。
つづく
- 190 名前:代打名無し :03/11/02 01:45 ID:GxDGch2y
- つづく…なのに続きはどうしてしまったんだよぉ?
もしや「そんだけ」をつけ忘れてしまったのかい?
そんだけ。
- 191 名前:代打名無し :03/11/02 01:49 ID:kf/wy8Jm
- 小春日和の穏やかな昼下がり、縁側で大ちゃんがうとうとしている。
隣で猫も丸くなって、何とものどやかな光景だ。
母が奥の座敷から何か黒いかたまりを持って現れた。
それは今は無き父が被っていたカツラだった。
「そんなもの取っていたのか!?」とちょっと驚いたが、
母にとってはかけがえのない父の形見なのだろう。
若い頃から薄い頭髪を気にしていた父が、常に手放さなかったものだから。
「一度被せてみたかったのよ。でも直接言うと気を悪くするでしょ?」
そういいながら母は大ちゃんの頭にカツラを乗っけた。
大ちゃんは頭が大きすぎて、おにぎりみたいになっちゃったよ!
母も私もこらえきれず笑い出した。大ちゃんが「んっ?」と目を覚ます。
母がサッとカツラを取って背中に隠す。「夕ご飯はしゅうまいにしようかねぇ」
大ちゃんがニコリと微笑む。そして母と私はまた笑い出した。
そんだけ。
- 192 名前:代打名無し :03/11/02 02:16 ID:xyFH63Hi
- ≫188〜189
。・゚・(ノД`)・゚・。ウワァァァァン
- 193 名前:代打名無し :03/11/02 08:38 ID:KVjUO2Jk
- 昨日のバイトのまかないがシウマイだった。
大ちゃん思い出して一人でニヤニヤしちゃった。
そんだけ。
- 194 名前:代打名無し :03/11/02 12:07 ID:H7wqAnaY
- /  ̄ ̄`\
/ ヽ
(6 ´ 、_, ` 6) 名スレ!
| `ー=-' | (⌒)
, - '|ヽ 、_, ノ|`ノ ~.レ-r┐
///| | | | | | |。|. | | |ノ__ .| | ト、
..,',' ,' ,'.| | | | | | |。|.( ̄ `-Lλ_レ′
/_/_/_.| | | | BayStarsTTl`ー--‐′
( <| | | | | | |。| | |86| |
..ヽ | | | | | | |。| | | | | | |
- 195 名前:代打名無し :03/11/02 21:01 ID:skrAUUhr
- このスレを読んでいたらすっごくシウマイが食べたくなった。
だから、スーパーでえびシウマイを買ってきた。12個入りだった。
レンジでチンして食べた。
大ちゃんのことを思い浮かべながら食べた。
おいしかった。
いつもより幸せな夕食だった。
そんだけ。
- 196 名前:1/2 :03/11/03 00:28 ID:CTF/Gnl0
- 今日初めての店でシュウマイを買ってみた。
とくにこの惣菜が好きという訳ではない。ただ、なんとなく。
愛想の良すぎるおばちゃんから15個入りの包みを買う。
今日はこれでビールを飲もう。
一人きりの連休も悪くない。ビデオでも借りて・・・
かしっ、とビール缶から音が鳴る。
レンジの中のシュウマイが温まったのを告げる音が部屋に響く。
ちょっと熱くしすぎたかな。紙箱の端を持ちながらテレビの前のテーブルに置く。
蓋に手を掛け煙りが漏れた。
次の瞬間、尋常でないことにすぐに気が付いた。
煙たい。温めすぎたのだろうか・・・。
「ことばをうつしたシウマイのー赤いきれいなつつみがみーあのシウマイは崎陽軒ー」
もくもくと広がる煙の中に丸い小さな人影の様なものが見え、段々と姿を露にしていく。
音程のずれたいつかテレビから聞いたことのあるフレーズを携えて。
- 197 名前:2/2 :03/11/03 00:29 ID:CTF/Gnl0
「はじめましてー!!こんばんは!ぼく大ちゃん、なんでも君のねがいごと3こかなえたげる!」
俺は頭がおかしくなったのだと思った。
いくら仕事が忙しいからと、こんな幻覚まで見るなんて・・・。
「ねーはやくはやく!なんかいってよー!!!!」
「・・・そっか、じゃぁ俺のひいきの野球チームが優勝してるとこが見たいな。」
乾いた笑い。
どうせ夢なら楽しませてもらおう。
「よーしっ!ピッチャーデニー!!」
キュムキュムとその物体は何やら小さなバットの様なものを閃かせた。
電源が落ちていた筈のテレビにいつかの映像が映る。
大魔神と呼ばれた男の姿。
夢なのだからこんなものだろう。
「次々!つぎはっ!?」
「うーん・・・そうだなぁ。じゃぁ、彼女か友達あいづちを返してくれる人ならいいよ。」
我ながら寂しい願い事だ、と苦笑する。
「ライトとレフトこうたいー!」
杖の閃き。俺の手の中に横浜ベイスターズ応援グッズ、ホッシーパンチが収まっている。
真ん中を叩くとしゃん、と頼りない鈴の音。
「さぁ、最後の願いだよ!!」
「・・・そうだなぁ。」
もう期待はまるでしていなかった。夢にしろ中途半端な叶え方すぎる。
「じゃ、大ちゃん、ずっと俺といてよ。」
「ウッズくんにバント!」
目の前に光とシュウマイが蒸される時の様な湯気が広がる。
あれから、俺の家には帰りを待つ人が出来た。
俺と大ちゃんのなれそめ。
こんだけ。
- 198 名前:かなり実話 :03/11/03 00:42 ID:/KlxhaGA
- 俺の、良い所も、悪いところも、全部ひっくるめて、
好きだって、言ってくれたじゃないか。
なのに、何で、結婚するから別れて、って。
確かに俺はいつ潰れるかも解らない会社で、その上
出世の見込みもないような、情けない男だ。
だけど、何なんだよ。
貴方よりしっかりしていて、収入もある人なの。
貴方は恋人にするには好い人だけれど、一生を共には
できない、って。
俺は彼女の結婚相手でなく、大ちゃんに嫉妬した。
負けても負けても、ヘタレな采配をしても、愛され続けている大ちゃんに。
俺と大ちゃん、どこが違うんだよ!
変な考えだとは解っている。
でも、何故だかそう思わずにいられなかった。
そして、悔し涙が止まらなかった。
やっぱり何故だかは解らないが。
そんだけ。
- 199 名前:代打名無し :03/11/03 01:48 ID:eeEAdJWJ
- ≫198
。・゚・(ノД`)・゚・。
頑張れ…負けるな…
- 200 名前:シウマイと大ちゃんと俺 3 :03/11/03 01:53 ID:RUpwWsNo
- その日以来、俺は毎日の様に大ちゃんの店に通った。
「よう!大ちゃん!こんばんは」
「こんばんは」
大ちゃんとはそれこそ色んな話をした。
仕事の事。家族の事。幼い日の事・・・。
そんなある日、幼い頃の夢の話をしていた。
「俺さー・・・子供の頃の夢・・・ありがちだけど電車の運転手になりたかったんだよね」
「うんうん。男の子なら誰でも一度は憧れるよね」
「はは。それが今ではありきたりのサラリーマンってか。
大ちゃんは?子供の頃どんな職業に憧れた?」
俺の質問に大ちゃんは少し影を落とした。
「・・・プロ野球の選手・・・かな?ここだけの話・・・昔はプロ野球の選手だったんだ」
思いがけない大ちゃんの告白。俺はもちろん驚いた。
「マジで!?すっげえ!!俺あんまり野球は詳しくないけど・・・。投手?打者?どっちだったの!?」
俺は興奮のあまり、大ちゃんに掴みかかるように聞いてしまった。
「・・・打者だよ。・・・ショートを守ってた」
大ちゃんは俯きながらぽつりぽつり話してくれた。
「すごい!!すごいよ!大ちゃん!監督までやったのに、どうして・・・!」
- 201 名前:シウマイと大ちゃんと俺 3 :03/11/03 01:55 ID:RUpwWsNo
- ハッ!俺は言い掛けて、その先を飲み込んだ。
「くっ・・・ごめん・・・ごめん・・・みんな・・・!」
・・・泣いている。
大ちゃんの泣く姿を始めて見た。声を殺して涙を流してる・・・。
先程から誰かに「ごめん」を繰り返しながら・・・。
「ごめん・・・大ちゃん。何か・・・辛い事思い出させたみたいで・・・」
罪悪感で一杯になりながら、俺は大ちゃんに謝った。
「ううん・・・。僕の・・・方こそ・・・急に泣き出して・・・ごめんね・・・ひくっ」
へへへと無理に作り笑いを返す大ちゃん。その笑顔が痛々しかった。
「もう・・・過去の事さ・・・。それにね、今の僕には夢があるんだ」
「夢?」
「うん。日本一のシウマイを作る事さ!」
そう言った大ちゃんの目はキラキラしていた。
「うん!作れるよ。大ちゃんなら日本一・・・イヤ、世界一のシウマイが作れる!!」
自信満々に言う俺に、大ちゃんはいつもの笑顔を向けてくれた。
「ありがとう」
家に帰り、シウマイの入ったパックを開ける。
いつもの様に今日も2個おまけで入っている・・・。
今日のシウマイは、少し、涙の味がした・・・。
つづく
- 202 名前:代打名無し :03/11/03 07:59 ID:5RVRnm9s
- >>201
この名作、まだ続くのか!?
なげしく楽しみ。
- 203 名前:代打名無し :03/11/03 21:51 ID:hr4y6WzX
- 燃えプロで大洋使ったら大ちゃんがスタメンだった
- 204 名前:代打名無し :03/11/04 13:10 ID:Fc5NMB6U
- 大ちゃんと喧嘩した。
昨日、一生懸命に来期の構想を話す大ちゃん。
俺はもしかすると、そんな興奮した大ちゃんを見て、少しばかり
嫉妬してしまったのかもしれない。
『どうせ、シーズンになったらこの部屋からも出て行くんだろ?』
「…大ちゃんがいくらがんばったって、ダメな選手はダメさ。いっそ
総入れ替えでもしたら?な、名監督。」
俺がそう吐き捨ててしばらく、大ちゃんは黙りこくった。
「…うちの選手たちは、みんながんばってるよ。いい選手ばかりだ!!
ぼくの事はどう言われてもいいけど…!!」
と絞り出すように返してきた。
重い沈黙。
その場の雰囲気にいたたまれず、そのまま俺は寝てしまった。
ふすまの向こうからは、いつまでもすすり泣く声が聞こえていた。
次の日、起きると大ちゃんはいなかった。
俺はもやもやとしたまま、会社へと向かった。鍵は開けておいた。
- 205 名前:代打名無し :03/11/04 13:11 ID:Fc5NMB6U
- きつい残業も終わり、電車へ乗り込むと激しく雨が降って来た。
もたれているドアのガラスを叩く雨粒は、みるみる大きくなっていく。
「なんだよ、ったくよ…」
傘は当然持っていない。仕方ない、濡れて帰るか。
仕事の疲れがどっとやってきた。
ホームに降り立つと、ザアザアとでかい雨音が余計に俺の気分を憂鬱にさせた。
「…。大ちゃん…?」
改札口を出ると、見覚えのある丸い頭が目に飛び込んできた。
「おかえり!!凄い雨だねえ」
キュムキュムと傘を持って、俺に向かって駆けてくる。
豪雨の中待ってくれていたんだろう、全身濡れ鼠だ。
「待ってたのかよ!?そんなに濡れて…」
「いや、こんなのなんでもないよ。お仕事、お疲れさま!」
にっこりと笑って、俺に傘を差し出す大ちゃん。
俺、あんなひどい事を言ったのに。
大ちゃんの方が、いつもよっぽど疲れているだろうに。
- 206 名前:代打名無し :03/11/04 13:11 ID:Fc5NMB6U
- 「…さ、帰ろう。帰ったら、一緒にしうまいたべようね。」
大ちゃんは俯いた俺を自分の傘に入れると、ぽんぽんと背中を
叩いてくれた。
そのまま、家へ歩き出した。
泣いている俺の顔は見ようとせず、しうまいの具について話し始めた
大ちゃん。
帰ったら、きっとありがとうと言おう。そう思った。
そんだけ。
- 207 名前:代打名無し :03/11/04 14:01 ID:vOHrDb90
- >>204-206
。・゚・(ノД`)・゚・。エエハナシヤ・・・
- 208 名前:代打名無し :03/11/04 18:23 ID:nUlT5Hcd
- 今日はいい天気だ。こんな日は大ちゃんと家でゴロゴロするに限る。
俺と大ちゃんは、シウマイを食べながらテレビを観ていた。
何気なく変えたチャンネルで流れた小久保無償トレードのニュース。
無償?絶対おかしい、何かある。
しかもトレード先はあの巨人。そして中内オーナーの涙。
俺はたまらなくなり吐き捨てるように大ちゃんに言った。
「ほんと、日本のプロ野球界どうにかしてるよ。
そりゃこんなんじゃ観客も減るわけだ。俺、野球ファン辞めようかなぁ」
大ちゃんはシウマイを口に入れるのも忘れ、食い入るようにテレビを見つめていた。
画面に小久保が写っている。
「どうせ俺たちの知らない所で色んな汚いことやってんだろ。
怖いねー、オトナの世界って」
俺はうんと悪意をこめて言った。すると大ちゃんは俯いて悲しそうに呟いた。
「みんながみんなそうじゃないんだ…これだけはわかってて欲しい…
なかにはこの現状を改善しようと頑張ってくれてる人達だってたっくさんいるんだ…」
大ちゃんは今にも泣き出しそうな顔をしている。俺は少し言い過ぎてしまったようだ。
「うん…そうだね。大ちゃんだって、一生懸命やってるんだもんね」
俺の一言を聞いて大ちゃんは顔を上げ、涙いっぱいの目で少しだけ笑った。
そうだ、俺は野球が大好きだ。
これから何があってもずっと野球を見続けるだろう。
大ちゃんと一緒にいる限り。
そんだけ。
- 209 名前:代打名無し :03/11/04 23:22 ID:hN6StNUb
- 燃えプロで大洋を使った。
ポンセの3ランと大ちゃんの2ランで広島に勝利した。
そんだけ
- 210 名前:代打名無し :03/11/05 00:47 ID:5KYzqU3z
- 今日バイト先のとこで「シウマイ」と書かれたチルドを見つけた。
・・・ちなみに横浜名物とか中華街と書かれていた。
そんだけ。
- 211 名前:貴水博之 :03/11/05 00:57 ID:WSSBPK8S
- 大ちゃんと俺の関係?
言わせんなよ。決まってるじゃないか。もう誰にも邪魔されない特別な関係さ。
- 212 名前:代打名無し :03/11/05 02:01 ID:uNBajTIf
- >>211の名前の読み方が検索するまでわからなかった
それだけ
- 213 名前:代打名無し :03/11/06 00:04 ID:fRu0dA4q
- あげ
- 214 名前:代打名無し :03/11/06 06:06 ID:sp4M2pPW
- 今週のモーニングの野球狂に大ちゃん登場。(*´Д`)ハァハァ
- 215 名前:代打名無し :03/11/06 08:08 ID:9Z4ncPJg
- こんな名スレを見逃していたとは
- 216 名前:代打名無し :03/11/06 20:50 ID:n3rZtGPh
- 野球狂見た。
漫画の大ちゃんにこのスレの大ちゃんみたいな哀愁を感じた。
- 217 名前:ミニーちゃん ◆0sdAzlOO/U :03/11/06 23:38 ID:E59/x6M8
- >>215
プロ野球板の中で最も温かいスレと言っても過言ではないと思うよ☆
しあわせな気分になれるスレ。
- 218 名前:代打名無し :03/11/07 00:01 ID:2Y21orkD
- 今日、モーニングに大ちゃんが出ていると聞いて本屋に走った。
俺はビックコミック派。モーニングは読んだことがない。
あぶさんにたとえセリーグがほとんど出てこなくても、
俺はあの親子鷹の破天荒ぶりが好きなんだ。
いくらなんでも鉄五郎はちょっとやりすぎだろ?
と野球狂をバカにする気持ちも、正直なところないではなかった。
でも大ちゃんがでるんだ。俺が見守らなくては。
近所の本屋にモーニングは置いてなかった。
さりげなくエロ本売り場を通り抜けるふりをして
毎月購読しているとあるエロ本をがしっとつかむとレジへ瞬間移動した。
俺は少し遠い大型チェーン店まで行こうかと迷ったが、
昼間の雨で地面はしっとりと濡れており、風も冷たい。
「くそっ」
白いため息でかじかんだ手のひらを暖めると、俺は家へとぼとぼと帰った。
「おかえりー」
ほこほこの蒸気を家に充満させて呑気な声で出迎えてくれる大ちゃん。
バカやろう。モーニングに出たんなら一番に俺に言えよ。
マフラーを外しているとぐうと腹がなった。
今日のしうまいには俺の唯一食べられないグリーンピースが
ご丁寧にも一粒ずつ乗っている。
嫌がらせか?殺すか?
「なんだよこれ!食えるかこんなもん!」
「見た目にも綺麗だしたまにはいいかなと思って…」
「たまになら食べれるなんてもんじゃねえんだよ!今日は食わん!」
俺は寝室へ行った。どかどかと怒りにまかせて歩くといよいよ腹が減った。
建てつけの悪いふすまを思い切り閉めて、パリッとしたシーツの引いてある布団へもぐりこむ。
ジーパンにジャケットのままだがもう知らん。
大ちゃんの声なんて無視だ。俺は子供っぽいやり方でふてくされると
ごそごそとラジオを取り出して日本代表を応援しだした。
- 219 名前:代打名無し :03/11/07 00:03 ID:2Y21orkD
- やがてすすり泣く音が遠くなったかと思うと、玄関が開いて大ちゃんが出て行った。
嘘だろ。こんな夜中だぞ。
がばりと起きだして慌てて後を追おうとするが、窓の鍵は開いてるし
やかんも火にかけたままじゃないか。
あたふたと家中の鍵や風呂なんかを点検していると、門扉が開く音がした。
早い。俺はもしや回覧板かも、と思ったが、キュムキュムと鳴るあの足音はたしかに大ちゃんだ。
また慌てて寝室の布団へすべりこむと、何事もなかったかのように
ラジオに熱中しているふりをした。耳をそばだてていると突然寝室のふすまが開いた。
「あの…これ。今月まだ買ってなかったよね」
それは今日俺が買ったエロ本だった。
俺はエロ本じゃなくて、恥ずかしそうに差し出す大ちゃんの手のひらをつかんだ。
びっくりして俺を見つめる大ちゃんの手は、ひんやりと冷たくて、真っ赤だった。
「ありがとう」
「うん!」
ちょっと赤くなって嬉しそうに笑う大ちゃんに、俺はいろんな意味をこめて言った。
「ごめんな」
「僕こそごめんね。彩りはグリーンピースはやめてコーンにするよ」
「いや、グリーンピースは大ちゃんが食べてよ」
「分かった!」
大ちゃんが暖めなおしてくれたシウマイは、今日もエビがたっぷりだった。
- 220 名前:代打名無し :03/11/07 00:31 ID:3xp8zXRu
- 小さな居酒屋で偶然隣に座った大ちゃんは、とても気さくで大らかな人だった。
ありふれた愚痴を大ちゃんは嫌な顔一つせずに聞いてくれた。
大ちゃんに話すと僕の鬱々とした気持ちはどこかに飛んでいくような気がした。
その頃僕は大ちゃんがプロ野球の選手だったなんて全然知らなかった。
野球よりもサッカーが好きな僕は、いろいろ失礼なことを言ってしまった気がする。
そんな無礼な若者に、大ちゃんは不快な表情も見せず、心があたたかくなるような笑顔を向けてくれた。
その後も何度か一緒にお酒を酌みかわした。
けれど、しばらくして大ちゃんはそのお店には来なくなった。
そして時間と共に、僕の大ちゃんの記憶もだんだん薄れていった。
なんとなくつけていた野球中継に見覚えのある人がいた。
大ちゃんだった。
TVの中の大ちゃんは居酒屋で会った飲兵衛じゃなかった。
よれよれのスーツからユニフォームに姿を変えた大ちゃんにはプロの風格がただよい、
ナインを見つめるまなざしは勝負師そのものだった。
先発の斉藤投手は巨人を撫で切りにしていた。
8回のピンチに斉藤投手を気づかい、交代を命じた大ちゃんの優しさ。
監督になっても大ちゃんは変わらない。僕はホッとした。
- 221 名前:代打名無し :03/11/07 00:32 ID:3xp8zXRu
試合は横浜が負けた。誰の目に見ても大ちゃんの采配ミスだった。
大ちゃんのつぶらな瞳は涙で真っ赤になっていた。
その日の夜、なんとなしの予感がして僕はあの居酒屋に足を運んだ。
1時間ぐらいしただろうか。
控えめに入り口のドアが開いた。
よれよれのスーツを着た、昔と変わらない大ちゃんだった。
大ちゃんは何も言わず僕の隣に座り、熱燗を一つたのんだ。
僕は言いたかった。
「今日は大ちゃんが悪いんじゃないよ。運が悪かっただけなんだ。落ちこまなくても大丈夫なんだよ。」
だけど厳しい表情をした大ちゃんを前に、僕は言葉がつまってしまった。
何も助けてをあげられない自分に情けなく涙が出た。
大ちゃんはゆっくりとおちょこに口をつけ、顔を上げた。
そしていつかと同じ笑顔でほほえんでくれた。
そんだけ
- 222 名前:代打名無し :03/11/07 00:39 ID:iHC6QoCb
- いつもは大ちゃんをAAに変換して読んでいるけど
居酒屋大ちゃんはリアル山下大輔に読めた。リアルも良い。
キュムキュムも捨てがたいけど。
ひとりひとりのイメージで違う「俺(僕)」と「大ちゃん」楽しみ。
- 223 名前:代打名無し :03/11/07 01:01 ID:yxxb9isZ
- 大 ちゃ ー ん !
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄
/巛 》ヽ,
ヾノ"~^ヽ,^
G(´∀` リQ
ヽ 丿 (´⌒(´
| | (´⌒(´⌒;;
○ ○≡≡(´⌒;;;≡≡≡
ミ○○○彳 (´´
- 224 名前:代打名無し :03/11/07 01:38 ID:2Y21orkD
- 俺はいつも
そんだけ
を忘れる。
今日もだ。さっきようやく気付いて、途方にくれた。
バカじゃないのか?
この歳で痴呆か?脳細胞がどんどん死滅してるのか?
俺は自分のアホさ加減にほとほと嫌気が差して、
どんよりとした気持ちでディスプレイを眺めていた。
こんな時間になると、夕飯に食べたシウマイも
だいぶ消化してしまって腹が減ってくる。
俺はどんなに夜中に食おうと変な色の水を飲もうと
元来胃が丈夫なたちなのでまったく支障はない。
台所で何か物色しようと立ち上がると、背後には大ちゃんがいた。
「うわっ」
「あ、驚いた?ごめんね。夜食にと思って…」
ほかほかのシウマイ。俺は大ちゃんの優しさにしんみりと暖かくなった。
「毎日夜遅くまで大変だね」
大ちゃんはどうやら俺が毎晩家に仕事を持って帰る
仕事の虫だと思っているようだ。
違うんだ、俺はいつもアングラな場所で大ちゃんの
悪口を書き連ねてるんだ、と言いそうになって、口をつぐんだ。
「じゃあ…お皿はシンクに入れておいてね。おやすみ…」
俺はシウマイをいっぺんに口に入れると、「足りねえぞ!バカ!」と言った。
そんだけ
- 225 名前:シウマイと大ちゃんと俺 4 :03/11/07 05:05 ID:M8Yjr02g
- 大ちゃんと出会ってから2ヶ月が過ぎた。
「寒いなー・・・。大ちゃんは丸一日ここにいるんだろ?よく続くよな」
いつもの様に屋台の横に腰掛けた俺は、冷え切った手を擦りながら大ちゃんを見上げた。
「まあね。でも夢中でシウマイ作ってたらそんな事も忘れちゃうよ」
それでもね・・・大ちゃんは続ける。
「頭ばっかりはどうしようも無いなー」
大ちゃんお得意の自虐ネタ。俺もつられて笑う。
「だったらいつでも頭の上にシウマイ乗せとけば?きっと温かいよ」
「あぁ。それもいいかもね。・・・って!火傷しちゃうじゃないか!!」
2人同時に爆笑した。
とても暖かい空間。
俺の一日で一番癒される時間だ。
「それじゃあね!また明日!」
大ちゃんに別れを告げて駅に向かう。もちろん今日もシウマイの入った袋を提げて。
電車の座席に座りながら、ぼんやりと考え事をする。
・・・正直、大ちゃん寒いんだろうな・・・。
・・・そうだ!
いい事を思いついて、顔がにやける。
向かいに座ったOLらしき2人組みが怪しんでいたようだが、俺は気にせず、早く明日にならないかなーと思った。
- 226 名前:シウマイと大ちゃんと俺 4 :03/11/07 05:26 ID:M8Yjr02g
- ―翌日。
「大ちゃん。コレ!」
大ちゃんに袋の包みを渡す。
「え?なんだい?」
「いいから開けてみてよ!」
大ちゃんは不思議そうな顔をしながら、袋を開けた。
「・・・!コレ・・・」
「へへ。やっぱ寒いだろーなと思って。ちょっと早いけどX’masプレゼント」
俺が渡したもの・・・。今日仕事帰りに買った、ロマンスグレイのニットの帽子。
「そんな・・・!悪いよ!お客さんにこんな・・・プレゼントなんて貰って!」
「何言ってんだよ。いつも世話になってるんだし。コレぐらい受け取ってくれよ!」
本当に申し訳無さそうな大ちゃんの表情。俺に袋を返そうとする手を止めた。
「いつもココで俺は元気を貰ってる。だから大ちゃんにもそれを被って頑張って欲しいんだ」
「・・・!・・・ありがとう・・・」
大ちゃんの目が少し潤んでる。
「さっ。被ってみてよ」
「う・・・うん」
少し照れながらも、帽子に頭を入れた。
「・・・どうかな?似合う?」
「・・・プッ。・・・ヅラみてー!!」
「なんだとー!?」
またも2人で大爆笑。
シウマイの湯気が、2人の笑い声に揺れた。
・・・俺は、いつまでもこんな楽しい空間が続くと思っていた。
そう・・・この時までは・・・。
つづく
- 227 名前:代打名無し :03/11/07 15:22 ID:WWMcDryj
- >>218-219
大ちゃんのけなげさに泣けた。・゚・(ノД`)・゚・。ホンニエエスレヤ
>>225-226
続きがハゲしく気になります
それだけ。
- 228 名前:代打名無し :03/11/07 18:09 ID:Ufz80vhM
- 野球狂でドラフト一位を引いても現実はそう上手くいかないよ大ちゃん。
そんだけ。
- 229 名前:代打名無し :03/11/07 18:13 ID:CyPWZhRo
- >>211
accessにアクセスする大ちゃん…
そんだけ
- 230 名前:代打名無し :03/11/07 23:01 ID:ztw7OowG
- >>162
>>188-189
>>195
naita
- 231 名前:代打名無し :03/11/07 23:05 ID:xYC/9mCD
- おまいら、けなげな大ちゃんを幸せにしてやってくれ。・゚・(ノД`)・゚・。
そんだけ
- 232 名前:代打名無し :03/11/07 23:44 ID:iHC6QoCb
- >>228
もう引く前から弱気全開、引いた後もオロオロする大ちゃんに哀しくなった。
かませ犬に最適なキャラってことだろうか…(´・ω・`)
そんだけ。
- 233 名前:代打名無し :03/11/08 02:00 ID:8BQFViNE
- 大ちゃんと同じ大学の同じ学部の一年生です。横浜BAYもけっこう好きなチームなので
来年はがんばってほしい。下柳来るんだろうか?下柳ファンでもある俺は微妙・・・
- 234 名前:代打名無し :03/11/09 00:44 ID:KReqhJx8
- スレタイのせいか糞スレって思ってる人もいるのかな・・・
漏れはおもしろいの書けないから、職人さんキボンヌ
そんだけ。
- 235 名前:代打名無し :03/11/09 02:16 ID:ACvwdWc7
- 晩秋の暖かなある日、俺は大ちゃんを誘って河原に出かけた。
買ったばかりのボールとグラブを持って。
ど素人の俺にキャッチのコツを教えてくれ、山なりの優しい投球でのキャチボールだった。
帰り道、目を輝かせて野球を語る大ちゃん。
何度も何度もボールをグラブにポムポムしてた。とても楽しそうに。
そしてこう言った。
「道具は大事にしてあげてね。そうすればコイツもキミに応えてくれるよ」
俺はそんな大ちゃんを見て、笑顔で頷いていた。
突然、大ちゃんが目にも止まらないような鋭いボールを投げた。
車道の方へ向かって。
ボールは大きくはずんで草むらへ消えた。
「うわあ!ごめんよ!大事にしろって言ったの僕なのに…」
大ちゃんは俺を残してさっさとボールを捜しに河原へ下りていった。
俺は知っている。大ちゃんが車道へ迷い込んだ猫の真ん前に投げた事。
猫が慌ててUターンした後に、トラックが走り抜けていった事を。
俺はなんとなく…なんとなく泣きたいような気持ちになって、
大ちゃんを追ってボールを捜しに行った。
そんだけ。
- 236 名前:代打名無し :03/11/09 02:19 ID:/oQK1SiJ
- 大ちゃん
(・∀・)イイ!よ
萌え
かなり萌え・・・・(*´ェ`*)
- 237 名前:代打名無し :03/11/09 02:27 ID:KReqhJx8
- >>235
(・∀・)イイ!
・・・(つД`)ホロッとしたよ・・・
そんだけ。
- 238 名前:代打名無し :03/11/09 02:46 ID:oP0oRreK
- ≫235
大チャン…
- 239 名前:代打名無し :03/11/09 02:49 ID:lTISJVJ5
- 大ちゃんにカツラは似合わない。でも↓のAAを見て豆腐なら似合うことに気が付いた。
__ __ __
|\ _\ |\ _\ |\ _\
/ \|__|/ \|__| / \|__|
|.. |.. | :::|
♪ |:::: ●) ●)|:::: ●) ●)| ●) ●) :::|
♪ヽ ::.....∀....ノヽ ::.....∀....ノヽ....∀. ...::ノ
(( (つ ノ (つ 丿 ⊂ ⊂ ) ))
ヽ ( ノ ( ヽノ ( ( (
(_)し' し(_) (_(__)
僕は眠っている大ちゃんを起こさないように、そうっと上半身だけ起きあがらせ、
台所から持ってきた色々な食べ物を乗っけてみた。
マグロの切り身=まあまあ
うどんの玉=うーん…
蜜柑=似合う
しゅうまい=似合いすぎ!
僕はひとしきり試したあと、笑いをこらえながら眠りについた。
翌朝、大ちゃんの頭に蟻がたかってた。
- 240 名前:話を作ってみたり :03/11/09 02:49 ID:/oQK1SiJ
- マンションの一室
俺の大きな怒鳴り声の後
「ごめんね、もう僕君にシウマイ作ってあげられない・・・」
大ちゃんはこう言い放つと、部屋を飛び出していった。
「大ちゃん・・・」
明らかに今の俺の発言は理不尽で、
センチメンタルな大ちゃんにはかなりのショックを与えたことに間違いはない。
ただ・・・ただ大ちゃんがシウマイ作るのに失敗してしまっただけなのに。
いつものシウマイ味が違うと大ちゃんに当り散らして。。。
なんて馬鹿なんだろ俺は・・・。
とりあえず飲み物を飲んで落ち着こうと冷蔵庫を開けると
そこには大量に買いだめされたシウマイの皮が・・・
いつだか大ちゃんがこういっていた
「君はたくさんシウマイ食べるから、足りなかったらまたたくさん作れるように常に買いだめしておこうとおもって・・。
そういっていたときの大ちゃんは・・・笑顔だった。
俺は冷蔵庫のコーラを2本取り出すと
部屋を飛び出し、大ちゃんの行きそうなところを
走り回って探した。
大ちゃんは川原にいた。
俺のほうに背を向けて水面をじっと見つめていた。
俺は大ちゃんのそばにそっと近づいた。
- 241 名前:話を作ってみたり :03/11/09 02:50 ID:/oQK1SiJ
「大ちゃん・・・」
大ちゃんは振り返り黙って俺を見た。
「大ちゃんごめんな・・・」
「僕。。。君の期待にこたえられなかったね・・・、試合でもファンの期待にこたえられないし・・・」
そういった大ちゃんの目には涙がたまっていた。
「だめな僕でごめんね」
大ちゃん・・・・・
「大ちゃん、また俺にシウマイを作ってくれよ。大ちゃんの作るシウマイが食べたいんだよ。
大ちゃんはだめなんかじゃない、失敗は誰だってする。其の失敗に目くじら立てて起こった俺が悪いんだ。
頼むよ・・・大ちゃんのシュウマイが食べたいんだ。大ちゃんのシウマイは世界一だよ!」
俺は大ちゃんに土下座をして謝った。
大ちゃんは俺の方に両手をポンと置いて
「ありがとう。。。だから土下座するのはやめて」
大ちゃんはにっこりと微笑んでいた。
- 242 名前:話を作ってみたり :03/11/09 02:53 ID:/oQK1SiJ
「大ちゃんコーラ飲む?」
ウンウンとうなずく大ちゃんにコーラを手渡す
が
ブシュッ!!!!★&%#$
俺が持ってきたコーラは走っている最中にかなりシェイクされていて。。。
あけるとどういうことになるかということを忘れたまま・・・
「大ちゃんごめん!俺それもって走ってきたから」
大ちゃんの顔がコーラでぬれてた。
「ハハハハハ・・・」
でも、大ちゃんはうれしそうにいった
「走って追いかけてきてくれたんだ。ありがとう」
そんな大ちゃんを俺はぎゅっと抱きしめたくなった。
そして俺もコーラのふたを開ける
勢いよくコーラが飛び出してきて俺の顔面、Tシャツをぬらした
それを見た大ちゃんはハハハと笑っていた。
そんな大ちゃんがすごくほほえましくて
一緒に俺も笑ったんだ。
ただそれだけ
- 243 名前:話を作ってみたり :03/11/09 02:54 ID:/oQK1SiJ
- やっぱりだめだ。。うまくかけない。
駄文3回連続投稿スマソ(´・ω・`)
- 244 名前:代打名無し :03/11/09 03:15 ID:BZ/CbeeO
- くそ。
まただ。また不採用の通知が来た。
もうどれだけの数の入社試験を受けたか記憶に無い。
不採用のハガキを受け取るたびに自分が全否定されたような気持ちになる。
こんなことをいつまで続ければいいんだろう…。
ゴミ箱にハガキを破り捨てて、階下に降りると大ちゃんが難しい顔をして
スポーツ新聞とにらめっこしていた。
淹れたてのインスタントコーヒー片手にしばらくの間大ちゃんと対峙していたが、
それでもなお、大ちゃんは無言だった。
さらに小一時間ほど過ぎた後、大ちゃんが俺以外の誰かにも語りかけるように話し始めた。
「普通、別れの季節というのは春だろうけど、僕達の世界では今がつらい別れの季節なんだ」
そう言ってスポーツ新聞に再び目を落とした。そこはベイスターズの戦力外通告の記事だった。
「僕もプロの世界は長いけど、今こういう立場になったから、現役の時以上の苦しみを感じるよ。
もっと使ってあげればよかったんじゃないか、もっといいアドバイスをおくってあげればよかったんじゃないか…
彼らの今ある野球人生だけじゃなくて、今後の人生にも影響するかもしれないから…
一軍枠に誰かを選ばなければならないのはわかってるんだ。だけど…」
俺の頭の中でザラついた何かイヤなものが蠢いた。その黒い塊が俺の口から抜け出した。
「大ちゃん。誰もが幸せにはなれないんだよ」
言った後、即座に、しまった、と思った。自分の顔を三度ほど叩きのめしてやりたい衝動にかられた。
「そうかもしれない。それでも僕はみんなの笑顔が見たい」
こんな大ちゃんの厳しい顔を見たのは初めてだ。
自分でも最低な気分でいるのがわかってたので、俺はすぐその場を離れた。
それから数日、なんとなく大ちゃんと話すのが俺の中で気まずい雰囲気になった。
大ちゃんはいつも通りなのだが、俺の方で大ちゃんを避けてしまっていた。
- 245 名前:代打名無し :03/11/09 03:17 ID:BZ/CbeeO
- そんなある日、細見が阪神の入団テストに合格したというニュースが飛び込んできた。
ニュースが伝わるやいなや、細見にお祝いの電話をかけている大ちゃんがいた。
電話をかけている間中、大ちゃんは笑顔だった。
みんながこんな笑顔ならそれはきっと素晴らしい世界だろうな、という笑顔だった。
電話が終わった頃を見計らって、思い切って大ちゃんに挨拶してみた。
「大ちゃん、おはよう」
「うん、おはよう。いい朝だね」
大ちゃんはそのままの笑顔で挨拶を返してくれた。
俺もいつかあんな笑顔で大ちゃんに喜んでもらえたらな…
そう思うと心が軽くなった。また次の就職先を探すことにした。
そんだけ。
- 246 名前:代打名無し :03/11/09 03:52 ID:JCTZi2O3
『好奇心は・・・・』
何の予定も入っていない日曜は、あんまりにも暇すぎて
つい いつも俺は、大ちゃんに絡んでしまう。
「大ちゃん、大ちゃん。 ニャァって言ってみて?」
「え?え?」
シウマイの材料の下拵えに動いていた手を止め、大ちゃんが驚いたように俺を伺う。
「いいから、言ってみて!」
困ったような表情で 僅かに右へ頭を傾げ、
つぶらな瞳を更に丸くして、大ちゃんは言われるままに呟いた。
「・・・・・に、にゃぁ?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 鼻血がでますた。
そんだけ。
- 247 名前:代打名無し :03/11/09 03:55 ID:lTISJVJ5
- ワラタ
- 248 名前:代打名無し :03/11/09 04:00 ID:7X+QeBTA
- 変なところに迷い込んでしまった(;´Д`)
- 249 名前:代打名無し :03/11/09 04:16 ID:ES2jv9zi
- 今日、呼び鈴がするので玄関に出てみると、そこに大ちゃんが来た。
今にも泣き出しそうな声で、
「お腹痛いの。もう監督やめたいの」
と言ってた。
僕は、「あきらめたら終わりだよ。ガンバ!」
って言って励ましたら、大ちゃんは顔をぱっと明るくして、
「ありがとう! お礼にシュウマイを作るね」
と言って、勝手に上がり込んで台所でシュウマイを作り始めた。
その後、大ちゃんが作ったシュウマイを食べた。
うまかった。
- 250 名前:代打名無し :03/11/09 11:30 ID:NjL8dwaB
- この物語を書いているのは大ちゃん本人?
- 251 名前:代打名無し :03/11/09 13:56 ID:oP0oRreK
- ≫244〜255
・・・(つД`)大ちゃん・・・
- 252 名前:代打名無し :03/11/09 15:14 ID:gWw2ojg8
- >>251
ずっと気になってたんだが…。キミ、延々とアンカーの付け方間違ってるよ。
そんだけ。
- 253 名前:代打名無し :03/11/09 22:38 ID:qVtEEHcJ
- >>239を読んでいた俺は食ってるみかんを気管につまらせてしまった。
「ブッ!…ごほっうえほっ!ブッハハッ!ごほっ!」
俺のむせる声を聞いてすかさず隣室から大ちゃんが飛んでくる。
「どうしたの?大丈夫?」
「水、水」
「水だね?!あわわ〜」
大ちゃんが慌てて台所から水を汲んできてくれた。
しかし水の入った容器は、普段シウマイとともに楽しんでいる
飲茶用の小さいお茶碗。こんなサイズで足りるわけがない。
俺はさっきまで大笑いしたいような気持ちだったのが
激昂に変わり、背中をさする大ちゃんの手を乱暴に振り払った。
「でっかいコップになみなみついでこい!」
大ちゃんは聞き取れないほどの声でごめんね、ごめんねと
言いながらお茶碗をつまみあげた。
顔を紅潮させて肩がわずかに震えている。
「バカヤロー!こんなことで泣くな男だろうが!」
大ちゃんはいよいよ震える声をしゃくりあげるようにして、
とうとう涙をぽろりとこぼした。
- 254 名前:代打名無し :03/11/09 22:40 ID:qVtEEHcJ
- 俺はいつもそうだ。自分に絶望したいような気分だ。
バカみたいに子供じみて、冷静に優しくできない。
でも絶対に泣かせるつもりなんてないんだ。
人間同士、気持ちがいつもいつもぴったり寄り添ってるなんて
ありえないことだろ?それでも俺はなんで大ちゃんと
こうまですれ違うんだろうって苦しむんだ。
それでも俺は大ちゃんを大事に思うよ。
俺は自分で台所に行き、コップにオレンジジュースを
なみなみとついで一気に飲み干した。
ホッシーの顔が書かれた大ちゃん専用の湯のみにもジュースを満たし、
なおもえづいている大ちゃんのところへ持っていくと、
それを無理やりのように飲ませた。
「ありがとう」
大ちゃんの笑顔はこんなときでもまぶしくて、俺はやっぱり大ちゃんが大好きなんだって、そう思うんだ。
そんだけ。
- 255 名前:代打名無し :03/11/10 02:27 ID:XbxDcR3m
- ≫252
まぁまぁ
- 256 名前:代打名無し :03/11/10 03:11 ID:bsgIUNBw
- 大ちゃんと二人部屋でテレビを見ていた。
オリンピックアジア予選、日本VS韓国戦だった。
ドラゴンズ福留、スワローズ宮本らが画面狭しと暴れている。
豪勢な日本代表に大ちゃんと二人でしばし酔いしれた。
9回裏、マリーンズ小林のいつものガッツポーヅで試合は終わった。日本代表は3戦全勝だった。
選手達は普段にはない最高の表情を見せている。そんな時、だいちゃんがぽそっと呟いた。
「長嶋さんはいいな・・・私だってこんなチームだったら・・・」
大ちゃんは少しさびしげな顔をした。
「うぅん、ベイスターズのみんなはホントにがんばってくれてたよね。私ったら何てこと・・・」
大ちゃんの頬にひとすじの光が伝った。大ちゃんに何か言ってあげたかった。
「俺が監督ならあそこは小林じゃなくてデニーを使ったな、やっぱ長嶋は采配がおかしいよな」
「え?」
大ちゃんは少しびっくりした顔をして、少し照れくさそうにうつむいた。
「お腹すいたね、しゅうまい食べよ!」
そういって大ちゃんは台所に向かった。
その日のしゅうまいはいつもより少しおいしかった。
そんだけ
- 257 名前:代打名無し :03/11/10 03:27 ID:oA+BBjvP
- ええ話や、、、
- 258 名前:代打名無し :03/11/10 03:30 ID:8PdwTEq0
- この話をベイスターズナインに聞かせてやるべきだ
- 259 名前:代打名無し :03/11/10 03:44 ID:iJD15FGT
- 気味悪がるんじゃないか。
いや俺もこのスレは好きだけど。
- 260 名前:代打名無し :03/11/10 05:22 ID:qrz6dt4o
- 気味悪がる選手も居るだろうし、突然監督の頭をナデナデしだす選手もいるだろう。
「一緒にシウマイ食いに行きませんか?」とか誘っちゃう選手も出てくるかもしれないし、
その内監督の頭にトーフを乗せる選手も現れるかも知れない。
いや、俺もこのスレ好きなんだけどさ。
- 261 名前:代打名無し :03/11/10 05:59 ID:/TDtit65
- デニーがどう思うか、
それが気になる
- 262 名前:代打名無し :03/11/10 11:26 ID:uiXoOaQ6
- 大ちゃん真の姿
↓
http://cgi.no-ip.org/~pomo/g/shirley2.jpg
- 263 名前:代打名無し :03/11/10 12:08 ID:fvPYfYas
- フィクションの中の人としてこのスレの大ちゃんは好きだな。
しかしきっと来期ベイが負け続けたら、
「ゴルァ、真面目にやれよ!」とリアル大ちゃんに怒りをぶつけるであろう。
ほぼ常敗・無勝とはいえリアル大ちゃんは勝負師だから
それなりに荒っぽかったり意地があったりもする…よな?
負けん気を見せておっとり大ちゃんのイメージを払拭して欲しいもんだ。
それはそれで寂しいケドナー
- 264 名前:代打名無し :03/11/10 20:00 ID:6eowaDE8
- >>262
ダメだ!
大ちゃんはあのままだから可愛いのであって、
真の姿もなにもないよ。。。
- 265 名前:代打名無し :03/11/11 19:29 ID:nXBA57jH
- / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ ヽ
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|:::::::::: (●) (●) |
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ヽ:::::::::::::::::::. \/ ノ
♪優勝しなくていいんだよ
100敗しなけりゃパラダイス
あしたも負けそうだ
Viva!横浜 Viva!横浜
最下位横浜
- 266 名前:代打名無し :03/11/11 20:54 ID:xNsg2WnP
- その日、俺がバイトから帰ると、部屋の前でシウマイのにおいがした。
『大ちゃん、今日も来てくれてるのかぁ・・・。』
いつでも大ちゃんの作るシウマイを、腹いっぱい食べられることがたまらなく嬉しかった。
「ただいまぁ!大ちゃ・・・」
でも、そんなささやかな幸せを踏みにじるように。
俺の・・・俺と、大ちゃんの部屋に巣食った闇は、俺の高揚しきった心を一瞬にして凍り付かせた。
その漆黒は、俺に大ちゃんへのねぎらいの言葉を最後まで口にさせなかった。
そこに、俺の大切な人の姿はなく。
ただ、食卓の山盛りのシウマイと、俺への一通の手紙があるだけだった。
「だい・・ちゃん?」
俺はすぐさま手紙を開けた。
『○○くんへ
僕は、必要なかったみたいです。
楽しかった。嬉しかった。
シウマイ、食べてください。
山下 』
手紙の字は、ところどころ滲んでいた。
俺の持つ腕の、震えは止まらなかった。
手紙を乱暴にしまうと、夜の街へ飛び出した。
―――行くあてなど、ありはしなかった。
続く?
- 267 名前:シウマイと大ちゃんと俺 最終回 :03/11/12 02:52 ID:tm/sZA59
- 寒さが一番ピークの2月。
でも、もうそこまで春が訪れようとしてる。
「・・・何だかんだ言って、もうすぐ春か・・・」
屋台の横に座りながら、ボソッと呟いた。
俺のプレゼントした帽子を被りながら、シウマイを蒸す大ちゃん。
でも心なしか、その横顔が寂しそうだ。
「あぁ・・・そうだね。もう・・・シウマイの季節も終わりかな・・・?」
寂しげに笑う大ちゃん・・・。
「?何言ってんだよ。シウマイに季節なんかないだろ?」
寂しげな大ちゃんなんて見たくなくて、励ましの言葉を掛ける。
「・・・」
「・・・大ちゃん・・・?」
様子が変だ。いつもの大ちゃんじゃない。
「何だよ。何かあるのか?言ってみてよ」
少し急かす様な言い方。・・・嫌な予感がする・・・。
「・・・あと三日で・・・この街を去ることになったんだ・・・」
- 268 名前:シウマイと大ちゃんと俺 最終回 :03/11/12 02:54 ID:tm/sZA59
- ・・・
「は・・・何・・・?今、何て・・・?」
聞いたことが信じられず、俺は聞き返した。
「・・・あと三日で、僕はこの街を出る」
「・・・!何で?何でだよ!?それ、どういう意味だよ!!」
俺は立ち上がり、思わず大ちゃんの肩を掴み掛った。
「・・・本格的にシウマイの修行をしようと思って・・・上海に行こうと思うんだ」
「上海!?外国じゃねぇか!!日本でも修行できるだろ!?」
激しく大ちゃんの体を揺さぶる。自分でも泣いてるのが分かった。
「もう・・・決めたことだから・・・」
「・・・あと・・・あと三日って・・・!何でもっと早く言わねぇんだよ!!」
ハッ!自分の感情しかぶつけてなかった俺は、少し冷静さを取り戻した。
「・・・ごめ・・・お別れ・・・言うの・・・辛くっ・・・」
大ちゃんの目から零れる涙。
それでも、俺は許せなかった。
「あぁ!分かったよ!!勝手に上海でも宇宙でも行きやがれ!!」
ダッ!ありったけの大声で叫んで、走り去った。
・・・何だよ。何だよ!!それ!!
信じてたのに・・・。ずっとあの楽しい空間が続くと信じてたのに・・・!!
裏切られた気持ちで一杯になった俺は、帰ってから家の色んなモノに八つ当たりした。
それでも気は収まらなかった。
- 269 名前:シウマイと大ちゃんと俺 最終回 :03/11/12 02:57 ID:tm/sZA59
- ―あれから三日が経った。
「・・・」
今日が言ってた三日目。
大ちゃんがこの街を去ってしまう三日目・・・。
(ふん!あんな奴・・・。もう忘れろよ!)
自分に言い聞かせるように、何度も心の中で呟く。
おかげで仕事が全然手に付かない。
「今日、残業頼むわ」
ぽんっと上司に肩を叩かれた。
コチコチコチコチ・・・
やけに耳に付く時計の音。
ちらっと、先程から腕時計に目をやる始末。
・・・
ガタンッ!俺は居ても立っても居られなくて、席を立った。
「すみません!急用があるんで、お先に失礼します!!」
上司や同僚達が留めるのも聞かず、俺は走って会社を出た。
ハァ・・・ハァ・・・
まだ・・・居るかな・・・。間に合う・・・よな・・・?
せめて・・・、こないだのお詫びと・・・あと・・・頑張れって・・・!
あの角を曲がれば・・・!
「大ちゃん!!」
『やあ!こんばんは!』
- 270 名前:sage :03/11/12 03:12 ID:tm/sZA59
- ・・・
そこには、あるはずの屋台も、そして何時もの笑顔も・・・無かった。
呆然と佇む。
「・・・」
・・・何時も俺が座ってた場所に袋が置かれていた。
無意識にその袋を手に取る。
電車に揺られながら、ただただ頭の中は真っ白だ・・・。
家に着き電気を付ける。
まだ夢でも見てるんではないかと疑ってしまう。
しかし、これが現実なんだと、手に持ってる袋が物語ってた。
袋を開けると、俺の名前の書かれた封筒が入ってる・・・。
封筒を開けると一枚の手紙。
意を決して俺はそれを開いた。
『こんな別れ方はしたくなかったけど、仕方ありませんね。
君と過ごした半年間、僕は一生忘れません。
2人で泣いたり怒ったり笑ったり・・・。
僕にとってもとても楽しい半年間でした。
でも、あえてさよならは言いません。
いつか立派なシウマイ職人になって帰ってきます。
君にはとても感謝しています。
ありがとう。くれぐれも体を大切に。
山下大輔』
- 271 名前:シウマイと大ちゃんと俺 最終回(・・・やってしまった鬱) :03/11/12 03:14 ID:tm/sZA59
- 「・・・」
手紙を読み終わっても実感が無かった。
「あっ・・・シウマイ・・・」
思い出したようにパックを開ける。
冷え切ったシウマイが時間を物語る。何時も7個だったシウマイが、今日は15個入りだ。
パクッ。
一つ口に放り込む。
「・・・」
パクッパクッパクッ・・・。次々に口に放り込む。
「・・・美味い・・・美味いよ・・・!美味いよ、大ちゃん・・・!」
俺はこの時初めて涙が出た。溢れ返る程、次から次へと流れる涙。
「美味い・・・大ちゃ・・・ごほっ」
むせ返りながらも、シウマイを食べ続けた。
そう、このシウマイは味もそうだが、何よりも心に染みてくるのだ。
「ひくっ・・・大・・・ちゃん・・・うっ・・・わああぁぁ・・・」
とうとう声を上げて泣き始めてしまった。
大ちゃんとの出会い・・・。
大ちゃんの笑顔・・・。
大ちゃんの涙・・・。
ある時は、余り過ぎたシウマイを2人でヤケ食いした事もあった。
お互いむせて、顔を見合わせ笑った・・・。
後から後から、大ちゃんの思い出と共に涙が溢れる。
最後に、ありがとうも頑張れよもサヨナラさえも言えなかった・・・。
後悔と懺悔の気持ちを流すように、俺は一晩中泣き続けた・・・。
- 272 名前:シウマイと大ちゃんと俺 最終回(・・・やってしまった鬱) :03/11/12 03:15 ID:tm/sZA59
- ―あれから一年が経とうとしてる。
かつて屋台のあった場所には、今時風の小洒落たカフェが出来ている。
「・・・」
俺は今でも、またひょんんな事で大ちゃんが居るんじゃないかと思って、仕事帰りにたまに寄る。
だけど、そこには大ちゃんの姿がある筈も無く。
それでも俺は、呟かずには居られなかった。
「また・・・逢えるよな?大ちゃん・・・」
ふと、風がシウマイの香りを運んできた気がした・・・。
そんだけ。
- 273 名前:代打名無し :03/11/12 03:21 ID:tm/sZA59
- 長々とベタなオナーニ物語スマンカッタ。
あと>>266さん。
手紙が少し被ってスマン。
そんだけ。
- 274 名前:代打名無し :03/11/12 05:47 ID:UW9rIVwJ
- 泣いたよ…
- 275 名前:代打名無し :03/11/12 10:26 ID:D5V/mXLA
- >>273
久しぶりにマジん泣きしちまったよ
- 276 名前:代打名無し :03/11/12 16:45 ID:AFbUn/26
- >>273さんのが>>266さんの続きかと思ったけど・・・ないてしまいました。
273、乙彼さま
266、ガンガッテつづけ。
- 277 名前:代打名無し :03/11/12 19:58 ID:QlZLJd/x
- とりあえず全部読んだけど>>46が1番の秀作だ
- 278 名前:代打名無し :03/11/12 20:08 ID:wXjG9IjM
- どれもいいけど、俺も>>46は大好きだ。
読んでて、俺も「プロ野球」が好きなんだなぁ、と実感したよ。
そんだけ。
- 279 名前:代打名無し :03/11/12 21:57 ID:eCIpiJNB
- 確かにどの話も良いし大好きなんだが、一番萌たのは>>62
リアル大ちゃんが噛んでると想像しただけでワラタ(w
- 280 名前:代打名無し :03/11/12 22:07 ID:GPiOHMhV
- >>277-279
しめに入らないで下さい・・・・
俺、俺たちの物語はまだ終わってません
そんだけ。
- 281 名前:代打名無し :03/11/12 22:20 ID:eCIpiJNB
- >>280
あぁスマソ。
というわけで職人さん期待age
- 282 名前:代打名無し :03/11/12 22:34 ID:UMLkBGzr
- ここにある作品を整理しませう。
- 283 名前:代打名無し :03/11/13 01:13 ID:/Mue00VX
- 泣きのポイントからちょっとズレてるようなのが好き。
>>56とかなんかすごく短いのにしみじみ。
>>191みたいなのはほのぼのとしてくる。
- 284 名前:代打名無し :03/11/13 05:44 ID:7YbHxseU
- 俺は大ちゃんが好きだ。
大ちゃんを好きになったのは、野球とはカンケーないスレで大ちゃんAAを見たからだ。
でもあのAAだけで好きになったんじゃない。
あの大ちゃんAAの側に、いつも憂いているベイファソAAがあったからだ。
悲惨な成績を残したにも関わらず、監督を耐えて応援するベイファソ。
俺はプロ野球事情に詳しくない。
従ってベイファソであるはずもない。
「何故、ファンはあんなにも山下監督を慕うんだ?」
単純な疑問から出入りするようになった大ちゃん関係のスレ。
人は業績に付いていくんじゃない、人柄に付いていくんだ。
そう悟ったら、何となく幸せな気分になった。
人間関係が希薄になってゆくこの世の中で、そう思ったら救われた。
だからやっぱり野球と関係のある話が好きだ。
頑張る大ちゃんと、それを見守るベイファソみたいな。
シウマイもいいけど、俺はやっぱり>>46とか>>56みたいなのが俺は好きだ。
そんだけ。
- 285 名前:代打名無し :03/11/13 18:37 ID:hM5ovill
- >>246に萌えた
- 286 名前:代打名無し :03/11/14 14:21 ID:7eHK1T9i
- age
- 287 名前:代打名無し :03/11/14 15:33 ID:Is5icLXH
- age
- 288 名前:代打名無し :03/11/14 17:50 ID:M4SjDEKI
- hage
- 289 名前:代打名無し :03/11/14 19:41 ID:fmwMmFUz
- 俺が家に帰っても大ちゃんはいない
シウマイもない
俺と大ちゃんはそんな関係
そんだけ。
- 290 名前:代打名無し :03/11/14 19:50 ID:WbDngss/
- 家に帰ったら大ちゃんがいつものようにシウマイを作って待っていてくれた
でも、いつもと何か違う
「どうしたの?」
「…なんでもないよ」
なんでもない、とただ繰り返すだけの大ちゃん
「そうか…」
僕達は無言で大ちゃんの作ったシウマイを食べた
食べ終わった所で一言大ちゃんが呟いた
「補強…上手くいってないんだ」
僕は心の中でそうか、と言った
そして無言でPCの電源を付けるだけだった
「やさしいね」
大ちゃんはそう言って出ていったのだった
- 291 名前:代打名無し :03/11/14 19:50 ID:WbDngss/
- そんだけ
- 292 名前:代打名無し :03/11/14 23:09 ID:KpJv05Aa
- 珍プレー見て思った。リアル大ちゃんでもおもろい。
- 293 名前:代打名無し :03/11/14 23:16 ID:9JurapS1
- ホモの年配好きには
けっこうモテるタイプなのですよ
いやまじで
- 294 名前:代打名無し :03/11/14 23:22 ID:J2ZFLOM4
- 崎陽軒「シウマイ」のカンバンの前でサッカーやってた時に、
死ぬほどワラタのは漏れだけでつか??
- 295 名前:代打名無し :03/11/15 00:20 ID:7U/LClNy
- 看板の方は見落としてた……_| ̄|○
後前にやってたヘッドスピードも見落とした……_| ̄|○
というかわざわざプチ特集っぽいの組まれてるってことは、なにげに一般でも人気なのか?
- 296 名前:代打名無し :03/11/15 00:47 ID:golMHxqv
- 一昨日くらいに日テレでやってた番組で、禿げててもいけてる有名人っていうのに名前が挙がってたらしい。>大ちゃん
その後でデニーの名前も挙がってたらしい。(漏れは見てないので何のお題か知らないけど)。
なのでそこそこ有名なんじゃないかな。
- 297 名前:代打名無し :03/11/15 01:20 ID:9U8YOSns
- 大ちゃんって家族居るの?
- 298 名前:代打名無し :03/11/15 01:21 ID:JOTkK14M
- >>294
あの顔にボール当たったときの表情…大ちゃんてば。
リアル大ちゃんは萌えねーだろと思ってたがそうでもないね。
AAとダブって見えてきた自分が怖い。
- 299 名前:代打名無し :03/11/15 01:24 ID:JOTkK14M
- 大ちゃんの家族
佳子夫人(48)洋平(22)智子(20)敦史(14)
息子さん二人の毛髪事情がちょっと気になるところだ…
- 300 名前:代打名無し :03/11/15 01:55 ID:Mhob8pxQ
- >>299
22歳と14歳ならまだ大丈夫だろうが20代後半あたりから一気にいきそうだね…゚・(ノД`)・゚・
- 301 名前:代打名無し :03/11/15 03:17 ID:1emkHAED
ウチの大ちゃんは
アンサンブルと
リバーシブルを
よく間違える。
そんだけ。
- 302 名前:代打名無し :03/11/15 08:46 ID:x0iKJxkW
- >>299
智子さんは大ちゃんに似て美人なんだろうな
- 303 名前:代打名無し :03/11/15 18:32 ID:bNzNbJC7
- >302
_____
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/;;;;;;;::::::::::/:::/:::/:::/ ̄^ミ'i,;;;;'i,
|;;;;;/::::::://:::/:::/:::/ ミi::::|;|
/ ̄\ |;;;;|::::::/ノ::ノ::ノ::ノ ⌒ |::::|;|
,┤ ト|;;;;|:::::::| (●) (●) /:::/;;|
| \_/ ヽ;|:::::::| *\___/*ノ:ノ;;;;;| こんな感じの人か
| __( ̄ |:::::::| __ \/ _ ノ;;;;;;;;;;;|
ヽ___) ノ;;;'i,::::::'i,;;;;;;;;;;; ̄  ̄ ;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;|
'i,:::::'i,
\:::\
- 304 名前:代打名無し :03/11/15 18:34 ID:VQWhBdCq
- ある日、俺と大ちゃんは公園を散歩しながら来季のベイスターズについて話をしていた。
俺が「いいピッチャーがほしいね」というと、大ちゃんは視線を逸らしてポツリと「デニー...」。
「ほら、大ちゃんデニーにばかり投げさせるわけにはいかないじゃん?」となだめようと肩を回そうとしたら、
大ちゃんはその手を勢いよくふりほどいて、その拍子で公園の池に落ちてしまった。ずぶずぶずぶ。
「大ちゃーん!」俺は池の端にしゃがみこみ、叫んだよ。
そうしたら池の中から神様が出てきて「お前の落としたのは大ちゃんはどちらの大ちゃんかな?」。
神様は右手に大ちゃん、左手に松坂大輔を持っていた。
俺は思わず松坂の方を指さしてしまったが、その時大ちゃんと目が合ってしまい、
大ちゃんの顔がみるみる曇っていくのがわかった。
「毛のない方です!」そういうと、神様は俺の傍らに大ちゃんを置いて消えてしまった。
「やっぱり、いい監督よりいいピッチャーだよね…」俺はその大ちゃんの一言に、
「誰がいい監督じゃ」と突っ込みたかったけれど、その言葉は飲み込んで
「中華街でも寄ってシウマイ食べて帰ろ」と言った。大ちゃんの顔が少し輝いた。
でも神様、正直者には金と銀の斧もくれるんじゃないの?
だから大ちゃんが監督のうちにせめてAクラス入りおながいすます、と思いました。
そんだけ
- 305 名前:代打名無し :03/11/15 19:41 ID:5v3o0EAA
- >>303
かわいいじゃねーか
- 306 名前:代打名無し :03/11/15 19:43 ID:GXe61CV+
- >>303
萌え
- 307 名前:代打名無し :03/11/15 20:18 ID:FVNz1Fx7
- >>304
大ちゃん、ナイスボケ!!
- 308 名前:代打名無し :03/11/16 01:22 ID:MoRbsRHA
- 僕と柳本監督の関係
http://sports.2ch.net/test/read.cgi/volley/1068912801/l50
- 309 名前:代打名無し :03/11/16 18:58 ID:cXE9txd+
- >>303
クボジュンみたい
- 310 名前:代打名無し :03/11/16 22:02 ID:/1cC0E1P
- >>303
漏れはティファに見えた。
- 311 名前:代打名無し :03/11/17 17:31 ID:zconemup
- 今朝、大ちゃんはゴルフに行くと言ってでかけていった。
俺は家にいても誰もいないしやることもないので、何気なく街をぷらぷらしていた。
ふと喫茶店を覗いてみると、大ちゃんが笑顔でコーヒーを飲んでいた。
大ちゃんの向かいの席には、俺の知らない男が座って微笑んでいた。
俺の知らない男と、俺の知らない話をし、俺の知らないところで笑う大ちゃん。
俺の知らない人のようだった。
声をかけることもためらわれ、俺はひとり家に帰った。
大ちゃんが帰宅したのは深夜に近かった。
「ゴルフ楽しかったか?ずいぶん遅かったな」
俺がそういうと、大ちゃんはいつもの笑顔で答えた。
「うん、とっても楽しかったよ。ゴルフ場の近くでゴハン食べてきたんだ。はいお土産」
シュウマイの入った包みがテーブルに置かれる。
俺はタバコを消し、そのままベッドにもぐり込んだ。シュウマイは食わなかった。
大ちゃんが困惑したような表情で俺を見ていた。俺は何も言わなかった。
俺は何も言えなかったのかもしれない。
それだけ。
- 312 名前:代打名無し :03/11/17 18:46 ID:36zBZ4PR
- _,.―――――、
/ i
l B │
l____,.----、_――┐
l / ━━━ ━━ ̄ ̄
┌i, │ 《《●》 《●》 ←俺の知らない男
\i│ = │=│
l┘ │ /
│ ∴:┘:│
│ ト 《∋ /
│ ! \∵∵∵j
│  ̄ ̄ ̄│
- 313 名前:代打名無し :03/11/17 20:50 ID:dIW7r63n
- デニーじゃねえか!
みんな知ってるよ・・・
- 314 名前:代打名無し :03/11/17 20:51 ID:HtLgptn2
- 俺は横浜ベイスターズの1ファンだ。
昔、家に居候していた大ちゃんに尋ねたことがある。
横浜はいつになれば勝てるのかと。
大ちゃんは答えた。
これ以上負けることはないよ、僕はみんなの実力を信用してるから。
と。
その台詞を聞いたのは、気が遠くなるほど前のことだった。
あの時は気付かなかったけど
監督としての責任と世間の厳しい批判の中で、大ちゃんはもがき苦しんでいたらしい。
そしてその彼の姿が俺自身だということに気付いたのは
…大ちゃんが俺の家を出ていってからだった。
つづく
- 315 名前:代打名無し :03/11/17 20:52 ID:HtLgptn2
- 大ちゃんの笑顔を見ているだけでよかったのに。
勝敗以上に、それがあの頃の仕事でボロボロになった俺の生きがいだったのに。
夢の中で勝てるだけでよかった…のに、
つい大声で
バカヤロウ!いい加減に勝てよ!!
と怒鳴ってしまった。
大ちゃんが表情を曇らせた。
俺が曇らせてしまった…。
俺が大好きだった笑顔を、
俺自身の手で消してしまった…。
それから2日くらい経った頃だろうか。
大ちゃんはいつものようにシウマイを作り終えたあと、
「ちょっとショウユ買ってくるね」と家を出たきり二度と帰ってくることはなかった。
俺が最後に食べたその大ちゃんの手作りのシウマイは死ぬほどにうまくて、
悲しいわけでも嬉しいわけでもない涙が、なんだか止まらなかった。
「寒くなってきたな…」
窓から入り込む隙間風が冷たい。
今頃彼はどこにいるのだろう?
もしも誰かの家にいるんだったら俺のように冷たくしないでほしい。
そして、大ちゃんを、できれば幸せにしてやってくれ。よろしく。。
微妙に元ネタ曲、ポルノグラフティの「アゲハ蝶」っぽい。
そんだけ。
- 316 名前:代打名無し :03/11/17 21:01 ID:36zBZ4PR
- >>314-315
。・゚・(ノД`)・゚・。
- 317 名前:代打名無し :03/11/17 22:34 ID:j3U4ka3u
- 大ちゃんage
- 318 名前:代打名無し :03/11/17 22:35 ID:7/ugPLnD
- たまにはageてみる。
そんだけ。
- 319 名前:代打名無し :03/11/17 22:41 ID:hjiB3lgU
- / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
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- 320 名前:代打名無し :03/11/17 22:42 ID:q6BD+SbF
- >>311
泣けた
- 321 名前:代打名無し :03/11/17 22:57 ID:MKCrcCgu
- 子会社に出向を命じられたが、その子会社でも
「もう来なくてもいいよ」
と言われた。
元の会社に戻ってみたら俺の席に横浜の小川がいた。
必死に仕事をしている小川を見てたら、
こいつになら居場所を取られてもいいかな、という気持ちになってきた。
翌日俺は会社を辞めた。
そんだけ
- 322 名前:代打名無し :03/11/17 22:59 ID:MKCrcCgu
- 再就職活動がうまくいかず10社目も不採用だった。
その面接の帰り道で夕立にふられ
「あ〜あ、ホントついてねえや」
と雨にぬれて交差点で信号待ちをしていた。
ふと隣を見るとロッテのジョニー黒木が肩を震わせ立っている。
そのうつむいた姿を見ていたら向こうも気付き目が合った。
その瞬間信号が変わり人々が動き出す。
一瞬人の波に遮られた後、黒木の姿はどこにもなかった。
彼の頬をつたう雫が、雨なのか、涙なのか、俺には分からなかったが、
「もうちょっとがんばってみるか」
と声を出し、俺は雨の中、顔を上げて走り出した。
そんだけ
- 323 名前:代打名無し :03/11/17 23:01 ID:MKCrcCgu
- 年が替わろうとしている中、俺は街をブラブラしていた。
「フリーターや就職浪人も悪くないさ」
最近はそんな事を口にして過ごしている。
目的も無しに通りを歩き、何の気もなしに足を止めた交差点、
そこはあの黒木に会った場所だった。
「また会えないかな、そうしたらもう一度がんばれる気がする」
そうつぶやいた俺の目に、交差点の向こう側で、
俺に向かい笑顔で手を振る男が。
「いた!!
小宮山が…」
俺は小宮山に背を向けると駅に向かって走り出した。
小宮山が何か叫んでいるが俺には聞こえない。
「実家の八百屋でも継ぐか…」
誰にでもなくそう言った俺を乗せて走り出す新幹線。
故郷の空が無性に恋しかった。
そんだけ
- 324 名前:代打名無し :03/11/18 02:07 ID:0SBK+vDD
- 大ちゃんと犬が遊ぶ姿を俺は見ている。
「くすぐったいよう!ラガーくん!」
自分とさほど変わらない大きさの、いや、少し大きいくらいのレトリバーと大ちゃんが冬晴れの空の下遊んでいる。
わふわふ、と犬も大ちゃんを気に入っているようだ。
ねぇ大ちゃん。
心の中で俺は問いかける。
その犬と、その飼い主を大ちゃんに取られるのはつらいんだ。
俺はどうしたらいい?
返事の返ってこない問いを必死に胸中でする。
「ラガーくん!こっちこっち!!」
大ちゃんの声が耳と、頭に響く。
どうしてこんなにつらいんだろう。
我がチームの先発一枚が抜けることがこんなにもつらいんだろうか。
いや、違う。
俺は、大ちゃんが取られてしまうようで辛かったんだ。
そんだけ。
- 325 名前:代打名無し :03/11/18 02:08 ID:ivZKxYAE
- 大ちゃん婦女暴行、逮捕
- 326 名前:代打名無し :03/11/18 02:18 ID:ljsuoXPi
- >>314-315
畜生…泣かせるなよ……
- 327 名前:代打名無し :03/11/18 12:46 ID:m+qB3HYa
- すごいぜ村田。
- 328 名前:266 駄文スマソ :03/11/18 15:28 ID:9GMfWueN
- 気付けば俺は夜の街をがむしゃらに駆けずりまわっていた。
街を、路地を、丘を。
冬の寒さが容赦なく俺のはだを貫いてくる。
降り始めた雨が俺の手足の自由を奪う。
ふいに大ちゃんのことを思い出す。
大ちゃんといっしょに食べたシウマイ。
大ちゃんといっしょに語り合った互いの夢。
大ちゃんといっしょに夢破れ泣いた日。
自然に目の前が滲み、ぬれたアスファルトに足をとられた。
俺は無様に転び、したたかに身体をうった。
――――それでも、止まるわけにはいかなかった。いけなかった。
『どこにいるんだよ・・・大ちゃん。必要ないって、どういうことだよ!』
何人かが振り向き、俺に奇異の視線を投げかける。
どうやら知らずのうちに叫んでいたようだ。
だがそんなことかまっていられない。
俺には・・・俺には、大ちゃんしかいないんだ・・・
ふと、足を止める。
目の前には、横浜スタジアムがあった。
- 329 名前:代打名無し :03/11/18 16:04 ID:9GMfWueN
- 迷わずゲートをこじ開け、中に飛び込む。
不思議な確信があった。
大ちゃんはここにいる。
ここで大ちゃんと話をしなければならない。
グランドにつく。
マウンドで、誰かが雨空を見上げている。
「大ちゃん!!なにやってんだ!!!」
グランドに飛び降り、駆け寄る。
「こんなところで、・・・風邪引くぞ。」
「うん・・・いいんだ。僕なんていなくても。必要なかったんだ。」
「だから、なんなんだよ!必要ないって・・・」
いつの間にか俺の頬は濡れていた。
「泣いて・・・るの?」
「俺には大ちゃんが必要なんだよ・・・ファンのみんなも大ちゃんが必要なんだよ・・・。」
最後のほうは、かすれて声にならなかった。
「ごめんね。ありがとう。ボクなんかのために泣いてくれて。」
「でも、ボクなんか必要ないってわかったんだ。」
間髪いれずに俺は叫んでいた。
「だからなんでだよ!!星野のやつが勝てたのもみんな大ちゃんのおかげじゃないか!!!
「うん・・・ボクも、そう思ってた。」
「ボクは、みんながボクのこと嫌いでも、ボクがこのチームを愛していて。ボクがみんなを好きならそれでいいと思ってたんだ。」
大ちゃんの悲しい告白は続く。
「でも、誰もボクのことを責めなかった。ウッズも、古木も。」
「ボクは、みんなが幸せになれればいいと思ってた。」
「だけれど、広島さんにも借金を作らせちゃって・・・ウッズも、単独ホームラン王にしてやれなかった。」
「そんなの!!大ちゃんは何も悪くない。高橋が後半勝てなかったから、長谷川が怠けたからじゃないか!だいちゃんは精一杯やったよ!」
「違うの!!長谷川君も、がんばってたんだよ。責任も感じてたんだよ。彼らは悪くないんだよ。ボクに力がなかったから。それに、村田のことだって。」
村田・・・俺は何もいえなかった。
- 330 名前:代打名無し :03/11/18 16:09 ID:9GMfWueN
- 「ボクのためにあんなにがんばってくれたのに。日本記録も出したのに・・・。新人王になれなかった。」
「そんな!記録がすべてじゃないだろ!!大ちゃんは八試合連続完投なんて無茶はさせなかった!!扁桃腺にも気を使ってた!!」
「でもね。永川君が日本記録出してれば、新人王だったと思うんだ。体調管理も、コーチに頼りっぱなしで・・・」
「来年はね。僕がいなくても、いいんだよ。キミもそう思ってるんでしょ?」
その一言に俺は、我を忘れた。
パァァン!!!
乾いた音が球場に響く。
「・・・痛い。」
そんな大ちゃんの言葉を無視して俺は続ける。
「俺が大ちゃんを必要ないと思ってるだって!?馬鹿にすんな!!何のために俺がここに来たと思ってんだよ!!そんなやつのためにここまでするかよ!」
「・・・ぇ?」
「俺には・・・俺には大ちゃんがいなくちゃいけないんだよ。必要なんだよ!」
心からの叫び。
すると、大ちゃんは俺の顔を覗き込みこう言った。
「ごめんね・・・。キミの気持ちも考えてあげられないで。」
「わかったよ・・・あと一年、がんばってみるよ!」
その言葉に、冷え弱りきった体の緊張の糸が切れた。
俺は自分の声と思えないほど弱った声で。
「ありが・・・とぅ。」
意識が遠くなる。
マウンドの土が面前に迫る。
視界が暗い。
「…くん?だ・・じょう・・!?」
大ちゃんの声が、とてもとても遠く聞こえた。
- 331 名前:代打名無し :03/11/18 16:11 ID:9GMfWueN
- 大ちゃんを救えてよかったな。
来年は勝てるかな?
大ちゃんはくじけないかな?
これまでの大ちゃんとの思い出が走馬灯のように駆け巡っていく――――。
はは、大ちゃんのことばかりじゃないか。
シウマイが食べたいな。
なんかとても懐かしい。
目が覚めればまたあのシウマイが食べられるんだ。
少し雨に当たりすぎたみたいで、力が入らない。
でも、なぜか暖かい感じがする。
どこかからシウマイのにおいがした気がした。
そんだけ。
―――――完
マジで長々と駄文スマソ。
そんだけ。
- 332 名前:代打名無し :03/11/18 16:19 ID:rrpduPd3
- >>328-331
( ;∀;) イイハナシダナー
- 333 名前:代打名無し :03/11/18 16:23 ID:dGmjD9be
- 333get
- 334 名前:代打名無し :03/11/18 22:40 ID:OPdBSFi7
- ここに来ると癒される
そんだけ。
- 335 名前:代打名無し :03/11/18 22:58 ID:M7kTSEih
- >>328-331
やばい、涙が
- 336 名前:代打名無し :03/11/18 23:00 ID:Xtk0sUUs
- 崎陽軒のものは「シウマイ」
他のモノは 「シュウマイ」
そんだけ
- 337 名前:スレ趣旨から逸れますが・・・ :03/11/19 01:05 ID:EWmKnDPz
- ヒラリヒラリと舞い遊ぶように
守備でエラーする古木
夏の夜の真ん中 月の下
遊びとしての虎戦 憂いを帯びたブルーに
地の果てに似ている漆黒の星
大ちゃんに尋ねてみた どこまで負けるのかと いつになれば勝てるのかと
大ちゃんは答えた 終わりなど無いさ 終わらせることはできるけど
そう・・・じゃあ お気をつけてと 見放したのはずっと前で
最下位から未だ還らない
彼がベイ自身だと気付いたのは 今更になってだった
貴方に会えた それだけでよかった セ界に光が満ちた
マウンドで逢えるだけでよかったのに
勝って欲しいと願ってしまった ハマファンが表情を変えた
地の果てではレフトとライトが混じる
- 338 名前:スレ趣旨から逸れますが・・・2 :03/11/19 01:14 ID:EWmKnDPz
- 大ちゃんが「ピッチャーデニー」の 言の葉に込めた
意味をついに知ることはない
そう それは 選手に できるならファンに 届けばいいと思う
もしこれが戯曲なら なんて酷いストーリーだろう
進むことも戻ることも できずにただ大ちゃんが立っているだけなのだから
あなたが頑張るのなら順位などいつでも何位でもいい
降り注ぐ黒星も耐えてみよう
ただそこに一握り残った僕の想いを 救い上げて心の隅に置いて
- 339 名前:代打名無し :03/11/19 01:15 ID:TDcsgrM1
- レフトとライトが混じるって聞くと何かフライ追ってぶつかったみたいだな。
てかレフトとライトがぶつかるってどんな打球だ。
- 340 名前:スレ趣旨から逸れますが・・・3(ラスト) :03/11/19 01:24 ID:EWmKnDPz
- 貴方に逢えたそれだけで良かった セ界が光に満ちた
球場で逢えるだけでよかったのに
勝って欲しいと願ってしまった ハマファンが表情を変えた
地の果てでは万永が走る
荒野に咲いた禿げ頭 揺らぐその立場の向こう
近づくことはできない優勝
下柳を下さい
できたらローズも下さい
ハマの風で羽を伸ばしておくれ
そんだけ
- 341 名前:代打名無し :03/11/19 05:09 ID:0I0KCxte
- 晩のシウマイも飽きたので定食屋に出かける途中大ちゃんに出会った。
どうも今日もシウマイを薦めに来たらしい。
今晩は定食屋にいくと伝えところ、大ちゃんはじっと俺の顔をしばらく見つめてから、
シウマイについて説明を始めた。
皮、具、調理、からし、それぞれがどれだけ手間をかけてるかを一所懸命語っていたが、
いくらうまいものでも飽きてしまったのだからしようがない、俺はシウマイにはもう飽きたと正直に言った。
大ちゃんはハッとした顔をしてから、なみだ目になりながら「シウマイおいしいのに…」、
と小さくつぶやいて歩いていった。
おいおい、そんなにガッカリするなよ……。しかたねえ、結局今晩もシウマイか……。
家に帰って食った、大ちゃんの作ったシウマイはうまかった。
飽きてもうまいものはうまいんだな。
そんだけ。
- 342 名前:代打名無し :03/11/19 07:47 ID:pEukTYwx
- 465のスレ見てたらあったんだが
http://ex3.2ch.net/test/read.cgi/shar/1065144686/l50
逆毛的にはこっちだろ('∀`)
- 343 名前:代打名無し :03/11/19 07:48 ID:pEukTYwx
- 誤爆です…スマソ
- 344 名前:代打名無し :03/11/19 13:44 ID:Lz5mXNgX
- 最近は直接泣けるのが多くて、初期みたいに微妙な味わいはうすれつつある
ような気がした・・・まあ、どっちもいいんだけどね
そんだけ
- 345 名前:代打名無し :03/11/19 14:25 ID:aiG/lXh2
- 村田すげえぜ。
レフトフライをホームラン。
まさに念力ホームラン。
大ちゃんの怨念が乗り移ったようだ。
- 346 名前:代打名無し :03/11/19 15:08 ID:3BeW1s7U
- 僕と柳本監督の関係
http://sports.2ch.net/test/read.cgi/volley/1068912801/l50
- 347 名前:代打名無し :03/11/19 15:22 ID:+CamiUT1
- 小雨の降りしきる中、晩飯用のシュウマイを持って
大ちゃんと一緒に帰路を急いでいた。
小さな空き地の横を通ると、子供たちが雨も気にせず野球をして遊んでいる。
ゴム製のボール、バットはプラスチック。
もちろんベースなんか無いし、審判もいない。
野球と呼べるほどの代物ではない他愛無いお遊び。
でもとても楽しそうな笑顔と笑い声。
「楽しそうだね」ぽつりと大ちゃんが呟いた。
俺は天然記念物を見るような目で子供たちを見ていた。
今時、空き地で遊ぶ子供がいるなんてな・・・と。
「ボクもよくこうやって遊んだんだ」
振り向いた大ちゃんの瞳は、写り込んだ俺がはっきり見えるほど澄んでいた。
俺も昔はよくこんな風に遊んだよ・・・心の中で答える。
あの頃の友人たちとは、いつの間にか会うことも話すこともなくなったけれど。
「さ、早く帰ってシウマイ食べよう」
大ちゃんは笑顔で言い、走り出した。
その後を追う俺の背後で、子供たちの笑い声が響いていた。
それだけ
- 348 名前:代打名無し :03/11/19 16:30 ID:DoMnEa2d
- 糞スレage
- 349 名前:代打名無し :03/11/19 18:31 ID:FSEdBHad
- 長文の自分に酔ってるような文章は
同人サイトの小説読んでるような気分になる。
俺は初期の雰囲気が好きだった。
そんだけ
- 350 名前:代打名無し :03/11/19 22:00 ID:q65YFU7F
- なんかズレてる大ちゃんと俺のドライだけどちょっといい関係というのがいいね。
あまりウェットになったり、大ちゃんが純真な知恵遅れの人っぽくて
俺がすぐキレるDV夫みたいな扱いのは個人的にはあんまり。
でも泣かせが好きな人いるし、職人さんもそういう反応見て書いてるだろうから
これはこれでいいかなと。
そんだけ。
- 351 名前:代打名無し :03/11/19 22:54 ID:vrJg8ecd
- とりあえず今後のこのスレの行方に期待。
職人さんガムバッテ。
そんだけ。
- 352 名前:代打名無し :03/11/19 23:27 ID:tuz8w3xs
- みかんを食ってると大ちゃんがシウマイの具をこねながら近づいてきた。
「みかんもちって知ってる?」
「知らない」
「愛媛で食べるらしいよ」
「へー、うまいのかな…」
「みかんパンっていうのも給食で出るんだって」
俺はいやな予感がした。
かごに盛られたみかんをそっとこたつの中に隠そうとすると、
大ちゃんは慌ててそのかごを取り上げた。
「よーし、みかんシウマイにチャレンジだー!」
「やめろー!」
今日のシウマイはみかんの匂いしかしなかった。
俺は食ってないので分からない。
そんだけ。
- 353 名前:代打名無し :03/11/20 00:39 ID:JT/OhO42
ウチの大ちゃんは
散歩の途中
よく ドブにはまる。
・・・・・・・あのね そんなに何度も振り返って確かめなくても、
おれはちゃんと 大ちゃんの話を聞いてるよ。
そんだけ。
- 354 名前:代打名無し :03/11/20 10:15 ID:Zo4uASvi
- 俺が家に帰ると、なぜか大ちゃんがいた。
大ちゃんは黙って、俺にしうまいを差し出してきた。
俺はとまどいながら、それを受け取り
2人でコタツに入ってもくもくと食べ始めた。
ふとつけっぱなしのテレビを見ると
阪神優勝DVDの宣伝が流れていた。
大ちゃんはしばし眺めて、つぶやいた。
「ボクのチームも阪神みたいに復活できるかな…」
今回みたいに戦力をドラフトに頼っていたら
無理だろうと俺は思ったが、はげましてみる。
「きっと、なれるよ」
大ちゃんは少し微笑んで、食べ終わったしうまいの
ケースを持って帰っていった。
そんだけ。
- 355 名前:代打名無し :03/11/20 10:27 ID:vVMti8t4
- 昨日の夜、誰も訪ねてくることのなかった俺の部屋の
ドアチャイムがピンポーンと鳴った。
どうせ勧誘かなんかだろう、と夕食の準備の手を止めて
覗き穴から見ると大ちゃんが崎陽軒の赤いパックを持って立っている。
「やった!とうとうウチにも来てくれたんだ!」
俺は急いで台所に戻り、作ったばかりの餃子をゴミ箱に捨てた。
万が一にもシウマイが大好きな大ちゃんの機嫌を損ねたらいけないからな。
それから壁に貼っていたサイン入り阪神矢野のポスターも剥がして捨てた。
悲しい事を思い出させたくないもんな。今日から俺もベイファンになろう!
いつかは誰かがと思い座布団を二枚用意しておいてよかった。
あ、でも枕と布団は一人分しかないな、しょうがない身を寄せ合って寝るかウフフ
俺はわくわくしながらドアを開けた。「お待たせしました!」
あれ?という顔の大ちゃん。「すいません、部屋を間違えました…」
廊下を回れ右してキュムキュムと去っていく大ちゃん。
俺はドアを閉めると、さっき丸めて捨てた矢野のポスターを丁寧に延ばしながら、
ちょっとだけ泣いた。
そんだけ。
- 356 名前:代打名無し :03/11/20 11:13 ID:/X2dZkdH
- 仕事を終えて家に帰ると、真っ暗な部屋の中で大ちゃんが膝を抱えて座っていた。
「なんだよ電気もつけずに。どうしたんだ?」
俺がそう問いかけると、大ちゃんは涙に濡れた瞳を俺に向けた。
「ボクの話しが長いからって、同人みたいでキモイぞボケ氏ね糞アフォがって言われたんだ」
まさか誰もそこまで言わないだろう・・・と俺は思ったが、
悲しそうな大ちゃんの顔を見るとつまらない慰めは言えなかった。
「・・・シュウマイ買ってきたんだ。一緒に食わないか?」
「ボクはシウマイだけあれば幸せだと思ってるの?」
大ちゃんはそう言いながら、やっぱり幸せそうな笑顔を見せてくれた。
「ところで同人ってなに?」
不思議そうな大ちゃんの言葉、俺は意味を教えるべきかどうか迷った。
それだけ
- 357 名前:代打名無し :03/11/20 11:57 ID:BAvngTGY
- >>355
「俺」、可愛いな…たぶん俺も大ちゃん来たらそういうリアクションするよ。
>>356
そこまで言ってる人いないと思うけど…自虐&被害妄想は大ちゃんらしくないぞ。
めげないのが大ちゃんのいいところじゃないか。
- 358 名前:代打名無し :03/11/20 19:15 ID:pn7/6wZg
- >>353
萌えまくり。。
- 359 名前:代打名無し :03/11/20 20:35 ID:rhtBaxlW
- 俺は大ちゃんの出陣前、ひとつの提案をした。
「なあ大ちゃん。今日は木塚を使わないか?」
大ちゃんはきょとんとした顔で、
「なんで?うちにはデニーがいるよ?」
心から不思議そうに尋ねる大ちゃんの清らかな目を見ないようにし、俺は一瞬考えた後
「いや、ほら。デニーも疲れてるし。木塚が打ち込まれたらそこでデニーを出せばいいんじゃないかな?」
うーんと考え込んでいた大ちゃんが顔を上げ、
「そうだね。君の言うとおりにするよ。たまには木塚も使ってあげないとね。」
俺は心の中でガッツポーズした。
その日の木塚は全力で期待に応え、3イニングを九人で終わらせていた。
ブルペンのデニーと大ちゃんはどこか寂しげだった。
そんだけ。
- 360 名前:代打名無し :03/11/20 21:26 ID:Ltd2goDe
- >355
泣けて、笑えた!
そんだけ。
- 361 名前:大ちゃん触ったらきっと気持ち良いんだろうなぁsage :03/11/20 21:52 ID:ZNd2fwib
- その夜、俺は残業を終え、くたくたになってマンションの部屋に入るところだった。
身を切るような冬の夜風にすっかり冷えた体を、一刻も早く玄関に押し込むために重い鉄のドアを閉めようとしたとき。
きゅむ。
…何か、ゴムまりと大福の中間くらいの、柔らかでいて弾力のあるものを挟んだような妙な手応えを感じた。
驚いて足元を見ると、そこにはあの大ちゃんがキュムっと挟まっていた。
「す、すんません!」
慌てて俺がドアを開くと、大ちゃんは大きくてツルツルした頭を少しへこませて、オロオロとこちらを見上げていた。
「大丈夫ですか!ケガはないですか?」
焦った俺が思わず大ちゃんを抱き上げようと手を伸ばすと、大ちゃんはそのまま、もの凄い速さで逃げていってしまった。
俺はその姿を、狐につままれたような気分で呆然と見送った。
ただ、大ちゃんをドアに挟んでしまったときの、あの感触…。
まだ手に残るそれを思い出すと、何だか残業の疲れも吹っ飛んでしまうくらいに幸せな気持ちになれた。
そんだけ。
- 362 名前:代打名無し :03/11/20 21:53 ID:ZNd2fwib
- …メル欄と名前欄を間違えた。
とってもとっても恥ずかしい。
そんだけ。
- 363 名前:代打名無し :03/11/20 21:55 ID:IMEdcw1Q
- 野球狂の唄の大ちゃん、スーパールーキーを取れてよかったね
- 364 名前:代打名無し :03/11/20 21:58 ID:zW7lnP3I
- >>362 …うわぁこれはちょっと恥ずかしい。
そんだけ。
- 365 名前:代打名無し :03/11/20 22:24 ID:wHvAn2Sa
- >>362
俺気付かなかったよ。
AA大ちゃんはさわったら、確かに気持ちよさそうだもんなあ。
急いで逃げた大ちゃんカワイイ。
- 366 名前:代打名無し :03/11/20 22:49 ID:Ltd2goDe
- バイトに出かけるため朝起きると、いつもは俺よりはやく起きる大ちゃんの姿がみえない。
寝坊したのかと思って、大ちゃんの部屋をのぞいてみると布団をかぶって泣いている大ちゃんがいた。
「どうしたんだよ大ちゃん、今日はファン感謝デーだろ、早く起きなきゃ。」
大ちゃんは真っ赤に泣きはらした目をむけて俺につぶやいた。
「こんな成績じゃ、みんなに、なんて謝っていいかわからないんだ...いきたくないよ..」
どうやら一晩中布団で泣いたようだ。真っ赤に泣きはらした目でおれにつぶやく大ちゃんがいた。
俺は気休めだとは思っていたけど「大丈夫だよ。選手だって悪いんだし、ファンのみんなもわかってるよ。」
それでも大ちゃんはまだ布団から出たくなさそうに首をふっていた「だって、来年だって勝てるかわからないし..」
ちょっとイライラしたけど「ドラフトでいい補強もできたじゃん、下柳もくるかもしれないし来年は最下位脱出できるよ」
俺がそういうと、大ちゃんはようやくおきだしてきて「そうだね、がんばってファン感謝デーいくよ」
そう言って、ちょっと微笑むといつものように俺のお弁当つくるために台所に向かっていった。
「なんで横浜高の成瀬を指名しないんだよ」心のなかで思ったけど言わなかった。
今日の俺の弁当はいつもよりシウマイがひとつ多かった。
そんだけ。
- 367 名前:代打名無し :03/11/21 00:04 ID:y9QEFEqR
- だから、そういう事じゃない。
俺が言ってるのはそういうことじゃないんだよ。
頼むから
頼むから
いつも、いつでも俺に優しくするのはやめてくれないか?
俺はだいちゃんが優しくしてくれるような人間じゃないよ。
頼むから、「お腹空いた?シウマイ食べる?」っていつもの笑顔で言わないでよ。
俺の家の灯りをいつも灯したままにしないでくれよ。
「いろんなこと、あるんだもん。お疲れ様。」
疲れた俺をいつも労ってくれるね。
俺の仕事を大ちゃんは知らない。
いつか俺が(そう遠くない将来)大ちゃんと浜を遠ざける要因になる仕事をしているのも
大ちゃんは知らない。
そんだけ。
- 368 名前:代打名無し :03/11/21 01:22 ID:cT1bTe+B
- >>352
かわいくてなごんだw
- 369 名前:代打名無し :03/11/21 01:36 ID:TNSWRVZg
- >>353
その散歩の道程は、大ちゃんが犬に捕まるので
結構 時間が掛る。
そして必ずと言っていいほど、
ウチの大ちゃんは犬に上から伸し掛かられています。
かなり本人は楽しそうだから、あえてツッコミはしないけど
それはね 大ちゃん
犬から見て 格下だと思われてるんですよ・・・・・。
- 370 名前:代打名無し :03/11/21 01:57 ID:0ghPePfb
- 「格が上とか下とかそんなのないよ。僕とこの子は友達だもの。」(にっこり)
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/ ̄ ̄ ̄ ̄\ / \
/ ● ●、 / ヽ
|Y Y \ l .::::::::|
| | | ▼ | | (●) (●) :::::::::::::|
| | |へ _人_| | \___/ ::::::::::::::::::::|
丶\/(__)___ノ ヽ \/ .::::::::::::::::::::::ノ
ところで、何で崎○軒食べらんないの?>369
- 371 名前:ポケ〜 :03/11/21 04:19 ID:9iXyHTLt
- ぶっちぎり最下位
↓
三位 二位
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ ( ) ↓ ↓
/ \ ...( ) .:::::::::::: ::::::::::::::: ぶっちぎり優勝
/::::::::::::::: :::::::::: ヽ( ). . .:::::::::::: ::::::::::::::: ↓
l:::::::::::: ::::::::::|( ( . .:::::::::::: :::::::::::::::.
|::::::::: (●) (●) ::::::| ).):::::::::::. . ..: : :: :: ::: :::::: ::::::::::::. ..: : :: :: :::
|:::::::_ \__/ _///===・ . .:::::::: ΛGΛ ΛDΛ . . . .: : : ::: : :: ::: : :: :::::::::
ヽ/ ヽ:: \/ ( /:::ノ::::: : : ::: ..../:彡ミ゛ヽ;)ー、 /:彡ミ゛ヽ;)ー、 __ . . .: : : :::::: :
/ ::::人l||>::: :: : ::::: |:: |/ ヽ:::::: :: :::::/ :::/:: ヽ、ヽ、 ::i / :::/:: ヽ、ヽ、 ::i /Tigers\. .:: :.: ::: . ::::::
/ ::::/::::~~:: ::::: ::::: :::: |::: ヽ / ::::::::::::::/ :::/タツノリヽ ヽ ::l__/ :::サブマリンヽ ヽ ::l__/ | :::::::::|\:. :. :. .:: : ::
.(_/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\_ノ ̄ ̄ ̄(_,ノ ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ (_,ノ ̄ ̄ ̄ヽ、_ノ /: ̄\1001/:::::::::
/:::::  ̄ ̄:/::
↑続投決定 ↑ ↑ 巛:ヽ 彡::::::::::
辞任 シーズン途中で解任(クビ) ↑
体力の限界
- 372 名前:代打名無し :03/11/21 05:36 ID:MnzzY9ac
- 野球狂ではスーパールーキー(σ゚Д゚)σゲッツ!!しても現実では・・・。
- 373 名前:代打名無し :03/11/21 10:06 ID:PDtd3fhk
- >ゴムまりと大福の中間くらいの、柔らかでいて弾力のあるもの
大ちゃん…ハァハァ
でもリアル大ちゃんの頭は固そうだ。
- 374 名前:代打名無し :03/11/22 01:51 ID:EAguJ/QR
- 彼氏にふられた。
無料通話分が余った。
ベッドに横たわると冷たいシーツの感触が辛くなって
ベランダに出た。ふとキュムキュムという音が聞こえてきた。
大ちゃんだ。
シウマイの赤いパックをぶらさげて、頬を赤らめ急ぎ足で歩いてる。
ふと大ちゃんの携帯が鳴った。
「もうすぐ着くからね」と声を弾ませる大ちゃん。
大ちゃんは今から大好きな人と大好きなシウマイを食べるんだね。
幸せそうな大ちゃんを見て、少し切なくなった秋の夜だった。
そんだけ。
- 375 名前:代打名無し :03/11/22 12:28 ID:9+ohrCXp
- ホッシー君の付き添いで、大ちゃんと俺は、マスコットたちの会食に出席することになった。
会場である下町の料亭に向かうまでの間、ホッシー君は一言もしゃべらなかった。
「ねえ大ちゃん。どうしたんだろう、ホッシー君は」
「ホッシー君はまだ若いからね。あそこは難しいところだから」そう言って大ちゃんも口をつくんだ。
ホッシー君や大ちゃんをも緊張させるマスコットたちの会食とは一体どういうものだろうか。
タクシーの中で俺はずっとその事ばかり考えていた。
一時間半かけて料亭に着き、奥の間に通されると、すでにマスコットたちは着座していた。
部屋に入る前に、廊下でホッシー君が手をついて遅れたことを詫びた。
「若いひとはいいですわね。時間にルーズで」
「年寄りには時間があまりありませんのよ」
床の間を背に着座した長老達に早速いびられる。それでもホッシー君は冷や汗を流しながら、
申し訳ありませんでした、と繰り返すばかりだ。
これはエライところに来た、と思った。
- 376 名前:続き :03/11/22 12:30 ID:9+ohrCXp
- ようやく入室を許された俺達は、ホッシー君とともに下座に座った。
俺達が座ったあと、膳が運ばれ、ようやく会食の運びとなった。
箸を動かしている間中、誰も(マスコットにこの表現が使えるかは疑問だが)ひとことも口にしなかった。
俺は全く関係が無い人間なのだが、それでもこの部屋の重苦しい雰囲気に圧倒されて、
料理の味を楽しめなかった。
俺でもこれだから、ホッシー君は生きた心地がしないだろう。
そういえば俺の対面にひとつ膳があるのだが、誰も座っていない。
誰か欠席者がいるのだろうか。
料理の半分に手をつけたところで、再び長老たちからホッシー君へのいびりが始まった。
「あなたは親会社の放送する珍プレー好プレーに出番がほとんど無かったそうね。
それでもマスコットとしての本分を果たせたと言えて?」
「オフの番組もマスコットは気を抜いてはいけない。そもそもマスコットとはだな…」
次々とホッシー君に向かって発せられる言葉の棘鞭。歯を食いしばり正座してホッシー君は謹聴していた。
そこへ、大ちゃんが、すすっと進み出て、長老達に向かって
「彼は僕が責任をもって預かりますから勘弁してあげてください」と頭を下げた。
しかしそれでもマスコット達は容赦しない。
「山下監督。あなた最近何でも2ちゃんねるとか言うところで、たいへん評判になっていらっしゃるそうね。
だからといってマスコットの間のことに嘴を入れるのはご遠慮願いたいわ」
「監督なら本業のほうで・・・ねえ」
これは形勢が悪い。正座したままうつむいている二人を見て、俺も加勢した方がいいのだろうかと悩んでいると、
一番奥からしわがれた、しかしよく通る声がした。
- 377 名前:ラスト :03/11/22 12:32 ID:9+ohrCXp
- 「わけえモンにあれこれ口出しするんじゃねえよ」
「カープ兄さん!!」
「カープ坊や義兄さん!!」
声の主はカープ坊やだった。その童顔に似合わぬ渋い声で長老達を諭す。
それでも長老達は、義兄さんが甘やかすからこんな事に、とか、ホッシーは所詮あの女の血が入ってるのよ、とさえ言った。
「あの女」とは誰だか気になったが、その名前が出た途端ホッシー君が身を震わせたのを見ると、何やら複雑な事情があるらしい。
お猪口をグビグビやりながら、マスコットとしての道を説くカープ坊や。話にならない、と言いながら長老達は席を立った。
長老達が部屋を出ようとしたその時、障子が大きく開かれた。そこには金髪に染めたドアラがいた。
長老達の面食らった顔をよそに、ドアラは部屋をジロリと一瞥すると、荒々しく障子を閉めた。
「不良だわ!!」「待ちなさい!!」ドアラを追いかけて次々と部屋を出て行くマスコット達。
その際、鴨居にスライリーが額をぶつけた。
騒々しさが遠くへ去った部屋には俺達とカープ坊やが残された。カープ坊やは昔を懐かしむ人のように、虚空を仰いで酒を呑んでいた。
俺達は無言で部屋を出た。
タクシーを出そうとすると、大ちゃんが運転手に目的地変更を告げた。中華街だった。
「僕の知ってるおいしい店を紹介するよ」大ちゃんがことさらに明るく言った。
「そんな事言って、またまたシウマイ食わせる気なんだろ」俺も努めて明るく振舞った。
エヘヘ、と大ちゃんが笑ったその時、ホッシー君がぎこちなく笑った。
「今日は大ちゃんのおごりだね」
「そんなあ」
車内が爆笑の渦につつまれた。ホッシー君も笑った。
そんだけ
- 378 名前:代打名無し :03/11/22 13:08 ID:LQPbwN1K
- カープ坊やに藁タ
- 379 名前:代打名無し :03/11/22 22:09 ID:QwAgGuNv
- カープ兄さんってのがまたいいよな。
鴨居に額をぶつけるスラィリーの姿も目に浮かぶ。
- 380 名前:代打名無し :03/11/23 01:42 ID:/Ankuk+u
- >>122-123といい、ホッシー君ネタって俺は好き
- 381 名前:代打名無し :03/11/23 10:58 ID:f9Bk+qBV
- 戦場のメリークリスマス聞きながら
このスレ見てたら切なくなってきた
- 382 名前:代打名無し :03/11/23 11:52 ID:vxZ7S5Wm
- >>328-331がさりげなく広島と巨人たたいてるのに泣きながらワロタ。
亀レスだけど。
そんだけ。
- 383 名前:代打名無し :03/11/23 16:14 ID:R4k2pGx+
- 今日は秋祭りだ。
参拝を終え、人ごみをすり抜けながら、
参道の両側に立ち並ぶ無数の屋台を冷やかしつつ、帰り道を急いでいた時、それはあった。
アラビア風ともインド風ともつかない衣装を着けた大ちゃんの屋台だ。
「いらっしゃい。いらっしゃい。一回三百円。当たりが出たら素敵な景品が当たるよ」
道行く人々に必死で呼びかけるが、皆一瞥すらくれずに素通りしてゆく。
あまりに気の毒なので、一度やってみることにした。
一回分の料金三百円を渡すと、大ちゃんはまばゆいばかりの笑顔を見せて、
どうもありがとうと、何度も繰り返し口にした。
屋台の奥には、三つの大きな壷が並べてあり、それぞれ、赤・青・緑に塗り分けられている。
「さあ、どれにするかな?デニーが出たら大当たり」
どれにしようか。
- 384 名前:代打名無し :03/11/23 16:15 ID:R4k2pGx+
- 迷った挙句ベイスターズの青を選んだ。
「さあ青だね。一体どうかな?はい!」
大ちゃんがパチンと手を鳴らすと、壷から三つの顔が、ぴょこと飛び出した。
鳩が豆鉄砲食らったような顔したデニーが飛び出したのは赤だった。
俺の選んだ青から飛び出したのは、
ゴトゴト揺れる荷馬車に乗せられて売られてゆく子牛のような顔をした吉見だった。
俺はその哀しげな吉見と目が合ってしまった。
思わず目をそらした。
緑の顔は、外野を守っている時の種田だった。
「ハイ!残念でした。ガムあげるね」
大ちゃんがガムを出した時、「景品用」とマジックで乱雑に書かれた段ボール箱が目に入った。
フタが少し開いており、中身が見えた。
パン食い競争用のパンだった。
テントを出て、何か自分の中に無理やり押し込もうとするかのように、ガムを口の中に放りんだ。
ガムの味は、薄かった。
序盤に投手陣が総崩れの試合を観た時のような気持ちになった。
そんだけ。
- 385 名前:代打名無し :03/11/23 18:43 ID:4dsZH4bD
- >>375-377
ワラタ。在りし日の球界893モノのネタスレを思い出した。
それにしてもドアラ・・・
- 386 名前:代打名無し :03/11/24 00:05 ID:iDrn2nci
- 定期あげ
- 387 名前:代打名無し :03/11/24 00:59 ID:PBRVMUZy
- がくっと一時期落ち込んでいた気がするんだが……このスレ。少し前まで、
むやみに狙い過ぎている感じで読むのがは
ばかれるような書き込みが多かったんだが、最近はまたこな
れた書き込みに戻ってきた気がする。個人的には地味に
よく続いていると思うよ、このスレ。そんだけ
。
- 388 名前:代打名無し :03/11/24 01:15 ID:aeWEeZXk
- >>384
いつも可愛かったり可哀想だったりするから、
胡散臭い大ちゃんって新鮮だな。
それにしても吉見タン…
- 389 名前:代打名無し :03/11/24 13:40 ID:6QtxufFs
- 何か気がかりな音がするので目を覚ますと、布団から出た大ちゃんが、寝ぼけた子供のように突っ立っている。
「大ちゃん、トイレかい。暗いから電気つけなよ」
大ちゃんがこちらへ振り返った。
俺はその顔を見て息を呑んだ。
大ちゃんは、そのシウマイ色の顔に、鋭い刀で一文字に斬ったような酷薄な笑みを浮かべていた。
そういえばシウマイの匂いがしない。
こいつは大ちゃんじゃない。
「ついてくるかい?」
夢の中の人間のように、俺はなぜかその言葉に逆らうことが出来なかった。
俺は立ち上がった。
玄関の外にはウッズとドミンゴが大ちゃんを待っていた。
まるで双子のようだ、と思った時、俺の心を見透かしたかのように、
大ちゃんが「そう。彼らは双子だったんだよ」と言った。
え、と俺が驚く一瞬の間に、大ちゃんはウッズとドミンゴの肩に王者の様に座った。
俺はふらふらとその後をついていった。
いくら歩いても歩いても前に進まないような、そんなもどかしさがあった。
ただ徒らに時間が過ぎたような、あるいは一瞬だったかもしれない。
「着いたよ」という大ちゃんの声に促されるように顔を上げると、目の前に横浜スタジアムがあった。
闇の中に、横スタは、自らの放つ光によって、その輪郭を浮かび上がらせている。
横スタに入ると、マウンド上に一人立っているのが見えた。
- 390 名前:代打名無し :03/11/24 13:41 ID:6QtxufFs
- 「ヨシノブ!?」
「彼には私の若い頃の肉体を預かってもらっていたのさ」
そう言うと、大ちゃんはヨシノブの裏に回りこみ、肩に手をかけた。
少しヨシノブがよろめいたかと思うと、大ちゃんが倒れた。
大ちゃんの下に、俺は駆け寄った。
「それは、もう抜け殻に過ぎない」ヨシノブの身体に入った何かが言い放った。
「!?」
「このボールを見るがいい。」そう言うと、ヨシノブの中の何かは、軽くフライを打ち上げた。
白球は場外の闇へ消えた。
「私は今から大補強を行って、ラビットボールにより来季ペナントを制覇する。
いや…制覇ではまだ足りぬ。この若い肉体が続く限りペナントを握り続けてやる。
その暁には、ラビットボールの魔力に皆ひれふすであろう」
ジャンプの悪役のように、ヨシノブの中の何かが喋った。
俺は球界関係者でもなんでもない。ただ大ちゃんと同居してる人間に過ぎない。
だが、野球ファンとしての何かが俺を駆り立てた。
「そんな…そんな事をしたら年俸が高騰し、球界の財政は破たんして、人気も無くなってプロ野球界が破滅してしまう!!」
ヨシノブの中の何かは高笑いした。「そんな事は知らぬ。私は横浜さえよければ良い」
なんて奴だ。
その時、倒れている大ちゃんが何かうめいた。
「シ・・・シウマ・・・イを・・・」
そうは言ってもシウマイなんてどこにもない。
いや、大ちゃんは監督室にいつもシウマイを置いていた。
俺は大ちゃんを抱えて走り出した。
「奴らを追え!!」ウッズとドミンゴが俺を追いかけてくる。
懸命に走ったが、現役野球選手と俺では運動量が違う。
ヤバイ。追いつかれそうだ。
- 391 名前:代打名無し :03/11/24 13:42 ID:6QtxufFs
- 誰かが俺の手を掴んだ。
リリーフカーに乗ったデニーだ。
デニーは俺と大ちゃんを自分の脇に乗せると、
一目散にベンチへ向けてリリーフカーを走らせた。
リリーフカーがこんなに疾いとは知らなかった。
あっという間にベンチに着くと、リリーフカーを乗り捨て、デニーは大ちゃんを抱えて走り出した。
目指すは奥の監督室だ。
ようやく監督室の前に着いた。
後ろからウッズとドミンゴが追いかけてきた。
デニーは俺と大ちゃんを監督室に押し込むと、自分だけ廊下に残ってドアを閉めた。
食い止めてくれるのか。デニーに感謝の意を表したかったが、今はシウマイを探すのが先だ。
やがて遠くで争う音が聞こえてきた。「ワタシノ カチボシ ケスデスカ」という声がかすかに聞こえた気がした。
シウマイは机の二番目の引き出しにあった。崎陽軒の社長以下従業員への書きかけの礼状が一緒にはさまっていた。マメな人だ。
「大ちゃん。シウマイだよ。食べて」
「う・・・うん・・・」
何とかひとつ口の中へ入れた。もぐもぐ口を動かす。
飲み込んだ途端に大ちゃんは目を覚ました。
そして突然大ちゃんの体が光輝き、宙に浮いた。
「いかなきゃ・・・」
そう呟くと、壁をすり抜けて、マウンドへ飛んでいった。
俺は窓から覗くことしかできない。
大ちゃんはヨシノブの方へ行くと、抱き合うか闘ってるのかよくわからないが、
ふたりは密接にくっついたまま、空のかなたへ消えた。
いつの間にか俺の隣に、涙を流しているデニーが立っていた。
- 392 名前:長文スマソ :03/11/24 13:43 ID:6QtxufFs
- それから幾らかの日々はただ過ぎ去り、それでも大ちゃんは帰ってこなかった。
空は青く、シウマイは冷たかった。
俺は孤独だった。
孤独である自分を発見しても、驚きはなかった。
ただ大ちゃんに帰ってきてほしかった。
そんなある日、俺がバイトから帰ると、台所に大ちゃんがいた。
今度は俺の番だ。
「やあ、おかえり」
大ちゃんはぎこちなく「た、ただいま」と言った。
そんだけ。
- 393 名前:代打名無し :03/11/24 16:43 ID:gkrybu3C
- >>389〜>>392
長いけど読める。うまいなあ。
細かいネタってか、笑いどころもおさえてて楽しい。
これオリジナル?すごいね。
- 394 名前:代打名無し :03/11/25 00:24 ID:2Cm8aPRc
- 異色にして意欲作、面白い!
なんかこの頃、今までの流れとは違う大ちゃんのキャラが出てきて
予想がつかない展開のが多いね、ドキドキする。
そんだけ。
- 395 名前:代打名無し :03/11/25 16:36 ID:xBNqaZ1M
- ageトコ
- 396 名前:代打名無し :03/11/25 19:14 ID:dKYTnxG+
- この「俺」にも味が出始めてるのが○。
またーりしたスレの雰囲気もイイ。
でも、泣かせ物が消えつつあるのが鬱でもある。
- 397 名前:代打名無し :03/11/25 22:00 ID:xlgErClV
- 女のクセに読むなボケという周囲の視線を軽く無視しつつ、今日も帰りの電車の中で週刊少年誌を広げる。
続きが気になるお目当ての漫画は今週も休載だ。
はああ。
ため息をつき、他のページを適当にめくっていると、ボディビルの通販広告のページに、見慣れぬものが載っていた。
「リアル1/1大ちゃん人形 テレビや雑誌で大人気!!」
何だってー!?
2万9400円(税別)という値段が気になったが、給料日なので調子に乗ってつい注文してしまった。
2週間後、現物が届いた。
フェルト地のピンク色の人形だった。
目の部分はステッカーを貼る。
ショ・・・ショボイ。
こんなものに約三万円も・・・。
救いはお腹を押すと、大ちゃんの生ボイスが聞けることだった。
それから毎朝仕事に行く前に、玄関の大ちゃん人形のお腹を押すことが日課になった。
今日も大ちゃん人形は私に語りかける。
「仕事のあとのシウマイはおいしいよ!」
そんだけ。
- 398 名前:代打名無し :03/11/26 16:20 ID:P8p+/1P0
- >>397 欲しいような欲しくないような・・・
- 399 名前:代打名無し :03/11/26 17:17 ID:1nct4yWd
- 夜遅く帰ってきて、風呂に湯を入れていると、「ただいま」とため息混じりに大ちゃんが帰ってきた。
「お帰り。どうだった。お店」と俺は聞いた。大ちゃんは砂原さんの紹介で新しい就職先の店での第一日目だったのだ。
「ひどいんだよ」と大ちゃんは大きな目に涙を浮かべながら語った。
「幸楽っていう店の名前だから、みんな親切でやさしいかと思ったんだけど、ひどいんだ。
大きいおかみさんが僕の作ったシウマイを見て、『そんなのはシウマイとは言えないよ。
うちの父ちゃんはラーメン作らせたらすごかったけど、シウマイだってうまかったんだ』なんて言うんだ。」
「シウマイだけで判断しちゃいけないよ。それに砂原さんが紹介してくれた店なんだろ」と俺は語りかけるように言った。
「シ、シウマイが僕の人生の全てなんだ」と大ちゃんは叫んだ。
なんて浅はかなことを俺は言ったんだろう。毎日朝早くから夜遅くまで一心不乱にシウマイを作る大ちゃんにとって、シウマイはシウマイ以上の存在だったのだ。
「大ちゃん。飲みなよ」。俺は冷蔵庫から出したばかりの缶ビールを大ちゃんに勧めた。
そんだけ
- 400 名前:代打名無し :03/11/26 20:14 ID:IZZOMW5y
- オフシーズンは浜外の浜ファンにとって辛い季節だ
ただでさえ今季の成績がアレで鬱なのに
今年も外国人選手の補強は名前で選ぶらしいし
某球団や某球団に較べ全国放送での選手の露出度が低い
唯一の例外が珍プレー集だ
残念ながらこれには期待できる
俺は蜜柑の皮をムキながら、テレビの前に座った
出た、大ちゃんだ
サッカーうまいな、おぃ 嬉々としてやってるよ
頭にぺむぺむ当てて平気なのかよ
そこに映った選手、少しは大ちゃんの相手してやれよ
ああっ?
顔にガチンコして白目をむいた大ちゃんの後ろに
崎陽軒の「シウマイ」の看板があった
崎陽軒のシウマイ 崎陽軒のシウマイ
そうだったのか
このスレ読んで、シュウマイのことをシウマイとしか
言えない大ちゃんを笑っていたけれど
大ちゃんは「シウマイ」の一言に銘柄指定を込めていたんだね
横浜駅構内のスタンドに積み上げられた赤い箱
出張の時 その横を何度も何度も通り過ぎたはずなのに
見ているようで何も見てなかった俺
テレビの中では大ちゃんが笑っていた
差し出した手を万永にスルーされても笑っていた
大ちゃんはキラキラしていた
俺はこのキラキラもTVだけ見て見た気になってたんじゃないのか?
来年はもっと浜スタ行くよ 大ちゃん
シウマイ持ってさ
ふと気付くと、握り締めた手の中で蜜柑がつぶれていた
そんだけ
- 401 名前:代打名無し :03/11/26 22:54 ID:3AzkmMa5
- 今日バイトの時、商品を補充してたら
「みかんぼうやフレンズ」っていうおまけお菓子があった。
その中の「ユズちゃん」が大ちゃんにすごく似てた。
そんだけ
- 402 名前:代打名無し :03/11/26 22:58 ID:NgcXe+I0
- ttp://www.san-x.co.jp/newcha/new48.html
みかんぼうやそのものに似てない?
もしくはハウスみかん。
デニーはMrオレンジだな。
そんだけ。
- 403 名前:代打名無し :03/11/26 23:19 ID:3AzkmMa5
- >>402
口を開いてたユズちゃんがAAの大ちゃんにスゲー似てた
- 404 名前:代打名無し :03/11/26 23:29 ID:ZC1cVoU+
- 先週、うちの学校の外国人の先生が横浜でシウマイ買ってきてくれた。
クラスの一人が保護してくれて、今週、調理実習の選択授業取ってるヤシが
わざわざ電子レンジでチンしてくれた。
みんなで食べたシウマイ(しかも横浜のは初めて食べた)は美味しかった。
どこのシウマイかまでは分からなかった。。。赤い箱に入ってました。
そんだけ、。
- 405 名前:代打名無し :03/11/27 00:31 ID:JFRuUvJt
- 東急ストアの肉売り場で売ってるシウマイの皮ってちゃんと
「シウマイの皮」なわけ
「シュウマイ」じゃなくて「シウマイ」だったわけ
で、思わず買って帰ったら いたわけ
大ちゃんがいたわけ
「やあ! お帰り! 丁度足りないと思ってたんだ、シウマイの皮。
買ってきてくれるなんて嬉しいなぁ」
胸焼けするまで喰ったよ、シウマイ
そんだけ。
- 406 名前:代打名無し :03/11/27 09:23 ID:2PpZh/PU
- ここ読んでたらシウマイ食いたくなった
昼は崎陽軒へ行ってシウマイ買ってこようと思う
そんだけ
- 407 名前:代打名無し :03/11/27 19:33 ID:69mhuRPQ
- 2
- 408 名前:代打名無し :03/11/27 19:45 ID:sd+YOF7R
- 今、冷蔵庫開けたら大ちゃんが入ってた
どうしよう
- 409 名前:代打名無し :03/11/28 00:32 ID:rP4vDAV8
- とりあえず愛でとけ
- 410 名前:代打名無し :03/11/28 19:49 ID:kcvRta6p
- >>401-403
「ぴちょん君」もかなり似てると思うぞ。
- 411 名前:代打名無し :03/11/29 16:08 ID:i/GD/cEB
- 大変だー!昨日洗ってベランダに
干しっぱなしにしてた大ちゃんが
雨に濡れてとけちゃったじゃないか
と言うことで
- 412 名前:代打名無し :03/11/29 23:23 ID:zh9m4LxM
- >>411
ナ ゝ ナ ゝ / 十_" ー;=‐ |! |!
cト cト /^、_ノ | 、.__ つ (.__  ̄ ̄ ̄ ̄ ・ ・
ミミ:::;,! u `゙"~´ ヾ彡::l/VvVw、 ,yvヾNヽ ゞヾ ,. ,. ,. 、、ヾゝヽr=ヾ
ミ::::;/  ゙̄`ー-.、 u ;,,; j ヾk'! ' l / 'レ ^ヽヘ\ ,r゙ゞ゙-"、ノ / l! !ヽ 、、 |
ミ/ J ゙`ー、 " ;, ;;; ,;; ゙ u ヾi ,,./ , ,、ヾヾ | '-- 、..,,ヽ j ! | Nヾ|
'" _,,.. -─ゝ.、 ;, " ;; _,,..._ゞイ__//〃 i.! ilヾゞヽ | 、 .r. ヾ-、;;ノ,.:-一'"i
j / ,.- 、 ヾヽ、 ;; ;; _,-< //_,,\' "' !| :l ゙i !_,,ヽ.l `ー─-- エィ' (. 7 /
: ' ・丿  ̄≠Ξイ´,-、 ヽ /イ´ r. `ー-'メ ,.-´、 i u ヾ``ー' イ
\_ _,,......:: ´゙i、 `¨ / i ヽ.__,,... ' u ゙l´.i・j.冫,イ゙l / ``-、..- ノ :u l
u  ̄ ̄ 彡" 、ヾ ̄``ミ::.l u j i、`ー' .i / /、._ `'y /
u `ヽ ゙:l ,.::- 、,, ,. ノ ゙ u ! /_  ̄ ー/ u /
_,,..,,_ ,.ィ、 / | /__ ``- 、_ l l ``ーt、_ / /
゙ u ,./´ " ``- 、_J r'´ u 丿 .l,... `ー一''/ ノ ト 、,,_____ ゙/ /∧_∧
./__ ー7 /、 l '゙ ヽ/ ,. '" \`ー--- ",.::く、 ( ´,_ゝ`)<大ちゃんとけた?
/;;;''"  ̄ ̄ ───/ ゙ ,::' \ヾニ==='"/ `- 、 ゙ー┬ '´ / \..,,__ /
、 .i:⌒`─-、_,.... l / `ー┬一' ヽ :l / , ' `ソヽ
ヾヽ l ` `ヽ、 l ./ ヽ l ) ,; / ,' '^i
- 413 名前:代打名無し :03/11/30 11:59 ID:pNJ/GKQe
- 涙でディスプレイが歪んで見えるよ…
そんだけ
- 414 名前:代打名無し :03/11/30 12:41 ID:SzLg2I7E
- >>411
大ちゃんはなにで出来てるんだ?
- 415 名前:代打名無し :03/11/30 14:28 ID:B5pYA3/m
- >>414
シウマイの皮
- 416 名前:代打名無し :03/11/30 17:12 ID:wfb6Sn+u
- 今、冷蔵庫開けたら大ちゃんが入ってた
ひざをかかえて、目を閉じた大ちゃんはこんな狭いところにどうやって入ったんだろう
いや、そもそも、どうしてウチに大ちゃんがいるのか、あんな疑問やそんな妄想が頭に浮かんだが、
どうしよう
こういう時は2ちゃんねるだ
「大ちゃんと俺の関係」スレの住人なら何とかしてくれるに違いない
書き込んだ次の日、再びスレを覗くと、
「とりあえず愛でとけ」と言われていたので、とりあえず愛でることにした
しかし、ここで問題がひとつ
大ちゃんの左腕に「03年シーズン終了までお楽しみいただけます」と書かれたシールが貼ってあった
もうシーズン終わってるじゃん
ママンはクンクンにおいをかいだ後、「冷蔵庫に入れてたから大丈夫」といった
そういう問題か?
大ちゃんはコチコチに固まっていたので、冷蔵庫から出してお湯で解凍することにした
お湯をかけると、大ちゃんの皮膚はお風呂に長く入った時の指のようにフニャフニャになってしまった
それに、このままあんな事やこんな事をして愛でるのは嫌だったので、洗って干した
一日干してもあまり乾かなかったので、さらに干しっぱなしにした
すると、買い物に行っている間に雨が降ってきた
あわてて戻ると、大ちゃんはすでに雨にとけちゃっていた
そんだけ
- 417 名前:代打名無し :03/11/30 21:59 ID:cPHt8q18
- >>416
いいお母様をお持ちですね
- 418 名前:代打名無し :03/11/30 22:43 ID:1N0bvSTa
- 溶ける大ちゃんが流行中か?
- 419 名前:代打名無し :03/12/01 15:28 ID:MSXVUsiX
- 溶けた大ちゃんは、小さな水たまりになっていた
「大ちゃんごめんね・・・」と俺はつぶやいた
その時だった、飼い犬の「シモ」がやって来て
その水をあっと言う間にぴちゃぴちゃと飲んでしまったのだ!
翌朝、犬小屋にいる「シモ」を見たら
顔だけ大ちゃんになっていた。
そんだけ
- 420 名前:代打名無し :03/12/01 21:18 ID:93pM4DPX
- //^\\;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;*;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;☆;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;+
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\\::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
┃ラガー┃ \\
┏━━━━━┓ │ \\
┃ ┃ │_ \\
┃ ┃ │
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┃ \
┃ ヽ キュ〜ム
┃ | キュ〜ム
┃ (●) (●) |
┃ \___/ |
┃ ○ \/ ○
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
こんなのか?
- 421 名前:代打名無し :03/12/02 01:54 ID:xeSH98wc
- >>420
怖いけど可愛いw
- 422 名前:代打名無し :03/12/02 06:00 ID:1LrmR+6Z
- 溶けた大ちゃんを必死にかき集める
ごめんね、ごめんね、大ちゃん
今更そんな事を悔いても仕方が無いけれども無用心すぎた自分に腹が立つ。
ベランダのアスファルトに爪を食い込ませる勢いで
元、大ちゃんだったものを掻き集める俺。
大ちゃん、大ちゃんは一体どこに溶けちゃったの?
昔はやったアニメで主人公がなんかの液体に溶けた話を思い出す。
大ちゃん、どうしたら元の大ちゃんに戻ってくれるの?
こんなとろとろの大ちゃんは嫌だよ。
ピッチャーデニー!って言えない大ちゃん嫌だよ・・・。
あれから一週間が経つけれど、未だにマグの中にはとろとろした物があるだけだ。
板ゼラチン!!
発明の始まりはふとした瞬間に訪れるものだ。
もう、これしかない、と俺は板ゼラチンを二枚ふやかしはじめた。
そんだけ
- 423 名前:代打名無し :03/12/02 16:29 ID:ezDDR+VN
- 溶けた大ちゃんを錬金術を使って押入れにあった人形に定着させた。
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
/ \
/ \,, ,,/ ヽ
| (●) (●) |
| \______/ |
| \ / |/⌒)
/ \ / /
/ \/ /
/ ★ /
/ /ヽ_________/
し ヽ_________/
ヽ /
\ __ /
> | | く
(___) (___)
・・・これでよかったのだろうか?
そんだけ
- 424 名前:代打名無し :03/12/02 18:30 ID:o21fX/gF
- 胴体が犬の大ちゃんと、体が人形の大ちゃんと合わせて、これでウチの大ちゃんはふたりになった。
他の家には大ちゃんがいないのに、ウチには二人もいるのだ。
思わず笑みがもれる。
学校に自慢しに行こうっと。
しかし後にあのような災いが待っているとは、この時知る由も無かった。
友達は口をそろえてうらやましがった。
今度、人形入り大ちゃんを持ってくる事を固く約束して、学校を後にした。
帰宅すると、玄関のマットの上にレゴの人形程度の大ちゃんが数人いた。
「体重がシウマイ三個ほどになっちゃったよ」
大ちゃんはまるでキティちゃんの様なことを言った。
一体これはどういうことだ!?
呆然としている俺をよそに、大小さまざまな大ちゃんが数十人ゾロゾロと奥から出てきた。
俺は再びパニックに陥った。
話を聞くと、シモが飲んだ分以外にも、雨と共にあちこちに流れた大ちゃんがいて、
地面にしみこんだ分などが今、こうして数々の大ちゃんになったらしい。
そのせいか、どうもやや茶色気味の大ちゃんもいる。
謎はすべて解けたが、問題はこの大ちゃん達をどうするか、だ。
俺用に一体残して、ヤフオクにかけるか、「大ちゃんと俺」スレで配るか。
ダメだ。
数が足りずもらえなかったスレ住人に、「嘘つきの俺志望五秒前」なんてスレ立てられて、
散々メルアドと住所晒された挙句、人生終了するのがオチだ。
ど う す れ ば い い ん だ 。
そんだけ
- 425 名前:代打名無し :03/12/02 18:46 ID:EAkjsJix
- >「体重がシウマイ三個ほどになっちゃったよ」
>大ちゃんはまるでキティちゃんの様なことを言った。
キティちゃんはりんご三個分だったよね
なんだか大ちゃん人間離れしてきた・・・
- 426 名前:代打名無し :03/12/02 23:56 ID:rGld46jl
- 大ちゃんが今の体になったのは横浜の連覇を錬成しようとして体と勝利と佐々木と権藤の監督の座を持ってかれたから。
- 427 名前:代打名無し :03/12/03 16:27 ID:lPn2LSkb
- 部活動を終え家に帰る途中来週からテスト週間であることを思い出し、
来年受験生である身分の俺は遊んでばっかりいられないなぁなどと
ちょっとブルーになりながら玄関を開けた。
適当にただいまを言い適当に自分の部屋に荷物を下ろす。七時から
見たいテレビ番組があったがその時間まではまだ30分弱ある。
優秀な生徒ならこの時間は勉強に充てるのだろがあいにく俺は
部活でくたくたなのでその時間まで漫画でも読みながら時間を
潰そうと思った。自分を無理矢理正当化しようとしている自分が
情けないと思いながら飲み物を探しに台所に向かう。
漫画を読みながら飲む飲み物は純粋に美味しい。それがお茶であろうが
コーラであろうがオレンジであろうが水であろうが個人的には構わないが
せっかく飲むのならコーラやオレンジが飲みたい。確か先週買い物に出かけた
時に何本か買って冷蔵庫に入れておいたのを思い出し、冷蔵庫を開けると
大ちゃんが入っていた。
大ちゃんは小声で「は、入ってます」とだけ言うと俺は反射的に「す、すいません!」
と扉を閉めた。ちょっと待った。そうじゃないだろ俺。どう考えてもおかしいだろ。
俺のコーラは?いやいやそうじゃない。こんな時にボケてる場合じゃないだろ俺。
何をやってるのか聞こうかとおもったが冷蔵庫の扉をノックしても「入ってます」
と言われて話が進展しない。結局諦めてしまったがあれは何だったのだろう。
これでは勉強も手につかない。
そんだけ
- 428 名前:代打名無し :03/12/03 17:18 ID:NEwul1bI
- >>427
つ、続きキボン!!
- 429 名前:代打名無し :03/12/04 15:48 ID:MokEGEz7
- コタツに身体ごともぐりながら俺はTVを見てる。
野球はやってない。シーズンはもう終った。俺はぼーっとTVを見てる。
大ちゃんもぼんやりとTVを見る。お茶を飲みながらTVを見てる。
「はやく野球、見たいな」
俺がそう言うと、大ちゃんは大きく2回、小さく1回頷いた。
「でも監督だと疲れることも多いんだ。来年は勝てるといいなぁ」
なんだか悲しそうな声の大ちゃん。
俺は振り向かず、目の前にあったチラシを丸めて大ちゃんに投げた。
「あいた」ぽこん、と大ちゃんの頭にぐしゃぐしゃに丸めたチラシが当たる。
「来年もシュウマイ食って頑張ろうな」
チラシにはでかでかとシュウマイの宣伝が描かれていた。
大ちゃんは「うん」とだけ言って、またお茶を飲んだ。
まだ雪は降らない。そこまで寒くない。そんな冬の日。
それだけ
- 430 名前:代打名無し :03/12/05 01:29 ID:QqghKbQX
- >>429
(・∀・)イイ!!
来年は、いい年にしたいね
- 431 名前:代打名無し :03/12/07 20:35 ID:HttydSwi
- 良スレの予感
- 432 名前:代打名無し :03/12/08 04:27 ID:yymw994y
- 「だーいちゃん!」
仕事から帰って、いつもの様に自宅のドアを開ける
最近では鍵のなるがちゃがちゃという音さえもどかしい
自分に、帰りを待つ人がいる。
それあけで心が上ずった。
扉を開けて、少し前と同じ暗闇
そして静寂。
あぁ、そうだった。
大ちゃんは、他の誰かのところにいったんだった。
もっと、助けを必要とする誰かのところ
それでもこの心に、一人を自分で感じるのは辛くて、今日もグリンピースを湯がいた。
あの子に帰ってきて欲しい等という気持ちは無い。
ただ
いつかあの子が困ったときに、互いに嫌いなグリンピースを食べようと思った。
そんだけ
- 433 名前:代打名無し :03/12/08 05:06 ID:1jB+D1Mg
- ポエムキモイ
- 434 名前:代打名無し :03/12/08 16:45 ID:xHQrzRWD
- この文の間を空けてるのな。
- 435 名前:代打名無し :03/12/09 00:45 ID:wiwnZmTX
- 家に帰る途中、捨て猫を見つけた。
俺はマンションに住んでるから飼えない。
可愛そうだと思いながら、必死に泣く子猫を見捨てて逃げた。
次の日も子猫はいた。心なしか泣き声が弱くなってるような気がした。
その次の日は雨が降っていた。
子猫のことが気になって、残業せずに帰路についた。
子猫の入ったダンボールの前、大ちゃんが傘をさしてしゃがんでいた。
笑顔の大ちゃんは子猫と何か話をしていた。俺は何も言わずに通りすぎた。
どうせ俺は飼えないんだから、見なかったことにして逃げた。
眠れなかった。
次の日の朝、出勤しようといつもの道を通ると、
へしゃげたダンボールが風に舞って転がっていた。
子猫はもういなかった。
それだけ。
- 436 名前:代打名無し :03/12/09 01:03 ID:5aYy9ma+
- ∧_∧
<#`Д´> ウリが食べたニダ
そんだけニダ
- 437 名前:代打名無し :03/12/09 01:13 ID:K+YfAIOl
- >>436を見て大ちゃんが大号泣した。
俺がどんなにおもしろい顔をしても泣き止まないかったが
「デニーって最高だよな」って言ったら泣き止んだ。
そんだけ
- 438 名前:代打名無し :03/12/09 05:41 ID:N2nOK9F5
- 猛吹雪の斜面でシェルパが雪崩にやられ、 ルートを見失ったのはいつだっただろうか。
氷壁に行く手を阻まれて、やむなくビバークしたのは、3日、いや4日前だったか?
「‥‥‥」
叩きつける雪と風。寒い。それにしても寒い。
20リットル残っていたボイスクの酸素ボンベももう空っぽだ。
標高8000mでこんな風ならテントの外はマイナス50度だろう。
「‥‥‥」
なんだ。あれは幻聴だろうか、それとも風の音か。
さっきから自分を呼ぶ、なんだか懐かしい声。
そのとき、突然、テントの入り口が開いて、誰かが入ってきた。
「山をなめたね」
眠気で朦朧としているせいか、最初、彼が誰なのかわからなかった。
しかし、今にも泣き出しそうなその瞳は。
「だ、大ちゃんじゃないか。来てくれたんだ」
大ちゃんは、ただ、ただ、困ったような顔をしながら
だまって僕の肩をポンポンとやさしく叩く。
「これでも食べて元気をだしなよ。じゃあ」
それだけ言うと、大ちゃんは来たときと同じように唐突に帰ってしまった。
残されたのは、赤い小箱にはいった崎陽軒のシウマイだった。
「そうだ。先に逝った仲間のためにも、これを食べてがんばらなくちゃ。
明日もし晴れたら、きっとここからの眺めはすばらしいにちがいない。
北にはエベレスト、西にはロールワリンの神々しい頂が‥‥」
甘い幻想を吹き飛ばすように、テントをゆらす冷徹な雪の音。
その瞬間、とても大切な事実に僕は気がついて、思わず手で顔をおおった。
「ああ、そうだったのか。大ちゃんは僕を迎えにきたんだね」
とめどなく流れ落ちる涙をぬぐうことさえ忘れ、
僕は、ふるえる指でシウマイをひとつ口に放りこむ。
「冷えて、ガチガチじゃん」
そんだけ。
- 439 名前:代打名無し :03/12/09 13:46 ID:ZcpGd0dL
- >>435
ぽわーんとあったかい気持ちになった。
しかし>>435-437の流れで読むとなんだか複雑な気持ちに。
>>438
とてつもないスケールだなw
しかしワロタ。
- 440 名前:代打名無し :03/12/09 15:32 ID:6vWo9PiQ
- シウマイ揚げ
- 441 名前:代打名無し :03/12/09 19:51 ID:tFTtwyT9
- >>435
漏れは結構好きだな、こーゆーの。
- 442 名前:代打名無し :03/12/11 13:07 ID:hEtLx2nm
- 十字路の向こう側に、切り張り細工の影絵が立っていた。
園様だった。
「“俺”にも格ってものがある。マチガイナイ」
聞こえの悪いAMラジオのような声を残すと、
そのまま太陽に影を奪われた夜のように、消えてしまった。
なんだか嫌な予感がしたので、急いで家に帰った。
家に帰ると大ちゃんがいなかった。
机の引き出しも、ベットの下も、タンスの裏も探したのにいなかった。
一体どうしたんだ・・・!?
がらんとした家の中に家具だけが乱雑にちらばっていた。
家がかすかに揺れ始めた。
外から轟音が響いてくる。
なんだろう・・・
外に出てみると、大ちゃんがいた。
「大ちゃん!!」
「う、うん。あのね・・・」
どうも大ちゃんの様子がおかしい。
心臓を揺さぶるような轟音がだんだん近づいてくる。
音のする方向を見やった。
ハーレーの一団が土煙とともにこちらに向かってきた。
先頭には斉藤明夫がいた。
- 443 名前:代打名無し :03/12/11 13:08 ID:hEtLx2nm
- 明夫は、むさくるしいまでの長髪を、もどかしげにかきあげると、
「山下監督は次の“俺”のところへ行くことになった」
そう事務的に言い放つと、大ちゃんを乗せて去ってしまった。
俺はさっぱり状況が理解できず、しばらく呆然としていたが、
我に返った時、あわてて追いかけ始めた。
しかしハーレーのスピードに俺の脚で追いつけるだろうか・・・。
ハーレー軍団には簡単に追いついた。
すぐ近くの交差点で、お年寄りが交差点を渡りきるのをハーレー軍団はじっと待っていた。
「だ・・・大ちゃんを連れていかないでくれ」
息を切らしながら、俺は頼んだ。呼吸を整える間すら惜しかった。
どこからか「Born To Be Wild」が聞こえてくる。
ラジカセか何かから聞こえてくるにしては、音が微妙だ。
最後尾のコーラス部がアカペラで歌っていた。
「君の時間は終った。次の“俺”が待っている。」
「大ちゃんは俺にとって大事な人だから、もう少し待ってくれ」
フフン、と明夫は笑うと、
「何故大事なのか説明できるのか」
そう言われて、俺は素に立ち返った。
どうして俺は大ちゃんの事がこんなに大事なんだろう。
言葉では説明できなかった。でも、心の奥では理由がわかっているはずだ。
いつの間にか、俺はポケットの中を夢中でまさぐっていた。何かが手に触れた。
それを見もせず差し出した。
「俺には・・・これがある・・・」
古ぼけた大ちゃんの直筆サイン入りボールだった。
「山下監督にサインをもらった人は大勢いる。何故それが“証”なのか?」
「それは・・・」
- 444 名前:代打名無し :03/12/11 13:10 ID:hEtLx2nm
俺は何故か横浜スタジアムにいた。
新築なのに、どこか廃墟じみた、哀歓と矛盾を孕んだ横浜スタジアム。
ただ、いつもと違うのは周囲がセピア色だった。
ネットにかじりついているのは幼い俺だ。その脇に若くして死んだ俺の親父がいた。
「やましたせんしゅサインくださーい」
練習前に通りかかった大ちゃんに、サインをねだる俺。
全身を使ってどうにかボールをネットの向こう側に送り出した。
大ちゃんはそれを難なく受け取ると、サインをし、手首を利かして再びネットのこちら側に返した。
「よかったな。お礼を言いなさい」
「やましたせんしゅがんばってくださーい」
大ちゃんは右手を挙げて応えた。
もしもこれがなければ俺は横浜ファンにならなかったろう。
親父の記憶と密接に結びついた横浜。大ちゃん。そして野球。
俺は大ちゃんを大事にすることで、心の奥底では、親父を大切にしていたのだ。
記憶がそのまま涙となって、あふれでた。
「これは・・・ぼくにとってだいじなものだから」
ここに至って俺は初めて気付いた。
ハーレー軍団の一人一人がどこかで見た顔だということを。
欠端、田代、加藤、高木、遠藤、屋敷・・・
俺が子供の頃の大洋の選手だった。
「ありがとう。みんなありがとう」
その言葉が口からスッと出た。
- 445 名前:代打名無し :03/12/11 13:10 ID:hEtLx2nm
- 大ちゃんが明夫と何か話し合っていた。
「山下監督がもう少し残ると言っている」
明夫は大ちゃんを降ろすと、ハーレー軍団に出立を命じた。
俺はその姿を見送った。
その時、最後尾の一人が振り返ってサングラスを取った。
親父だった。
轟音にまみれて、声は聞こえなかったが、口の動きでこう読めた。
「大きくなったな」
親父はサングラスを再びつけると、前を向いて走り出した。
ハーレー軍団は永遠に去った。
俺はしゃがんで、泣いた。
帰り道、暮れなずむ夕陽を受けて、大ちゃんが歌い始めた。
「Take me out the Ball Game♪」
普段なら、俺は苦笑してただ聞いているだけだが、なぜか一緒に歌いたくなった。
それから家に着くまでふたりで、「私を野球に連れてって」を口ずさんでいた。
そんだけ。
- 446 名前:代打名無し :03/12/11 13:15 ID:hEtLx2nm
- 長文スマソ。
あと「Take Me Out to the Ball Game」の正式邦題は「私を野球場に連れて行って」
誤記スマソ。
- 447 名前:代打名無し :03/12/11 22:56 ID:2iQqvAdr
- 何かに激しく体を揺さぶられて、目が覚めた。
「なんだ大ちゃん。まだ六時半じゃないか」
「ごめんね。でも僕は土井さんに比べれば優しいほうなんだ。
なんせ、僕が『おはよう日本』の実況をしてる時に、突然来られたんだから。
今、『あさのバロック』を聞いて待って頂いてる。」
頭の中に靄がかかったままの俺と、大ちゃんと、土井氏は、古木・村田・金城の家に廻り、それぞれをたたき起こした。
皆口々に「オフなのに」とか「俺、まだエラーしてないですよ」などと愚痴った。気持ちはよくわかる。
さすがに六人ではいっぱいいっぱいのワゴン車内で、土井氏が話された内容をまとめるとこうだ。
大洋が初優勝した時、それに関連した秘宝を川崎球場に埋めたというのだ。
「そうしたら翌年最下位になっちまったけどねえ」土井氏は豪快に笑った。
最近の横浜の惨状を見るに見かねて、その秘宝を掘り出して活用しようというのだ。
それには人手がいる。その為の俺たち・・・という訳だった。
土井氏が横浜の現状について話されてる間、大ちゃんは申し訳なさそうに身を小さくしていた。
まだ眠気が抜けないまま考えた。これはいい話だ。
大洋に優勝をもたらしたほどの宝とは一体なんだろうか。
三原監督の采配指南書か何かだろうか。それを使えば大ちゃんでも十勝くらいは上乗せできるのではなかろうか。
あるいは…。
期待だけがどんどん先行する。
思わずムフッと笑ってしまった。
古木と村田が気味悪そうにこちらを見た。
- 448 名前:代打名無し :03/12/11 22:58 ID:2iQqvAdr
- 川崎球場についた。あいかわらず狭い。
シャベルを担いでグラウンドに出ると、土井氏がある一点を指差した。
「ああ。ここだここだ」
俺たちは無心に掘った。寒い中穴を掘るのは骨が折れる。
二時間たっても何も出ない。
「結構深く掘ったからな」
結局何も出なかった。
「間違えた。こっちだ」
しかし何も出なかった。
「うーん…」
ここで土井氏は腕を組んでうなり始めた。どうやら場所を忘れてしまったらしい。
疲労が極みに達していた。俺だけでなく、金城らもバテてしまっている。
「山下君。場所知ってるかな?」
まさか、優勝後に入団した大ちゃんが知っているはずが無い。
「こっちですよ」
知ってたのかよ。
- 449 名前:代打名無し :03/12/11 22:59 ID:2iQqvAdr
- 大ちゃんが示した場所を掘ると、やがてオルゴールほどの小箱が出てきた。
「ああ、これだこれだ」
土井氏のお墨付きが出た。大ちゃんが箱を開ける。
全員の視線が箱の中に注がれた。
いよいよだ。このために今日一日ツライ思いをしてきたのだ。
中には小さな紙片が一枚入っていた。
「?」
大ちゃんが紙片に書かれていた言葉を読み上げた。
「グラウンドにはゼニが埋まっとる」
鶴岡御大のお言葉だ。
まさか・・・これだけ?
「ふわっはっはっはっ」
「ふ・・・ふひゃひゃひゃひゃひゃ」
土井氏の豪放磊落な笑い声に釣られて、俺たちもなんとなく笑った。憑かれたように笑った。
「ま、そういう事だ。がんばりなさい」
励ましの言葉を残して土井氏は去った。その後姿に大ちゃんは礼をした。
俺たちはまだ笑っていた。
次の日、俺の全身を筋肉痛が焼き尽くした。
そんだけ。
- 450 名前:代打名無し :03/12/12 00:14 ID:MVS0YFZL
- >>442-445
泣いた
>>447-449
藁タ
- 451 名前:代打名無し :03/12/13 18:05 ID:GOBgbeL2
- 久しぶりにコンビニに行ったら、冬の名物誌中華まんが売られていた。
普通のものと、豪華なものに混じって、「山下監督プロデュース!特製中華まん」なるものがあった。
包装には、はにかみながら中華まんにかぶりついている大ちゃんの写真が印刷されていた。
最近はコンビニもタレント関連商品の開発に力を注いでいるから、シウマイに造詣の深い大ちゃんが起用されたのだろう。
大ちゃんの頭部は中華まんを思わせるし、中々良いキャスティングだ。
しばらくそのコンビニで立ち読みしていると、OLふたり組みが普通の中華まんを三個買っていった。
それから十五分ほどして、部活帰りの中学生の集団が普通のものと、豪華なものをそれぞれ買っていった。
さらに三十分ほどして、犬の散歩帰りの主婦が豪華な中華まんを買い、さらに十分ほどするとカップルが普通のものを買い、
また五分ほどで男の大学生数人が普通の中華まんを買い…
俺は温まりすぎて、水滴が皮の表面に浮き出た大ちゃんの特製中華まんを買った。
そんだけ。
- 452 名前:代打名無し :03/12/14 01:59 ID:iGAcvXOs
- >>451
おまえ長時間立読みしすぎw。
具はシウマイ味? 喰いたい。。
- 453 名前:代打名無し :03/12/15 10:55 ID:msKV0PfD
- * + 巛 ヽ
〒 ! + 。 + 。 * 。
+ 。 | |
* + / / + 。 + 。 + *
∧_∧ / /
(´∀` / / + ./ 》〉 。 + 。 * 。
,- f | | ∧_∧
/ ュヘ | * ヽ ヽ ´∀`)_ 。 + 。 +
〈_} ) | ヽ _ヽ
/ ! + 。 .| ({__〉 + + *
./ ,ヘ | | |
ガタン ||| j / | | ||| ||| .| ,ヘ \ || |||ガタン
――――――――――――――――――――――――
名スレ!!
- 454 名前:代打名無し :03/12/16 14:01 ID:b9yoTjHE
- あげ
- 455 名前:代打名無し :03/12/16 20:29 ID:4w4TsX9l
- 初期のころに投稿してたけど
まだ続いてたんだね。心が温まった。
そんだけ
- 456 名前:代打名無し :03/12/16 22:13 ID:XCqNLehj
- >>444
リア小の頃の俺の思い出と一緒だ
泣いた。
- 457 名前:代打名無し :03/12/17 03:22 ID:sDBAzjvR
- ショック!
三越のお歳暮コーナーには、崎陽軒のシウマイがない!!
そんだけ
- 458 名前:代打名無し :03/12/18 00:15 ID:b6a6yCkV
- 定期age
- 459 名前:代打名無し :03/12/18 11:52 ID:jLMlylUX
- パワプロ10でハマスタのライトフェンスに「崎陽軒 シウマイ」って広告があった
- 460 名前:代打名無し :03/12/18 20:21 ID:Y4r4V8G2
- クリスマスの季節になると、うきうきすると言う人がいるけれど、どうしてなのだろう。
きらびやかな光を放つ街路樹。サンタの服を着たケーキ屋さん。ぜんぶ私は嫌いなんだけど。
幸せそうなカップルが寄り添ったコートの海を、私はひとりで泳いでいる。
友達のマリも今日は用があるからだってさ。みんな、うそつきなんだから。
青信号が点滅をはじめた。けど、私は走らない。
なぜなら走って行く場所なんて私にはないから‥‥。そのときだった。
「お嬢ちゃん、なんでそんなに浮かない顔をしてるんだい?」
目の前に立っていたのは、哀しそうな瞳のサンタクロースだった。
そして、その瞳を、私はなんとなく知っていたような気がした。
「も、もしかして、大ちゃん?」
「ち、ちがうよ、僕はサンタだよ。子どもたちの笑顔がみたくてサ、
贈り物を届けているところなんだ。そうだ、君にも何かあげようか」
そう言うと、サンタは背負っていた袋のなかをゴソゴソしはじめた。
「おや、困ったな。もうプレゼントするものが残ってないや」
どうせそう。私なんか、いつも仲間はずれのミソカス人生だもの。
「あ、これでもいいかな。食べかけだけど」
ああ、それは赤い小箱がまぶしい、紀陽軒のシウマイだった。
私は、思わずサンタ、いや、大ちゃんの手を握りしめた。
「それよりオッさん、金くれよ」
そんだけ
- 461 名前:代打名無し :03/12/18 21:45 ID:Jqh1KMDP
- 援助交際━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
- 462 名前:代打名無し :03/12/19 11:41 ID:dwyusUYz
- 俺は風呂に入っていた。
ガラッ。突然扉が開き、そこには大ちゃんが立っていた。
「どうしたんだよ。」
「うん。今日は背中を流してあげようかなと思って。」大ちゃんは照れながら言った。
俺はしばらく考えて、「じゃあ、頼むよ。大ちゃん」と背中を大ちゃんに向けた。
「今日の試合はどうだったんだい?」
「今日も負けちゃった。ダメだなあ、ボク。」
そんなたわいのない話をしながら背中を洗ってくれる大ちゃん。
・・・ん?なんか背中をこするスポンジがいつもと違う感触だ。なんだこの感触・・・。
俺は振り返った。
そこには、なんと大ちゃんが泡をたくさんつけた頭を上下左右に動かしているではないか。
そうだ。ツルツルの頭で俺の背中を洗っていたんだ。
「な・・・何をしてるんだよっ!」
「いや・・・いつも迷惑をかけてるボクにはこんなことしかできないから・・・」
しばらく沈黙が続いた。風呂には湯気が立ちこめ、大ちゃんはじっとりと汗をかいていた。
目にはうっすらと涙を浮かべている。
「だれが迷惑だなんて言ったよ?・・・そんなこと少しも思ったことないっ。」
「・・・ホントに?」
「そうだよ。『ピッチャー、デニー!!』だって素敵な言葉じゃないか。
だれも真似できないことなんだぞ。もっと自信持てよ。」
「ありがと・・・。」大ちゃんは涙をさらに流していた。
「さあ泡を流して一緒に湯船に入ろう。」
「うん」
大ちゃんと一緒に入った湯船は狭かったけどとても気持ち良かった。
大ちゃんの頭が擦れて少し赤くなっていた。
それだけ。
- 463 名前:代打名無し :03/12/19 23:59 ID:7V72xAbu
- TBS見たら古木がサンタになって子どもと戯れてた
- 464 名前:1/3 :03/12/20 23:19 ID:NWIyo4Pc
- 最近大ちゃんに
「もっとシウマイ食べようよ!崎陽軒のなんて絶品だよ」
と会う度に言われる。破顔の笑顔で薦められちゃ、その味も気になるってもんだ。
という訳で俺はスーパーに行った訳だが、
なんで他のシューマイに比べてこんなに高いんだ?
崎陽軒てネームブランドが値を吊り上げてるんじゃねぇか?
独り暮らしの食費は結構切り詰めないとやってけない。
でも、あの大ちゃんの懇願するような目と笑顔を思い出すと一度くらいは食べてみないと
申し訳ないと思って、結局買った。
電子レンジにかけて待つこと数分。
水分と肉汁でベタベタになったラップを外して、不精者の俺は直接上からシウマイのタレと
辛子を回しがけして、飯の上に乗せて食った。
・・・・・・水っぽいな、というのが最初の印象だ。
肉汁が外に出て皮が吸ってしまい、フニャフニャ。
これだったらホソヤミートの金箱焼売の方がよっぽどマシじゃねぇか!
腹立たしさまぎれに思わず大ちゃんに電話すると、大ちゃんは
「ごめんね、重大なことを言うの忘れてた」
と謝ってきた。
- 465 名前:2/3 :03/12/20 23:21 ID:NWIyo4Pc
- いきなりの謝罪にうろたえたが、ここで毅然とした態度を取らねば負けになる。
「そんなこと、最初から伝えろよ!」と怒鳴ると
「シウマイはせいろで温めるからこそ価値があるんだよ。面倒でも、
蒸し器にクッキングシートを敷いて、あっためるんだよ・・・」
そんなこと言われても、所帯がある人間でも蒸篭がある家庭は少ないだろうに、
独り暮らしの男である俺が蒸篭なんて、持っている筈がない。
「蒸篭なんてモン、中華料理屋かよっぽどの料理好きしか持ってねぇよ」
と呆れた声を出すと、
「ごめん・・・・・・今度蒸篭持って、君のところに行くよ。そうすれば、崎陽軒の
シウマイが日本一だって、わかるから」
と、声が涙ぐんでいた。
「おうわかった。絶対覚えてろよ、それで他のところと似たようなモンだったら、
『ベイの監督は采配どころか味覚もおかしい』って皆に言いふらしてやるからな。
今度の日曜だ。絶対来いよ」
と俺は一方的にまくし立てて、電話を切った。
- 466 名前:3/3 :03/12/20 23:24 ID:NWIyo4Pc
- 本当はそんなふうに言うつもりはない。でも、俺の家に来て欲しい、
会いたいってのを、素直に言えない、いつも何やかんやケチをつけては呼び出して、
酷いことを言ってはまた宿題をだす。その繰り返しでしか、大ちゃんと話す、
会う約束を交わすことが出来ない。本当はもっと、他愛ない話で笑いあいたい。
こんなだから好きになった女に見向きもされない。照れくささが先立って、
意地の悪い言葉ばかり吐いてしまう。
30過ぎた男が何小学生みたいなことやってるんだ、と電話を切った後自己嫌悪に陥った。
今度蒸し器で作ってくれるシウマイには、どんな味がしようと一言くらい
「美味い」
と言おうと思った。
そんだけ
- 467 名前:代打名無し :03/12/21 14:53 ID:paCOw4wM
- みんな大ちゃんをいじめるなよ・・・(泣)
- 468 名前:代打名無し :03/12/21 17:57 ID:+uU0u3tG
- >>467はデニーか古木
- 469 名前:代打名無し :03/12/23 01:15 ID:PSt4udyg
- 大ちゃんとパワプロ10決定版をやった。
やっぱ大ちゃんはゲームの中でも現実と同じ采配をしてた。
俺がオリックスを使っても圧勝だった。
そんだけ
ちなみにCPUは試合の後半でタクローが塁に出たらマムウェイを代走に出してくる。
本当にそんだけ
- 470 名前:代打名無し :03/12/23 06:56 ID:gUZMxMFz
- 大ちゃんがDVD数枚をかかえて部屋へやって来た。
「うちのデッキ調子悪くって…これ借り物なんで君んちの
デッキで見させてもらっていいかなぁー。」
ああこのパターン 大ちゃんはそのDVDを俺と一緒に見たいんだ。
「うん いいけど なんのDVDなの?」
「ほら 昔 日曜にやってた小公女セーラってアニメなんだけど…。」
大ちゃんはちょっと恥ずかしそうだった。
こたつをずらして2人で座りDVDを見はじめた。
- 471 名前:代打名無し :03/12/23 10:24 ID:Ntx/BmLr
- >>470 転送が中断されたんですか?
- 472 名前:代打名無し :03/12/24 09:34 ID:X5Ns/fRz
- 某板のアイドルが大ちゃんに逢ったら? を書いてみますた。叩かれるかもしれませんが。
「君、協立病院に勤めれば? 医療ミス大杉で隠せるし、何より日共は弱者の味方だ」
悪気が無くて云ってるのだろうが、教授のコトバが俺の心を繰り返し苛む。
俺は韓国籍の家庭に生まれた。それも、望みもしない華奢な女の体で。
日本の学校に通ったから差別はあったが、自分の体ほどに解せなくはなかった。
夕食の席ではいつもアボジ(父親)が酒を呑みながら愚痴っていた。
「女が産まれるとわかっていたら、おろさせたんだけどな…」
どうやら今日はクリスマス・イヴらしい。だが俺には関係ない。ワンルームに帰るだけだ。
帰ってみると、不意に目の前が曇った。何か懐かしい感覚…。眼鏡を拭いて様子を見る。
赤い帽子をかぶった人懐っこい人物がにこっと微笑んだ。大ちゃんサンタが、何故?
「帰れよ。俺はあんたみたいな敗者から施される存在じゃない」
「敗者? ぼくだって今シーズン45勝もしたんだからね!」
「いいから帰れよ、馬鹿! 俺は最強の大在日なのに…」
「最強投手のデニーだって休息はするんだよ。さ、今夜はぼくを父親だと思って甘えて!」
「俺の…アボジ…?」 「そ。よーしパパ一杯料理作っちゃうぞー」
シウマイばかりだったけど、大ちゃんの料理はとても美味しかった。これが団欒の味か…。
チーズの煮え立つフォンデュ鍋を大ちゃんが運んで来た。シウマイフォンデュだ!
鍋にシウマイを落としてしまう。この場合、女性は男性にキスするのがルールだ。
「別にいいんだよ…」 「いや、俺も男だ! …外の人は女だけど。せーの」 チュッ!
食べ終わってから、俺たちは河原でキャッチーボールした。餓鬼の頃から憧れだった。
「疲れたね! あっちで休もうか」 「うん」
イヴらしからぬ満天の星の下で、俺たちは色んな事を語り合った。父と息子の会話だ。
他人にとってはあたりまえの事でも、俺には奇蹟だった。ありがとう、大ちゃんサンタ!
「アボジ、ベイの星って何処にあるんだい?」 「うんとね、…ほら、あそこ!」
大ちゃんは北の空を指差した。その先には北斗七星に(tbs
そんだけ。
- 473 名前:代打名無し :03/12/25 19:11 ID:LlSkpiSN
- ☆
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★←横浜の星
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/⌒:::::⌒\:. . .: : : :::::: :::::::::::::::::::::::::::::::::::::: 父ちゃん星がきれいだね
∧_∧:;;;;;::::::::::::: \. .:: :.: ::: . ::::::::::::::::::::::::::::::::::::
..(;;;:::::: );;;;:::::::::::: ノ\.\::. :. .:: : :: :: :::::::::::::::::::::::::
- 474 名前:代打名無し :03/12/26 22:25 ID:XmIYKbBB
- 大チャンって嵐?
にてる〜?
- 475 名前:代打名無し :03/12/26 22:33 ID:fv2ha2jH
- このスレの住民文章うますぎ。感動した。
- 476 名前:1/3 :03/12/26 22:58 ID:00IwMwLd
- 「大ちゃん。どこか呑みに行こうか」
入団会見を翌日に控えたある日、大ちゃんはナイーブになっていた。
威厳をつける為に伸ばした髭を俺に自慢していた時、フセイン拘束のニュース速報が流れ、
その髭茫々の威厳もへったくれも無いフセインの映像を見て、大ちゃんはブルーになってしまったのだ。
手を変え品を変え、大ちゃんを宥めていたが、埒があかない。
河岸をかえた方が賢明だと判断し、とにかく大ちゃんを外に連れ出した。
冷気の溜りが街路のあちこちで、風に転がされていた。
なんとなく家を出たが、呑むあてなどない。
「おや…」
ぽうと灯る赤ちょうちんがひとつ。
おぼろげな街灯に照らされて、おでんの屋台があった。
立小便と、料理の臭いが混ざった場末の香り。
何でこんなところに、屋台があるんだろう…。
のれんの下から、見覚えのある顔がひょいと出てきた。
「お。久しぶりだな」
カープ坊やだった。
「まあ呑みねえ」
カープ坊やに遭うのは、>>377以来だ。
「ここのおでんは関西風の味で、悪くないんだぜ」
ちょうど良かったので、相席させてもらう事にした。
「どうしたんだい。監督さんよお」
濃い影が射している大ちゃんの異常な気配を察して、カープ坊やが尋ねた。
代わりに俺が、大ちゃんの心を悩ませている様々な事どもについて、話した。
- 477 名前:2/3 :03/12/26 22:59 ID:00IwMwLd
- 「よそに比べて、入団する人数が少ない!?
今こんな大変な時期に入ってくれる男気のある若い衆じゃねえか!
どこに出しても恥ずかしくない宝だよ。
そんなタワシみてえなヒゲぶら下げて、何をつまんねえこと気にしてるんだ!!」
最初に俺が大ちゃんの髭を見たとき、フリンジみたい、とは言ったが、さすがにタワシまでは言えなかった。
「で、でも…」
「でももヘチマも無え!」
ここで、カープ坊やはコップ酒をキュッと呑んでひと息入れると、また続けた。
「人間ダメな時はなァ、十年でもじっとしとけばいいんだよ。いつかはまた上げ潮時がやってくる、ってな。
まァ俺ンとこのチームは、そう言って十三年も優勝してないがな」
いくら何でもこの成績で十年も監督をやられるのは、ちょっと困るが、
人生の酸いも甘いも噛みしめたカープ坊やが言うと、非常に説得力があった。
「まだシーズンは始まってねぇ。やる前からダメと決めるようなあわて者の言うこと聞いてどうするんだ。
そいつは明日の朝飯だってもうマズいと言ってカカアに怒られてるに違いねぇよ。
そいつらのケツまくって見返してやんな。監督さんよ」
大ちゃんの顔が段々明るくなってきた。
それにしても、何故広島のマスコットであるカープ坊やが、江戸っ子のような喋り方をするのだろうか。
どうもマスコット界というのは、俺のような外部の人間にはわからない複雑な事情がたくさんあるようだ。
そんな事をぼんやり考えていた時、ごろりと鈍い音を立てて、ビール瓶が俺たちの前に置かれた。
「何これ。頼んでないよ」
「これ、ウチのおごりです」
屋台のオヤジは目を真っ赤に腫らしていた。
その顔をよく見直すと、愛甲だった。
カープ坊やの話を聞いて、様々な想いが彼なりに胸に去来したのだろう。
- 478 名前:3/3 :03/12/26 23:07 ID:00IwMwLd
- それからしばらく呑んだ後、適当な頃合いを見計らって、揚がる事にした。
「それじゃあ俺たちそろそろこれで」
「ん。」
愛甲はまだ目頭を熱くしていた。
ラジカセから流れている演歌よりも、こちらの方がよっぽど演歌だ。
外でマフラーを首に巻いていると、カープ坊やがまたまたのれんの下からひょいと顔を覗かせて、
「負けんなよ」と言った。
「負けませんよ」と大ちゃんは答えた。
ならそれでいい、と呟くと、カープ坊やは独りだけの酒宴に再び戻った。
酒が入って温まったとはいえ、やはり寒い。
「寒いなあ大ちゃん」
「確かに冬は寒いね。だけど寒いと雪が降って綺麗じゃないか。……ほら」
黒い天の一角から白い雪がゆっくりと舞い降りてきた。
「メリークリスマス」
「メリークリスマス」
雪が大ちゃんの髭に積もっては消えていった。
そんだけ。
- 479 名前:代打名無し :03/12/27 12:36 ID:7CH9DB20
- このスレの住民天才
- 480 名前:代打名無し :03/12/27 14:04 ID:wW2UG0JP
- カープ坊や、渋いな…言葉の重みが違うよ。
- 481 名前:1/3 :03/12/27 15:52 ID:GVIq8Thl
- 忘年会にも参加せず、行きつけのバーで独りグラスを傾けていると、
隣のスツールに誰かが座った気配がした。
「マスター、隣の人にスコッチを・・・・・・・・」
B級映画とハードボイルド小説以外で聞いた事がないような
台詞を吐き、しかもこんな冴えない風体の俺相手にするような奴は
誰だ?と思わず顔を左に向ける。
大ちゃんだった。
俺は飲んでいたワイルドターキーを思いっきり噴き出した。
鼻から口から、むせて死ぬかと思うくらいに。
おしぼりで顔中を拭き、やっと落ち着いた後に、
「何でお前がこんな所にいるんだよ?」
と、酔いと驚きが手伝い、初対面にも関わらず馴れ馴れしく聞いた。
大ちゃんは煙草に火を点けながら
「僕が20歳未満に見える?」
と逆に訊いてきた。
- 482 名前:2/3 :03/12/27 15:53 ID:GVIq8Thl
- TVや2ちゃんねるで見る通りのピンぼけな発言をどう返したら
いいものか、と黙りこくってることになってしまった。
バーテンからスコッチを受け取り、それを一口あおった後、俺は
しょうがないので
「アンタには似合わないよ、こーゆーとこ」
と正直な感想を言った。
「そうかな?」
大ちゃんはグラスをくーっとあおった。ダブルのバーボンは
一口目で1/2になった。そして
「僕だって、色々あるんだよ」
と紫煙を空に吐き出す。
「わかるだろ?」
どの部分を指して「わかるだろ?」なのかは解らないが、
とにかく、よくよく考えてみれば大ちゃんが置かれてる環境は、
確かにこんな場所で独り物思いにふけるに似合いだとは思った。
やっぱりいい答えが思い付かず黙っていると
「君と同じだよ」
と大ちゃんは続けた。
俺は「まぁな」と曖昧な返事をした。
解った気がした。
- 483 名前:3/3 :03/12/27 15:55 ID:GVIq8Thl
- その後俺と大ちゃんは一言も喋らず呑み続けた。
終電があるので、俺の方が先に席をたつことになった。
「いいよ、僕が払っとく」
という大ちゃんを制して、俺は自分の分だけきっちり払った。ここでだけは
二人の酒呑みとしてだけの立場を保つために。
マスターにごちそうさまと告げ、俺はスツールから降りコートを着ながら、
大ちゃんの背中に
「来年はいい年になるといいね」
と言った。
大ちゃんは振り向かなかったけど、右手を上げてくれた。
そんだけ。
- 484 名前:代打名無し :03/12/29 12:30 ID:paSLwoMd
- hage
- 485 名前:代打名無し :03/12/30 00:13 ID:BCunwoLg
- 久々に来てみたら、文章がどえらく上手くなっているような…。
書いてる職人さん、みんな同一人物じゃないよね!?
- 486 名前:代打名無し :03/12/30 22:44 ID:FC8d30Rp
- 俺も思ってた。にしても文章うますぎ。
- 487 名前:代打名無し :03/12/30 23:53 ID:/LdLbJ1z
- 少なくとも、もう一人
"俺"がいる
- 488 名前:代打名無し :03/12/31 08:21 ID:gDJtDoxB
- 俺はここに「も」いる
- 489 名前:代打名無し :03/12/31 11:26 ID:Fngsjvka
- オレオレ詐欺かよみんな(笑)
- 490 名前:おかもと :03/12/31 17:09 ID:APJHNSDO
- 大ちゃん
また夏が来た
去年よりも暑くなりそうだ
熱気の中 押しつぶされた
野球場で君を思い出す
誰もいないスタジアムで
土煙の中 声をからした
大ちゃん
君がいない夏はまるで 抜け殻のようだ
君のように見える人は誰もいないだろう
大ちゃん
ホントのお別れだ
「またね」じゃない
ホントのさよならだ
そんだけ
- 491 名前:代打名無し :03/12/31 20:27 ID:V/zlkD4Q
- 大ちゃんの苦悩
大ちゃんの情熱
大ちゃんの歓喜
大ちゃんの落胆
大ちゃんの幸福
- 492 名前:代打名無し :04/01/01 00:31 ID:/9qxQo+0
- ↑なにこれ?
- 493 名前:代打名無し :04/01/03 13:05 ID:NzvslDBu
- 大ちゃんと初詣に行った。
さすがプロ野球の監督だけあって、大ちゃんはお賽銭に一万円を幾らか束ねたものを入れた。
「これくらいしないと効果が無いと思ってね」
どんな願い事だろう。
お参りした後は、お守りと破魔矢と絵馬を買った。
俺は念のために「火難よけ」のお守りを購入した。
破魔矢は地元の神社らしく、横浜の選手の名前入りだった。「ハマ矢」ということだろうか。
何年前のものかしらないが、「大矢」と書かれたハマ矢が一本残っていた。
さびれた観光地のお土産店でLuna Seaのポスターを見たときと同じ気持ちがしたので、
そのままにしておく訳にもいかず、すぐに買って持ち帰ることにした。
社務所の前に戻ると、大ちゃんが一生懸命、絵馬に願い事を書き綴っていた。
大ちゃんは、絵馬の周りに腕をぐるりとまわして、俺の位置から絵が見えないようにしていた。
「どんなこと描いたの大ちゃん」と尋ねると、
「エヘヘ、内緒だよ」と言って、絵馬を胸に抱えて素早く走り去った。
俺は大ちゃんがおみくじを引きに行ったその隙をついて、絵馬をひっくり返して見た。
真ん中に「みんなが仲良く暮らせますように」と書かれている横に、小さく「横浜が優勝できるといいな」とあった。
大ちゃんのおみくじの結果は「半吉」だった。
そんだけ。
- 494 名前:代打名無し :04/01/05 13:04 ID:51VtpR2M
- >>442-445の俺の正体?
ttp://comic3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1066665546/350
そんだけ
- 495 名前:代打名無し :04/01/06 04:36 ID:LJ9c5Pgp
- ,、,、 「 |__ ◎ / //
r-一^1ヽヽ' | - - 〔/ /
===, ヽ二二l / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
 ̄) ノ ̄ ,、,、 __ / ,ィ. \
ヽ' ヽヽ'ノノ 7_//.. \
r--ーフ ヽ ' / \,, ,,/ ヽ
ニニニニニ 、 r-一^1 / (●) (●)|
'----- ┘ ,= r=, / \______//
n  ̄) ノ ̄ {. l //
l| ヽ'  ̄フ l //
|l __冖___. ./ l | l
ll ヽ┐,・ノ > ;: | | {
- 496 名前:代打名無し :04/01/06 20:19 ID:kiudkIcY
- >>442-445
マジで泣いた…このスレ屈指の名著!
- 497 名前:代打名無し :04/01/07 04:32 ID:RjWPsquP
- 料理なんてもの、する気がなかったし、ずっとする必要もないと思っていた。
会社帰りの時間。
その頃にはいろいろなお惣菜がもう、半額になっていて作るよりもはるかにコストは掛からないから。
誰も尋ねてはこない部屋にチャイムが鳴り響いたあの夜。
あの日を忘れない。
尋ねて来たからと、誰でも部屋に通す訳ではない。
ただ、それはするする、っと私の部屋に入ってきて、次の日には私におかえり。
という存在になっていた。
「ちょっとまっとってね。すぐなんかするから。」
おかえり!という声の為なら、この体が疲れようともなんでも出来る気になってくる。
あの物体の好物は焼売。
どうも、冷凍の物は好きでは無いらしい。
仕方が無いから料理本を見ながら作ると、不味そうな顔をしてお世辞とわかる引き攣った声でおいいしいよ。と全部平らげてくれた。
それが、初めの頃だったか。
今日は筍を刻んで入れてみようかな、とか、少し五香粉を足してみようかな、とか。
大ちゃんが作り物ではない笑顔でおいしい、おいしいと私の作った料理を食べてくれる頃には私の得意料理は十指を余るくらいになっていた。
家に帰る。
それが本当に楽しい。
今日はどんな風に大ちゃんを喜ばしてやろう。
どんなものを食べさせてやろう。
それから、報告もしなくては。
今がとても楽しくって仕方が無いということ。
仕事は相変わらずしんどいけど大ちゃんがいると仕事、もっと頑張ろうって思うこと。
毎日、待っててくれてありがとうってことと、後輩からびっくりするような告白を受けたこと。
なのに、どうして部屋には少し前と同じ様に、大ちゃんがいなくなっているんだろう。
- 498 名前:代打名無し :04/01/07 04:34 ID:RjWPsquP
一人になった部屋で考える。
大ちゃんは、自分が見た都合のいい幻なのかもしれない。
でも、大ちゃんを喜ばせたくって蒸篭を買ったり、料理の本を睨んだり。
あの時間は夢じゃなかった。
私が、誰かを想って料理を作ったのは、幻ではなかったから。
結婚して、子供を産み一番上の子供は七歳になる。
私の作る焼売、いや、シウマイをおいしいと言ってくれる。
その顔にいつかみたあの笑顔を思い出した。
それだけ。
- 499 名前:代打名無し :04/01/07 10:08 ID:ywOJYktJ
- 相変わらずここの職人さんはすごいな
- 500 名前:代打名無し :04/01/08 01:30 ID:ZRV5q9ME
- >>497-498
あ、あなたプロでつか…??((゜Д゜)))ガクガクブルブル
- 501 名前:代打名無し :04/01/08 18:51 ID:liZPDV/u
- プロはもっと巧い文章を書くだろう。
しかし大ちゃんを題材にするとなると、このスレの職人さんを超えるのは難しいんじゃないか?(w
そんだけ。
- 502 名前:代打名無し :04/01/08 23:01 ID:nccEuODp
- 「文章は技巧じゃない」
モニタにぼんやりと視線を落としたまま、思わず俺はそう呟いた。
ちょうど俺と背中合わせになる形で、背を丸めてこたつに当たり、バラエティ番組を
くすくすと笑いながら見ていた大ちゃんは、俺のその言葉を耳ざとく聞きつけ、振り返った。
「いきなりどうしたんだい?」
「聞こえちゃった?ちょっと、そう思ったんだ」
きょとんとした顔の大ちゃん。
俺は再びモニタに目を向け、大ちゃんに小さく手招きをする。
渋々、と言った様子で大ちゃんは潜り込んだこたつから身を引き抜き、
身震いをしながらパソコンに向かう俺の横にしゃがみ込む。
―巨大掲示板2ちゃんねるの野球板、"大ちゃんと俺の関係"スレッド。
当初はただのありふれたネタスレに過ぎなかったスレッドだが、数多の職人さんたちの
奮闘の甲斐あり、今や野球板の隠れた名スレとして閲覧者の涙を誘っている。
俺はその最新レス、>>501をそっと指差した。
俺の指の動作に合わせ、大ちゃんはモニタに視線を滑らせる。
その訝しげな表情は文字列を追う度和らいでゆき、三行の短い文章を読み終える頃には
ちょっと嬉しそうで、ちょっと泣き出しそうな、何とも情けない笑顔になっていた。
「文章は技巧じゃない、愛情だよ。どんなに筆才な作家でも、このスレの職人さんたちが
持つほどの大ちゃんへの愛情がなければ、これほど胸を打つぶ」
- 503 名前:途中送信申し訳ない…。 :04/01/08 23:20 ID:nccEuODp
- 「文章は技巧じゃない、愛情だよ。どんなに筆才ある作家でも、このスレの職人さんたちが
持つほどの大ちゃんへの愛情がなければ、これほど胸を打つ文章は書けないよね」
俺が独り言じみた長い言葉を終えると、大ちゃんは首を垂れ、鼻をすすった。
握り締めた拳が震えている。
どうやら、感極まってしまったようだ。
「まっ、これだけ大ちゃんを応援してる人たちがいるってことだからさ、今年も頑張ってよ!」
俺は茶化すようにそう喚くと、大ちゃんが前につんのめるほど強くそのつるりとした頭を叩いた。
「う、うん!」
頭をこすりながらなおいっそう鼻をすすり上げる大ちゃんの目は、充血している。
真っ赤になってしまった目を細め、大ちゃんは晴れ晴れとした笑顔を俺に向けた。
相変わらずその表情は情けなかったが、どこか力強く、誇らしげだった。
「あのさ」
大ちゃんは俺の顔を見据えたまま、切り出した。
「僕、ちょっと思ったんだ…文章は技巧じゃなく愛情だってのにさ」
「何を?」
俺はその視線を受け止めるように大ちゃんを見詰め返し、言葉の続きを促した。
「もしかして…監督業も同じことが言えないかな?どんなに名采配の監督でも、
チームへの愛情がなければ意味がない…監督業も、技巧より愛情が必要だって!」
痛いほど眩しい、大ちゃんの活き活きとした眼差し。
俺はその視線に少し戸惑いながら、細々と、こう返した。
「…いや、それはちょっと」
そんだけ。
- 504 名前:代打名無し :04/01/10 03:20 ID:qqa9KfQe
- ついつい自分の文章を読み返し、
ああすれば良かった、こうすれば良かったと落ち込んでしまう。
こんな時に大ちゃんがいればなぁ。
きっと優しい目で俺の肩を暖かく抱いて、
微笑みながらシュウマイを出してくれるんだろうな。
ひとり身の冬の夜は寂しすぎる。
熱燗でも飲んで大ちゃんの夢でも見るか!
なんてな。
それだけ
- 505 名前:代打名無し :04/01/10 22:33 ID:F9gG123+
- アサヒが「居酒屋大ちゃん」って酒出してる
- 506 名前:代打名無し :04/01/10 23:50 ID:TuYiiSyM
- 屋台の大ちゃん (・∀・)イイ!
カープ坊やの言葉にドキッときました。みんな(,,゚Д゚) ガンガレ!
- 507 名前:代打名無し :04/01/11 23:20 ID:kg1Fucd0
- 大ちゃんをモチーフにした小説を、書いては丸めて投げ捨てる。
全てにおいて勝利してきた私だが、文章を書くことだけは苦手だ。
文才のない自分を呪いながらも、妄想だけは留まる事がない。
世界で私だけが大ちゃんを理解してるはずなのに
世界で私だけが大ちゃんを愛してあげられるのに
なのに私の家に大ちゃんはいない
- 508 名前:代打名無し :04/01/12 16:04 ID:m4KHiDm9
- 良スレage
- 509 名前:代打名無し :04/01/13 22:21 ID:rj6uxdvO
- 休日の午後八時、俺たちは何をするでもなく家でゴロゴロしていた。
テレビもつまらなそうなものしかなく、暇を持て余していると、大ちゃんが
「キャッチボールをしよう」と言い出した。
未だ正月太りが抜けきっていないこともあるし、俺は賛成した。
ふたりだけではなんだと思ったので、昼頃、家に遊びに来てから、一言も喋っていない木塚も誘ってみた。
「へんじがない。 ただのしかばねのようだ」
「!?」
「木塚君は今ちょっと調子が悪いから…」
「そ、そうか…」
俺と大ちゃんだけで、室内の明りに薄く照らされた庭に出た。
木塚はコタツに入りながら、テレビを見つめている。
それにしても、ただボールを投げて、捕るだけの遊びがどうしてこんなに面白いのか。
よく「言葉のキャッチボール」というが、キャッチャーはピッチャーのその日投げた一球目を受けただけで、全てがわかるという。
いわば、ボールが言葉であり、白球の行方を追うことで俺たちはグラウンドに現れる喜び、悲しみ、その他人生に現れる一切を見ているわけだ。
その言葉の紡ぎ手であるピッチャーにとって、かってのボールが投げられない苦しみとはどれ程のものだろうか。
多分、他人とうまくコミュニケートできないもどかしさを抱えてる人のみがわかるのではないだろうか。
大ちゃんの投げるボールは、なんというか、キレがいい。それでいて、受けてもあまり痛くない。
むしろ小気味いいくらいだ。
やさしさを球に詰めて投げればこうなるのだろうか。
- 510 名前:代打名無し :04/01/13 22:22 ID:rj6uxdvO
- 二十分ほどして、肩から湯気が出るほど温まった。
大ちゃんはまるで蒸したてのシウマイのようだ。
そのとき、
「きづかは なかまになりたそうに こちらをみている
なかまにしてあげますか?」
俺たちはもちろん「はい」を選んだ。
俺は縁側に腰掛け、ふたりのキャッチボールを見守ることにした。
最初ためらうようにしていたが、おずおずと、木塚は一球目を投げた。
大ちゃんのグローブに球が吸い込まれる。
「ナイスボール!!」
すかさず、大ちゃんが声を返す。一点の曇りも無い声だ。
「きづかは ボールを てにとった」
パチン!!
ボールが大ちゃんのグラブを強烈に叩いた。音が壁に当たって俺のところにまで跳ね返ってきた。
「うひゃあ。ミットで無いと痛いね」
パチン!!
「きづかは レベルがあがった」
パチン!!
「きづかは レベルがあがった」
パチン!!
「きづかは とても うれしいぞ」
パチン!!
大ちゃんと木塚のキャッチボールは、いつまでも続いた。
そんだけ。
- 511 名前:代打名無し :04/01/14 01:10 ID:x9tX1VNF
- 最近のホッシー君の活躍には目を見張るものがある。
「これからのテーマは“ワル”でいきます」
まるで高校デビューする中学生のような事を言うと、服の色調を黒で統一し、コーヒーまでブラックにキメた。
そのおかげか目がいつも充血していた。
そして、危険なスタントにも自ら挑み、テレビで人気を博すようになっていた。
「どうしたんだろう大ちゃん」
「もうすぐ理由がわかるよ。知ればきっと驚くさ」そういって笑った。ちょっと大ちゃんにはこういう意地悪な面がある。
ある日、突然その理由がわかった。なんとホッシー君はお見合いをするというのだ。
相手は誰なのか尋ねても、「うふふ」と少し不気味に笑うばかりで、大ちゃんは教えてくれなかった。
ホッシー君は涙ぐんで、俺に一緒についてきてくれるよう頼んだ。しかしお見合い前日に来てくれというのも、無理がある話だ。
結局、暇だったので、一緒にいくことにした。それに相手が誰なのか少し興味がある。
全く実の上がらぬ就職活動でしわくちゃになったリクルートスーツを着込み、ホッシー君らと一緒にタクシーに乗り込んだ。
仲人である大ちゃんは先に会場に行ったという。
ホッシー君は一睡も出来なかったと語った。
これからお見合いをして、ヘタすれば結婚するというのに、これで大丈夫だろうか。
会場となる料亭には、すでに大ちゃんが着いていたが、相手側はまだ来ていなかった。
「少し渋滞で遅れてるらしいけど…、あ。どうやら見えられたようだよ」
どうもお待たせしましたという他の男性の声とともに入ってきたのは、バボちゃんだった。
- 512 名前:代打名無し :04/01/14 01:14 ID:x9tX1VNF
- バボちゃんの後ろには中年の男性ふたりと、少年数人がついている。彼らがバボちゃんの付き添い人だ。
こちらの付き添いは、俺と、まだ年端もいかぬ子供ゆえそこらを元気に走り回っているホッシーゾ君と、それを小声で叱り付けるホッシーナさんだ。
中年の男性ふたりは座ったが、少年たちは座らない。
座るスペースが無いのかと思ったその時、少年の一人が突然「To North!」と叫んだ。ビクッと身を震わせる俺たち。
そんな事におかまいなく少年達は歌い始めた。
部屋の中央には卓がおかれており、十分にダンスする事が出来ないと見えて、突っ立ったまま少年達は踊った。
歌い終わると、一応手を振って、そのまま部屋を出て行った。
対面には、メガネの男性と白髪の男性が座っていた。
メガネの男性が挨拶をしようとした。
「え〜本日はお日柄もよく…ウッ」
「ええで。ええで。やりなおしやりなおし」
「す、すいません監督…。え〜…ウッ」
男性は泣いてしまって話にならないので、大ちゃんが引き取って、挨拶をした。
「ホッシー君の方から何かお尋ねしたい事がありますか?」
「は…はい………あ…あの…」歯がガチガチしきりに鳴る。
あきれて、大ちゃんはバボちゃんにも同じ意味のことを言った。すると、
「羽穂(バボ)はホッシー様をお慕い申し上げております…」
そう言ったきり、顔を(どこからが顔か分からないが)赤らめ(元々赤いが)、恥ずかしそうに目を伏せてしまった。
これではどうすることもできない。
不思議な沈黙が部屋を覆った。ガチガチという音だけが鳴り響いている。
「じゃ、後は若いものに任せて…」とうとう大ちゃんは投げた。
ふたりを残して部屋を出た。
- 513 名前:代打名無し :04/01/14 01:22 ID:KVcVyGNS
- 廊下を歩く途上、大ちゃんに尋ねた。
「大ちゃん、あの二人はもう知り合いのようだったけど…」
「うん。キャンプから取材してるからこみ上げるものがあったらしいね」
「いや、あの男性達じゃなくて」
「ごめんごめん。わかってる。ホッシー君とバボちゃんは以前から付き合いがあったんだけど…。
ちょっと事情があって、今日のお見合いも半ばこっそり行うようなものなんだ」
事情というと、少し思い当たる節があった。
まさか、あれだろうか。
控え室で茶を喫んでいると、しばらく暇がかかるからその辺を散歩でもしてきたらいい、と言われたので、
ぶらりと庭に出た。
よく手入れの行き届いた石庭の向こう側に池があり、そのそばにホッシーナさんが立っていた。
すらりとした肢体に、着物がよく似合った。
どうしたんですか、と声を掛けると、
「え…ええ…もし母さんがここにいれば…」と言った後、はっと気がついたように、
「ごめんなさい」と目元をぬぐった。目が少しうるんでいるようにも見えた。
いつもは気丈にふるまっているホッシーナさんの、姉として、母代わりとして、生きてきた十年間の苦節が垣間見えた一瞬だった。
「ここはお魚がおいしいのよ。楽しみにしておいてね」なんでもない話題を振り、俺も楽しみにしていますよ、と応えた。
すると、ホッシーゾ君がおしっこーと叫びながらこちらにやってきたので、彼女はホッシーゾ君と何処かへ行ってしまった。
- 514 名前:代打名無し :04/01/14 01:28 ID:KVcVyGNS
- さらに庭をぶらぶらしていると、いつしか外に出てしまっていた。
戻ろうとして、何気なく少し離れた路上を見やると、意外な光景があった。
ドアラがいた。
腕を組み、ひと筋の煙を立ち昇らせているタバコを銜えて、じっと壁の一点を見つめていた。
「やあ」
「ああ、アンタか。確か山下監督の…」
「今日はまたどうしてここに?まさかホッシー君の…」
ドアラになら話しても良いような気がした。
「そう。あいつとは昔からの仲だからな…」そう言うと、ドアラは宙に目を浮かせた。
何ものも見ていないような、過去に思いをはせる目だった。その目が素晴らしく輝いてるのに俺は驚いた。
「あいつは何でも自分で背負い込もうとするからな…
あんたン所の監督みたいにさ」
ドアラの瞳の色が複雑にうごめいた。
「今日はホッシー君が心配で来たの?」
「いや、アイツの事もあるんだが…来たな」
ドアラの耳は大きい。何か音をキャッチしたようだ。
かなたからタクシー数台がこちらに向かってきた。
まさか…俺の心配していた事だ。
また>>375-376のような事態になるのだろうか…
マスコットの長老達が続々とタクシーから降りてきた。
- 515 名前:代打名無し :04/01/14 01:36 ID:5wrkYyaJ
- 「ああ何だか空を見たくなったな」
そう言うと、ドアラは門のところにドシリと、腰を落した。
「そこをおどきなさい。ドアラ」
「イヤだ」
「無礼だぞ!!ドアラ!」
「愛し合ってる者同士が結婚して何がいけない!!」
「バレーボールはかっては栄華を誇ったとはいえ、今は…。
私達は五輪にも名を連ねる野球のマスコットですよ。
それに親会社が違います。
ゆくゆくはマスコット達を束ねていく立場にある者としては、それくらい弁えておきなさい。ドアラ。」
「ほっとけ!!俺は養子だろ!!」
長老達の顔に明かに動揺の色が走った。
ドアラは何か鬱屈したものを吐き出したような、やや残酷さを交えた表情をしていた。
「その事は後で話します。今はホッシーを探さなくては」
長老達はずかずかと料亭内に入り込んだ。
が、ホッシー君たちはどこにもいなかった。
大ちゃんが機転を利かせてどこかにやってしまったのだ。
どうしてその才覚が野球で発揮できないのか。
「一体どこへ…」「すぐに探し出すんだ!!」
あわてふためく長老達を見て、ドアラは不敵に笑っている。
「ざまあねえな」
「ドアラ!!口を慎め!!」
「何を…」
また言い争いが始まるかと思ったその時、
「あーママあれ見てー」
母親に連れられた子供がこちらを指差した。
すると、その途端ドアラと長老達は、すぐに「マスコット」になり、子供に愛想を振りまいた。
プロだ。
母子が去った後、素に戻ったドアラ達は、
白昼の路上を何処までも駆けていった。
- 516 名前:超長文マジでスマソ :04/01/14 01:45 ID:5wrkYyaJ
- ひと騒動の後、家に戻ると、先に大ちゃんが帰ってきていた。
「今日はたいへんだったね」
「ああ…んん??」
明かにウチのものではない上品な草履が玄関にあった。
これは…もしかして…
「しばらくご厄介になります」
バボちゃんが挨拶をした。もうウチに住むと決まったらしい。
「う〜ん…ウチは狭いし…」俺が言葉を濁すと、
「いけなかったでしょうか!?」黒い瞳を潤わせてバボちゃんが顔を上げた。
俺はその夜明けの海をそのまま閉じ込めたような瞳を見て、正直ドキッとした。
万策尽きた時の大ちゃんが時たまこういう瞳をするが、状況が状況だけに腹が立つことが多い。
しかし、今は違う。この瞳を見て、ホッシー君が一目ぼれするのも無理はないと思った。
「狭いけどそれでよければ…」
「やったあ!!」
大ちゃん、ホッシー君、それにバボちゃんが歓声を上げた。
さてこれからどうなるのか…。
そんな訳でウチにはバボちゃんが加わった。
そんだけ。
- 517 名前:代打名無し :04/01/14 01:59 ID:L6rMOLlA
- >>511-516
個人的にネ申として認定したいのだが。
- 518 名前:代打名無し :04/01/14 19:23 ID:P69UXqrj
- マスコットネタ書いてる人、同一人物?
マスコットで泣かせドラマって発想が
まず凄いと思うが、抑えるところ抑えてて
滅茶苦茶面白い。
- 519 名前:代打名無し :04/01/15 00:20 ID:NpdEPJKK
- >どうしてその才覚が野球で発揮できないのか。
ワロタ
- 520 名前:代打名無し :04/01/15 00:47 ID:2SYS2thR
- マスコットネタの小説、すげー面白い!!
- 521 名前:代打名無し :04/01/15 12:42 ID:WNdblGZO
- >>511-516
あなた神の域だよ。笑いのツボをしっかり抑えてる。
> 対面には、メガネの男性と白髪の男性が座っていた。
> メガネの男性が挨拶をしようとした。
> 「え〜本日はお日柄もよく…ウッ」
森アナウンサー?ワロタ。
- 522 名前:代打名無し :04/01/15 23:42 ID:gWPZjoOl
- デニー軍団
- 523 名前:代打名無し :04/01/16 12:25 ID:yrSPsG76
- センター試験直前だというのに、今日もお気に入りのスレを巡回している俺。
2ちゃんには同じ境遇のダメ人間がたくさんいて負け犬の連帯感を味わえる。
「…まで一ヶ月を切った訳だが」
どこかの入試のスレか。一応チェックしておこう。
「キャンプまで一ヶ月を切った訳だが」
ハァ?キャンプ?
1 :代打名無し :04/01/14 11:31 ID:BaY86Dai
どうしよう
名前隠してID隠さずだ。
すぐに「>>1は大ちゃん」「大ちゃんスレ立てんなヴォケ志」など煽られている。
あせり始めた1はすぐに「ち、違うよ」とレスを返すが、
雑談をするふりをして、誰かが夜食ネタを持ち出すと、即座に「僕はシウマイ」と1のレスが帰ってきた。
「やっぱり>>1は大ちゃん」「横浜なんとかしろ禿」と殺伐度が増す。
たちの悪いのが、2ちゃんねるガードを持ち出してきたので、それを見かねた俺は、警告レスを出した。
「ありがとう。2ちゃんねるはペナントレースよりも怖いところだね」
そう言い残して>>1は消えた。
が、名前を入れないと強制フシアナさんになる板だったので、名前のところにco.jp入りのドメインが出てしまった。
多分2ちゃんねるガード用に名前を書き換えようとして、そのまま止めて名前欄が空欄になってしまったのだろう。
co.jpより前の部分を見たスレの住人たちが騒ぎ出し、後は「ニュー速からきました」「記念真紀子」の駄レスだけで
一気に1000までいった。
それだけ。
- 524 名前:代打名無し :04/01/16 22:12 ID:ipGWfLgs
- >523それでこそ大ちゃん
- 525 名前:代打名無し :04/01/17 16:04 ID:5KX05/3C
- 良スレ
- 526 名前:代打名無し :04/01/17 19:54 ID:+SWQzBRj
- ドアラを主人公にしたスピンオフ小説キボーン
- 527 名前: