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国鉄があった時代
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国立国会図書館から引用

空襲激化ニ伴フ緊急防衛対策要綱

昭和20年7月10日 閣議決定

今後愈々激化スベキ空襲ニ対処シ重要軍需生産並ニ之等ニ関聯スル必須ノ運輸、通信等ノ確保ヲ重点トシ国土全域ニ亘ル防空態勢ノ強化ヲ図ル為緊急左ノ措置ヲ講ズ
一、建物疎開ノ実施
(一)地方長官ハ必要ト認ムル市街地(概ネ人口三万以上ヲ標準トス)ヲ対象トシ之ガ防衛ノ強化就中重要施設ノ防護ヲ図ル為建物疎開ヲ行フモノトス、但シ間引疎開ノ実施ニ当リテハ住宅ノ間隔設置ニ重点ヲ置クコト
(二)右実施ニ当リテハ人心ノ動向、生産、輸送等ノ情況ヲ考慮シ之ニ混乱ヲ生ゼシメザル如ク留意シ適宜措置スルモノトス
 建物疎開ハ現地又ハ其ノ近郊ニ於テ地下又ハ半地下的生活ニ移ルノ趣旨ヲ徹底ス之ガ為建物疎開ニ依リ生ズル古資材ハ戦時住宅等必要ナル施設ノ用途ニ之ヲ活用ス
二、都市要残留者ノ確保
 戦争遂行上緊要ナル機関、施設、工場等ノ要員タル都市要残留者ヲ具体的ニ調査再検討シ其ノ必要最小限度ヲ定ムルト共ニ右要員ニ対シ食糧住宅ノ供給其ノ他防衛上必要ナル措置ヲ講ジ併セテ要員絶対確保ノ方途ヲ実施ス
三、人員疎開ノ促進
(一)人員ノ疎開ハ四大重要地域以外ノ主要都市ニモ之ヲ実施スルコトトシ其ノ疎開先ヲ原則トシテ近郷農村ト為ス等簡易軽便ニ行フモノトシ可及的鉄道輸送ニ依ラザルモノトス
(二)疎開スベキ人員ノ種別、輸送等ハ四大地域ノ例ニ依ルモノトスルモ鉄道輸送ニ係ル貨物ハ計画的集約的ニ取纏メタルモノニ限ル
(三)右ニ伴ヒ人員疎開ノ受入態勢ノ整備ニ関シ臨時集団受入、其他適当ナル措置ヲ講ズルト共ニ集団帰農又ハ就労等ノ措置ヲ講ズ
四、戦災地ノ復興
 戦災地ニ付テハ真ニ必要ナル機関、施設、工場等及其ノ要員確保ヲ中心トシテ積極的ニ其ノ復興ヲ為スモノトシ、特ニ戦時住区ノ急速ナル整備ヲ図ル
五、生産防空ノ徹底
 既定疎開計画及之ニ関聯スル諸施策ノ遂行就中航空機工場ノ地下(半地下ヲ含ム)転移ノ急速完成ヲ期スルト共ニ地上建設ノ已ムヲ得ザルモノニ付テハ特ニ偽装秘匿ノ徹底ヲ図ル
六、運輸通信防空ノ急速実施
 既定施策ノ急速ナル実行ヲ期ス
七、民防空施設ノ飛躍的強化
 民防空態勢ノ飛躍的強化ヲ期スルト共ニ特ニ部落会、町内会等ノ共同作業ニ依リ丘陵、山岳等ヲ利用スル居住的横穴防空壕、平地ニ在リテハ蛸壺壕及最小限ノ食糧、衣料等ノ絶対確保ノ為ノ地下窖等ノ構築ヲ強力ニ実施セシム但シ之ガ実施程度ハ各地域ノ特性ニ応ズルモノトス
八、実施要領
(一)以上ハ原則トシテ地方長官ノ責任ニ於テ八月末迄ニ大略其ノ実施ヲ完了スルヲ目途トス此ノ場合ニ於テ地方総監ハ現地軍ト密接ニ聯繋シ之ヲ指導監督ス
(二)都市疎開ノ実施ニ関シテハ指定都市ノ長其ノ他ノ関係機関ニ対シ出来得ル限リ広汎ナル権能ヲ与へ之ガ急速ナル完遂ヲ期ス
(三)都市ニ残置スベキ機関、施設、工場等竝ニ其ノ要員ハ作戦上及軍需生産上ノ要求、地域的特性等ヲ考慮シ原則トシテ地方総監、関係陸海軍司令官トノ協議ニ依リ決定ス
(四)本件実施ニ方リテハ戦時緊急措置法ノ活発ナル適用、国民義勇隊、学徒隊等ノ出動ヲ図ル但シ食糧増産、軍築城作業及陸上輸送力ノ維持増強トノ調整ニ付措置スルモノトス
(五)本件実施ニ要スル経費ニ付テハ必要ニ応ジ国庫ヨリ之ヲ補助ス

昭和20年後半

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