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国鉄があった時代
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陸海軍船舶増徴ト戦力増強トノ調整ニ関スル非常措置ノ件

昭和18年9月23日 閣議決定

陸海軍ノ船舶増徴ト昭和十九年度ニ於ケル物的戦力特ニ航空戦力ノ飛躍的増強トノ調整ニ関シテハ戦争指導ノ要請ニ基キ左記第一ノ如ク主要戦力目標ヲ概定スルト共ニ之ガ遂行ノ為十八年度下期及十九年度ニ於テ新タニ左記第二ノ如ク輸送力ノ増強確保ヲ期ス
右目的達成ノ為メニハ先ニ決定セラレタル国政運用要綱ノ徹底的実施ト其ノ効果発揮ニ待ツベキモ特ニ物動計画及輸送力動員計画遂行上是非共急速実施ヲ要スル非常措置ヲ定ムルコト別冊ノ如シ
  左記
第一、十九年度戦力増強目標ヲ左ノ如ク概定ス

航空機(関連資材共)約0倍増産(対前年)
甲造船約一八〇万総噸
アルミニウム約二一万瓲
普通鋼々材五〇〇万瓲前後
特殊鋼約一〇〇万瓲
鍜鋳鋼約五五万瓲
鋳物用銑一三〇万瓲前後
電気銅約一五万瓲
セメント七〇〇万瓲前後
木材九、〇〇〇万石前後(内地)
備考 右目標数量ハ今後ニ於ケル具体的検討ニ依リ変更スルコトアルモノトス
第二、輸送力増強対策
今次陸海軍船舶増徴ニ対処シ輸送力増強ノ非常対策ヲ講ジ左ノ如ク輸送力ヲ捻出ス
一八年度下期百二十万噸程度
一九年度五百三十万噸程度

(別冊)
  物動及輸送力動員計画遂行上ノ非常措置事項
第一、物動計画遂行上ノ非常措置事項
 (一) 戦力目標達成確保ノ為メ昭和十八年度下期ニ於テ緊急措置スヘキ事項
  一、部門別措置事項
   イ 航空機関係 工作機械其他機械燃料並化学薬品ノ補強
   ロ 甲造船 十九年度増産ノ為ノ運転用資材ノ追配並施設強化
   ハ アルミニウム 日満支原料ヘノ転換促進電解能力ノ増強、所要電力ノ急速開発ピッチコークス電極ノ増産
   ニ 鉄鋼関係 内地及朝鮮鉱石ノ開発促進、選鉱、焼結能力、小型高炉ノ補強、簡易高炉ノ建設、製鋼(特殊鋼ヲ含ム)圧延能力ノ強化
   ホ 銅 関係鉱山ノ緊急開発、選鉱製錬設備ノ強化
   以上施策ニ用スル資材ハ極限迄節約ヲ断行スルモノトス
  二、右資材就中鉄鋼ノ捻出ニ関シテハ左ノ各種手段ヲ強行スルモノトス
   イ 適正量ヲ超ユル工場(軍管理工場ヲ含ム)在庫品ノ買上
   ロ 軍作業庁ノ在庫品ノ利用
   ハ 非常回収ノ促進並別途ノ供給源ニヨル第二次非常回収ノ断行
   ニ 官業及軍管理工場屑鉄ノ追加供出
   ホ 既決定転用物件ノ再検討ニヨル供出
   ヘ 鋼管切符ノ整理
   ト 増産ノ強行
   チ 以上ノ手段ニヨリ尚不足スル場合ニ於テハ下期ニ於ケルABCノ配当削減ヲ行フコト
   リ 尚ホ製鋼業者及問屋ノ在庫品ノ流動活発化ニヨリ現物入手ヲ促進シ前各項ノ施業ノ円滑ナル遂行ニ資スルモノトス
第二、輸送力動員計画遂行上ノ非常措置事項
 一、五十総噸以上ノ木船ニ対シ戦時海運管理令ニ依リ速ニ政府使用ニ断行スルコト
   尚五十総噸未満ノ木船ニ関シテモ地方沿岸輸送ノ確保ヲ図ル為強力ナル統制ヲ行フコト
   右ニ関連シ木船統制ニ必要ナル行政措置ヲ強力ニ断行スルノ外運航用燃料、資材及乗組員用品等ノ入手斡旋ニ関シ強力活発ナル機構ヲ確立スルト共ニ海務行政機構特ニ地方機構ノ刷新強化ヲ図リ木船運航ノ実態ヲ掌握スルコト
 二、木船輸送力ノ画期的増強ニ対応シ大型木造貨物船建造ノ確保ヲ図ルコト
 三、船舶護衛ノ強化、航行管理等ニ付特段ノ措置ヲ項ズルコト
 四、海陸総合輸送力発揮ノ観点ヨリ海陸輸送分野及経路ノ画定ヲ為シ更ニ陸運転移ヲ徹底的ニ強化スルコト
 五、輸送力ノ増強ニ資スル為メ炭種ノ統合配給機構ノ一元化ヲ断行スルコト
 六、木船輸送ノ増大並ニ陸運転移ノ強化ニ対応シ鉄道、車輌、自動車其ノ他陸運施設並ニ関係港湾施設ノ急速増強整備ヲ行フコト
 七、軍徴傭船ニ依ル支援輸送ト一般汽船ニ依ル輸送トヲ総合調整シ総合能率ノ発揮ヲ強化スルコト
第三、労務者及燃料確保ニ関スル件
 一、前記諸施策遂行ニ必要ナル労務者等ヲ緊急充足スルコト
 二、陸海軍ハ物動計画遂行上必要ナルC関係燃料就中機帆船運航ノ最極限活用并重要物資ノ生産増強用重油ノ確保ニ関シ徹底的ニ支援スルコト
以上要措置事項ニ関シテハ企画院ヲ中心ニ各庁協力ノ下ニ至急具体的方策ヲ確立シ之ガ実行ヲ期スルモノトシ其ノ実施ニ際シ未働遊休設備ヲ発生セシムルコト無キ様考慮スルモノトシ特ニ陸海軍ノ絶大ナル協力ヲ要スルモノトス

別冊乙号
 陸海軍船舶増徴ト戦力増強トノ調整ニ関スル非常措置ノ件ノ閣議決定ニ際シ左記事項ノ実施ヲ必要ト認ム
      記
一、普通鋼々材特ニ鋼材限定品種ノ需給調整並ニ鉄鋼統制ノ強化ニ関スル事項
 (一) 鋼材限定品種ニ付テハ凡有ノ施策ヲ講ジ之ガ増産ヲ図リ所要量ノ補填ニ資スルト共ニ軍需、造船、其ノ他各需要部門ニ於テ極力節減ヲ強行シ現行計画量ニ対シ概ネ二ー三割程度ノ圧縮ヲ加ヘ当面必要量ノ充足ニ努ムルモノトス
 (二) 本件ノ急速ナル遂行ヲ図ル為普通鋼々材圧延計画ハ速ニ所要ノ改訂ヲ為スモノトス
 (三) 以上ノ措置ニ関連シ軍民需ヲ通ジ鉄鋼配給ニ関シ強力ナル施策ヲ講ジ圧延管理配給ノ計画化等ニ付徹底ヲ図ルモノトス
二、交易営団買上鉄鋼ノ処理ニ関スル事項(適正量ヲ超ユル工場ー軍管理工場ヲ含ムー在庫品ノ買上ノ件)交易営団ノ鉄鋼買上ニ関シテハ在庫品活用ノ趣旨ニ基キ各工場ノ在庫ヲ概ネ月平均使用数量ノ八倍程度ニ止メシムルヲ目途トシ其ノ特ニ不都合アルモノニ付実情ニ応ジ考慮ヲ加フルモノトス
三、非常回収ノ強化促進ニ関スル事項
  非常回収物件ノ急速ナル処理ヲ確保スルガ為回収物件ノ撤去、運搬等ニ付特別徴用隊ノ構成、要スレバ陸軍工兵隊等ノ支援等ノ強力ナル措置ヲ講ズルモノトス
四、既決定転用物件ノ再検討ニ依ル供出ニ関スル事項
  既決定転用物件ニ付設備転用協議会ヲシテ昭和十九年度ニ於ケル戦力増強目標ノ達成ヲ焦点トシテ強力ナル再検討ヲ実施セシメ其ノ比較的緊要ナラザルモノハ速ニ之ヲ最供出セシムルモノトス
五、戦力増強目標達成上必要ナル資材確保ニ関スル事項
  戦力増強目標達成上必要ナル資材ニ付テハ之ヲ軍官民需ヲ通ジ最優先的ニ確保スルモノトシ特ニ所要機器ノ製作ニ付テハ之ガ優先的取扱ノ実効ヲ確保スルガ為機器ノ受註、製作ニ付一元的管理ヲ施ス等ノ強力ナル措置ヲ講ズルモノトス

昭和18年後半

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