内閣及各省行政簡素化案大綱
昭和17年8月7日 閣議決定
1 行政簡素化実施大綱
2 行政簡素化ニ依ル減員総括表(各省別)
追而各省間ニ移管スベキ事項ニ関シテハ内容及方法ハ追テ決定スルコト
尚満洲,支那及南洋ニ於ケル事務ノ簡素化及官吏ノ減員ニ付キテハ別途之ヲ行フコト
独立官庁,庁府県,外地ニ付キテハ引続キ決定ノコト
○内閣
1 行政簡素化実施大綱
(1)勅任官,奏任官,判任官,嘱託,雇員,傭人ニ付左ノ通減員ス
(表省略)
(2)内閣印刷局ハ総務部ヲ経理部ト改メ3課ヲ減ズ
(3)内閣東北局ノ専任局長ヲ廃止シ内閣部内高等官ヲシテ兼ネシムルコトトス
(4)内閣統計局ハ企画院ノ統轄下ニ置キ事務ノ簡素強化ヲ図ル
(5)内閣紀元2600年祝典事務局ハ本年度末迄ニ廃止スルコトトス
(6)法制局ハ部制ヲ廃止ス
(7)企画院ハ現在6部制ナルヲ5部制ニ改ム
(8)興亜院ハ政務部ヲ総務部卜改メ,総務部長ハ総務長官ノ兼任トス
2 行政簡素化実施ニ依ル減員総括表(各省別総括表参照)
○外務省
1 行政簡素化実施大綱
(1)部局ノ廃止,統合,新設
中央官庁
(イ) 総務局ヲ新設ス
(ロ) 南洋局ト東亜局ヲ合シテ1局(名称東亜局)トス
(ハ) 調査部ヲ廃止ス
(2)勅任,奏任,判任,嘱託,雇員,傭人別減員数
中央官庁
(イ)勅任官 3 (ロ)奏任官 49
(ハ)判任官 81 (ニ)嘱託 79
(ホ)雇員 94 (ヘ)傭人 180
地方官庁
(イ)勅任官 7 (ロ)奏任官 48
(ハ)判任官 47 (ニ)嘱託雇員,傭人 ―
地方庁ニ於ケル嘱託,雇員,傭員ニ付テハ(在外公館)予算定員ナク予算上人件費,物件費トシテ一定ノ金額ヲ計上シ其ノ範囲内ニ於テ適当ニ雇傭ス従テ官吏ガ減員サルレバ其レニ伴フ人件費,物件費モ減少スルコトトナルモノニシテ人員ノ算出ハ不能ナリ
(3)勅任官減員ノ説明
行政簡素化ノ要旨ニ則リ部局改廃等ニ依リ勅任部長1,勅任事務官2,計3名ヲ減員セントスルモノナリ
2 行政簡素化実施ニ依ル減員総括表(各省別総括表参照)
○内務省
1 行政簡素化実施大綱
(1)部局ノ廃合
局内課ノ廃止三アルモ部局ノ廃止統合等無シ
(2)行政簡素化実施ニ依ル減員調
(3)減員数ノ所定率ニ達セザル理由
(イ) 神宮司庁職員中左記ノ者ハ国家ノ重儀タル神宮祭祀ニ奉仕スル者ナルヲ減員スルコトヲ得ズ
勅任 2(大宮司一,少宮司一)
奏任 11(禰宜11)
(表省略)
判任 60(権禰宜20,宮掌40)
判任待遇 9(伶人9)
(ロ) 神宮神部署職員中左記ノ者ハ神宮ニ於ケル臣民奉賽ノ祭祀ヲ掌ル者ナルヲ以テ減員スルコトヲ得ズ
奏任待遇 2(神部2)
判任待遇 40(神部補28,伶人12)
(4)地方庁関係ハ別途考慮スルモノトス
2 行政簡素化実施ニ依ル減員総括表(各省別総括表参照)
○大蔵省
1 行政簡素化実施大綱
(1)部局ノ廃止,統合,新設
○中央官庁
(イ) 本省ニ於テ理財局ト会社部ハ之ヲ廃止シ新タニ1局ヲ設置シ従来理財局及会社部ニ於テ取扱ヒ居リタル事務ノ大部分ハ整理ノ上之ニ移ス
(ロ) 新タニ本省ニ総務局ヲ設置ス
(ハ) 為替局ノ名称ヲ外資局ニ改メ,為替局ニ於テ取扱ヒ居リタル事務ノ外理財局外事課等ニ於テ取扱ヒ居リタル事務等ヲ之ニ移ス
(ニ) 国民貯蓄奨励局ハ之ヲ内局トシ,長官次長制ヲ廃止シ局長ヲ置ク
(ホ) 預金部ハ之ヲ内局トシ,長官制ヲ廃止シ局長ヲ置ク
(ヘ) 営繕管財局ハ之ヲ内局トシ,部制ヲ廃止シ,局長,勅任技監ヲ置ク
(ト) 財務官ノ定員中2名(米国及中華民国駐在)ヲ減少ス
(チ) 其ノ他局内ノ課ノ整理統合ヲ行フ
○地方官庁
財務局及税関ノ部ノ整理統合ヲ行フ
○作業庁
営繕管財局(工務部)ヲ内局トスル(中央官庁ノ部参照)ノ外ハ従前通リトス
(2)減員数調
(表省略)
備考 中央官庁勅任官減員7名中1名ハ営繕管財局工務部勅任技師ナルヲ以テ作業庁勅任官ノ減員ニ算入スベキモノナリ
(3)減員数ノ所定率ニ達セザルモノノ説明
1 税務署ハ地方官庁トシテ所定ノ率ニ依ルトキハ2割ノ減員ヲ為スベキ処左ノ理由ニ依リ之ヲ1割ノ減員ニ止ムルコトトセリ
(イ) 最近納税人員,課税物件ノ著シキ増加ニ依リ事務分量モ急激ナル増加ヲ示シ従事人員ノ不足甚シキ実情ニアルコト
(ロ) 単ナル事務分量ノ増加以外ニ免税,軽減,控除,減価償却ノ特例其ノ他各種ノ負担軽減措置ノ為事務ノ内容著シク複雑化セルコト
(ハ) 国民ノ所得,会社ノ利益其ノ他課税物件ノ増加ト同時ニ国民経済ノ情勢ノ変化著シキ為事務ノ質的困難性増大セルコト
(ニ) 累次ノ増税ニ依リ税率ハ相当高率トナリ調査ノ適否ガ国民ノ利害休戚並ニ国庫ノ収入ニ及ボス影響モ増大シ事務ノ質的重要性加重セラレタルコト
(ホ) 以上要スルニ税務署事務ノ大部分ハ任意ニ伸縮セシムルコト困難ニシテ,税法ノ規定ニ基キ要調査人員,要処理件数ハ謂ハバ他動的ニ決定セラレ且調査事務ノ内容ハ最近愈々複雑困難トナルト共ニ重要性ヲ増シ来レル実情ナルヲ以テ減員数ニ付テハ之ヲ作業庁卜同様ニ取扱フ必要アルコト
2 税務署以外ノ各庁ノ勅任官,奏任官及判任官ニ付テハ減員スベキ数ヲ官制別,官名別,経費別ニ合理的ナル配分ヲ為シタル結果減員スベキ数ニ対シ実際減員数ハ多少ノ差異アルモ減員ノ総数ニ付テハ算出通リナリ(尚別表備考参照)
(4)以上ノ案ニ付テハ今後猶実施迄ノ間ニ更ニ簡素化ノ趣旨ニ基キ工夫ヲ加へ改善変更ヲ為スコトアルベシ
2 行政簡素化実施ニ依ル減員総括表(各省別総括表参照)
○司法省
1 行政簡素化実施大綱
(1)中央官庁 司法本省ニ於ケル調査部ノ廃止
大審院ニ於ケル民事部及刑事部各一部ノ廃止
地方官庁 区裁判所101箇所ノ事務取扱ノ停止
地方裁判所支部38箇所ノ取扱事務ノ範囲ノ縮小及同7箇所ノ廃止
作業庁 刑務支所4箇所ノ廃止
(2)司法省所管職員ノ減員数(次表参照)
(3)減員数ノ所定率ニ達セザルモノ
(イ) 中央官庁ノ勅任ノ要減員数ニ達セザル2人中1人ハ作業庁ノ勅任1人ヲ以テ之ニ充テ,他ノ1人及奏任ノ要イ員数ニ達セザル3人ハ地方官庁ノ奏任4人ニ振替減員ス
(表省略)
(ロ) 地方官庁ノ勅任ノ要減員数ハ26人ナルトコロ,其ノ大部分ガ1庁1人ノ監督官(控訴院長,検事長,地方裁判所長及検事正)ナルヲ以テ,已ムヲ得ズ奏任26人ニ振替減員シタリ
尚奏任1人ノ要減員数ニ達セザルモノアルモ,実際配置上之ガ減員不能ナルニ依リ減員ヲ行ハズ
2 行政簡素化実施ニ依ル減員総括表(各省別総括表参照)
○文部省
1 行政簡素化実施大綱
(1)部局ノ廃止,統合,新設
中央官庁
廃止,統合,新設
1 文教ニ関スル重要政策ノ総合調整ニ図リ時務ノ処理ヲ大局的ニ適正ナラシムル為総務局ヲ設置ス
2 専門学務局,普通学務局及実業学務局ヲ廃止シ新ニ専門教育局及国民教育局ヲ設置ス
3 会社教育局及宗教局ヲ廃止シ新ニ教化局ヲ設置ス
4 新ニ内局トシテ科学局ヲ設置ス
5 外局タル教学局ヲ内局トシ勅任部長ヲ減ジ部制ヲ廃止ス
6 教育調査部ヲ廃止ス
地方官庁,作業官庁ノ部 該当ノモノナシ
(2)勅任,奏任,判任,嘱託,雇員,傭人別減員数
中央官庁
(表省略)
地方官庁
該当ノモノナシ
作業官庁
(表省略)
(3)減員数ノ所定率ニ達セザルモノノ説明
1.中央官庁
図書監修官及宮補ハ2割ヲ減員ス
2.地方官庁
該当ノモノナシ
3.作業官庁
(イ) 事務職員中1人1官ノモノハ職務ノ実情ヨリ見テ整理困難ナリ
(ロ) 教育研究技術職員中勅任官,奏任官及判任官ハ文科系統ノ定員ノ1割ニ相当スル員数ヲ減ズ但シ総定員ノ1割迄ハ大東亜各地ニ供出スルノ態勢ヲ確保ス
2 行政簡素化実施ニ依ル減員総括表(各省別総括表参照)
○農林省
1 行政簡素化実施大綱
(1)部局ノ廃止,統合
イ 中央官庁
1.農林省資材部ヲ廃止シ所属課ヲ他局ニ統合スルコト
2.重点主義ニ基キ課ノ廃合ヲ行フコト
ロ 作業庁
1.農村工業指導所ト米穀利用研究所トヲ統合スルコト
2.毛皮獣養殖所ヲ営林局ニ統合スルコト
3.輸出生糸登録所ヲ生糸検査所ニ統合スルコト
(2)簡素化ニ依ル職員減員数
(表省略)
(3)減員数ノ所定率ニ達セザルモノノ説明
地方庁ノ勅任官1人ヲ減ズベキモ全部当該地方庁ノ長タルヲ以テ之ヲ減員スルコト能ハザル為地方庁奏任官ノ減員ヲ所定率ヨリ更ニ1人減員シテ之ヲ補ヘリ又作業庁ノ奏任官44人ヲ滅ズベキモ内10人ハ営林署長1人ハ漁業取締船船長タルヲ以テ之ヲ減員スルコト能ハザル為作業庁判任官ノ減員ヲ所定率ヨリ更ニ11人減員シテ之ヲ補へリ
2 行政簡素化実施ニ依ル減員総括表(各省別総括表参照)
○商工省
1 行政簡素化実施大綱
(1)部局ニシテ廃止,統合,新設スベキモノ
(イ)中央官庁
1.鉱産局及鉄鋼局ヲ合併シ金属局ヲ新設スルコト
2.燃料局第1部及第2部ヲ合併シテ石油部トスルコト
3.貿易局(外局)ヲ廃止シ内局トシテ交易局ヲ新設スルコト
(ロ)地方官庁
ナシ
(ハ)作業庁
花莚検査所ハ之ヲ廃止スルコト
(2)減員数調
(表省略)
備考
地方官庁及作業庁ノ勅任官各1名減員スベキモ,夫々所長又ハ局部長タルモノナルヲ以テ夫々奏任ヲ以テ振替タリ
2 行政簡素化実施ニ依ル減員総括表(各省別総括表参照)
○逓信省
1 行政簡素化実施大綱
(1)部局ノ廃止,統合,新設
(イ)逓信省
イ,戦時下逓信事業ノ予算,人員,物資其ノ他ニ於テ総合的計画性ノ極メテ必要ナルニ鑑ミ現在ノ官房企画課及経理局ヲ合併シ総務局ヲ設クルモノトス
ロ,管理局ヲ廃止シ郵務局現在ノ事務量ニ鑑ミ従来管理局ニ於テ掌理セル従事員ノ保健及養成ニ関スル事務ヲ同局へ移管スルモノトス
ハ,外局タル電気庁ハ部制ヲ廃止シ逓信省ノ内局(電気局)トシ局長ノ下ニ技監ヲ置キ技術ニ関シ局長ヲ補佐シ技術官ヲ統轄セシム
(ロ)簡易保険局
逓信省及保険院ニ重複スル簡易生命保険及郵便年金ノ管理事務ヲ単一化スル為保険院簡易保険局ヲ逓信省ニ移管シ同局ヲ逓信省ノ外局トスルモノトス
(ハ) 電気庁
電気庁ハ之ヲ廃止スルモノトス
(ニ) 海務院
部長ノ内1人ハ次長ヲシテ之ヲ兼ネシムルモノトス
(ホ) 航空局
第2部長ヲシテ航空試験所長ヲ兼ネシムルモノトス
(ヘ) 逓信局
イ,東京都市逓信局ト東京地方逓信局トヲ合併シ東京逓信局ト改称スルモノトス
ロ,工務出張所ハ通信官署ニ移管スルモノトス
(ト) 通信官署
逓信局工務出張所ヲ通信官署ニ移シ電信電話工事局ト改称ス
(2)勅任,奏任,判任,嘱託,雇員,傭人別減員数(○数字ハ待遇官吏ノ再掲)
(表省略)
(3)減員数ノ所定率ニ達セザル説明
(イ) 中央官庁ノ勅任官ハ各官庁ノ行政簡素化ヲ極力行フモ結局8人ヲ超エル減員ハ不可能トス依テ所定ノ9人ニ対シ1人不足スルヲ以テ奏任官ヲ以テ之ニ振替フルモノトス
(ロ) 地方官庁ノ勅任官ハ何レモ地方局ノ局長ニシテ現下ノ諸状勢ニ鑑ミ1人ヲ超エル減員ハ不可能トス依テ所定ノ2人ニ対シ1人不足スルヲ以テ奏任官ヲ以テ之ニ振替フルモノトス
(ハ) 作業庁ノ奏任官ハ地方官庁ノ奏任官ニ比シ減員ノ余地極メテ少キヲ以テ99人ヲ超エル減員ハ困難トス依テ所定ノ101人ニ対シ2人不足スルヲ以テ地方官庁ノ奏任官ヲ以テ之ニ振替フルモノトス
(4)特定郵便局長ヲ減員セザル説明
現下国民貯蓄ノ増強ヲ緊要トスル際特定郵便局ヲ廃止スルコトハ不可能ニ付従テ特定郵便局長ハ減員ヲ為シ得ザルモノトス
2 行政簡素化実施ニ依ル減員総括表(各省別総括表参照)
○鉄道省
1 行政簡素化実施大綱
(1)部局ノ廃止,統合,新設
(イ) 中央官庁ノ分―本省機構ノ改編
イ 官房ニ考査室,秘書課,文書課及交通博物館ノ設置
現下考査事務ノ重要性ニ鑑ミ大臣官房ニ考査室ヲ置ク
国内ハ勿論大東亜各地域ニ亘リ適材適所主義ニ依ル職員ノ配置及人材ノ綜合的活用ヲ為スト共ニ率先垂範信賞必罰ヲ明確ニスルコトノ緊要性ニ鑑ミ秘書課ヲ設置ス
文書課ノ事務ヲ調整合理化スルト共ニ弘報事務ヲ拡充強化ス
交通博物館ヲ拡充シ大東亜ニ於ケル交通資料ノ蒐集整備ノ完璧ヲ期ス
ロ 総務局ノ設置ト官房法規課,経理局及鉄道調査部ノ廃止
陸運各部門計画ノ綜合ヲ図リ国家総動員計画,国土計画,産業立地計画等ト陸運計画トノ関連ヲ保持シ大東亜交通ノ一環トシテ陸運計画ヲ設定スルノ必要ト特別会計予算事務ノ綜合的性格トヲ考慮シ総務局ヲ設置ス,又統計事務ノ完璧ヲ期スル為審査統計所ヲ附置ス
官房法規課,経理局及鉄道調査部ハ之ヲ廃止ス
ハ 要員局ノ設置ト官房人事課外3課ノ廃止
国内及大東亜ニ於ケル交通要員ノ量的,質的養成確保ノ緊要ナルニ鑑ミ要員局ヲ設置ス
官房人事課,保健課,現業調査課及養成課ハ之ヲ廃止ス
ニ 監督局ヲ監理局ニ改編
地方鉄道,軌道特ニ自動車ニ対スル行政ヲ強化スルト共ニ之等ニ対スル国家ノ指導的性格ヲ明スル為監督局ヲ監理局ニ改メ鉄軌統制会ニ権限ノ一部ヲ委譲シ各課ヲ廃合整理ス
ホ 業務局ノ設置ト運輸局及国際観光局ノ廃止
輸送業務ハ国家総力発揮ノ基礎要件ニシテ陸運機関ノ全能力ヲ綜合的ニ発揮シ施策ノ重点的運用ヲ図ル為業務局ヲ設置ス国際観光局ノ業務ハ国際状勢ノ推移ニ伴ヒ連絡運輸トノ関連ニ於テ国際交通宣伝ニ重点ヲ置キ大東亜紐帯強化ニ資スルノ要アルヲ以テ業務局ヲシテ管掌セシム
運輸局及国際観光局ハ之ヲ廃止ス
ヘ 施設局ノ設置ト官房幹線調査課,建設局,工務局及電気局ノ廃止
輸送施設ヲ綜合的ニ計画シ技術ノ有機的連関ニ努メ工事ノ促進及能率ノ向上ヲ図リ以テ輸送力ノ増強ヲ期スル為施設局ヲ設置ス
官房幹線調査課,建設局,工務局及電気局ハ之ヲ廃止ス
ト 資材局ノ設置ト需品局及工作局ノ廃止
交通資材ノ綜合的確保及活用,交通機器産業ノ指導及拡充,省営工場ノ動員等ニ関シ国内ハ素ヨリ大東亜ノ広域ニ亘リ綜合的計画ヲ樹立実施スル為資材局ヲ設置ス
工作局及需品局ハ之ヲ廃止ス
(ロ) 地方官庁ノ分―鉄道局機構ノ改編
本省機構ノ改編ニ対応シ総務部,監督部,運輸部,運転部,船舶部(広島,札幌鉄道局ニ限ル),工務部,工作部,電気部,経理部ノ9部ヲ整理シ総務部,業務部,施設部,資材部,船舶部(門司,札幌鉄道局ニ限ル)ノ5部ニ改メ特ニ業務複雑ナル京浜,阪神地方ヲ所管スル東京,大阪両局ニハ右ノ外ニ列車部,電気部ノ2部ヲ増置ス
(ハ) 作業庁ノ分
イ 鉄道局運輸,保線事務所其ノ他ノ統合
鉄道現業直接ノ監督機関タル運輸,保線事務所ハ略同一地域ヲ所管スルモノナルガ故ニ之ヲ一元化シ事務処理ノ能率化ヲ図ル為鉄道事務所ヲ設置シ運輸,保線事務所其ノ他ヲ統合整理ス
東京附近及大阪附近ノ運輸,保線事務所ノ統合ニ関シテハ別途研究ノ上措置ス,電力事務所ノ統合ニ付テモ亦同ジ
ロ 本省直轄事務所ノ整理
本省直轄事務所ハ本省ニテ直轄施行ヲ要スル特殊工事ニ関シ必要ナルモノノミヲ設置スルコトトシ現在ノ14本省直轄事務所中9事務所ハ之ヲ鉄道局ニ移管スル方針ナリ
(2)勅任,奏任,判任,嘱託,雇員,傭人別ニ減員数(中央官庁,地方官庁,作業庁別)
(表省略)
註 雇員ニハ鉄道手ヲ含ム
(3)減員数ノ所定率ニ達セザル理由
地方官庁ノ勅任官ノ減員数ハ所定率ニ依レバ2人トナルベキモ鉄道局長ノ職務ノ重要性ニ鑑ミ之ヲ廃止スルコトヲ得ザルニ付奏任官ヲ2人減ジテ之ニ替フルコトトセリ
作業庁トシテハ勅任官ノ減員スベキモノナシ
(4)官名ノ統一
鉄道省ノ業務ハ純然タル行政ト企業ノ運営トヲ渾然一体有機的関連ニ於テ行フルモノナルコト及之ガ遂行ニハ事務卜技術トノ両方面ニ通暁セシメ人材ヲ事務技術ノ区別ナク活用スルノ必要ナルコトニ鑑ミ官名ヲ統一ス
2 行政簡素化実施ニ依ル減員総括表(各省別総括表参照)
○拓務省
1 行政簡素化実施大綱
(1)勅任官,奏任官,判任官,嘱託,雇員,傭人ニ付左ノ通減員ス
(表省略)
(2)朝鮮部ハ之ヲ廃止シ其ノ所掌事務ハ之ヲ夫々管理,殖産ノ両局ニ分掌セシム
(3)殖産局ハ1課ヲ減ジ3課トシ分課ノ再編成ヲ行フ
(4)移住教養所ノ職員ハ特ニ半減ス
(5)庁府県ニ於ケル拓務関係職員ハ内務省ノ地方庁職員ノ分ト別途一括考慮スルモノトス
2 行政簡素化実施ニ依ル減員総括表(各省別総括表参照)
○厚生省
1 行政簡素化ニ伴フ部局ノ廃止,統合,新設
(1)中央官庁
1 現行厚生省官制6局ヲ人口,民生(仮称),医務(仮称),労政(仮称)ノ4局ニ改編統合ス
尚厚生省ニ技術ヲ統理スル技監ヲ置ク
2 保険院官制ヲ廃止シテ本省ノ1局トナシ簡易保険局ハ之ヲ逓信省ニ移管ス
3 軍事保護院ハ時局ノ現況ニ鑑ミ概ネ其ノ儘トス
(2)減員数調
(表省略)
(3)奏任官以下ノ減員数所定率ニ達セザル理由
傷兵院,少年教護院等ハ特殊ノ施設ニシテ其ノ減員困難ナルニ依ル
2 行政簡素化実施ニ依ル減員総括表(各省別総括表参照)