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国鉄があった時代
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国立国会図書館から引用

昭和16年度電力動員計画綱領ニ関スル件

昭和16年9月9日 閣議決定

  第一章 総則
第一 本綱領ハ昭和十五年度以降国家総動員計画設定方針(昭和十四年六月十六日閣議決定)ニ基キ最近ニ於ケル国際情勢ノ推移ニ鑑ミ生産力拡充計画及他ノ総動員計画ト相俟テ昭和十六年度ニ於ケル電力ノ需給計画(別表昭和十六年度電力需給対照表)ヲ設定シ之ガ計画実施上必要ナル措置ノ大綱ヲ定ム
第二 計画ノ設定並ニ実施上重点トスル事項左ノ如シ
 一、軍需其他重要生産部門ニ対スル電力ノ供給ヲ確保シ且国民生活最低限度ノ需要ニ支障ナカラシム
 二、電力ノ需給逼迫セル現状ニ鑑ミ電源開発ノ重点的促進、既設電力設備ノ活用及其ノ能率向上ヲ図リ消費規正ノ徹底化等ト相俟テ極力電力需給ノ均衡ニ努ム
 三、緊急事態ニ対処シ電力設備ノ運用並ニ電力配給ニ混乱ヲ生ゼシメザルヤウ万全ノ措置ヲ講ズ
第三 本計画ノ円滑ナル実施ヲ図ル為所要物資、資金、及労務ノ確保ニ付万全ノ措置ヲ講ズ
第四 各庁ハ本綱領ニ基キ速カニ各庁実施計画ヲ設定シ其ノ要領ヲ企画院ニ提出ス
   各庁ハ企画院ト密接ナル連繋ノ下ニ其ノ設定セル各庁実施計画ヲ実施ス
第五 関係各庁ハ生産拡充部門ニ於ケル電力配給量ノ事業ニ及ボセル影響及之ガ対策等ニ関スル調査ヲ行ヒ四半期毎ニ取纏メ企画院ニ提出ス
  第二章 電力ノ供給確保ニ関スル事項
第六 電力供給能力ノ緊急増強ヲ図ル為左ノ方策ヲ実施ス
 一、軍需其ノ他重要需要ニ対スル電力供給ノ確保ヲ目途トシ発電、送電又ハ配電施設ヲ重点的ニ整備ス
 二、既設電力設備ノ改善ニ付積極的措置ヲ講ジ以テ其ノ能率向上並ニ資材ノ経済的利用ニ努ム
 三、発電水力ノ使用方法ノ変更ニヨリ緊急供給力ヲ増強シ得ルモノハ関係各庁協力シ速カニ之ガ実現ヲ期ス
 四、送電連絡ノ強化、周波数ノ変換等ニ付速カニ措置ス
 五、自家用電力ノ動員及施設ノ徴用ヲ急速ニ実施シ得ルヤウ必要ナル各般ノ措置ヲ講ズ
第七 発電用炭ノ確保ニ付特ニ左ノ措置ヲ講ズ
 一、発電用炭ノ配給ニ関シテハ関係各庁緊密ナル連絡ヲ図リ之ガ確保ニ努ム
 二、現有火力発電力ノ維持ヲ図ル為適正炭ノ確保ニ努ムルト共ニ非適正炭ノ消化ニ付積極的方策ヲ講ズ
 三、異常渇水ニ因リ供給力ノ減少スル虞アル場合ハ発電用炭ノ補給ニ付緊急措置ヲ講ズ
 四、輸送機関ノ逼迫ニ伴フ発電用炭ノ入手難ニ備フル為、送□其ノ他ノ方法ニヨリ極力其ノ計画貯蔵ニ努ム
 五、必要ニ応ジ石炭ノ徴用ヲ為シ得ル如ク措置ス
第八 主要電力設備ノ防空及防衛対策ヲ講ズルト共ニ□□ノ修□ヲ速カナラシムル為資材及労力ノ確保其ノ他必要ナル措置ヲ講ズ
第九 事業ノ運営ヲ円滑ナラシムル為、従業員特ニ技術者ノ短期養成等之ガ確保ヲ図ル
  第三章 電力ノ配給、消費ニ関スル事項
第十 電力ノ配給ニ当リテハ概ネ左ノ方針ニ依リ国防目的達成上緊急已ムヲ得ザルモノニ限リ厳選配給ス
 一、軍需ノ充足ニ努ム
 二、生産力拡充計画ノ遂行ニ努ム
 三、国民生活最低限度ノ確保ニ努ム
 四、其ノ他ノ需要ニ対シテハ極力之ヲ圧縮ス
第十一 新規需要ニ対シテハ電力需給ノ逼迫セル現状ニ鑑ミ前項ノ方針ニ依リ厳選配給スルト共ニ工場ノ新増設ニ当リテハ関係各庁ハ電力供給ノ可能性ヲ確認ノ上措置ス
第十二 電力供給ノ逼迫度ニ応ジ直チニ消費規正ヲ強化シ得ルヤウ各般ノ準備ヲ為ス
第十三 娯楽的又ハ奢侈的需要ニ対シテハ必要ニ応ジ電力ノ供給ノ全面的ニ停止シ得ル如ク措置スル等電力消費規正ノ徹底ヲ講ズ
第十四 電力使用ノ合理化ヲ図ル為左ノ措置ヲ講ズ
 一、電力需要ノ季節的及時間的調節ヲ図ル為期間常時電力、深夜間電力及不定時電力ノ利用等水力ノ活用ニ努ム
 二、電力ノ能率的使用、力率ノ改善、高能率電力消費機器ノ使用等ニ付積極的措置ヲ講ズ
 三、電気料金ニ付準備料金制ノ徹底化ヲ図ル等速カニ現時局ニ相応セル措置ヲ講ズルト共ニ不急産業部門ニ対シテハ契約電力ノ圧縮ニ努ム
  第四章 其ノ他
第十五 電力動員ノ徹底ヲ期スル為左ノ方策ヲ講ズ
 一、配電統制ヲ促進シ以テ電力動員体制ヲ整備ス
 二、朝鮮ニ於ケル電気事業ニ対シテハ速カニ「国家管理体制」ヲ整備強化ス
第十六 電力用機器製造事業ノ自給自足ヲ目途トシ其ノ生産ヲ急速ニ増強セシムル為電力用機器製造事業ニ対スル統制ヲ強化シ以テ電力動員ノ完遂ニ即応セシムル

(別表省略)

昭和16年後半

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