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国鉄があった時代
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国立国会図書館から引用

鉄鋼生産力拡充計画ニ関スル件

昭和15年12月27日 閣議決定

(一) 方針
 現下ノ国際情勢ニ鑑ミ速カニ東亜経済圏内ニ於ケル自給自足ニ依ル鉄鋼業ヲ確立シ以テ高度国防建国家設ノ基礎ヲ樹立セントス
 之ガ為先ヅ昭和十七年ヲ目標トシ外国屑鉄依存ヨリ依存ヨリ離脱スル目的ノ為メノ鉄鋼諸対策ヲ急速実施スルト共ニ之ト併行シテ現存設備ノ全面的活用ト之ニ必要ナル各種資源ノ急速開発増産ヲ図リ更ニ進ンデ昭和二十五年ヲ目標トシ同ジク第三国屑鉄ニ依存セザル方針ノ下ニ第二次鉄鋼増産計画ヲ確立ス
 本計画ニ基ク日満支各種施設ノ実施ニ付テハ当該産業ノ特殊性ニ鑑ミ全面的優先取扱ノ措置ヲ執ルト共ニ特ニ満支ノ事業ニ対シテハ内外地事業ト一体的見地ニ基キ其ノ運営保持ノ為必要ナル合理的措置ヲ講ジ且現地機関ハ之ニ対シ特別ナル指導援助ヲ為スモノトス
(二) 要綱
 前記方針具現ニ関シ便宜之ヲ
 イ 原料
 ロ 輸送
 ハ 労力
 ニ 技術
 ホ 資金
 ヘ 価格
 ト 第二次増産計画
 ノ区分ニ依リ具体的方策ヲ樹立スルモノトシ其ノ要綱次ノ如シ
 イ 原料
  (1) 鉄鉱石
    日満支ヲ通ジ一貫セル方針ノ下ニ開発ヲ促進スルト共ニ南洋鉄石ニ付テハ依然トシテ之ガ確保ヲ図ル、特ニ最悪ノ場合南洋鉄石ノ利用困難ナルコトアルヲ予期シ長江沿岸ノ鉄鉱山ノ急速開発増産ヲ図ルト共ニ第一輸送力之ニ伴ハザル場合ニ於テハ、現地貯蔵、其ノ他之ニ関スル特殊金融的措置ヲ考究スルモノトス
  (2) マンガン鉱
    日満支マンガン鉱山ノ開発促進、海外資源取得先ノ分散ヲ為スト共ニ低品位マンガン鉱ノ利用、製鉄用マンガン鉱ノ節約等ニ付技術的研究ヲ進ム
  (3) 石炭
    日満支ヲ通ジ石炭ノ増産特ニ製鉄用適性炭ノ出炭増加ヲ図ル為資材、技術、労力ノ供給ヲ優先確保シ併セテ海陸輸送設備及洗炭設備ノ整備充実ヲ期スルト共ニ三国間ニ於ケル製鉄用炭ノ合理的配分ヲ図リ尚製鉄用適性炭ノ他ノ用途ニ流用セラルルコトヲ極力制限スル如ク措置ス
  (4) 特殊鋼原料
    主原料タル製鋼原鉄及副原料タルクロム、ニツケル、コバルト、タングステン、モリブデン、ワナヂウム等ニ付キ現有設備ノ急速拡充、円ブロック内低品位鉄石ノ利用促進、並ニ新資源ノ探求、開発ニ付キ特別ノ措置ヲ講ズ
 ロ 輸送
  製鉄業ノ円滑ナル運営ヲ期スル為鉄鉱石、石炭及製鉄用副原料等ノ輸送ニ付テハ詳細ナル計画ノ下ニ配給、配車等ノ実行ニ付キ優先的考慮ヲ払フモノトシ特ニ製鉄原料ノ海上輸送ニ関シテハ貨物ノ形状重量及取扱量ノ尨大ナルニ鑑ミ特殊設計ニ基ク船型ノ採用並ニ荷役及港湾施設ノ機械化ニ依リ能率ノ増進ヲ図ル
 ハ 労力
  鉄鋼優先主義ノ方針ニ基キ労務動員計画ノ立案実施ニ当リテハ鉱山、製鉄工場、運輸及荷役方面所要労力ノ優先的配置、移動ノ防止、素質ノ向上及能率ノ増進ニ付キ格別ノ考慮ヲ払フ
  尚満洲及支那ニ於ケル労力ノ需給ニ遺憾ナカラシムル如ク措置スルモノトス
 ニ 技術 
  現下ノ事態ニ直面スル諸般ノ重大ナル命題ニ対シテハ旺盛ナル研究ト活発ナル技術的解決ノ協力ヲ要スルコト切ナルモノアリ仍テ各般ノ業務ニ技術陣ヲ広ク動員シ以テ鉄鋼生産力拡充計画ノ完遂ヲ図ル
 ホ 資金
  鉄鋼生産力拡充ニ要スル資金ハ既定計画所要資金ノミニテモ相当多額ヲ要シ更ニ将来ノ大拡充計画ノ為ニ要スル資金ニ至リテハ極メテ尨大ナル金額ニ達スルヲ以テ現在ノ金融機構ニ於テ業者ノ自力調達ヲ期待スルハ甚ダ困難ナリ依テ資金計画設定ニ当リテハ之ヲ優先的ニ取扱ヒ日満支ヲ通ズル資金調達ノ為日本政府ハ国家的援助ヲ与フル等特別ノ措置ヲ講ズルモノトス
 ヘ 価格
  生産費ノ高騰ハ急速増産ノ為メ免ルベカラザル減少ナルノミナラズ屑鉄製鋼法ヨリノ離脱ハコノ傾向ヲ助長スルモノナルヲ以ニ、政府ノ助成、又ハ適正価格ノ設定等ノ措置ニ依リ生産力ノ増強ニ支障無カラシムルモノトス
 ト 第二次鉄鋼増産計画
  将来ニ於ケル鉄鋼需要需要量ヲ考察スルトキ第二次鉄鋼増産計画ノ実施ハ必然的且ツ優先的ノモノナルニ鑑ミ今日ヨリ之ガ計画ヲ進メ以テ東亜経済圏内ニ於ケル賦存資源ノ有効利用ニ付キ適切ナル調査研究ヲ為スト共ニ必要ナル準備事項ハ着々実施ニ移スルノトス
(三) 実施計画
 昭和十七年ヲ目標トシタル鉄鋼生産力拡充計画ノ実施ハ概ネ別冊「昭和十五年十二月改訂鉄鋼生産力拡充計画」ニ依ルモノトス
 但シ実施上必要ナル修正ハ適時加フルコトアルベキモノトス

昭和15年後半

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