日本国有鉄道 ＪＮＲ ＪＲ 鉄道省 国鉄 国鉄型車両 第３セクター鉄道 分割民営化 鉄道史 昭和 労働運動史

　パルプ製造事業ヲ振興シ本邦パルプノ自給自足ヲ図ルコトハ時局ニ鑑ミ刻下喫緊ノ要務ナルヲ以テ新会社ノ設立ニ依ルパルプノ増産ヲ根幹トシ之ニ応急措置トシテノ設備改善及製紙用パルプ工場ノ人絹用パルプ工場ヘノ転換ヲ図ルト共ニ東北振興パルプ株式会社ノ増産ト合セ昭和十七年二於テ二十四万四千屯ノ増産ヲ図ルニ於テハ新原料及既存拡充計画ニ属スル増産ヲ合セ四十七万九千屯ノ増産ヲ遂ゲ更ニ日満ヲ通ジタル総合的産業計画ノ下ニ於テ同年満洲国ヨリ三十万屯ノ輸入ヲ図リ依テ本邦所要パルプノ自給ヲ完成セントス而シテ前記二十四万四千屯ノ増産ニ必要ナル木材三百六十七万五千石ノ供給ハ左ノ実施要綱ニ従ヒ増伐セシムルモノトス。
　　実施要綱
一、人絹及ステープル・ファイバーノ製造業者並ニ製紙業者（王子製紙株式会社ヲ除ク）等パルプ消費者ヲ以テ新ニパルプ製造会社ヲ組織セシメ少クトモ人絹用パルプ十万屯、製紙用パルプ六万二千屯計十六万二千屯ノ生産ヲ為サシメ之ガ生産ニ必要ナル資材中国有林等二百一万九千石（丸太以下同ジ）（内地四十八万石、北海道百五十三万九千石）ニ付テハ政府ニ於テ増伐供給ヲ為シ民材六十七万　千石（北海道）ニ付テハ政府ニ於テ之ガ供給ニ付斡旋スルコト
二、現存ノパルプ生産設備ノ改善ニ依リ昭和十三年以降六年間パルプノ増産ヲ為サシメ之ニ必要ナル木材ニ付テハ政府ニ於テ増伐供給ヲ為スコト
　イ、右計画ノ下ニ昭和十三年ニ於テハ内地樺太ヲ通ジ製紙用パルプ二万四千屯、人絹用パルプ三千屯ヲ製造スルニ必要ナル木材三十八万八千石（内地九万石、北海道二十六万石、樺太三万八千石）ヲ増伐供給スルコト
　ロ、右計画ノ下ニ昭和十四年以降五年間毎年三万二千屯ノ製紙用及人絹用パルプ増産ニ必要ナル木材四十五万八千石ヲ政府ニ於テ樺太ヨリ増伐供給ヲ為スコト
三、現存ノ製紙用パルプ工場ノ人絹用パルプ工場ヘノ転換ニ依リ昭和十三年ニ於テ二万屯、同十四年以降五年間ニ於テ毎年六万屯ノ人絹用パルプ増産ヲ図ルコト右転換ニ伴フ所要木材増加量ニ対シテハ昭和十三年ニ於テ四万石（北海道）昭和十四年以降五年間毎年十二万石（北海道十一万八千石、樺太二十石）ヲ国有林材ニ付テハ政府ニ於テ増伐供給ヲ為シ民材ニ付テハ政府ニ於テ之ガ供給ニ付斡旋スルコト
四、東北振興パルプ株式会社ノ五万屯パルプ生産計画ノ遂行ヲ促進スル為其ノ所要資材中四十万石（内地）ヲ限リ政府ニ於テ増伐供給ヲ為スコト