日本国有鉄道 ＪＮＲ ＪＲ 鉄道省 国鉄 国鉄型車両 第３セクター鉄道 分割民営化 鉄道史 昭和 労働運動史

昭和十三年ニ於ケル重要物資ノ需給状況ヲ接スルニ之ガ供給ヲ海外ニ待ツベキモノ極メテ多クソノ統制運用ヲ適切ニシ以テ軍事行動ニ伴フ軍需ノ充足ヲ確保スルト共ニ国民生活必需品ノ需給ノ円滑ヲ図リ併セテ国際収支ノ均衡ヲ維持スルニハ極力国内ニ於ケル生産ヲ拡充スルハ勿論一般民需ニ付相当強度ノ節約ヲ期スルノ要アリ叙上ノ実情ニ鑑ミ重要物資ノ需給計画ヲ樹ツルニ其ノ概要別冊一覧表ノ通リニシテ其ノ内容ハ需給変化ノ状況等ニ応ジ実情ニ即スル如ク修正ノ要アリト雖モ差当リ右一覧表ニ掲記スル数額ヲ目標トシテ補填対策ノ実現ヲ図ルコトハ現下喫緊ノ要務ナリトス
依ツテ関係各庁ハ協力連繋シ左記要綱ニ依リ速ニ右対策ノ実行ニ着手スルモノトス
一　国内生産力拡充ノ為労力、電力、機械器具、原材料当ノ配給ノ斡旋、技術ノ指導、賃金ノ供給、補助金奨励金ノ交付、損失補償等必要ニ応ジ適宜ノ積極的助成政策ヲ講ズルト共ニ関係産業ニ対スル監督統制ヲ強化シ以テ生産ノ計画化ヲ図リ全生産力ノ統合発揮ニ遺憾ナカラシムルコト
二　物資ノ輸入ヲ計画的ニシ為替資金ノ有効適切ナル運用、物資供給ノ円滑ヲ図ルコト為之
　　(イ)　別冊一覧表掲記要輸入数額（総所要金額三十億円）ヲ基準トシ毎四半期毎ニ次期四半期ノ輸入数額ヲ需給ノ状況、為替資金ノ実情ニ調和スルコトク定ムルコト
　　(ロ)　右輸入数額ノ決定ハ関係庁ノ職員ヨリナル委員会ニ於テ之ヲ行フコト
　　(ハ)　輸入及為替ノ許可ハ右決定ニ基キ迅速ニ処理シ得ル様関係各庁ニ於テ協力スルコト
三　輸入組合其ノ他輸入統制ニ関スル機構ヲ整備シ政府監督ノ下ニ統制アル輸入ヲナサシムルコト
四　「クレディット」設定、投資ノ方法ニ依ル物資ノ輸入、無為替輸入制ノ活用、清算協定ノ取極等ニ依リ必要物資ノ輸入力ノ増大ヲ図ルコト
　　尚求償関係ノ改善ニ関シ積極的ノ工作ヲ為スコト
五　輸出振興ノ徹底ヲ記スル為補償制度ノ活用其ノ他凡百ノ助成方策ヲ講スルト共ニ輸出ノ計画化ヲ図ルコト
六　重要物資ノ消費節約ヲ強化スルト共ニ配給機構ノ整備改善ヲ図リ配給ノ統制ヲ行ヒ以テ配給ノ適正円滑ヲ図ルコト
　　尚価格騰貴ヲ抑制スル為、発注ノ統制、思惑取引ニ対スル監督強化、価格ノ公定等適切ナル措置ヲ講ズルコト
七　対策実施ニ伴ヒ発生スル処アル失業、操業短縮又ハ休止其ノ他産業ノ跋行的運営ニヨリ生起スヘキ国民生活ノ不安、国民負担ノ不均衡ニ対シテハ官庁購買品ノ発注方法ヲ考慮シテ之レカ緩和ニ資スル外転業、作業転換等ニ付積極的斡旋ヲ行フト共ニ救済上遺憾ナキ措置ヲ講スルコト
八　物資ノ輸入制限ニ伴フ需給関係ノ不均衡ヲ緩和スル為此ノ際特ニ代用品ノ利用促進並ニ廃品ノ回収利用ニ付官民一致努力スルコト
九　前各号実施ノ為
　　(イ)　所要機関ヲ整備拡充スルコト
　　(ロ)　所要ノ強化宣伝ヲ一層強化スルコト
　　(ハ)　必要ナル法令ハ速ニ之ヲ整備スル外特ニ経費ヲ要スルモノハ追加予算トシテ提出スルコト
一〇　内地、外地、満洲間ノ物資配給ヲ円滑ナラシメ且対策実施上為シ得ル限リ歩調ヲ□一ナラシムル為特ニ相互間ノ協調連絡ヲ緊密ニスルコト