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謹賀新年・お正月おバカ企画
アルコールの経済学
我が家に最適な酩酔性飲料を求めて

 皆様、明けましておめでとうございます。
 今年も、この馬鹿馬鹿しいホームページをよろしくお願いいたします。

 今回はお正月ということで双眼鏡を離れて、この時期になくてはならない「エタノール」の話題にお付き合いください。
 筆者には双眼鏡より大好きなものがいくつかありますが、その一つが・・・

 これです。

 筆者の場合、アルコール燃費(酩酊率/アルコール摂取量)は極めて良好なのですが、家族の見る目は厳しく、昨今の経済情勢は冷たい仕打ちに拍車をかけています。
 職場帰りにお姉さまのいるお店で水割りを引っ掛けてくる方々に比べれば 非常にささやかな娯楽かと思われるのですが、理解を求めるのは蟻んこに分子生物学を教えるのより難しそうです。

 かつては「アXヒ・富X山」を飲むことが出来たのに、やがて「キXン・一番Xり」になり、いまでは本物のビールを飲むことすら絶えて久しくなりました。
 今日は大晦日だというのに、冷蔵庫に入っているのは「サントリー・マグナムドライ」や「キリン・端麗生」といた格安発泡酒ばかりという有様です。
 筆者は晩御飯のときに350ml缶一本しか空けないというのに、なんという迫害でしょうか。
 飲まない人間には何をいても無駄なのですが、「ビール」と「発泡酒」の味の違いはメーカーの技術開発だけではどうにもならないもののようです。
 一度、「サントリー・マグナムドライ」より安いという某スーパー「ダXエー」のオリジナル発泡酒「バーゲンブロイ」なるものが冷蔵庫に入れられていたことがあるのですが、あまりの味に私は最後まで呑むことが出来ませんでした。

仕事に疲れ、帰宅する人間になんという仕打ち。
 一缶の楽しみを奪われるのは我慢できません。
 今の発泡酒は一箱約2500円、ビールにしても一箱約4000円。
 その差は1500円、一日約50円で筆者は快適な晩酌がえられるのです。

 と、妻に言ったところ、「ビールはあなたしか飲まないんだから、これからはあなたが買ってきて」と切り返されてしまいました。
 とんだ薮蛇です。

 自前になるなら、少しでもアルコール費用を浮かせなければ双眼鏡に回る予算が出てきません。
 オマケに発泡酒の増税も噂される昨今、今以上にアルコール関係費用を浮かせる方法はないのかを考えてみましょう。
 幸いなことに、今はお正月。
 ここ数日なら真昼間から飲んだくれていても全く問題ありません。(←本当?)


警告

未成年者の飲酒は法律により禁止されています。
多量の飲酒はあなたを身体的・精神的に蝕みます。
ここで行われている実験は絶対にまねをしはいけません。
同様の実験によって引き起こされる一切の危険について当サイトは責任を負いません。


    実験開始

 アルコール費用を削減しようとした時、まず一番に考えられるのは、発泡酒よりアルコール単価の安いお酒に乗り換えることです。
 アルコール度数が高くて安い酒といえば、焼酎は避けて通れません。

 最初は味見用にとワンカップを用意してみましたが、これでもアルコール度数25%200mLで198円とビールを上回るコストパフォーマンスです。
 アルコール単価は3.96円/mlと発泡酒の半額以下です。
 大瓶で購入すれば半額以下に節約することも可能です。

 さらに安いアルコールを求めていくなら、酒税がかからない製品を探してみるのが近道です。
 それは・・・

 本当は、レンズの汚れ落としのために買った物なのですが、ラベルには「飲用不可」とは書かれていません。

 説明書きによると原液や濃厚液でなければ経口投与が出来そうです。
 エタノールだけなら、メタノールやほかの消毒成分が混ぜられていなければ、理論上は飲用も可能なはず。
 幸い、こいつはまじりっけなしのエタノールで、薬品ですから品質管理も期待できます。
 アルコール単価は2.40円とかなりいけています。
 味さえ良ければ、こんなものはその辺の実験室にも転がっていますから、入手は簡単です。

 終戦直後の物資難の時代、工業用アルコールまで口にした強者がいたとか。
 ここまででも、かなり場末感が漂ってくるんですがもっとお安いアルコールが世の中には出回っています。
 それが・・・

 こいつも酒税がかかっていない上に、食塩とアミノ酸があらかじめ混ぜられていますから おつまみ代まで浮かせることが出来て一石二鳥。
 おまけに、こいつならどんなに飲んでも嫁さんが必ず買ってきています。
 自分の懐はまったく痛みません。
 アルコール単価は2.38円/mLと清涼飲料水級です。

 参考までに、当サイトのアルコール単価は(購入価格)/{(アルコール濃度)X(容量)}で計算されております。
 ほかの有名なお酒では、七面鳥7年物ウイスキーは6.32円/mL、朝日超乾燥ビール350mLは8.62円/mL、有名日本酒「腰の完売」では38.89円/mLとなっております。


    楽しいはずの試飲会

 では、早速それぞれを味見してみることにいたしましょう。

 まずは宝酒造の焼酎。

 パッケージからして人生終着駅のデザイン。
 子供時代はこの手のワンカップを引っ掛けるような大人にはなるまいと思ったものです。
 まさか自分が買ってくることになるとは思いもしませんでした。
 ちなみに、15の頃は自分がビールなんかを飲むようになるとは思ってもいませんでしたが、そのX年後には自分の冷蔵庫にはスーパードライが並んでいました。

 栓を開けてみると、早速アルコール臭が漂ってきます。
 妻の実家で周囲の目が厳しく、ここ数日ビールアルコールを補給していなかった身にはたまらない香りです。

 早速一口。

 味は・・・、
 アルコールそのままの味、というか注射の味というか、消毒薬を飲んでしまったようなストレートな味わいです。
 ウイスキーのような雑味がなく、高濃度アルコールを飲みなれない筆者のような人間でも我慢すれば飲むことができそうです。
 が、いかんせんアルコール25度はちょっと飲みにくい上に、アルコールを飲んでいるという直接的な罪悪感が頭を離れません。(←だったら酒をやめろよ)
 筆者のような娯楽飲酒者にとって、毎晩のお楽しみにするのは厳しそうです。


 続いて、無水エタノール。

 封を開けてみると、こちらも秒殺でアルコール臭が広がってきます。
 こちらは、酒というよりは消毒薬といった雰囲気が強いようで、食欲をそそりません。(だから消毒薬なんだって)

 さすがに、100%アルコールでは体に悪そうなので、前の焼酎と同じ25%まで薄めてみましょう。

 これでまじりっけなしの25%エタノールの出来上がりです。
 少しは消毒薬臭さは薄れ、焼酎のように思えてきました。
 舌にふくませてみると・・・、

 うっぷっ、さすがはまじりっけなしの味。
 焼酎よりも刺激的で、舌に刺さるような味わいです。
 ウォッカになれたロシア人ならともかく、とても日本人の飲み物とは思えません。

 うう、ここで負けては男が廃る。
 さらに倍に薄めて、日本酒と同程度の12%まで薄めてみましょう。

 ううん、ここまで薄めても舌に刺さるような感触が取れません。
 まだまだ、消毒薬で口腔内を洗っているようです。(ちなみにアルコール消毒は粘膜面に禁忌です。)
 飲めないこともなさそうなので、鼻をつまんで、一口、二口飲んでみましょう。
 酔っ払うことは出来そうですが、おいしいかと聞かれれば断じて「NO」です。

 やはり、こいつは飲用には適していないのでしょうか。
 いいえ、説明書きには「飲用不可」とはかかれていませんから、絶対に飲むことができるはず。
 今度は水ではなく、炭酸で割って、アルコール度数もビールと同程度の5%まで薄めてみましょう。

 ここまでくると、コップ一杯の割代に計量スプーンでアルコールを入れるだけです。
 のんでみると・・・

 確かに、どうにか人間の飲み物の味がしてきました。
 が、クラブソーダそのものを飲んでいるのとほとんど変わらないアジしかしません。
 コカコーラのようなジュースで割ればコークハイになるのでしょうが、クラブソーダ自体が筆者の口には合わないので、ビールの代役はかなりつらいです。


 次に料理酒。

 アルコール度数からいけば日本酒並みですから、直でいけるはず。
 早速、グイっと・・・

 げっ、ぺっ、しょっぱい。
 半端でなく塩分が多めです。
 カップラーメンの汁の数倍塩辛い、っていうか海水に匹敵する味です。

 100mLあたり塩分2.2gって、いい気になってコップ一杯飲んだら一日の標準摂取量の半分を口にする羽目になってしまいます。
 こいつはどんなにがんばっても直接飲用にするには不可能なのでしょうか。

 ここであきらめては大蔵省に負けてしまったようで悔しい(勘違い)ので、倍に薄めてチャレンジしてみましょう。
 「軽量カップで計って、水を一対一で混ぜてみます」って、まるで煮物を作っているようです。

 気を取り直して、試飲してみましょう。
 まだまだ潮の味が強い割に、アルコールの風味は完全に消え去ってしまいました。
 これでは ただの塩水を飲んでいるのと変わりがありません。

 まれに、アルコール依存症の患者が料理酒を口にする話を耳にするんですが、まともな神経では飲めた代物ではありません。
 ほかにアルコールを手に入れる手段がないのならともかく、娯楽飲酒者が経済的な理由から飲用に用いるのは危険というほかありません。


    結論?

 結局、どうにか実用に堪えられそうなのは、焼酎や無水エタノールを炭酸で割る方法なのですが、まともに考えれば、アルコール原価は安くても炭酸飲料を別途入手するのは経済的ではありません。
 どんな安いアルコールを手に入れても、350mLの炭酸飲料を買った途端に、ビールに迫る値段になってしまいます。
 味の面からも、素直にビールを飲んでいるのが一番幸せなんですね。
 あたりまえの結論ですけど。

 というわけで、お正月に乗じて、普通のビールをたらふく飲んでみました。
 半年振りのビールはさすがにおいしいなあ、ぐぴっ。

 まあ、本当にアルコール単価を追求するのなら、世の中には料理酒よりも安い製品が存在します。
 それが、この類いの合成清酒と呼ばれるお酒です。

 こいつは一升(1.8L)で398円とエコノミーなお値段。
 アルコール単価は1.84円/mLとなっております。
 酔っ払いの心強い味方といえるでしょう。

 味はともかく、安上がりに酔っ払ってしまおうという向きにはお勧めです。

 えっ、何で筆者がこのお酒を愛用しないかって。
 理由は簡単です。
 日本酒が戸棚に入っていると、女房が勝手に料理に使ってしまうのです。
 こいつも数回しか飲んだ記憶がないのに、もう半分以上なくなっています。
 先週のアサリの酒蒸とケンチン汁と煮魚でこのありさまです。

料理酒ぐらい自分のお財布から買ってほしいものです。

 


 

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