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双眼鏡の質問あれこれ(1)
ハード選び編

 双眼鏡のホームページを作りはじめて半年になろうとしています。
 基本的な内容はまとまってきましたが 基礎編を書き始めたのはまだ経験の浅い時期だっただけに、いま読み返してみると恥ずかしくなるような所も少なくありません。

 今なら別な書き方ができるでしょうし、もっと内容を入れられたと思うのですが、書き直しをするのも面倒です。
 ここでは基礎編を補足する意味をこめて、ハードに関する内容を質問形式でまとめてみました。
 答えは私の個人的な考えですから、参考程度に・・・


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    問1

 このホームページを見て 双眼鏡が面白そうに思えてきたのですが、何を見るのに使えばよいのでしょうか。


    筆者の考え

 「何でも見ることができる」ということが双眼鏡の便利な点です。
 お散歩の時には鳥を見たり、遠くの山々の景色を眺めたりします。
 残業から帰って星がきれいなら、星雲探しで楽しめます。
 また、ここの管理人さんは双眼鏡で木の上の花々や虫の巣作りを観察していました。
 本当にいろいろな楽しみ方があるんです。
 身近にある自然や文化をもっと楽しむことが 双眼鏡の楽しみ方だと思っています。

 はじめは、難しいことを考えずに、色々な物に双眼鏡を向けてみてはいかがですか。
 肉眼では感じなかった新鮮な思いが味わえると思います。

 もちろん、何でも屋の双眼鏡にも禁じ手があります。
 他人の住まいを覗くのはマナー違反ですし、直接太陽を観察すると失明の危険があります。


    質問2

 カメラが趣味という話はよく聞くのですが、双眼鏡の趣味とはあまりなじみがありません。なぜ、カメラではなく双眼鏡が趣味なのですか。


    筆者の考え

 カメラと双眼鏡はレンズを使う点ではよく似ていますが、目的はまったく異なります。
 カメラは記録を残すための道具で、観察のための道具としては最適ではありません。
 双眼鏡は観察のための道具ですが、記録を残すことはスケッチか観察者の記憶しか手段がありません。
 記録が残せないということはデメリットである反面、記録を残すことにこだわらずに楽しめるという長所もあります。
 カメラを手に鳥を眺めにいくと、写真のためにアングルだの露出だのが気になり 鳥よりもより良い撮影に木がとられてしまいます。
 その点双眼鏡では 鳥のお尻だけでもとりあえず眺めて楽しみましょう というお気軽さが私は好きです。


    問3

 ベランダから星空を見るために双眼鏡か望遠鏡がほしくなりました。どちらが良いのでしょうか


    筆者の考え

 こんなサイトですから何も考えずに「双眼鏡がよいです」と書きたいのですが、望遠鏡のほうが有利な点も数多くあります。

 双眼鏡の利点は、何より気軽なことです。
 軽くて手持で使え 視野が広く正立像で、使いやすい要素がそろっています。
 加えて、中型双眼鏡までなら手軽な価格で長く使える製品が入手できます。
 双眼鏡なら夜空を見上げる他にも、鳥見などの自然観察に使うことが出来ます。

 利点は 裏返せばそのまま欠点になります。
 手持で気軽に使える分 倍率は限られますし、大口径の製品は複雑な構造の分だけ望遠鏡より高価になります。
 大口径が必要であれば、また高倍率を使いたいのであれば、望遠鏡のほうが経済的です。

 気軽に星空を楽しむのであれば双眼鏡が適しているでしょう。
 低倍率でも楽しめる対象は、星座・星団・大きめの星雲・惑星・月面と思われているより多いものです。
 思い立ったときに、その場で星空を楽しむ。そんな方には双眼鏡のほうをお勧めします。
 ほんの僅かな時間でも、双眼鏡なら星を眺めようという気にさせてくれます。

 逆に、本格的に暗い対象や高倍率を要する対象を見るつもりなら、双眼鏡は適した道具ではありません。
 重さがありセッティングに時間がかかっても、鏡面像で視野が狭くても、望遠鏡の方をお勧めします。
 多少の不便は、使っていくうちに慣れていくことができるはずです。

 中間派としては、スポッティングスコープやドブソニアンというのも一案でしょう。(筆者に使用経験なし)
 使い道と自分の性格を考えてみてください。

 まあ、病気が進むと、用途はともかく両目で見てないと物足りなくなってきて、双眼望遠鏡に手を出してしまうまでになってしまうんですが。


    問4

 皆さんとも一人でたくさんの双眼鏡を持っているようですが、何でそんなに双眼鏡が必要なのですか。


    筆者の考え

 普通の家には双眼鏡なんてあまり置いていないものですから、何台も持っていると奇異の目で見られてしまうようです。
 ただ、双眼鏡を色々な用途で使うようになってくると、1台の双眼鏡で全ての欲求を満たすのが困難になってきます。
 というのも、双眼鏡の性能は口径によって決まりますが、口径の大きさと携帯性は露骨に反比例してしまいます。

 最初に中型双眼鏡を手にしていると気軽に持ち運べる小型双眼鏡が欲しくなりますし、小型双眼鏡だけ持っていると星空を見たり悪天候の時の為に中型双眼鏡が欲しくなります。
 普通に自然観察・星空観察をするのでしたら(要するに、双眼鏡にマニアックな嗜好がなければ)、20〜35mmの小型双眼鏡1台、40mm〜60mmの中型双眼鏡1台という組み合わせで完璧だと思っています。

 が、罪深いことに、いろいろな双眼鏡によって見え方が違うことに気が付いてしまうと、基本以外の双眼鏡が欲しくなってしまいます。
 いつでも持ち運べるさらに小型の双眼鏡、天体観察に特化した大型双眼鏡、悪天候用の完全防水双眼鏡と、ついついコレクションを広げていってしまうんです。

 ネット上にはいろいろな双眼鏡を集めている方がいらっしゃいますが、概ね小型・中型・大型と大きさごとに揃えているように思います。
 あとはそれぞれの大きさで性格が異なる物、高級機と普及機・広視界機・防水機といくつかそろえていくパターンでしょうか。

双眼鏡愛好家のホームページ

大沢さまの「ウサギと星の小屋」
ひろくんの「ひろくんのホームページ」
坂井さまの「SAKホームページ」

 もちろん、双眼鏡は1台でも十分に楽しめますし、最初からいろいろ揃える必要はありません。
 最初の双眼鏡に慣れてきたら、自分に必要なものがわかってくるでしょうから。


    問5

 初めての双眼鏡を探しています。何倍の双眼鏡が使いやすいのでしょうか。


    筆者の考え

 「何倍の双眼鏡がよいか」と聞かれれば「6倍から10倍までの間で」と答えるしかないのですが、双眼鏡を選ぶとき最初に決めなければいけないのは 倍率ではなく対物レンズ径のほうです。
 双眼鏡の性格は、倍率よりも むしろ対物レンズの口径によって決定されます。

 その上で倍率を考えると、小型の双眼鏡であれば6倍から8倍がお勧めですし、中型の双眼鏡であれば7倍から10倍が使いやすいでしょう。
 60mmを超えるような双眼鏡は三脚固定が主となりますから、20倍程度の高倍率でもかまいません。
 複数の双眼鏡を持ているのであれば、それぞれで倍率を変えていくのも面白いものです。

 何度も繰り返しになりますが、色々な倍率を楽しみたいといってもズーム双眼鏡は避けたほうが無難です。
 このあたりの事情は「双眼鏡研究室」を御参照ください。


    問6

 双眼鏡のカタログを見ましたが、非常に高価な双眼鏡が多く驚きました。高価な双眼鏡は何が違うのでしょうか。


    筆者の考え

 まず、「どんな双眼鏡が高性能か」ということから考えて見ましょう。

 一つ目の性能要素は、カタログに出ているような数字化されている性能です。
 倍率・視野の広さ・アイレリーフ・重さ・大きさなどがこれにあたります。
 高価な双眼鏡は視野が広くアイ・レリーフが長くなる傾向がありますが、安価な双眼鏡でも同程度の数字性能を持つ品が存在していることでしょう。
 カタログだけ見ていると、高価な双眼鏡がなぜ高価なのか分からなくなってしまうのはこのためです。

 双眼鏡の性能には数字化できない要素が数多くあります。
 見え味に関するものとしては、視野の平坦さ(歪曲収差・像面湾曲の少なさ)・コントラストの高さ・視野の明るさなどは双眼鏡ごとの個体差が大きく出てしまいます。
 よく、好事家が「キレ」や「ヌケ」という言葉で表現しているのはこのような性能に当たるわけです。
 これらの性能を高めていくには、優れた光学材料を利用したり、鏡筒や内部部品に加工を加えたり、レンズの構成枚数を増やしたり、手間のかかるコーティングを行ったりする必要があります。
 これらは直接的にコストを吊り上げることになる上に、そのような双眼鏡は量販を期待できませんから、双眼鏡の価格は跳ね上がってしまいます。
 メーカーごとに味付けの違いはありますが、初めての方でも標準機と高級機では比べてみれば分かるだけの差があります。(単体で見ただけだと、慣れていないと違いは分からないかもしれませんが。)

 あとは双眼鏡の使い勝手もカタログに載らない性能と言えるんでしょうが、高級機ほど手間のかかった付属品がついてきます。
 見口の設計・視度調節環・ローレット・ストラップとその取り付け位置なんかがここに分類されるでしょうか。
 コストの掛けられる高額双眼鏡のほうが良く出来ているのは当然なんですが、中には、高級機でもあまり使い勝手まで気が回っていない双眼鏡もちらほらあります。
 このあたりは、高級機・普通機という区別ではなく、設計者の心配りに依存しているような気がします。
 ストラップ自体はともかく、取り付け場所はコストの差ではないはずですから。

 このように、高い双眼鏡ほどどこかに突出した性能が隠されているわけですが、そこに価格差分の価値を見出すか否かは、使い手の価値観次第といったところでしょうか。


    問7

 双眼鏡を買おうと思いますが、高い双眼鏡が必要なのでしょうか。


    筆者の考え

 前にも書いてきましたが、1台の双眼鏡で全ての用途に最適といえる製品は存在しません。
 倍率・口径・重さなど、用途によって相反する性能要求が出てきてしまいます。
 汎用性が高いといえるのは口径30mm程度の比較的小ぶりな中型双眼鏡ですが、夜空を見るのには少し寂しいですし、ポケットに入る大きさではありません。
 超高額の双眼鏡といえでも、物理の神様には逆らえないのです。

 要するに、高い双眼鏡でも自分の用途に合わなければ押入れの肥しになってしまいます。
 汎用性を重視して50mmクラスを買ったら重すぎたり、鳥を見るつもりで25mmを買ったら見えに不満が出たり、自分の用途を知っているベテランでも時に失敗してしまいます。(その結果、双眼鏡遍歴を続けることになります。)

 本当に最初の一台であれば、あまり難しいことを考えずに手ごろな一台を選んでみるほうが確実で、後々の参考になると思います。
 超高額の双眼鏡1台よりも、最初は普通の双眼鏡を大きさを買えて2台持つほうが、楽しい双眼鏡生活を送れるはずです。

 ここまで書いてきて ちょっと心配になってしまったのは、一般の方が考える「高い双眼鏡」と私が書いている「高い双眼鏡」の乖離についてです。
 ここで、私が「高い双眼鏡」と書いているのは大体6万円が境目になっていますが、一般の方だと2万円程度でも「高い」と感じられるかもしれません。
 このサイトにいらっしゃっているような好事家の方だと6桁円くらいが境目になっていることもあり、病の深刻さを感じさせます。

 双眼鏡を使い始めたなら、ツァイスなりライカなり、あとはあなたの欲求の赴くまま お気に召すまま。
 その後は、筆者に口出しできる領域を越えてしまっていますから。


  問8

 初めて双眼鏡を買おうと思います。どんな双眼鏡を買えばいいのでしょうか。
 予算はどのくらい必要ですか。


    筆者の考え

 繰り返しになりますが、双眼鏡選びは対物レンズの大きさを決めることから始まります。
 大口径の双眼鏡は高性能ですが大きくなり、小口径の双眼鏡は持ち運びに便利ですが暗い場所での使用は不利になります。

 多少なりとも星を見ることが目的に含まれるなら、多少の大きさは我慢して40mm〜50mmの双眼鏡を選ぶ方が有利ですし、逆に昼間に持ち歩くだけであれば20mmでもかまわないでしょう。
 持ち運びも多いし星も見たいとなると、どちらにどの程度のバランスを置くかで30mm〜40mmの間から選ぶことになるでしょうか。

 自分に必要な口径が大体分かったら、「名の知れたメーカーの製品を選ぶ」というのが最初は確実です。
 次に述べますが、間違いがないのはニコン・フジノン・ペンタックス・ミノルタ・キャノンのカメラブランド勢でしょう。

 あとは、ガイドブックや掲示板なんかを見ながら自分にあった双眼鏡を探してみてください。
 予算は、初めての双眼鏡であれば、2万円程度で十分に良い物が手に入りますし、3〜4万円あれば素晴らしい製品があります。


  問9

 双眼鏡を選ぶとき、お勧めのブランドはどこですか。


    筆者の考え

 海外ブランドの使用経験が少ないので、国内ブランドに限って書かせてください。

 初めての双眼鏡選びで、まず間違いがないのはNコンでしょうか。
 国内ブランドではピカイチで、ハズレがないのは何より安心できます。
 性能は文句なしですが、社風の反映か生真面目で堅物な製品が特徴です。
 あまりに手堅すぎて面白みも少ないかもしれませんが、中級機以上では圧倒的な性能があるように思います。
 お値段は少し高めですが、保険料と思ってください。

 他社でいうと、Nコンと同じ路線で追いかけているのがF。
 全く別な路線で個性を主張しているのがPとC、好みが合えばハマるはず。
 どっちつかずで、製品は悪くないのに薄味なのがM。
 コストパフォーマンスで勝負するのがV、良い商品も多いが地雷もあり。
 小手先勝負のO、見るべき商品もあるが双眼鏡は片手間仕事?

 といったところでしょうか。
 後は、お好みに応じて選んでみてください。 

 K社は?
 真面目な双眼鏡も昔はあったようですが、甘い汁を吸ってしまうと後戻りが出来ないのでしょう。
 同じ製品でも個体差が気になるメーカーなので、カタログスペック以上に注意が必要です。


  問10

 双眼鏡を買おうと思うのですが、気に入った製品は高価です。
 中古双眼鏡にしようと思うのですが、注意すべき点を教えてください。


    筆者の考え

 現物を手にできるのでしたら、まず、本体の傷をチェックしてみてください。
 長く使われていれば小傷は仕方がありませんが、大きな凹みは落下の既往を疑わせます。

 次に、レンズのチェックです。
 大きな傷は論外ですし、内面のカビや汚れも修理をすると新品が買えるようなお値段になります。
 よく観察し、プリズム面までチェックしてください。

 次に、遠くの対象を覗いて見ます。
 覗いてすっきり見えないようだと、光軸ずれや内部の汚れが疑われますから、購入は見合わせたほうが無難です。
 このあたりの判断は少し難しいので双眼鏡を使い慣れた人に見てもらうほうが安心なのですが、自分で見てみて怪しいようでしたら撤退する勇気が必要です。
 後は、専門店なら保証の有無やお値段を秤にかけて選ぶことになるでしょう。

 個人間の取引でしたら、相手の信用度次第といったところでしょうか。
 特に、ネットオークションの類いは、値段よりも取引相手のほうが重要です。
 購入するときは、異常があった場合の対処法について事前に申し合わせをしておく必要があります。
 内部の異常や光軸ずれは売主自身が気が付いていないことがあります。
 詐欺に気をつけることはもちろん、リスクを価格に織り込む事を忘れずに。


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