負け組投機家の遠吠え
2006年03月29日
3月も残すところあと僅か。
年初から連敗を続けるミジンコ投機家ですが、今月もココまで対TOPIXで1%強の劣勢。
インデックス相手に3連敗すれば
月次リターンを計測し始めて以来初めてのことになります。
満開の桜を見ても
切なくなるばかりで、やたら酒だけが進んでいくのでありました。
夜桜見物の後 人間奈良漬となって帰宅しますと・・・・
傷心の投機家魂を逆撫でするようなチラシがポストを占領しておりました。
あまりにも突込みドコロが満載で 酔いが飛んでしまいそうです。
「頭金ゼロでもOK・賃貸なら敷金礼金が必要です」
賃貸住宅の「敷金・礼金」は資産を借りるための負債の費用、マイホームの「頭金」は資産を購入する資本の一部。
負債と資本、全く別な性質の出費を 同じ場所に並べて
何が比べられるというのでしょう。
「頭金」と較べるべきは「利回りとしての家賃」ですし、「敷金・礼金」に対応するのは
「マイホーム購入の税金・諸手数料」でなければなりません。
「ローンは必ず終わります・家賃はずっと続きます」
「ローンは数十年・家賃は一生」って言ったって、本当の問題は一定期間の住居費用の比較です。
マイホーム組だったら住居の購入価格に税金・修繕費用・ローン金利の合計と、賃貸組の支払い家賃と諸費用の合計で、どちらがどれだけ安いかを比較しないといけないはず。
支払い期間の長さでは何も言うことが出来ません。
現実世界で考えるなら
更に運用利回りや土地のリスク・リターンも論じないといけないのにねぇ。
極端には
ローンが不幸な形で終わる場合だってある訳だし。
「持ち家なら団体信用保険で安心・借家では保障がありません」
死亡保障の問題は
「持ち家・借家」の選択になんら影響を与えるものではありません。
持ち家・賃貸、どちらであっても必要十分なリクスヘッジが計画的に組まれているはずなんですから。
賃貸派なら生命保険を厚めにすれば良いだけですし、団信が使える持ち家派なら
その分従来の保険を減らさねばなりません。
団信で保障が充足されるようなら
それ以前がヘッジ不足だっただけなのでは。
賃貸で死亡保障が不足するなら
訪ねるべきは不動産屋ではなく 生命保険の会社でしょう。
「持ち家なら不動産という財産が残ります・賃貸では資産が残りません」
良く聞くセリフで
コロッと逝ってしまいそうな一言です。
でも、コレって持ち家を選ぶ決め手にはならないですよね。
持ち家派は ローン負債で資金を調達し
金利を支払いながら不動産に投資をしている状態です。
ローンが固定金利か変動金利かで違いはありますが、大雑把に「債券ショート・不動産ロング」のポジションでしょう。
一方の賃貸派は 不動産をショートしながら
余剰資金を有価証券に投資しているポジションです。
コレで投資先が債券ならば
ちょうど持ち家派と正反対の手札になってしまうでしょう。
勝ち負けはともかく資産管理が上手く行けば、持ち家派がローンを払い終える頃
賃貸派もそれなりの証券資産を蓄えているはずです。
どちらが多くを残しているかは
市場が有効に機能しているのなら
神様でなければ分からないはずなんですが。
そして、最も可笑しいのは 一番下の一行でしょう。
「早めに住宅ローンを始めれば 老後も安心」
ま、この低金利のご時世ですから 言いたいことは分からないではないんですけどね。
チラシの裏を見てみると・・・
・・・・・・・・・・・・・・
昭和56年建築!!
築26年物のマンションで老後を語るってのは シリアス路線の社会派ですよね。
古マンションを「不動産という財産」って言い切るセンスは 並みの投資家の思い至らないところです。
なーんて 博打で毟られた腹いせをパソコンにぶつけていたら、嫁の寝室の方で動く気配がしています。
こんなチラシが見つかると厄介なので
さっさと証拠隠滅してしまいましょう。
変なところで
マイホーム購入大作戦が始まっては一大事。
自分でも自己流猿ダーツ運用より、超レバレッジ持ち家運用の方が上手く行きそうな気がするんですから。
いまさらポジションをひっくり返してドテンなんて出来ないし・・・
これも 最近 相場で負けが込んでる副作用ですよね?