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鉄分の多い夏休み
2002年9月11日〜???
 

 世間様から少し遅れた この時期に、私も どうにか夏休みを取ることができました。

 独身時代なら バイクに銀マットと寝袋で サッサと北海道を目指すのですが、今では 家に二つも重量物が居候しております。
 おまけに休みの期間は 1週間。
 気楽な旅など出来ようはずもありません。

 で、いつも決まって 慣れた実家に帰るだけで終わってしまうんですよ、毎年。


 普段は自動車を使う帰省ですが、今年は 独断と偏見で新幹線を使うこととなりました。
 行き帰りは運転手、実家に帰っては爺婆のお手伝いでは 全然 報われません。
 子供も列車に興味を持ち始めたし、鉄分の多い英才教育を施すのも悪くないでしょう。

 が、かく言う私も東北新幹線に乗るのは3年ぶり。
 学生時代は 期末毎に実家に帰っていたんですけど、結婚以降は自動車ばかり。
 仕事で 「のぞみ」は乗りますけれど、北の方は トンとご無沙汰しております。

 で、数年ぶりに 東京駅は東北新幹線ホームに出てみると、あら びっくり


E4系新幹線
盛岡駅にて撮影

 とか、


E2系新幹線
盛岡駅にて撮影

 とか、あひる顔の奴ばかりが並んでいます。

 隣の東海道新幹線ホームを見ても 主力はあひる顔(というかカモノハシ顔?)だしなあ。


700系新幹線
車両メーカーより直リンク

 私の学生時代は 新幹線というとスマートな奴しか いなかったんですけどねえ。


引退を待つばかりの「ご老体」
200系新幹線

車両メーカーより直リンク


最後の正統派新幹線
400系新幹線

車両メーカーより直リンク

 とか。

 変り種といえば せいぜい「塗り壁」みたいな奴だけだったんですけど。


異形の「塗り壁」新幹線
E1系

車両メーカーより直リンク

 東北新幹線の元祖200系は 今となっては少数派。
 東京駅でも 上越新幹線に見られる程度で、東北新幹線からは ほぼ駆逐されてしまいました。

 臨時列車で在りし日を思い出させる16両編成(!!)が走っていますけど、近々廃車という噂
 各駅停車の「やまびこ」はE4系が中心ですし、山形新幹線のお相手も 今では全てE4系が勤めています。

 一方 停車駅の少ない速達型「やまびこ」は E2系+E3系の独壇場。


E2系とE3系の 飛ばし屋コンビ

 実際 「東京⇔盛岡」の所要時間は確実に短縮されているのですから、喜ばしいことではあるんですけど・・・
 乗りなれた車両が消えていくのは 鉄道車両マニアでなくても 寂しいものです。

 E1系なんかは 全線通して乗る機会がないまま、東北新幹線を引退してしまったし・・・
 400系も まだ一度も乗っていないのに、どんどん E3系への置き換えが進んでいるしなあ・・・


 でも、この時代に 改めて200系を眺めると なんて荒っぽい造りに見えてしまうのでしょう。

 スノウプラウには とボルトが顔出しているし、

 ライト周りも 通常のプラス螺子で、頭が外へとコンニチハ。
 とても騒音や空力に気を配っているとは思えません。

 飛行機でいえば 太平洋戦争初期の日本軍レベルといえるでしょう。
 もちろん 同時期でも 米国や独逸は こんなことをしていません。

 その目で見ていくと、ドアの雨どいとか・・・

 外装の凹凸とか・・・

 ドアの周辺も全然配慮がされていないし、騒音源が あちらこちらに転がっております。

 ま、最大の邪魔者 パンタグラフは 時代とともに対策がされておりまして、一編成あたりのパンタグラフを減らしたり 巨大なカバーをつけたりと 後から 激しく改造されているんですが・・・。

 パンタグラフが取り払われた痕がコレ

 高圧の引通し線が こんな形で増設されて 新たな騒音源となっております。

 新型の車両になると このあたりは随分スマートに処理されているんですよ。


E2系初期型のドア周り


E2系1000番台の引通し線

 昔は、こんなことに気がつきもしなかったんですけど・・・、開業当時は「夢の乗り心地」といわれた弾丸列車も この様です。


 なんやかんやと ホームで見物しておりますと、指定を取った「やまびこ9号」盛岡行きが入ってきました。
 号数を見ての通りの速達型で、やってきたのは 勿論 これ。


E2系「やまびこ」+E3系「こまち」
盛岡駅にて撮影

 実際に乗ってみると 室内は かなり安っぽくなっていますが、乗り心地は 格段に進化しております。

 宇都宮や仙台付近のコーナーワークといい、トンネルの出入りといい 実に快適です。
 どこぞのコストダウン新幹線のように トンネルの出入りで左右に尻を揺すられることもありません。
 さすがに 速度が上がる福島県内や仙台以北は 微振動が煩くなりますが、トンネルごとに壁が震えていた旧型とは異次元の乗り心地。

 ううん、さすがJR東日本の次期主力新幹線

 最高速度は500系に劣りますけど、乗り心地では 十分に渡り合えそうです。
 もちろん、全てにおいて カモノハシ君の敵ではありません。

 「のぞみ」だけが偉い訳ではなかったんですねえ。

 東北の鉄道員一家に育った筆者は 感激の涙を流しながら、北の国のホームに降り立ったのでした。


 で、北の国では 鉄道の原型を実体験したり、

 羊と戯れたりして 良き父親の夏休みを過ごしておりました。

 子供の方は、今年の夏休みのテーマは「乗り物だ」と勘違いしたしく・・・

 この後、思い切り 羊さんに跨って 、もちろん 速攻で振り落とされたのでありました。


 で、マッタりとした夏休みも アっという間に終わを告げ、実家を離れる日がやってきます。

 帰りも もちろん新幹線、行きと同じく速達型の「やまびこ8号」。

 車両は見慣れてしまったE2系。

 
マニアはワイパーの数に注目

 更に 奇遇なことに 座席指定も行きと同じの 「7号車」の15番。 
 行きと同じく快適な旅を思い、笑顔で北の国に別れを告げる筆者でありました。

 本当に 新幹線のある時代でよかった。
 おまけに 最新鋭の車両が配備された後でよかった。
 この時は 本当にそう思っていたんですよ。

 と こ ろ が、この帰りの新幹線、期待を裏切り 猛烈に乗り心地が悪いでやんの!!

 トンネルに入った瞬間に 上下左右に大きく「ドン」ときて、トンネルの中では常にヒクヒク細かく揺れています。
 そして、トンネルを出る時も「ドン」

 すれ違いでも、「ドン、ヒクヒク、ドン」
 駅の通過でも 「ドン」
 スピードが上がってくると 普通の高架上でもヒクヒクしているの。
 酷い時には 台車が蛇行しているのかと思うくらい。

 正直、200系の頃より 数段乗り心地が悪くなっています。
 感覚的には ちょっと昔のワンボックスカーか、ヤレが来た観光バスか。

 筆者だけでなく 何事に付けても鈍感な嫁さんまで気が付いたんですから、どれほどのモノか想像が付くでしょう。

 普段から 乗り心地の悪い鉄道車両には慣らされているんですけど、新幹線でこんなことになるとは思ってもいませんでした。


 なんで 同じE2系で こんなに乗り心地の差が出るかと考えてみると・・・

 そう、帰りに乗ったE2系は初期型で、巨大なパンタグラフカバーが屋根の上に鎮座しております。
 それも筆者の乗った7号車 私の座席のすぐ後ろに、抵抗物がそそり立っているのです。

 一方、行きに乗ったE2系1000番台のパンタグラフはというと・・・

 奇抜ながら なんて洗練された格好をしているんでしょう。

 そりゃあ初期型のほうが見るからに鉄道車両っぽいんですが、新型の方が圧力変化を受けにくいのは 一目瞭然でしょ。

 この違いが 2時間半を天国と地獄に分けることを、当初の設計者は考えなかったんでしょうか。

 E2系の開発されている同じ時期に JR西日本では500系を作っていたんですからねえ。
 こちらは もう見た目も素晴らしいパンタグラフが 最初から奢られているんですけど・・・

 改良型がすばらしく進化しているだけに、出来の悪い初期型が 余計 憎らしくなるのでした。


 乗客としては 乗り心地の悪いE2系初期型を避けられればいいのですが、残念なことに指定券を買うときに車両形式を確かめることは困難です。

筆者の独り言

E2初期型について ボロクソに書いていますが、世の中には もっと出来の悪い新幹線も数多く存在します。
東海道新幹線だと 「あれ」はもう最悪ですし、「これ」も速度が速い区間は ご遠慮したい車両です。
東北新幹線では 「それ」のX階席はお勧めできないですし、やっぱり古い車両は 速度が上がると 荒が出るんですよねえ。
今の新幹線でも真に優秀な車両となると JR西日本の「あれ」か JR東日本のE2新型「あれ」になってしまうのではないでしょうか。

 初期型車両でも パンタグラフのついていない車両を選べば最悪の乗り心地は回避できるでしょうから、あなたが禁煙席を選ぶなら 10号車を選べば間違いないでしょう。
 E2系のパンタグラフは6号車と8号車についていますし、パンタグラフカバーの 半分は 5号車と7号車に乗っかっています。

 が、10号車は「こまち」との連結部。空気抵抗は パンタカバーの比では・・・(以下略)

 最悪なのは喫煙車の指定席で パンタ付の車両しか用意されていないんです。

 確実に乗り心地の良い車両に座りたければ、9号グリーン車を取るしかないのでしょうか。

 裏技としては 最初から「やまびこ」ではなく 「こまち」の指定席を取る手も考えられます。
 ちょっと狭くなりますし 新型E2系のような落ち着きはないんですけど、最悪の乗り心地だけは避けられます。

 ただ問題なのは、E3系「こまち」では一定期間 東京〜盛岡間では 指定券を発行しない規制がかかっています。
 盛岡以遠への乗客へ座席を確保する配慮なんですが 発売後すぐに指定席を確保する方には向かないでしょう。
 もちろん、E2系との連結部に 陣取ってはいけませんよ。

 ま、救いは 東北新幹線八戸開業に向けて E2系1000番台が大量増備されることでしょうか。
 初期型も この先20年は生き続けるんでしょうけど、出来のよろしくない?00系 が 今なお 増え続ける東海道新幹線より 随分と期待が持てるでしょ。

 初期型をリニューアルして 1000番台と同形状のパンタを付けてくれると嬉しいんですが 超高圧引通し線とか機器配置が 微妙に違うんですよね。


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