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初心者のためのZガンダム講座
このHPを訪問される方の中には「Zガンダム」のことがわからないと言う方もいると思います
当コーナーは機動戦士Zガンダム初心者のために世界観や用語を案内していこうというコーナーです。
宇宙世紀ガンダム全体の基礎知識も説明します。


Zガンダムの時代背景
地球連邦とジオン公国との間に起こった*1「一年戦争」(詳しくは「機動戦士ガンダム」を見てください)が終結しても*2地球圏の状況は混乱を極めていた。*3U.C0083に起こった「デラーズ紛争」(詳しくは「機動戦士ガンダム0083」を見てください)にもあるように地球至上主義を掲げる地球連邦と、連邦から独立しようとする*4スペースノイドとの対立という構図は相変わらず存在していた。こういった状況で誕生したのが「ティターンズ」と「エゥーゴ」である。
「ティターンズ」は先述の「デラーズ紛争」後にジーン・コリニー大将の後押しを受けたジャミトフ・ハイマンを総帥とした組織でジオンの残党狩りを名目に結成されたが、実際の姿はスペースノイドの監視および抑圧のために生み出した武装集団だった。
対して「エゥーゴ」はブレックス・フォーラを指導者に、地球連邦軍の親スペースノイド派や民間企業が中心になった組織で、構成員の中には非合法に連邦の軍籍を手に入れた元ジオン公国軍人もいた。
両組織の対立が表面化したのは「30バンチ事件」である。反地球連邦運動の集会が行われていたコロニーサイド1・30バンチにデモ鎮圧のためにティターンズが毒ガスを注入し、住民を虐殺した事件で、スペースノイドに大きな反感を呼び、エゥーゴの軍事行動開始のきっかけとなった。


*1一年戦争:地球連邦軍とジオン公国との間に起こった戦争のこと。開戦〜終戦までの期間が約1年だった
        ことから「一年戦争」と呼ばれている。詳しくは「機動戦士ガンダム」を見てください。

*2地球圏:
作中にも何度か出てくるのでこれは重要。地球圏というのは、地球と月およびその周辺のことを指す
*3U.C:宇宙世紀Universal Century(ユニバーサル・センチュリー)の略称
*4スペースノイド:
宇宙移民者のこと。スペースノイドの大半は地球連邦の政策で強制移民となった者が多い。

基本用語
Zガンダムに登場する用語と、宇宙世紀ガンダムの基礎用語を紹介。

・ティターンズ・エゥーゴ:「時代背景」の項を参照。

・スペースコロニー
 人口増加に対処するために、宇宙植民地として宇宙空間に建設された人工衛星都市の総称。全長32km、直径6.3kmの円筒形で、自転運動により内壁に人工重力を発生する。
 コロニーには円筒の側面を6等分し、その3面を特殊ガラス製の採光窓として太陽光を取り入れる開放型と、外壁を完全に閉ざし、周りに発電衛星を配し、太陽エネルギーを電気エネルギーに転換し、コロニー内部にある太陽灯のエネルギーとする密閉型の二種がある。
コロニー一つは1バンチと呼ばれ、30〜40バンチからなるコロニー郡をサイドと呼ぶ。
 コロニーは地球と月の重力緩和地帯(これをラグランジェポイントと呼び、略称はL)に設置され、月の衛星軌道を基本にサイドは7つのポイントに建設されている。
 それぞれサイド1(ザーン)、サイド2(ハッテ)、サイド3(ムンゾ)、サイド4(ムーア)、サイド5(ルウム)サイド6(リア)、サイド7(ノア)と呼ばれている。
ジオン公国(Zの時点ではジオン共和国)はサイド3にあり、サイド6は中立コロニー。

・モビルスーツ
略称はMS。ガンダム世界における人型兵器のことで、熱核融合炉を動力源とする。
宇宙世紀0073年にジオン公国が開発した。レーダーを無力化することが出来るミノフスキー粒子(別記参照)散布下では絶対的な威力を持つ
Zガンダムの時代からMS→MA(モビルアーマー:下記参照)に変形可能な可変MSが登場する。

・モビルアーマー
略称はMA。一年戦争時代に開発された兵器で、人型のMSに対し、人型でない兵器を指す(「SEED」のMAはほとんど戦闘機だったが)。汎用性はMSに劣るが、兵器としてのポテンシャルは高い。

・サブフライトシステム
大気圏内での飛行能力を持たないMSを支援したり、宇宙空間での航続距離を伸ばすために使われる補助飛行システムのこと。
ジオン軍が一年戦争の時に使用したドダイYSが原型でその後無人化され搭乗しているMSからの機体コントロールが可能になっている(一応、コクピットはある)。
Zで登場したサブフライトシステムは大気圏内用はドダイ改(エゥーゴが使用)、ベースジャバー(連邦、ティターンズが使用)が、宇宙用としてシャクルズ、ゲターが登場した。


・ニュータイプ
 本来は人類の革新を謳うためにジオン共和国の創始者だったジオン・ズム・ダイクンが唱えた概念。
 宇宙環境に適応した人類は新たな能力を身に付けることが出来るというのがその内容だったが、ザビ家によって「スペースノイドは虐げれた優良人種である」という考えに歪められ、戦争遂行を正当化する論理になってしまった。
作中では周囲の殺気を読んだり、人の思念を読んだりしていたが、どう見ても超能力者にしか見えなかった。
私的には地球よりも苛酷な環境である宇宙で生きていくために開花した能力だと捉えている。
ニュータイプは宇宙世紀ガンダムでは重要なキーワード。「機動戦士Vガンダム」では「スペシャル」と呼ばれていた。
 ちなみにアナザーガンダムである「ガンダムX」でもニュータイプは存在したが、宇宙世紀ガンダムのニュータイプと性質は異なる。


・強化人間
 「Zガンダム」から登場する言葉で、薬物投与や、催眠療法等によって反射神経などを強化し、人工的にニュータイプ能力を持たされた人間のことをいう。
 高い戦闘能力を有するが精神状態や記憶能力等に欠陥が生じてしまう場合があり、Zガンダムに登場する強化人間はそれが元で自滅するパターンが多かった。

・ニュータイプ研究所
 略称は「ニタ研」。ジオン公国のニュータイプ研究施設「フラナガン機関」の研究を引き継いだ半官半民の組織で、作中では北米の「オーガスタ研究所」、日本の「ムラサメ研究所」が登場。
 研究所では人工のニュータイプである「強化人間」の開発とそれに対応した兵器の開発を主目的としており、そういった点では研究所の名を借りた産軍共同体による軍事組織である。

・アナハイム・エレクトロニクス
略称はAE。一年戦争時代その政財界における発言力の大きさゆえに、ジオンですら接収を控えたとされる大企業。
一年戦争後はジオニック社などのジオン系企業を吸収、合併しMS生産の最大企業となった。「ガンダム0083」では「ガンダム開発計画」に関与し、「Zガンダム」ではエゥーゴ最大のスポンサーとなり、エゥーゴの活動方針に影響を及ぼしていた。本社は地球にあるが、主力工場はフォン・ブラウン市などの月面都市にある。
MSN-100百式、MSZ-006Zガンダムなどはアナハイムで作られた機体である。
宇宙世紀(U・C)0087の時点での会長はメラニー・ヒュー・カーバイン。

・木星船団
 核融合エンジンの燃料として利用されているヘリウム3を採取するために編成されている船団。 
 ジュピトリスはこの任務のために建造された全長2000mの巨大な輸送船である。前作「機動戦士ガンダム」に登場したシャリア・ブル(劇場版には登場せず)や本作のシロッコのように木星帰りの者にニュータイプがいることから長期間地球を離れたり、木星の重力圏で暮らすことはニュータイプ能力の発現を促すものではないかとも考えられている。

・南極条約
宇宙世紀0079年1月31日に地球連邦政府とジオン公国間で結ばれた戦時条約。
(1):核・生物兵器・大量質量兵器の使用禁止
(2):中立サイドなど、特定地域への攻撃禁止
(3):捕虜取り扱いなど人権的要素の確認

の三大項目から成り、なかでも(1)は非人道性と環境への悪影響を鑑みて慣習法的に遵守することが常識となっている。


・ミノフスキー粒子
ジオン公国の技術者が発見した帯電機能を持つ極微粒子。これを散布することによって宇宙空間に不安定イオンを作り出し、電波の反射・吸収を起こさせレーダーや無線を妨害してしまうことができる。

・サイコミュ
 簡単に言えばニュータイプの脳波を増幅し、ニュータイプが持つ特殊な波長(感応波)を電気信号化する装置の事で、ジオン公国のニュータイプ研究機関「フラナガン機関」で開発していたニュータイプ能力測定システムが原型。
 開発当初のサイコミュシステムはパイロットが被る大型のヘルメットと内蔵されたヘッドセットセンサーとリンクしているコクピットブロックが必要だったうえに感応波の送受信と機体のインターフェイスを行う演算装置が必要だったため、装置は巨大となり機体が大型化してしまうデメリットがあった。
 一年戦争後に開発されたサイコミュはサイコミュヘルメットに被験者の感応波のデータを登録しておけば、特別な端末を使わなくても機体のサイコミュが反応するように改良された。そのため、優れたニュータイプ能力を持つものであれば極端な場合、機体に搭乗しなくても機体の制御が可能になる。ただし、ミュータイプ研究所で開発されたサイコミュはパイロットの感応波を強制的に機体の制御が可能なレベルまで引き上げるためパイロットに与える負担はジオン公国が開発したサイコミュの比ではないといわれている。

・ファンネル
 ジオン軍のMA・エルメスはビットと呼ばれる攻撃用端末を装備していた。ファンネルはそのビットの改良型。大きな違いはビット自体はジェネレターを内蔵していたが、ファンネルはエネルギーCAPを搭載したためそれ自体にジェネレーターを持たないことで、その分ファンネルは小型・軽量化されたが、運用時間に限界が発生し、一定量のビームを発射してしまうと充電のために本体に戻さなければならないという欠点が生じた。

Zガンダム時代のMS(モビルスーツ)のメカニズム
・操縦系統
 一年戦争終戦後、連邦が提唱した「ガンダム開発計画」を経て、連邦軍とジオン公国の技術を融合した初の量産型MSハイザック(形式bqMS-106)が開発された。外見はジオン公国の名機ザクUと似ていたが、中身は連邦軍の量産型ジムの発展型だった。しかしハイザックにはリニアシートと呼ばれる操縦システムが採用された(それ以前にRX78NT1(アレックス)、GP03にもリニアシートのプロトタイプが採用されていた)。このシステムの基本構造はパイロットシートが球状全天周囲モニターの中央に備えられ、機体カメラが捉えた映像をCGによってパイロットの全天周囲に投影させる。電磁石によるショックアブソーバーシステムによってパイロットにかかるG、衝撃を緩和する働きも持つ。そのため規格のノーマルスーツ(宇宙服)を着用している場合はシートベルト等は不要である。
 また、コックピット自体は球体であるため脱出装置も兼ねておりパイロットの生還性も向上した。
 ハイザックでその性能が実証されると、在来機種全てにこのリニアシートが採用され、操縦系統の規格統一化がされた。

・装甲材質
 ZガンダムのMSの大半に使われているガンダリウム合金は一年戦争時に活躍したRX-78-2ガンダムに使われたルナチタニウム合金の改良版である。ルナチタニウム合金はMSのエンジンである核融合炉と併用することで機体の軽量化を促し、なおかつその剛性を高める性質があったが精錬技術が特殊かつレアメタルを多用するためにコストを抑えることが困難だったために量産が容易にできないという欠点を持っていた。
 アクシズに逃げ延びたジオン公国の技術者はガンダムの強さの秘訣は装甲材にあることを目につけ、装甲材の開発に着手。ガンダリウムを超える装甲材の開発に成功した。それがガンダリウムγである。
ガンダリウムγというのは初期のルナチタニウム合金をガンダリウムαとし、ガンダリウムβを経て開発された便宜上与えられた名称。

・ムーバブルフレーム
 ティターンズが開発したガンダムMkUにはムーバブルフレームが初めて採用され、人間並みの柔軟性を得る事ができた。このムーバブルフレームはMSにおける駆動内骨格のことで、MSの装甲と内部構造を分離しアクチューターと制御機器だけで手足の駆動が可能になった。可変MSはこのムーバブルフレームの開発ができなければ成し得なかった。

・可変MS・可変MAの台頭
 グリプス戦役に登場したMSはそれ以前(一年戦争やデラーズ紛争時)とは決定的な違いを有する機体が多い。いわゆる変形機構を搭載した可変MSや可変MAが続々現れた。
 機体を構成するパーツを組替えることでスラスター推力のベクトルを一定方向に集中することで爆発的な加速性能と機動性を獲得し、単体での大気圏飛行能力を有するものも登場した。これにより可変MS・可変MAの行動範囲は飛躍的に広がり、MSの弱点とされてきた移動能力の低さは克服されたのである。
 グリプス戦争の時代に可変MS・可変MA台頭してきた背景としてはMSの機体構造の一心と新素材の登場によるもので「ムーバブルフレーム」が変形に必要なパーツの組換えを可能にし、「ガンダリウムγ」によるフレーム構造が可変時の負担に耐える機体強度を保障したためで、この時期のMSを俗に「第3世代MS」と呼ばれている。

「初心者のためのZガンダム講座」を製作するにあたり参考にした資料は以下の通りです
・GUNDAM EPISODEGUIDE3(角川書店)
・機動戦士ZガンダムHANDBOOK2・3(徳間書店)
・データコレクション4・5機動戦士Zガンダム上・下(メディアワークス)
・DVD「機動戦士Zガンダム」の各巻の解説書


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