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ハーデス12宮編レビュー

<レビューを読む前の注意>
注1:作中で登場人物はハーデスと言っているが、自身はハデスの方が言いやすいのでハーデスはハデスと書く。
注2:ハデス編レビューの方に虫食いになってる部分がありますが、ドラッグして反転すれば読むことが出来ます。(多少毒のある発言も含まれているために、読める勇気のある方だけお読みください)

1巻
1話「新たなる聖戦の始まり」+OP・ED
原作では「復活!ハーデス108の魔星」と「慟哭!血の涙」の前半に相当するエピソード。
まずはOP。最初は星矢ら青銅5人が上半身裸で登場。アイドルグループのプロモビデオか昔流行った某美少年アニメみたいな事を…鎧ヒーローの元祖がそんなことやっていいのか!?黄金聖闘士全員集合のところはよかったですが。
タイトルが表示されてから、それぞれの旅立ちのシーンへ。星矢の旅立ちを見送る星の子学園の子供たち。子供たちの中に混じって美穂ちゃんと貴鬼が・・・氷河がシベリアの氷原で涙を流しているところでTV版の時のようにコートを着てません。猛吹雪なのに…
エスメラルダのお墓参り(こういう表現は変か?)に訪れた一輝。最終形態の聖衣姿になってるが、色はイメージセルと同じに。正式に冥界編が製作された場合はアスガルド・ポセイドン編バージョンと同じ薄いブルーとダークブルーの聖衣姿にしていただきたいもの(個人的意見を差し挟んでます(苦笑)。文庫版13巻を初めて読んだ時はアニメ版旧聖衣の色をイメージしてしまいましたが)。TV版ではデスクィーン島は消滅したはずでは?OPからTV版とハデス編、辻褄の合わないところが出てきてます。
城戸邸(だと思われる)ところで一輝のことを心配する瞬。TV版の瞬は中性的なイメージのするキャラだったが、ハデス編では原作同様、女の子っぽい容姿に。この約13年で変わってしまったキャラの代表では?(原作のハデス編ではカミュが容姿が変わってしまったキャラの代表だったが。)
OPはまつざわゆみと言う方(「機動戦艦ナデシコ」のOPを歌った方だそうです)。TV版OPはロック路線の歌だったのに、いきなり女性歌手を使うとは思い切ったことをするなぁ・・・
聖域のアテナ神像はCGで表現。なんか露骨だ…紙で書けばいいのに…(アニメ用背景は昔は普通の紙に書いていた)夢のシーンは原作よりかは表現がソフト。(TV版でも10話のところでは首チョンパネタはしなかったし)
聖域の巡回を行っていた青銅の市と那智。市は原作同様、語尾に「〜ザンス」がついていました。
山崎たくみさんのムウは違和感なし。「スパロボ」で塩沢氏の代役をやった方だけはある。(山崎たくみさんは「スーパーロボット大戦α外伝」で「ブライガー」の木戸丈太郎ことブラスター・キッドの声をしていた)
デスマスク曰く「あのお方」(正体はここでは書けないが)の声、カミーユ君とは感じが違う。どちらかと言えば「GET BACKERS」の赤屍みたい。
この話でとうとうムウが必殺技を披露するが、クリスタルウォールのエフェクトはCGだからこそ出来たエフェクト。仮に純粋にセル画のみでハデス編が製作されていたら、波ガラス等の効果を使っていた?割れた時のエフェクトは光の屈折(?)のようなのでムウの顔が見づらいところもあったが。
ペガサスBOXの解説書によるとTV版は様々なエフェクトを使ってバトルシーンを演出していったそうだが、ハデス編は全てCGのせいかTV版に見られたチャレンジ精神というものが希薄になっているような気がする。
星矢が登場するところではTVで使われたBGMが流れていたが、音の質はTVよりアップしている感じ。星矢の声にしても当時と変わっていません。さすが!って感じ。
星矢をボコボコ殴るデスマスク、「やかましい!!」から続くセリフにおけるのりP語はなし。実際セリフにのりP語があったら大笑い間違いなしだった?(今のご時世ではのりP語は死語だしなぁ…)
反撃に転じる星矢が聖衣を装着するところは、ロボットの合体・変形シーン的。TV版のように普通に聖衣装着でよかった気が・・・
この後のデスマスクのセリフものりP語はなくともせめて「宇宙的に哀れな奴」だけはあのままにして欲しかった気も…
星矢が「沙織さーん!!」と叫ぶところはアムロの「マチルダさーん!!」みたい。(古谷さん、アムロだったし)
星矢にとどめを刺そうとするムウ。技名を叫ぶところは「Gガンダム」のジョルジュ辺りを思わせる。
EDはスローテンポなバラード。ふいに涙が出てきそう&懐かしさがこみ上げてくるような歌です。海辺で佇む沙織さんと星矢達。場所はTV版で星矢が家にしていたヨットハーバー近くの海岸なのかな?
海で佇む沙織さんを見ている星矢達を見ていると、お姫様と騎士という関係じゃなく、普通の少年少女って感じ(彼らの実年齢は10代なのだから…)。
これは禁句かもしれないが、仮に塩沢氏が生きていたら、「ダンクーガ」の亮を思わせる演技を見せてくれたはず…
ここでスタッフの話を書くが、演出兼ディレクター・キャラデザ・音楽は当時と同じ方が担当しているが、構成と脚本担当が小山高夫氏・菅良幸氏ではないのは理解できない。構成の方はジャンプアニメにかかわっている方だが、「星矢」とは無縁の人だし…プロデューサー(TV版当時のプロデューサー(東映側の)だった方は既に故人だそうです。)は車田氏のファンを自称している方が担当してるが、こういうファンの熱意がなければ、このハデス編製作は成し得なかったと思う。
(1話:2003年5月24日)
(1話修正:2003年6月5日)

1巻おまけ
テレビ総集編「SEIYA-TV」
ハデス編のスカパー先行放送時に本編とカップリングで放送されていたものと同タイトルのテレビ総集編。
イントロダクションは映画版第1作目のものを使用。まずは13年前(星矢の世界で)のことが出てくるが、サガとカノン、思えばとんでもない兄弟です。神をも巻き込んだ兄弟喧嘩の犠牲者の数を考えると。
星矢達の紹介は最初のところは24・48話と似たような流れ。12宮編は地上波再放送の時、途切れ途切れで見ていたが、なかなか思い出せない…12宮編のラストは原作とは展開が違い、一輝もいるし(原作だったらサガのギャラクシアン・エクスプロージョンで生死不明になるし)、みんなの力を借りて星矢がサガを倒すという展開に。
12宮の総集編の後はアスガルド編の総集編に。オーディンの巫女、ヒルダって髪型が「エルガイム」のポセイダル(ミアン)みたいです(禁句かもしれないが)。
個人的意見で申し訳ないが、ポセイドン編で一輝がシードラゴン(カノン)の素顔を見て「や・・・やはり!だが、お前は死んだはず…!」と言うところ(多分)を見て思ったが、アニメ版の一輝は藍色と青色が似合うキャラだと改めて思った。アニメ版の一輝は髪の色が藍色で瞳の色は青、アニメ版アスガルド・ポセイドン編バージョンの聖衣の色が藍色がメインだったし。(原作版でのオレンジの聖衣やアニメ版旧聖衣の色と比べて青や藍色が自身の好きな色だからなんだろうけど)。
ソレントのセリフも少し聞けたが、ソレントの声は"ユウキ・コスモ"塩屋翼さん(古すぎるか?今の人なら宮城リョータ役が有名かも)。彼、女顔美形のはずなのに声は何故…としか言えません
ラスト、星矢だけでなく氷河・紫龍も黄金聖衣を装着。強力な鎧を纏うのは主人公だけじゃないところは平等です。このシーンを見ていると、紫龍と氷河、片目を負傷、もしくは盲目ではないんですね。TVでハデス編を製作することを念頭に置かなかったから?
約30分という時間制約のためか総集編は駆け足っぽい展開だが、大まかな概要はこれでわかる感じ。
スカパー版の「SEIYA-TV」もハデス編一巻に収められていたものと同じものだったんだろうか?知っている方情報求む!
(一巻おまけ:2003年6月1日)

2巻
2話「慟哭の3人」
原作では「慟哭!血の涙(後半)」と「火時計!再び燃ゆる」(序盤)に相当するエピソード。
ここで書くのだが、3DCGとデジタル彩色されたセルが融合したアニメはPS版「機動戦士Zガンダム」のムービーを見たときは感動したものの、最近、こういう形式のアニメが増えてゆくにつれて露骨すぎると感じるようになってしまった。
佐藤江梨子の春麗、ヘボいです。宮崎アニメの少年キャラ的という評価をBBSで聞きましたが、ホントにダメ。同じグラビア女優で「GET BACKERS」に出ている乙葉の方がまだマシな方だ。何故、オリジナルの柴田由美子さんか山崎たくみさんみたいに柴田由美子さんと声質が似た人をを使わなかったんだろう?(柴田由美子さんって「少年記1997」のドラマ「DO CVIDANIJA(ダー・スビダニア)-約束の時-」には出ていたのに…)
はっきり言って素人を使うところは「聖闘士星矢」も地に落ちたって感じ。映画版では家弓家正氏(ドルバル)、広川太一郎さん(アベル)、津嘉山正種さん(ルシファー)と洋画の吹き替えがメインの声優さんをゲスト的に使っていたのに…

シーンが変わり、シャイナさんが青銅聖闘士に慰霊地に火を放つように指示。ここで邪武が登場するのだが、邪武の声は目黒裕一氏に代わり、石川秀郎という方が担当。オリジナルの目黒裕一氏と声質が似た平田広明(「ワンピース」のサンジの人)さんの方がよかったような…
オリジナル部分では死んだ白銀聖闘士が生き返ってハデス側の刺客として紫龍のもとへ登場するが、このシチュエーションはおいおい…と思いつつも刺客と戦う紫龍のセリフはカッコよかったです。紫龍と春麗のやり取り、春麗が紫龍を引き止めるセリフがないのは何故?春麗が紫龍を引き止めるセリフがあって初めて愛するものが戦いへ向かうことの悲しみが出るものなのに…
所変わり…ムウの前に出てきた・サガ・カミュ・シュラ、通称「慟哭の3人」。登場シーンは原作よりも派手になっています。
「慟哭の3人」の声優評だが、サガに関してはオリジナルの曽我部和恭氏が引退したために置鮎龍太郎氏に変更。変更は仕方がないのだが、声はトレーズ閣下等、今まで置鮎氏がやってきた声と比べると低めの声です。シュラは戸谷公次氏に変わり、草尾毅さんに。TV版では那智の声をしていて、なおかつ「トルーパー」でリョウをやってた方が何でやるの!?違和感あります。U・Cガンダムの常連声優でもあった戸谷氏がやっていたから良かったのに…変えるのなら渋い声つながりで若本規夫さんの方がよかったのでは?(地上波再放送の際、戸谷さんの声を若本さんと間違えたくらいですし)草尾さんには申し分けないがあのまま那智の声をやってくれれば良かったです。なんか中途半端なんですね・・・
カミュは林(神奈)延年さん。神奈延年さんは「マクロス7」で熱気バサラの声をやっていた方なので熱血系の声という印象が拭えないが、オリジナルの声と比べて違和感はなしかも?けど、思えばオリジナルの納谷六郎さんも出演しようと思えば出演できたはず…(納谷六郎さんは「しんちゃん」の園長先生だし)
ムウと慟哭の3人とのやり取り、原作ではほとんど会話のみだが、アニメではバトルシーンが若干追加されています。戦いの中、サガたちが血の涙を流しているのを見たムウ。ムウは超能力に長けた聖闘士だから、普通の人には見えないものが見えるのかな?
老師登場で「あのお方」の正体が明らかに。「あのお方」は先代教皇のシオン様。ぼろを取って登場するシオン様(この人も自然と「様」付けになります。)かっこいい〜!!シオン様が自分の肉体美を自慢(?)するところで次の話に。
TV版のDVD(アンドロメダBOX)を見た後にこの2話を再び見たのだが、後々つらいものを感じる(特にシュラなんか)し、DVD再生デバイスがついているパソコンで再生するとやや画像の乱れが目立つ。
(2話:2003年6月5日)
(2話修正:2003年6月30日・7月20日(最終修正)

3話「蠢く者の影」
原作では「火時計!再び燃ゆる」に相当するエピソード。
最初はハデス城でのシーンから。パンドラが弾くハープの音楽は新録だそうだが、映画版1作目の幽霊聖闘士オルフェウスの竪琴の曲といい、「真紅の少年伝説」のアベルのハープといい、ハープの曲は美しい!
とうとう登場するハデス軍の連中。ラダマンティスは子安武人さん。「シュラト」では準主人公的なガイの役をやっていた方なのだが(その頃はデビュー間もないために大根役者と酷評されたらしい)、そんな方が星矢に出るところは時代の流れを感じます。(車田作品のアニメに出た方ではあるのだが)
子安さん、「∀ガンダム」のギム・ギンガナム役をやってから骨のある男の役も板についてきた感じ(今度リリースされる新「北斗の拳」でケンシロウ役をやるそうです)しかし、子安武人さんはラダマンティスよりも冥界・エリシオン編(製作されるのか?)でヒュプノスをやって頂きたかった・・・・(TALKコーナーでも書いてますが)
パンドラは坂本真綾さん。いくら映画でクレア・デーンズ、ナタリー・ポートマン等の吹き替え&「ラーゼフォン」でミステリアスなヒロインをした方といってもパンドラの役はミスキャストとしか言えない(私的に)。この話を見て、パンドラが儚げなお姫様の印象も持ったキャラだという評する人もいるが、自分の中では超然とした女王様的な人なのよ。パンドラは。それにラダマンティス・一輝と絡むキャラだし、子安武人さん・堀秀行さんとつりあう声優さんでないと…
何故榊原良子・勝生真沙子辺りを使わなかったんだろう…仮に冥界編が製作されたらあの声では多少無理があるような・・・
私的に勝生真沙子が出ていたらある意味凄かっただろうし(勝生真沙子さんは「トルーパー」でカユラの声をやっていたし。)、仮に榊原良子さんが出ていたら、ハマーン様を思わせるボイスだったかも?(榊原良子さんはここ2・3年はでは海外ドラマ「ER」、「ヘルシング」に出ていたのに…)
城戸邸…瞬登場。第一声は「兄さん…」相変わらずですなぁ・・・一輝と星矢のことを心配する瞬。瞬は城戸邸に住んでいるようだが、住んでいると思われる部屋は原作と比べて飾りっけのない部屋に。原作ではベッド等の家具一式が置いてあったのに。
アテナを守るためにアテナの元へ行こうとするムウ。金牛宮にたどり着いた彼が見たのは、弁慶のように立ったまま往生したアルデバラン。そこへ現われたのはディープのニオベ。ところで、冥闘士の冥衣の色なのだが、色のセンスが何ともいえない。色彩担当のセンスを疑ってしまいそう。
再びハデス城…冥闘士を独断で出動させたラダマンティスの前に現れたのは取り次ぎ役が主な任務の冥闘士ゼーロス。声は島田敏さんだが、ハーゲン、シロッコをやっていた方とは同一人物とは思えない。声質は「スクライド」の瓜核みたいか・・・
スターライトエクスティンクションでハデス城に送られたデスマスクとアフロディーテ。原作では情けなさ爆発といったところを見せていたが、原作より追加シーンがあったので、多少はカッコよかったかな?と思ったら前言撤回…
アルデバランの幻のシーンは確かに笑えます。ニオベが五体バラバラでやられてしまうところは「北斗の拳」的。
東京。聖域へ向かおうと瞬を復活白銀聖闘士のシリウス・ディオス・アルゲティの3人が襲う!シリウスはプロレスラーの高山善廣氏。高山氏、アフレコの際はシャカのTシャツを着て収録を行ったそうで、技名を叫ぶところはさすがって感じ(シリウスの技「グレートマウンテン・スマッシャー」は車田氏の命名)。普通のセリフも佐藤江梨子と比べるとマシかも?格闘家の声優挑戦に関しては前例があったようだが・・・
刺客3人を目の前にしてやられっぱなしの瞬だが、聖衣を纏い反撃開始。聖衣装着シーン普通でした。「誰も傷つけたくはないんだ。」と言いつつ刺客と戦う瞬は一体?しかもあっという間に3人を片付けたが、戦いを通して成長し、青銅でありながら黄金聖闘士並みの力を持つに至ったからね・・・
(3話2003年6月8日)
(3話修正:2003年8月8日)

3巻
4話「半神の贖罪」
原作では「ジェミニ!血の懺悔」に相当するエピソード。サブタイトルだが、原作どおりにすればいいのに…
教皇の間にいるアテナの元にミロが姿を現すところから始まる。ハデス編のミロの声は関俊彦さん。俊彦さんは嫌いというわけではないのだが、シャアこと池田秀一氏を何故使わない!?ミロ=池田秀一氏というイメージが強いし、私自身ガンダムファンでもあるので池田氏にミロをやってもらいたかった。東映は「ワンピース」では池田氏を起用したのに、ハデス編で池田氏を使わないところは軽い怒りを感じる。昔からのファンの方は池田氏にやってもらいたいと思ったはずです(私もそのひとりですが)今回の関俊彦さんの人選はシュラ・カミュ同様、人選の下手なところが露呈しているような…(関俊彦さんはカセットブック版で善サガ、神闘士フェンリルをやっていた方ではあるのだが)ハデス編ミロ、「ガンダムSEED」のラウ・ル・クルーゼみたいですよ。
双児宮で13年ぶりの兄弟喧嘩勃発!のシーン、最初の時点ではサガとカノンの演じ分けはよくわからなかったが(カノンの声にややエコーがかかっていたため)、兄弟喧嘩のシーン後半から演じ分けがわかってきた。カノンの方がサガよりもやや声質が高いか?
兄弟喧嘩のシーンで気になったのはサガの顔が一瞬崩れるところ。
兄弟喧嘩のシーンの途中で東シベリアの舞台が変更。青銅の私的容姿重視ナンバー1、氷河が登場。第一声は「マーマ」。相変わらずです。この人は。マーマに呼びかける際の氷河の一人称はTV版3話同様「僕」です。回想シーンも登場。少年時代の氷河はTV版の佐藤智恵、冬馬由美とは違う人だが、声を聞いていると少年らしいかも?(冬馬由美のチビ氷河は可愛い系の声でしたが)回想ではカミュ先生が氷河に聖闘士になりたい理由を聞いた上で、聖闘士になるための心がまえを説くのだが、これって、単行本版11巻(文庫版では6巻)にあったネタでは?TV版でこのネタが使われなかったのは師匠が違うからだし…ここでの氷河は負傷した片目の部分は包帯をしていたのだが、傷が残ったので傷を晒したくなかったのか?それとも目の傷が完治してなかったのか?
復活組の白銀登場はこの話で最後。白銀の声は蝿座のディオス(3話で登場)以外はTV版と違う方が担当。一回こっきりだし、声優変更はやむなしか…
ミロがカノンにスカーレットニードルを打ち込むシーンでは、ミロのセリフが回りくどい言い方になっているのが気になる。「発狂か死か!?」で片付ければいいものを…
再び東シベリア…復活組の連中に対してもえらそーな物言いの氷河。こういうところも相変わらず。復活組対氷河のバトルシーンは映画「神々の熱き戦い」のプロローグを彷彿させます。白鳥ダンス→オーロラ・サンダーアタックもばっちり。このシーンで気になるのは、橋本晃一さんの声。TV版の時と比べると違和感を感じる。復活組のセリフを聞いていると白銀のヤツラが青銅の前に出てきたのは、敵のふりをして聖域の危機を伝えに来たみたい。(シベリアに来た復活組のやつら、氷河の成長を称えてたし)
教皇の間-ミロと沙織さんのやり取りだが、ララァ(潘恵子さん)とシャア(池田秀一氏)だったら興奮(&妄想炸裂)モノなのに、俊彦さんの声のおかげでイメージが…
しかし、ラストのミロがカノンを同志と認めたシーンでは涙腺が緩んでしまいました。
聖闘士の人らは懺悔するにしろ、拳を交えることでしか心が通わせることができないんだなぁと思ったが、こういう不器用さがまたたまらない。
ラスト、弟が正義に目覚めたこと、自分に代わって双児宮を守っていたことについてうれし泣きするサガ。原作ではカミュ・シュラの前で嬉し泣きしてたが、アニメでは二人にはわからないように喜びの涙を流す描写に変更されていた。
ここで書くが、背景がリアルすぎるのも問題。最近のアニメである「オーバーマン・キングゲイナー」、「WOLF’s RAIN」もおそらくデジタル彩色だろうが、背景はかつてのアニメのようにアナログ的。ハデス編も背景はアナログ風で彩色して欲しかった。背景がリアルすぎるとアニメ作品の個性が死んでしまっている感じだ。(それ以前にキャラクターの方も作画監督の個性が殺されている感じなのだが。)
(4話:2003年7月3日)
(4話修正:2003年8月8日・9月12日(最終修正)

5話「かりそめの再会」
原作では「巨蟹宮の中の死界!」に相当するエピソード。
巨蟹宮の階段を上る際のサガの歩き方はまるでロボットのよう。巨蟹宮の中の死の国に翻弄されるシーンの慟哭の3人の声は妄想でTV版の声に刷りかえられています。
亡者どもが出てくるシーンは妙にリアル(叫び声とか)。ゲーム「バイオハザード」の影響なのか、ああいったものを見ても驚かないようになったようだ。
ギャラクシアン・エクスプロージョンで幻影を吹き飛ばしたサガ。このシーンも4話同様、顔が崩れてしまっている…
聖域へたどり着いた紫龍の前に現れたのは一輝。ちょっと待て!何故一輝兄さんが登場するんだ!?
ハデス編原作における一輝の登場に関しては「聖闘士星矢2ch専科」によると、ポセイドン編ラスト〜ハデス編で登場(文庫版で言うと11巻〜13巻巻末近く)をジャンプの連載期間に換算すると1年以上出てこなかった勘定になるそうだが(ちなみに、星矢もムウにスターヒルに飛ばされてから沙織さんが自決するシーンまで出なかったが、これをジャンプ連載期間に換算すると半年登場しなかった勘定になるらしい)、そのことを考えたら、登場させないほうが良かったと思う。(=逆を言えば冥界編製作に期待がかかるわけだし)私的セリフ重視No1キャラといってもこれは複雑だし、青銅のみ全員オリジナルキャストといってもこれは強引だ。一輝登場は私的に「許せない」と思った場面だったりします。
一輝はハデス12宮編では「Zガンダム」時代のセイラさんと同じで本来は「出ないはずの人」なのに…(注)
この回の脚本は横手氏。上にも書いているように一輝はハデス12宮編では「出ないはずの人」です。好きなキャラといっても複雑です。登場キャラの立場とかを考えて脚本は書くべき。はっきり言ってこのシチュエーションは余計すぎます。天の邪鬼ですな。私も。
この後、星矢と紫龍が合流。星矢が飛ばされた先はスターヒルではなく、ペガサスの聖衣を手に入れた闘技場に変更。ここでの会話シーンでは星矢がガキっぽいところを見せるけどそこが可愛い!けど、闘技場にテレポートさせられた…じゃなくてあのままスターヒルに…の方が良かったような…一輝登場と同じくアニメスタッフは余計なことをしすぎです。闘技場の誰も来ないと思われる場所から星矢と紫龍が闘技場から去っていく姿を見た一輝。この人、なんだかんだ言ってもみんなのことや瞬のことが気になるのね。素直じゃないよなぁ・・・TV版33話で沙織さんが言っていたように、本心では仲間のことが気になるのに、いざとなったらそれを口に出せない人なんですね・・・一輝は(よく考えたら、一輝が本心を口に出すのは戦闘の時ぐらいしかないんじゃ?)。内に優しさを秘めている人は何故にこうも不器用なんだ?(思い当たるキャラはけっこういるし)
所変わり…巨蟹宮の出口にたどりついたと思いきや、たどり着いたのは仏陀の手のひらの上。3人が間抜け・・・じゃなく、黄金3人を翻弄できるのはそれほどシャカが強大な力の持ち主だということか?。仏陀の幻覚の後は再び亡者ども(手だけだったが)が通路にわらわらと出てきます。亡者どもの手がわらわらと出てくる所を見ていると「ドラゴンクエスト」の手だけのモンスター(名前は忘れました)を思い出す。
強大な小宇宙を感じたリアことアイオリアがワンシーンだけ登場。アランこと田中秀幸さんのボイスは最高!ところでアイオリアの容姿なのだが、TV版と比べると原作に近い感じ(解説書の設定&本編を見てると)。
この話はもう一人、「神に近い男」のシャカが登場。この回のシャカの声はエコーがかかりすぎだし、「天魔降伏」のエフェクトもTV版の仏教的なエフェクトの方が・・・
(5話:2003年7月10日)
(修正:2003年9月12日)

4巻
6話「古の闘士」
原作では「童虎復活!」に相当するエピソード。
聖域の白羊宮ヘ向かう途中、紫龍が星矢に「沙織さんがお前を待っている」発言を聞いてたら、星矢と沙織さんがラブラブ(?)と言うのはみんな知ってるの?と疑いたくなりますが、信頼愛って言うのはすぐ見抜かれるものなんだろうか?
老師とシオンのぶつかり合い、紫龍と老師のやり取りが前後していることろがあったり、老師の「紫龍よ。お前には人の情愛がわからんか。」から続くセリフはなし。「しかし、全世界を敵にまわしてもたったひとりの人を愛する…!そんなことがあってもよいのではないかと思うが…の。」のセリフは印象深かったのに入れなかったのはどうして?結構良かったセリフなのにね。
アニメのみのシーンに移動。瞬は沙織さんが自分たちを聖域に行かせないようにした理由を知るが(要するに星矢達は自分の近くに常にいて傷付きすぎたことを感じて、星矢たちには戦ってもらいたくないと思ったこと)、聖闘士として安穏としたことはしたくはないといった意味のことも言ってました。瞬はこういった芯の強さがいいんですよね。
市の感動屋なところも、原作と同じです。
再び白羊宮前…老師と紫龍の美しい師弟愛が見られるシーン、紫龍の「しかし、老師私は聖闘士です。地上の正義と平和のために闘うアテナの聖闘士です・・・・」のセリフがない…紫龍の侍のような精神が端的にわかるセリフなのに…
今回の山場はずばり老師の若返り(もとい脱皮)でしょう。
童虎(若返った方)の声は"マシュマー・セロ"堀内賢雄氏。堀内氏、「天空戦記シュラト」では天王ヒュウガ役だったがヒュウガといい童虎といい虎と関係のあるキャラと縁があるようで…(ヒュウガのまとう鎧のモチーフは虎なので)普通に喋っている時は首を傾げたくなるような演技だったが、技を叫ぶ際の声はよし。
童虎のセリフで神々の仮死の法「MISOPETHA−MENOS(ミソペサメノス)」の読みがこの話で判明(私は「聖闘士星矢2ch専科」でこの話を見る前から知ってましたが)。実は「MISOPETHA−MENOS」はあの「リングにかけろ」にも登場したネタだったりします。(「リンかけ」ではギリシャ12神戦前にギリシャjrが瀕死の日本jrを救うために使った。)
総論は、上に挙げたセリフやシーンの省略・挿入について。TVの時にでもいえているのだが、原作にあったセリフが割愛されたり、似たようなセリフがあっても部分的に割愛されている所が気になった。アニメオリジナルシーンを挿入するのなら、かっこいいセリフを見落とさず、話全体のバランスを崩さないようにしていただきたいものです。
(6話:2003年9月12日)

7話「黒き衣の群れ」
原作では「死界の蝶!フェアリー」に相当する回。
ここで書くが、スペクターと聞いて「007」初期編に出てきた悪の秘密結社の名前を連想したのだが、こんな私はバカなんだろうか?
冥闘士数人を相手に見せるムウの不敵ぶりがちょっとだけ堪能できたりします。
金縛りにあい、動けないムウのピンチに星矢登場。またまた余計なことを…星矢が冥闘士ギガントと戦うシーンではSEに奥行きがあるように感じた。
紫龍の「しかし老師・・・」のシーンは回想としてこの話に入っています。やはりこの回も4話同様、くどい言い方が気になって仕方がない。TV版は子供が見ているといことでセリフが簡略化されているところがあったが、ハデス編は年齢が高い方がメインということなのか、セリフがくどく感じるところもある。
スライム(?)状態のミューに対してスターダスト・レボリューションを放つムウ。エフェクトは透過光のみでよかったような・・・
さなぎ状態になっているミュー。繭からなぜか胎児のようなシルエットが見える所は笑えます。とうとう真の姿を現すミュー。素顔は「パタリロ!」や魔夜峰央氏の漫画に登場する美形キャラ的な顔をしています。声は「勇者司令ダグオン」に出演した秋市淳さん。この人は問題なしか?
幼虫→蛹→蝶へという段取りは○スラっぽいが、冥衣本体の色が暗いオレンジなのは色彩担当のセンスを本気で疑う(前半に登場したギガントもそうだが)。ミューの冥衣、「アゲハ蝶」のイメージだし冥衣本体は黒か紫系のカラーにして欲しかった…(原作本はそのイメージで読んでいたし)
気合でミューの念力に耐えた星矢。ここは彼の根性が垣間見えるシーンです。
ムウとミューの念力対決はカット。ムウの恐ろしさというか彼が超能力に長けた聖闘士であることを改めて思い知らされるシーンなのに…星矢がでしゃばって登場しなかったら見られたかもしれない?
ミューの使い魔(?)フェアリーはオレンジ・黄色・緑の3色のグラデーションがかかった蝶に。ピンクか赤の透過光でフェアリーを表現した方がフェアリーの華やかさと恐ろしさがわかるような気がするが…
ムウがスターダスト・レボリューションでミューやフェアリーを攻撃するシーンも念力対決同様カットされている。これらのシーンが省略されているためにバトルのスピーディーさがなくなってしまっているような…
気がつかないままクリスタル・ネットにかかってしまったミュー。この際の彼の表情、ちょっと間が抜けてます。
ミューのやられ方も念力対決、ムウが反撃するシーンがないためにあっさりとやられてしまっている印象が拭えない。
今回のハデス編の脚本家の方々、肝心なセリフが抜けているところはTV版の脚本家とおあいこなので別にいいとして、台詞回しの一部とバトルアクションは歯切れの悪いところを見せている。後者に関しては肝心のムウとミューの念力対決がないので。星矢達青銅にでしゃばるような真似をさせるよりは切れのよいバトルシーンを書いて欲しい。「聖闘士星矢」はバトルアニメだから・・・・
(7話:2003年9月23日)

5巻
8話「逡巡の刻」
 原作では「牙剥く黄金の獅子」と「百八の珠」に相当する回。
 先に進もうとする星矢だが、ミューの念力で受けたダメージのせいか動けなくなってしまう。この次のシーンでは沙織さんの前に星矢の幻が登場。星矢&沙織のカップルが際立っている描写。星矢&沙織好きの方は萌えたんじゃないでしょうか?
 このまま意識を失った星矢は瞬に起こされる。すぐにアイオリア対冥闘士戦に行って欲しかったような…
 先に進もうとする星矢。氷河に「また転ぶと怪我するぜ」警告されるんだけど、声がおかしい…
 -獅子宮-アイオリア登場。冥闘士数人をライトニング・プラズマで蹴散らすところはかっこいい!しかし、一瞬顔が崩れるところと、しゃべり方がTVのときと違うのが気になった(アイオリアの声はTVと同じ田中秀幸さんだが)。「言ったはずだ。敵である以上…」の時は本来の調子に戻っているが。
 ミミズことライミが登場。声はゾロの人ですが、声の調子はジャミアンに似てるような…
 獅子宮に向かおうとしている星矢達。ここで冥闘士の死体を発見。青銅の出番を増やすためとはいえ、また余計なことを…冥闘士の死体を検分する星矢達。刑事ドラマの世界と化しています。余計だとは先ほど書いたがこのシーンでは世話女房っぽい瞬が拝めるのでシリアスになりがちなハデス編における息抜きとしては重要なシーンかも?
 アイオリアはハデス編ではマスクを着けてないが、マスクを着けている方がよかったような気がする。TVではマスクを着けている回数が多かったし。ライミの技を破った後のアイオリアのセリフ、「ミミズはミミズらしく死ぬのはやはり地中がよかろう。」がないのはNGだし、原作ではアイオリアはライミに蹴りを食らわせていたが、アニメではライトニングボルトを食らわせる描写に変更。これって大げさ。この後、ライトニングプラズマでとどめを刺すんだけど、必殺技連発じゃ迫力に欠ける感がある。
 -処女宮-残った冥闘士達は処女宮へ。その間にインサートされるシャカの「ひとり…」「ふたり…」と言うところは脱力。どっかの怪談話じゃないんだし…シャカが登場する際の前振りははっきり言って不要。「この処女宮までよく来た冥闘士の諸君!私の顔こそ引導代わりだ。迷わずあのよへいきたまえ!」のセリフをすぐに言わせたほうがよかったんじゃ?
 冥闘士ギガントの奴、でかい図体に似合わず、鋭いカンを持っています。
 「天空破邪魑魅魍魎」の悪霊のエフェクト、インパクトに欠けるような…
 どこからか数珠を取り出すシャカ。不思議ちゃんぶりが出ています。数珠の珠がDNAの螺旋っぽいし、シャカの幻がわらわら出てくるのはちょっと…もう少しましなエフェクトを考えられなかったんだろうか?登場時のセリフも含めシャカの尊大ぶりは相変わらず。シャカの首をねらう謎の冥闘士3人。彼らの正体が判明したところで次の話へ。

9話「矜持の果て」
原作では「沙羅双樹の下に…」に相当する回。この話も4話同様原作と同じサブタイトルにすればいいのに…
 慟哭の3人をあっさりと通したシャカ。残りの冥闘士はシャカをあざ笑うが、シャカの手で倒されてしまう。天魔降伏のエフェクト、3DCGの骸骨に美女の笑い声はなぜ?としか言えん。TVの仏教的エフェクトか平面で骸骨、美女の幻影が出てくるようにして欲しかった。エフェクトがおかしいせいもあって冥闘士数人を倒す迫力が無いのが痛い。「死が恐ろしいか…」と死にかけの冥闘士に言うシーンでのしゃべり方も変。
 冥闘士を倒したシャカ。サガが「アテナの首を取ることだ!」のセリフを聞いた際、わずかに怒りを出す描写はないし、「このシャカ、一命を賭け…」のセリフと共に開眼モードになったシャカ。TV版57話のときの切れ長の目はどこに行ったのよ…TV版の切れ長の目の方が美しかったのに…
 「死に場所だ」と言うシャカ。原作どおり「死場所さ!」と言い切るしゃべり方の方がよかったような…
沙羅の園に入った際のシャカの髪のなびきは美しいし沙羅の園での戦闘シーンはシャカの闘士としての顔を拝むことが出来ます。この戦闘パートではシュラの声は脳内で戸谷氏の声にすりかわっています。ほんとに戸谷氏がシュラの声をすればよかったのに…
 変な体勢でのカミュ先生のダイヤモンドダストとカミュの凍気で凍傷にかかる描写もカットされているし、アナザーディメンションのエフェクトも露骨すぎ。
 3人の黄金聖闘士を相手にしてはいつかはやられると感じたシャカ。天舞宝輪を放つが、繰り出す際はやや霞んだカットになっているし、繰り出す際のエフェクトはTV版同様、背景(現実世界)から曼荼羅(調和の世界と書いたほうがいいか?)へ変わる風にした方が自然だったと思うんですが。
 3人が感覚を絶たれる際のエフェクトはTVと感じが近いが、吹っ飛ばされる3人を見ていると、沙羅の園の花って花としての質感がなく平面になっているのが気になった。神殿等は3DCGでリアルに書いているのに、アナログ風のところは手抜きっぽい印象を受ける。
 「あれ」=聖闘士の究極の闘技・"アテナ・エクスクラメーション"の存在が明らかに。その"アテナ・エクスクラメーション"を使うのをためらっているうちにことごとく感覚を絶たれる3人。"アテナ・エクスクラメーション"について3人が説明文くさいセリフを吐くが、カミュ先生のセリフがくどく感じたし、アテナは戦い(武器)を嫌うと言うのは神話に関する本には書かれなかったけど…結局は聖闘士の掟ってえーかげんって奴なのかも?
 "アテナ・エクスクラメーション"でシャカを倒す決意をした3人。この辺のシーンにおける3人が血の涙を流す描写はなし。血の涙を流している方が心の慟哭が表れていいと思うし、感動する度合いもアップするんじゃ?
 沙羅の園の前にやってきた4人とアイオリア。ムウが先にきていたんだけど、どうやって先回りしてたんだろう?後から来た方が納得いくような…
 神仏と対話するシャカの回想が登場。この辺は人々の死生観が出ています。
(8・9話:2004年3月21日)

6巻
10話「金色の激突」
原作では「沙羅双樹の下に…」(一部)と「女神に託す…」に相当する回。
沙羅の花のみを残して消え去ってしまった沙羅双樹の園。3人の前に現れたシャカ(実際は魂なのだが)。シャカの「花は咲き…」で始まるモノローグを言うシーンは綺麗の一言。原作とはセリフの順序が異なるのは気になったが。シュラの「ならばせめてもの情け・・・」のセリフ、脳内でまたもや戸谷氏の声にすりかわっています。シャカがチリとなってしまうシーンは、もう少し自然なエフェクトを作る事ができないのか?デジタルでもアナログ風に似せてエフェクトを作る事ができるはずなのに…3人が意味深なセリフを吐いていたが、彼らの真意がわずかながら感じ取る事ができます。フェアリーの色、やはり赤かピンクの透過光を使って欲しかったです。
怒り爆発のアイオリアが慟哭の3人に猛攻撃を加えるシーンでのサガ達の「さ…さすがアイオリアだ・・・」からのセリフがまたくどいです。
勝手に天蝎宮を出て処女宮までやってきたミロ。「面白い!ならばこちらから言おう…」のセリフ、脳内で池田氏の声にすりかわっています。何で池田氏を使わずに俊彦さんにしたのよ?スタッフのバカヤロー!!昔からのファンに対する背信行為ですよ。これは。
地上波再放送でとはいえ、TV版の声優が刷り込まれているので、どうしてもTV版の声優さんの方がいいと思ってしまいます。新キャストのファンには申し訳ないですが。
スカーレットニードルのエフェクトは文句なしなのだが(ちょっとTV版の時のエフェクトが入っていたりする)、ギャラクシアン・エクスプロージョンのエフェクトはNG。劇場版では星々を透過光で表現していたのにハデス編では3DCGで表現するのが露骨すぎ。
慟哭の3人はアテナの下へ行かんとためらいなく2回目のアテナ・エクスクラメーションを繰り出そうとする。このシーンでの背景のアテナ像は3DCG風ではなく、石膏彫刻画風にしして欲しかったかな?
シーン変更。アテナ神殿…沙織さんはシャカの血文字でシャカの死の意味を悟るが、なんかイヤーンな予感(藁)
処女宮とその周辺が破壊されるシーン、3DCGの12宮、アテナ像もキャラと対比しても釣り合いが悪い。3DCGの背景が似合うのはやはりSF物だけ。

11話「震撼の聖域」
原作では「女神!死の決意」と「女神の聖衣」の前半に相当する回。
最初からオリジナルシーンがあるが、キャラの行動をフォローしているので問題ない。
アテナ・エクスクラメーション同士の激突!原作よりは迫力があるかも?
突如崩れ出したパワーバランス。パワーのバランスを崩していたのは星矢達。はっきり言って星矢、氷河、瞬には登場してもらわず、原作どおり紫龍だけでアテナエクスクラメーションのパワーバランスを崩す…という風にしてもらいたかった。この後の氷河&カミュと紫龍&シュラのセリフもいらない。戦いの空しさが出ているのはいいかもしれないが、これではこの後のハデス城でのやり取りの感動が薄れるような気が…星矢達の身を案ずるムウのセリフが丁寧口調になっているのは○ですが。
アテナ・エクスクラメーションを何とかしようとする4人の聖衣が黄金化。ポセイドン編以来ですね。聖衣の黄金化を見るのは。アテナ・エクスクラメーションのパワーを天に上昇させる事に成功した4人。アテナ・エクスクラメーションのパワーを天に放り投げてしまったら、地球近くの星もただじゃすまないような気がする…アテナ・エクスクラメーションのパワーってビッグバンに匹敵すると言っていたし。上昇した過程で大気圏で威力が減少して…という説明が付きそうではあるが。
サガにとどめを刺そうとしたミロを止めるアテナの声…というところでシーン変更。
星矢の夢の中。死の淵にいる星矢と沙織さん。沙織さんは何かを言おうとしているみたいだけど星矢のセリフから想像するするしかない。夢のシーンでは神聖衣姿の星矢を拝めるが、ペガサスの神聖衣は白に金なのか?原作どおり金色だと思っていたのに…実際冥界編が製作されたら、神聖衣の色はハデス編の聖衣の色に準ずる形になるのか?
沙織さんが言ったサガに返すもの…それは教皇に化けてアテナ暗殺を目論んだ際使っていた黄金の短剣を返す事。TV版38話でサガがアテナ暗殺を目論んだ際に使った短剣は普通の短剣だったはずなのに、このハデス編では原作どおり黄金の短剣に変わっているが、これまた辻褄が合わないような…しかもご丁寧に小箱に入っているし。一体誰が小箱に短剣を入れておいたんだろう。カノンがその短剣が納められている箱をサガに渡すシーンを見ていて思ったが、4話とは違い、演じ分けをしていないような・・・やはりオリジナルの曽我部氏は偉大ですね。
サガ達の行動の真意、沙織さんの決心をムウとカノンが知っているらしい描写はOK。
アテナ自決シーンの際流れていたBGMはOPの「地球ぎ」。OPよりは物悲しいBGMにした方がいいような気がします。何のためらいもなく短剣で喉を突く沙織さんってやはり後先考えていないような・・・(死の真実は後でわかるとは言っても…)後先考えない行動はお嬢様として育てられたからか?それとも危険を味わいたい性分からか?
あとOPが流れていた際、ミロがカミュの首をしめているように見えたが一体何がしたかったんだろう?
沙織さんの死を知った一同が悲しむシーンはいいんですが、また無駄と思われるシーンが…何故「出ないはずの人」(一輝)を登場させるの(セリフがないとはいえ)?本来(原作では)出ない人であることを考えたら12宮編では完全に登場させて欲しくなかった。5話の時といい、いくら好きなキャラでもこういう形で登場して欲しくなかったです。冥界編まで作ると言って冥界編で一輝を登場させていればよかったのでは?と思う。要は本来の役割を考えずに出ないはずのキャラを引っ張り出して欲しくなかったということ。
ハデス城。部屋でくつろぐラダマンティス。このシーン、DVD発売当時に飲んでいるのはウィスキーかウーロン茶か?と星矢チャットで話題になったんですが、私的にはウィスキーだと思います。ラダマンティスってちょっとダンディ入っていると言うか、ウィスキーが似合うイメージなんで。
ラダマンティスとゼーロスの会話の後、いきなりお仕置きシーンに移動。唐突というか、ラダマンティスとパンドラの意見の対立シーンを入れて欲しかったです。パンドラの喋りを聞いているとやはりパンドラの声は榊原良子さんにやってもらいたかった…坂本真綾さんにさせるなんて浅はかとしか言えないし(坂本さんに実力がない訳ではないが)、後の冥界編が作られた場合はあの声では無理があるとしか思えてならない。それにパンドラがしているマニュキュアの色も黒はおかしい。赤か紫でしょう?普通は。
シオン様の「うろたえるな!小僧ども!!」のシーンはアニメでも迫力満点。シオン様が真実を話そうとするところで終わり。
この回の脚本は横手氏。はっきり言ってハデス編は構成および脚本家に横手氏を起用したのは最大の汚点だと思う。見ている人間の神経を逆撫でするようなことをしたので(監督にも多少責任はあるのだが)。少なくとも私にはそう感じてならない(ただし、原作でわからなかった各キャラの行動をフォローをしてくれるのは良しとするが)
この回は感動したということを某星矢サイトの掲示板で言っていた方がいたが、無駄と思える演出のせいで感動する心を失った感があります。
(10・11話:2004年4月29日)

7巻
12話「女神の聖衣」
原作では「女神の聖衣」と「冥界への扉(前半)」に相当する回。
前の話で星矢たちを吹っ飛ばしたシオン様は星矢達に真実を語り始める。シオン様と星矢の二人を見ると、アムロとカミーユ君を思い出させます。今にもシオン様に襲いかからんとする星矢。それを止める瞬の描写ははGOOD。シオンはアテナの血を自らの手につけアテナ像に呼びかけるとアテナ像は光を放ち始めた!ここの演出、フツーに透過光でアテナ像を光らせるだけでよかった気も…
光を放ったアテナ像は小さな彫像に。この小さな彫像はアテナの聖衣。神が纏う聖衣だけあって(?)コンパクトに収まったが、全ての聖衣もコンパクトに収められる…という設定にすればよかったのに…と思ったのは自分だけではないはず?
シオン達がアテナの命を狙いに来たわけ…それはアテナの聖衣のことを沙織さんに伝えるためのお芝居。原作ではわずか数コマしか説明されなかったシーンでしたがアニメではそこら辺を整理してくれたのでよかったです。シオン様の回想で照れくさそうにしてるデスマスクがいい味出してます。
-ハデス城-ここでのパンドラの言葉づかい丁寧すぎ。何で女王様的な言葉づかいにしなかったの?
所変わり…自分の命がつきかけているシオン様。めまいを感じた後倒れるんですが、ちょっと大げさ。シオンは残された力で星矢達の聖衣をアテナの血でよみがえらせる。ハデス編バージョンの聖衣の色ははアスガルド・ポセイドン編に準ずるがペガサスのマスクの部分なんで黄色が混じっているの?ここもセンスのなさを感じてしまう。何でマスクの部分は全て白にしなかったんだろう?(イメージ「ハーデス編」の絵ではマスクの部分全て白だったし)
キグナスは全体的なシルエットはアニメ版旧青銅と似てるんだし、白い聖衣に青のアンダーという組み合わせでも悪くないような?
ドラゴン・アンドロメダは問題ないんですが、ドラゴンの方はアニメ版旧青銅のカラーリング(薄い青緑の聖衣に薄紫のアンダーという組み合わせね)にしても似合いそう…
再びハデス城-ムウ・アイオリア・ミロの3人がラダマンティスに挑むんですが、あれ?ハデス城の結界のことは?ハデス城には結界があるために力を100%発揮できないんじゃなかったの?
最強の黄金聖闘士がラダマンティスに互角に戦えないのはこれのためだったのに…
最高位の黄金聖衣にひびが入っているのを見ていると黄金の皆さんの扱いって酷くありません?
ハデス城に星矢達が乗り込んできたところで次の話へ

13話「決意の朝」
原作では「冥界への扉(後編)」と「めざめよ!エイトセンシズ」に相当する回。
ハデス城に乗り込んできた星矢達。一番最初にラダマンティスに挑むのはやはり星矢だが、ラダマンティスと決着をつけたいムウは星矢達をハデス城の大広間へ向かわせる。
大広間のシーンへ。命が尽き、塵と化す慟哭の3人。氷河とカミュの別れは無言の方がよかったと思う。言葉を交わそうとするけど交わせない、触れようとしているのに触れられないという切なさがあるのにセリフを入れることで感動が無にされている。(もっとも11話でカミュと氷河のセリフを入れてしまっているためこの別れのシーンは感動できなかった)
大広間でラダマンティスと再びバトル・・・・なのだが話が原作とまったく違うじゃねーか!!この部分だけでもファンを侮辱してるような・・TV版72・73話も原作と全く違う展開になっていたものの星矢達の友情ドラマがよかったので問題なかったけど、ハデス編における原作無視なところは黙認できるものではない。それにハデス城の結界の説明がないので12・13話のラダマンティスはアクションゲームのボスキャラ状態と化しているし、ラダマンティスが星矢達を危惧するような描写がないのが残念。星矢達が不屈の闘志でラダマンティスに挑むところは「星矢」のテーマが出ているのでいいですが。
朝になりかけている聖域。シオンと童虎が言葉を交わすがいつ仲直りしたの?それにシオンと童虎はエイトセンシズの話をしていたけど何故、紫龍たちの前に現れてその話をしないのだろう?
それにバレンタインらラダマンティスの部下の冥闘士が出なかったのも謎。
ラスト、「冥界」とテロップが出て終わりましたが、本当に続きを作るんだろうか?続きを作るのはそれでいいんだけど10年も待たせるのはやめて欲しいですね。
この回は原作とストーリー進行が全く違うため、感動できなかったし逆にいい感情を持たなかった。
実はこの13話、一輝が登場する追加シーンを考えていたそうだが都合により見送られたとのこと。私は個人的にそのシーンを入れなくて正解だと思う。一輝はハデス12宮編では部外者なんだし(もっとも氷河・瞬も本来はある意味部外者だけど)。


総論〜伝説、再び〜
13年ぶりに「星矢」復活。しかも過去に映像化されなかったハデス編の映像化。
新たな星矢に胸を躍らせた方もいるでしょう。しかし、ハデス編はある意味旧作ファンを
冒涜した行為もしているような気がしてならない。総論をいくつかの章に分けて述べていきたい。

1.声優に関して
声優に関しては青銅5人と沙織さんと言った主要キャラは変更なしだが、黄金聖闘士はほとんどが
声優が変更されているのは痛い。塩沢兼人氏は故人、曽我部和恭氏は引退したので声優変更は仕方がないのだが、シュラ、カミュ、ミロまで変更する事はなかったと思うし、他のキャラもミスキャストが目立つ。ミロ、シュラ、カミュを当時演じていた声優さん方(池田秀一氏、戸谷公次氏、納谷六郎氏)はまだ現役の方です。それにパンドラが坂本真綾さんなのもNG。仮に続きが作られた場合はあんな声では無理があります。冥界編が作られた場合は榊原良子さんか勝生真沙子さんにさせるべきです。
声優の人選はプロデューサー辺りがやるのだろうが、下手な人選だ。

2.スタッフについて
スタッフにしても映画版の監督をしたことのある山内重保氏、キャラデザの荒木氏・姫野氏、
音楽の横山氏はTVと同じままなのだが、構成・脚本が小山高夫氏、菅良幸氏ではないのが痛い。
ハデス編の構成の横手美智子氏はジャンプ作品には縁がある方だが、星矢とは縁がない…
「星矢」を熟知している小山氏、菅氏の二人のどちらかが構成をしてくれれば多少はマシだった?
はっきりいって構成・脚本に横手氏を起用したのはある意味最大の汚点だと思う。ファンの思い入れを
ぶち壊したので(少なくとも自分はそう感じた)

3.演出について
ハデス編、余計なことをしすぎと感じるシーンが多いので。星矢達青銅の出番を増やすために
星矢達に倒された白銀を生き返らせて登場させたり、本来は「出ないはずの人」である一輝を
登場させたり、パピヨンとの戦いでは星矢を登場させたり、アテナエクスクラメーション同士の
激突では青銅4人が割って入ったり、そのシーンで星矢達と慟哭の3人の会話を入れたりとその他色々…
こういったこともあり、ハデス編はアニメ版の演出・ストーリー進行には賛成できません。出来れば原作の進行を損なわないようにして欲しかった。

4.CGの多用・作画
TV版は様々なエフェクトを使用してバトルシーンを表現していったが、ハデス編はCGを多用している
ためにそういうチャレンジ精神が希薄。
背景を3DCGを使って表現するところもNG。デジタル彩色でもいいからアナログ風の背景を
使っていただきたかった。アナログ風のほうが温かみを感じる。
作画に関してはTV版よりかは綺麗だが、キャラがTV版より変わりすぎてる感のするキャラがいるし
作画監督の個性が死んでいるような気がする。
彩色設定にしても色彩担当のセンスを疑いたくなるような彩色があったのには幻滅したし。

ハデス編のプロデューサーは車田ファンだそうだが、こういった方の熱意でハデス編製作が
成し遂げたのは賞賛に値するが、周囲から見ても人選ミスとしか思えない人選はプロデューサーの
自己満足としか感じられないし、前半の12宮編だけじゃなく、後半の冥界編も作るといっておけばイライラはしなかったとは思う。

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