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尖閣諸島の領有権問題


踏み越える中国船 資源調査 日本は黙認
http://www.chunichi.co.jp/anpo/0809.html


オレンジ色の炎を上げる中国の平湖油田。
支援船「兵海281」が近づく=東シナ海で、
本社機「おおたか2世」から


天然ガスを燃やすオレンジ色の炎が青い海に映える。海底石油の採掘施設、中国政府の「平湖油田」は東シナ海に
ポツンと立っていた。 奄美大島と上海の中間より中国寄りの公海。巨大な施設を支える十二本のくいが、水面から
伸びる。作業員九十人が生活する居住区にはヘリポートも併設。生産する原油と天然ガスは、パイプラインで上海に
送られる。

  ×  ×  ×

  東シナ海に眠る石油は推定七十二億トン。欧州の北海油田に匹敵する。問題は、大半が平湖油田と違って日中
中間線の日本側にあるとされ、しかも中国が中間線による両国の「領域配分」を認めていないことだ。

 中国は、一九九五(平成七)年から日本側海域で資源調査を本格化させた。九九年には三十隻が日本側に入り込
み、国際問 題に発展。両国はことし二月、事前通報があれば「科学的調査」 に限って中間線を越えた調査を認める
ことで合意した。

 現在、中国から日本の外務省に提出されている事前通報は三海域四隻分。だが、中日新聞が入手した事前通報
リストを分析すると、見過ごせない事実が浮かぶ。


(図1)

 各船の調査海域(図中に各色の線で表示)を重ねると、実に日中中間線と奄美大島、沖縄本島、先島諸島にはさ
まれた日本側海域全体に及ぶ。尖閣諸島など日本領海まで含まれる(図1参照)。

 リストには地震計器、エアガンなど資源調査用の機材が書かれ、資源基礎調査を担当する国家海洋局所属の船
名が並ぶ。明らかに、両国合意に沿った「科学的調査」でなく、資源調査。だが、外務省は「区別は困難」と黙認を続
ける。

 中国艦船の観測を続けている杏林大の平松茂雄教授は「中国は日本側で石油資源を確認し、日中共同開発を提
案する腹積もりだ。日本が拒否すれば、独自開発に乗り出す」と予測する。

 それを示唆する動きが、九二年にあった。中国は平湖油田の南の中国側海域に石油鉱区を複数設定し、国際入
札にかけた。落札したのはテキサコ、シェブロン、エクソンなど、主に米国の石油メジャー。石油は出なかったが、入
札はメジャーの東シナ海への関心を計るためだったとされる。

 日本の石油会社が傍観したわけではない。日本側海域では六六年以降、帝国石油、うるま資源開発など四社が
相次いで通産省(当時)から試掘申請の権利を獲得した。しかし、試・採掘はいまだ認められない。うるまの荒木正
雄社長は「通産省は『試掘を認めると対中関係が悪化する』と言う。なぜ、そんなに弱腰なのか」と悲嘆する。

 当時、平湖油田は影も形もなかった。だが、七〇年代に資源調査を始めた中国の行動は素早く、平湖油田は九九
年四月、一週間で建設された。

 日本側海域の中国船の調査も、やがて試掘、油田建設となる。その時、日本はどう出るか。平松教授は「中国がメ
ジャーに開発を呼びかけ、米国がメジャーを支援するという米中共同の図式が一番やっかい」という。

 「この場合、日米安保とは別次元。国益は自分で守るしかありません」(「日米安保50年」取材班)

日中中間線 日本政府は中間線までを日本の排他的経済水域(EEZ)とし、海底資源の所有権を主張。一方、中国
政府は中国大陸から中間線を越えて、沖縄本島や先島諸島へ延びる沖縄トラフまでの大陸棚全域に主権があると
主張している。 




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