SPACE HARRIER for PC−ENGINE 86年 NECアベニュー |
・8ビット最高級機種で!
大きなキャラがガンガン動く!(THE功夫より)という革命的なスプライト機能を搭載したPCエンジンにも「スペハリ」はやって来ました。しかしながら、化け物のような性能を持ったアーケード版に比べたらPCエンジンのスプライト機能など赤子のようなもの。かえってその中途半端なスプライト機能で苦労する羽目になったようです。
・X68000版の移植?
X68版に準じた画面
このPCE版は、画面を見てもわかるようにどうやらX68000版を元に移植を進めたみたいです。地面のデザインや、障害物の(ほっそりした)デザインが独特です。スタッフロールを見て納得。移植はDENPAのようです。
・X68000版より進化した所
元になった(と思われる)X68k版よりも進化した所があります。まず「ボーナス面で壊せる障害物が増えた」。X68k版では、ボーナスステージで破壊できる障害物が1種類のみ(木だけとか)で寂しかったですが、PCE版ではちょっと賑やかに(アーケードに近く)なっています。
他にも…
「弱点が2つある敵にダメージの色分けがついた」
「スタンレイ(16面ボス)に弾を当てられる」
「ウイウイジャンボ(17面ボス)にバリアを張っている段階がある」
「18面に背景がある」
「ネームエントリーがある(背景は真っ黒)」
こんな所がX68k版よりもアーケードライクになった所です。X68k版での反省が生かされたのでしょうね。「ハヤオー」もいないし。
小さいキャラが致命的かも!
X68k版に比べたらグラフィックもショボく、キャラも(かなり)小さくなってしまいました(その上キャラ欠けが激しい)。が、処理落ちでスローがかかる事がないので、かなりスピーディーでハイテンポなプレイ感覚です(ここ大事)。「スペハリ」独特の疾走感が高いレベルで再現されています。
・?な所
PCEにはもちろん拡大縮小機能はないので、キャラがカクカク迫って来るのは仕方ないとして、いかんせん小さすぎる!キャラが。1面のドラゴンなんて一番近くに迫って来ると「もうたまらん!」とばかりに画面の外に行ってしまいます。迫力のあったアーケード版と比べるとかなりチマチマした印象を受けます。BGMもかなりショボいですが、敵の効果音で「火の玉を吐く音」と「ドム(又はジェット)の撃つ弾の音」だけが妙に似てます。
それにしてもハリアーが空中でコケちゃうのは困るねえ!
・「感覚」を再現した移植良作!
エンディングもX68kを意識してはいるものの、オリジナル色を出しています。しかし名曲だったX68kのED曲に比べ地味な感じの曲になってしまったのは残念でした(バックも黒だし)。
このPCE版はキャラこそ小さく、迫力という意味での再現度は低いものの、無理のない移植技で見事にオリジナル版の魅力である爽快感を再現しました。さすがDEMPA!移植のツボを心得た「技あり」移植です。
NECアベニュー
1988年12月9日発売 6700円