SPACE HARRIER for SEGAーMKV 86年 SEGA |
・画期的(無謀)な移植!その出来は?
まず画面を見てもわかるんですが、全然違います。動きを見るとさらに違います。辛うじて雰囲気は再現しようとする努力は感じられますが、ハード性能の差は余りに無情だったようです。元ネタを知らないと、ゲームとしてさえちょっと辛い出来かも…。
・苦肉の策
マークIIIの貧弱なスプライト機能ではあの大きなキャラクターを再現できないという非常に冷静な判断から、キャラは背景の書き換えで処理されているそうです。不自然な「枠」がついたキャラがカクカク動く様は、ある意味鳥肌モノ。動きを
犠牲にして迫力を取ったわけですね。う〜んツライでしょ!
ワクのついたキャラ。驚異の背景処理
・あこがれの拡大縮小機能
画面の奥からキャラクターがスムーズに迫ってくるというのがオリジナル版の魅力です。マークIIIには拡大縮小なんて豪華な機能はない為、膨大な数(1キャラ推定6〜7枚)のアニメパターンで再現されていました。おかげで急に弾が目の前に現れたりして非常に理不尽な死に方をしたもんだ!
・気になる所
そもそも完全なる移植は諦めざるを得ない状況なので、同じ部分を探すのが難しいのですが(っていうかナイ)、当時特に残念に思った点は、「地面の市松模様が中途半端」とか「地平線の向こうに背景がない」など。また、「敵や弾の効果音がない(ルーパーは別)ので非常に静か」です。無表情なドムが無音でフラフラ迫って来る様は、何か禁断の儀式のようで怖いです。
キャラの種類もそれなりに減っています。例えばドムはアーケードと同じグラフィックのタイプ(アニメはしない)と正面から見たものの2種類で、色分けもその2種類しかないです。ジェットも正面からの「ジェット 」しかいません。他に目立つ所で7面の骨や氷などもなくなっています。
あと、ラストには「ハヤオー」なるオリジナルボス(火の竜みたいな奴)がいます。初プレイでバルダを倒して安心していると、まるでバグのような猛烈な攻撃に会い即死です。
ボスの迫力は快挙と言えよう
アーケード版のギンギンサイバーでカッチョ良かったBGMも、マークIIIの必殺PSG音源でなんだかのどかな曲になってます。なんか平和な感じです。
・マークV版ならでは!
前述のオリジナルボス「ハヤオー(当時の社長・中山隼雄氏がモトネタ)」もそうですが、有名なオリジナル要素がもう一つ。それは裏技でハリアーが「ジェット機」になるというものです。もともとAC版の試作段階では主人公がジェット機だったという話から、オマケでその名残を入れたようです。今考えるとたいした事でもないですが、当時は結構話題になりました。
・歴史的移植作
しかしこのゲームが(無理に)移植されたってのは意義深い事ですね。この作品のおかげで「アーケードの凄さ」というのを思い知らされたです。この「ちょっとツライ出来(僕は好き)」のマークIII版「スペースハリアー」を「凄い」「面白い」と思わせしまうのも、アーケード版が偉大だったからでしょう。
セガ
1986年12月21日発売 5500円