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SPACE HARRIERU
for MEGADRIVE
88年 SEGA
・セガ初の16ビットマシン第1弾!
 「16BIT」と本体の真ん中に堂々と書かれた(恥ずかしい)セガの16ビットマシン「メガドライブ」。ファミコンの大きな市場と、PCエンジンの表現能力の高さにアップアップしていたセガが満を持して発売した切り札でした。
 そのような状況で登場したメガドライブにおいて「まずはコアなファンを取り込まねば」とばかりに発売された第1弾ソフトが、かの名作の続編「スペースハリアーII」です。
 システムは前作を踏襲しているものの、ステージは全部で13になり、開始ステージを選択できるようになりました。あまり意味を感じませんが。
ハリアー腰が引けてます
・ビジュアルショック!サウンドショック!
 この作品、まずグラフィックがスゴイです。第1弾ソフトながら、静止画像なら間違い無くメガドラの中でもトップレベルです。静止画像なら。
 それまでの家庭用「スペハリ」移植でちゃんと実現されたことのない、あの「市松模様」が綺麗に表現されているのにはビックリ!きめ細かくて「広さ」を感じます。ただ、色パターンが2色の交互一定なので、ただのマスに見えてしまう所が残念です。ツメが甘いです。
 それと、全てのキャラに半透明の「影」が綺麗についてる!これまた当時の快挙です。「市松模様」「影」「グラデーションのある空」「美しいキャラ」と間違いなく新世代マシンを感じさせるグラフィックでした。
 音声合成もPCM使用で必要以上にクリアです。「ア〜〜〜〜、ゲットレディー?(疑問調)」だけしかないんですが。
・拡大・縮小が欲しい!
 16ビットのメガドライブをもってしても、あこがれの「拡大・縮小」機能は搭載されませんでした(かなり期待したのですが)。そのため、この「スペハリII」もキャラクターは書き換え処理の擬似拡大(縮小)で表現されています。描画フレーム数もそれほど多くなくカクカク感は否めません(アニメーションの枚数はそれなりに多いですが)。ハリアーの動きもなんだかぎこちないです。
 それにしても、グラフックや、動きともにメガドラ第1弾にしては中々のクオリティーです。しかし、背負っているものがあの超名作「スペハリ」の看板というところが悲劇だったといえます。
・恐怖の三段活用
 ドラゴンランドの戦いから10年後、「ファンタジーランド」が舞台という「ハリアーII」の世界はどことなく中世をイメージしているようです。マンティコアや騎士の鎧、メデゥーサなどのキャラクターや、背景には神殿のようなものが見えるステージもあります。
この世界観は、ハリアーに合ってるのですか?
 はっきり言ってこの世界はハリアーっぽくありません。オリジナルの「ハリアー」が名作たる所以はそのゲーム性もさることながら、センスティブに描かれた「ハリアー」っぽい世界を駆け抜ける快感です。そういう意味で「II」はなんとなくしっくりきません。なぜなら「ハリアー」と言えば、カッコイイ「未来観」の象徴のような感じがするからです。どことなくSFから「魔法的世界(っぽく)」になった「II」はいかにも別チームが作った(実際そうなんでしょう)「外伝」のような印象を受けてしまいます
 「スペースハリアー」は他の惑星の近未来的な世界を、「スペースハリアー3D」では未来的なサイバーチック世界をそれぞれ表現していました。近未来→未来→中世という展開にトラウマを持つセガファンは多いと思われますが、ルーツは既にここに存在していたのです。
・ちょっと残念
 ボスのシーンでスクロールが止まるのはどうした事でしょう?地面は止まっているのにハリアーは走ります(足踏み!)。どんな状況でもいつも前に進んでいるのは不自然と思ったからなのでしょうが、逆効果です(もっと不自然になってます)。
 オリジナルと違って1面1面がなんとなく長くなっていて、だらけます。爽快感が薄いです。その分面数は少なくなっています(全13面)が、やっぱ、テンポよくたくさんの面を駆け抜ける方がハリアーらしいです。
 BGMの出だしの部分はちょっとハリアーっぽいです。しかし、中盤でちょっと緊張感がなくなり、後半の部分はなんとなく「ファンタシースターII」のような曲調になってしまいます。ドラムパターンや音色がソックリです。
 それより何より問題なのは、パッケージのイラストです。ハリアーといえば、未来ファッションに身を包んだ金髪、グラサンのナイスガイのはずですが、この10年で何があったのか全身赤タイツの黒髪オジサンになってます。香港かどっかの偽モノパッケージみたいで笑えます。もちろんグラサンもナシです。ゲーム中はちゃんと金髪なのですが。
 クオリティーは中々なものの、続編としては文句のつけどころの多い本作。しかし、メガドラ第1弾、しかも「ハリアー」ということで、これはこれでお気に入りの1本だったりします。
メガドライブ
1988年10月29日発売 5800円

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