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OUTRUN
for SEGA SATURN
1996 SEGA
・究極移植版
 セガサターン版の「アウトラン」です。これは例の「セガエイジス」シリーズ第2弾として発売されました。「セガエイジス」だけに、もうほんと、移植度に関しては何も言うことはないですよ。「るつぼゲームス(会社名・有限会社ゲームのるつぼ)」の仕事っぷりには本当に頭が下がりますね。これで3800円なんて、セガサターンとはなんといいハードだったことか。
 「筐体に乗る」ということができないこと以外はまるで完璧な移植です。そこにこだわる人は筐体ごと買うしかないです。ただ、完璧に再現されたクレジット音を聴くと、筐体によいしょと座ってコインを入れたあの感覚が蘇ってきます。頭の中で筐体に乗せられるんですよ。いやぁ、脱帽!「アウトラン」に少しでも思い入れのある人は絶対持っておくべき傑作と言えます。
違いは「筐体に乗らない」ということくらい
・完璧な「アーケードモード」
 「スペハリ」の移植で気になったスタッフロール(アーケード版には存在しない)も、この「アウトラン」ではIIコンのA、Cを押しながらスタートすることで可能な「アーケードモード」ではキチンとカットされるようになりました。このモードは何から何までアーケード版を再現しています。 また、通常のモードではギアのLOW、HIの表示が画面上でされますが(アーケード版はされない)、このアーケードモードではちゃんと表示されないようになっています。
・各種設定も充実!
 難易度はもちろん、アザーカーのレベルまで設定できます。おそらくこの辺はアーケード版にあった設定なのでしょう。
 家庭用的な設定としては、ギアのマニュアル・オートマチックの変更サウンドテストなど一通り揃っています。コースが国内バージョンと海外バージョンで選べるのはファンにとって嬉しい設定ですね。るつぼ移植としては当然のことでしょうが。
・驚異のオリジナル要素
設定・オリジナルも充実のオプション
 サターン版オリジナルの要素も追加されています。注目すべきは大きく2つ。まずはBGMのアレンジバージョンが収録されている点。ゲーム中のBGMももちろんアレンジバージョンに変えることができます。アレンジは原曲の作曲者であるHiro師匠が担当していますが、ちょっと大胆なアレンジだったためいまいち評判が良くなかったです。まぁ、原曲作曲者の確信犯的アレンジなので(本人が語っていた)文句は言えませんが、ラテンミュージックをはじめとする原曲があまりにもしっくりきているだけに、違和感はぬぐえませんでしたねえ。まぁ、オマケに文句をつけるのもナンなんですがね。
 もう1つ!すごいオリジナル要素があります。それは「60フレーム描画モード」です。これは裏技によって可能になる要素です。
 アーケード版をはじめ通常は30フレームで描画されている所がなんと2倍の60フレーム!動きが驚異的にスムーズになります。このオマケには驚きました。
 余談ですが、「アウトラン」の3D描写(というかこの頃の疑似3Dゲーム全般)は、いわゆる「遠くのものほどゆっくり近づいてくる」という遠近描写がされていないため、一定のスピードでオブジェクトが近づいてきます。これが今見ると結構違和感があります。さらに60フレームの描写によってそれが際立ってしまいますね。ちょっと皮肉です。
グラフィックから伝説のBGMまで完全に再現、さらに嬉しいオマケも充実
裏技によって、コーナリングやグリップ力を変更したり、ディップスイッチを確認したりもできます
・移植使命終了
 全体的に色使いが薄いような気がします(アーケード移植モノによくある現象です)が、これはモニターの設定にもよると思います。あと、アーケード版のオブジェクト(やしの木など)の付け根の影と重なる部分はオブジェクトの輪郭の色が反転したようになっていたような気がしましたが、そうなっていないようです。
 そんな細かい部分を抜きにして、このSS版「アウトラン」はセガがサターンというハードで出した最終版でしょう。まさに完璧、移植使命はこれで終わったと言えます。
セガ
1996年9月20日 3800円

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