あの頃の子供達へ 1月24日(土)
ついにその姿の片鱗を現しました任天堂の「異質な商品」。それは2画面型の携帯マシンだった!
って、HEDくらいの年代の人たちが最初にイメージしたのはきっと「ゲーム&ウォッチ マルチスクリーン」ではないかと思うんですが、あれはスクロールという技術が使用できなかったG&Wにおいて、ゲームに広がりを持たせようという任天堂の斬新な提案でした。
ゲームマシンの性能が究極に高まった現代において、再び蘇る任天堂のデュアルスクリーン構想。それは表現力の驚きよりもインターフェイスの驚き、「遊び」の部分での驚きを提供するもの。プレステ台頭から急激に高まった「ビジュアル先行思想」へ、ゲーム屋任天堂の強烈なアンチテーゼです。
やはりこのような姿になるのでしょうか?
任天堂ニュースリリース「「二画面」新携帯ゲーム機の発売に関して」より
「ビデオゲーム機がすでに相当高いレベルの視聴覚性能を有する今日、ビジュアルやサウンド面の向上だけではもはや多くのユーザーの皆様に魅力を感じていただくのに必要な驚きが提供できないばかりか、むしろ大多数の皆様は、ビデオゲームに興味はあっても、楽しむのに必要な時間とエネルギーが多過ぎて自分たちには手が出せないと感じておられるのではないでしょうか」
この文言。全くもって同意です。
確かにビジュアル的な驚きの提供も正しい。ボクらはそうやってワクワクしてきました。
しかし、ここへ来てその弊害が出始めたんです。
「楽しむのに必要な時間とエネルギーが多過ぎて」
まさにこれ。
例えばHEDが昔と比べてゲームをする時間が減ったとしたらコレが原因。
どこかでゲームの進歩の歯車が狂ってしまったんですね。
任天堂は2003年の大きな出来事としてGBA「メイドインワリオ」の発売を挙げています。「ゲームの原点の面白さが提供できた」ということで。任天堂が長い間言い続けていることの答えが詰まったソフト。業界の人たちにはどう映ったのでしょうか。
GBAの「メイドインワリオ」はHEDも購入しました。
とにかく面白い。強烈に面白いです。5秒で終わるゲームの寄せ集め。1プレイはだいたい4、5分くらい(頑張るほどに長くはなりますが)。気軽すぎ!なんとなーく手が空いたときについGBAを手にとってプレイしてしまう、中毒ソフトです。単純なのに「なんでこんなに面白いんだろう」と思っちゃうこと必至。忘れかけていた「ゲーム」の手触り。
「斑鳩」のレビューでも書きましたが、ゲームはメディアとしての成熟より先に技術ばかりが進んでゆく、そんな悪循環に陥っているんですね。根元がしっかりしてないもんだから、本質が見失われつつある。そんな状況に一番敏感に反応しているのが老舗の任天堂なんです。
任天堂は他社と比べて低年齢向けの市場を狙っていると言われますが、本当は違うと思います。任天堂が本当に狙っているのは、ボクらファミコン世代の大人たちではないでしょうか。あの頃ファミコンを楽しんだ子供たちに、ずーっとゲームの楽しさを提供して行きたい。そんな願いがニュースリリースの文言から激しく感じられるじゃないですか。
頑張れ任天堂!
「ゲームって面白い」・・・この気持ちをずーーっと持たせて下さい。
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