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アタックアニマル学園
for FAMICOM
1987 PONY CANYON
・まごうことなき亜流
 システムや画面構成が酷似しているものが亜流というならば、この作品はまさにそう!ていうか「スペハリ」のキャラ変えゲームだぁ!誰も文句言わなかったのでしょうか。80年代中盤の業界がいかに自由かがわかるという意味でとても貴重な作品です。
 セーラー服を着た女子高生が、はちまきをしたサボテンや、地蔵、動物など、統一性が希薄な敵を次々と撃破していくゲームです(そううまくはいきませんが)。
・似すぎです
 まぁ、とにかくぱっと見ソックリです。ハードがFCなのでそれなりですが(FC版スペハリに近い)、とにかくすぐに「意識した(っていうかマネした)」というのがまるわかりです。恥ずかしくないのでしょうかね。

スペハリじゃん! ボスもこんなんばっか。主人公も脱力

 システムは十字キーで主人公を操作、画面奥から迫るモンスター(?)や障害物を破壊(または避け)しながら進み、ステージ最後のボスを倒せばクリアーとなります。つまり、スペハリです。
 (それなりに)市松模様な地面、地平線の背景、空飛ぶ主人公(しかも飛んでいる位置によって半身になるところまで!)など、言い訳とかするつもりは初めからなさそうな仕様です。ちなみに主人公は地面に降りればちゃんと走ります。
 システム、画面構成、主人公のポーズまですべてがそっくりな出来です。
・破綻した世界
 名作「スペハリ」に似ているといっても、登場キャラクターや世界観は全く別物です(当たり前)。敵キャラは冒頭に書いたように基本的に統一感は希薄ですが、「アタックアニマル学園」というタイトルが付いている通り、一応「動物」と「学校」がモチーフのようです。ボスも「学ラン着たコアラ(しかもガン飛ばしつき)」や「ウニを従えた亀」など、まぁこんなもんです。これで少しでもセンスがあれば、ちょっとは違ったかもしれませんが。
 手元に説明書がないのですが、全くストーリーが想像できません。
 だいたいハリアーのシステムで主人公が女子高生という時点で、ダメな感じです。ハリアーマニアの歪んだ妄想が具現した個人制作ソフトみたいです。
・スゴイところ
主人公ブルマーに。次は水着だぁー!
 キャラクターに影がついてるのは素晴らしいです。立体感が一応あります。ハードの制約上、影はメッシュで表現されています。
 とても感心したのが、主人公の髪やスカートがなびいている所です。スペハリでは感じられなかった「風」を表現しています。ちょっとしたことですが、意外と大きな効果を生んでいます。しかも、ポーズをかけても髪やスカートがなびいているというサービス付きです(バグかもしれません)。
 面白いところでは、ステージによって主人公の服装が変わるところなどです。1、2ステージではセーラー服ですが、3面では体操服(ブルマー)、4面ではスクール水着(水中面)など、先の面を見たくなる配慮(実際なるかどうかは別として)がされています。
 BGMはメインとなるテーマ曲(2曲)があって、それがステージごとに交互に流れるのですが、それぞれの面にあったアレンジされていてちょっと面白いです(水中なら水中っぽくとか)。まぁ、ファミコンのマージャンゲームみたいな曲ですが。ただ、いつの間にか口ずさんでいるようになること間違いナシです(単にやりすぎ?)。覚えやすいBGMというのは好感が持てます。昔はそういうの多かったですね・・。
 この作品、別売りの3Dグラスにも対応しています(セレクトボタンで切り替え)。きっと大迫力なんでしょうね。カードリッジに「3D効果アドバイス (株)ライフチェッカー」と書いてあります。一体どんな凄いアドバイスがなされたのでしょう?
・破綻したバランス
 キャラクターは当然スプライトで表現されています。なのでキャラが小さかったり(樹木などの障害物は画面の1/3くらいしかない)、ちらつきがあったりしますが、速くてスムーズな動きが実現しています。
 このゲーム最大の欠点は、理不尽な難易度です。主人公の動きが遅いため、速い動きの弾や敵にストレスがたまります。特に敵キャラの動きはトリッキーで読めず、しかも超高速で突っ込んでくるため、不本意なミスが多いです。
 ボスキャラは弾を撃つだけでなく多数の敵キャラを従えている(全部倒せばクリアー)ので、かなり凶悪です。はっきり言って2面以降のボスの理不尽な強さは許容範囲を越えていると思います。しかも、コンティニューがな〜〜い!(裏技で面セレクトはあります)
・攻略を終えて
 セーラー服に戻り、天国を思わせる(雲の上のような)最終ステージ(6面)に待ちかまえているのはなんと双頭の龍(1枚絵ですが)!こいつを倒すと、地面に倒れている女子高生を助けおこしエンディングです。友達でしょうか。
 このレビューを書き上げるため、死にもの狂いでクリアーしましたが、いつの間にかあれほど凶悪だった2面、3面のボスを楽に倒せるようになっている自分に驚きました。
 確かに理不尽でストレス溜まりますが、そこを超えた所に、繰り返す事でスキルアップする懐かしい「攻略の楽しさ」があるのも事実です。
 以上のように、一見かわいい外見のゲームながら、有名ゲームのパクリである点と、理不尽な攻撃によるストレスで、普通にゲームを楽しみたい人には全くお勧めできない作品です。しかしながら、投げ出さずじっくり攻略すれば、なかなか面白いです。
 そしてやはり、かの名作「スペハリ」の亜流という位置付けとして、貴重な作品でしょう。現在入手が難しいかもしれませんが、もし見かけたら是非入手し、そのパクリっぷりを笑いましょう。
対応機種 ファミリーコンピュータ
ポニーキャニオン
1987年12月26日発売 5500円

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