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我が家の電気がおかしくなった。
電気というか電灯だ。蛍光灯。
こいつが時々ちらつくようになったのだ。
忘れた頃に一瞬視界が暗くなるのが鬱陶しいことこの上ない。
流石に物臭な私も、この状況を改善するべく重い腰を上げることにした。
この部屋には普段ついている蛍光灯が二つある。天井の蛍光灯と、卓上の電気スタンドだ。
電気スタンドを切っても視界のちらつきは消えなかったので、原因は天井の方だろう。
なるほど、確かにアレは買ってから随分日が経つ。蛍光灯の寿命も来るってもんだろう。
私は雨の中、近所の電気屋に蛍光灯を買いに行った。
そしておニューの蛍光灯を天井の電気傘(と言うのか?)に取り付けた。
おお、明るし。電気を付け替える度に思うのだが、この部屋はこんなに青白かったのか。
部屋は明るくなった。それは大いに結構だ。しかし問題がある。ちらつきが依然として健在なのだ。
おかしい。ちらついているのは電気スタンドではなかった。天井の蛍光灯は新しいのに替えた。
天井の蛍光灯の内側の方は最近買ったばかりなので、これが原因とも考えにくい。
蛍光灯自身ではなく、電気傘や、電気傘と蛍光灯の接続の方に問題があるのだろうか。
あれこれ考えても仕方がないので、原因を特定すべく、全ての蛍光灯を付け消ししてみた。
しかし、どの蛍光灯を付けようが消そうが、ちらつきは消えることはなかった。
一向に問題は解決をする兆しを見せず、私も何時間もこのちらつきと付き合ってて嫌になってきた。
気分転換にと、私は家を出、しばらく散歩することにした。
雨上がりの空の下、私は、妙にまぶしい雲を眺め、そのちらつきを見て、ようやく理解した。


ちらついていたのは、俺の、目だった。



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まさかこんな近くに原因があるとは思わなかったが、
それ以上に、半日近く原因に気づかなかったことに愕然とした。
目にしろ肩にしろ腰にしろケツにしろ頭にしろ、ここ数年、果たして当然だった役割を果たさなくなってきている。
俺の体はこれからは、目にも見えず、音も立てず、黙って崩れていくのだろうか。
どうも、俺は、あんま長生きできないような気がしてきたよ。
健康って大事だね。