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驚異のハイスペックマシンM2の全貌!

これまで、開発前に決められたいわば予定のスペックのみが一人歩きしていたM2だが、ついに正式なスペックが明らかになった。基本的な仕様は、これまで発表されていたものと大きな変化はないが、高価なパワーPCを2個搭載、8MBのSRAM、4倍速CD-ROMプレイヤー搭載など、ゲームとは思わないほどの充実ぶりである。詳細を見ていくことにしよう。

CPUはPPC602(66Mhz)をダブルで!
CPUにはPPC602(66Mhz)を使用している。ここまでは以前から公表されてきたことなのだが、なんとこれがダブルで使われるということである。DSPを積むなどという話はよくあるが、全く同じCPUをダブルで搭載するとは。100万ポリゴン/secというスペックを現実のものにするための措置といえそう。 さらに、メモリが8MBに決定した。現行が3MB。安くなったとはいえ、ゲーム機で8MBというのは初めて。 CD-ROMドライブは4倍速を装備している。 バス速度は33MHz。メモリとは、33MHzの2本のバスでデータのやりとりをするようになっている。つまり、それぞれ独立したデータをやりとりできるようになっているのだ。 もう一つの目玉は、ポリゴンエンジンの詳細が見えてきたことだ。これまで100万ポリゴン/秒としか発表されていなかったが、ポリゴン表示方式がトライアングルポリゴンであることが明らかになったのである。 事業計画ではパナソニックワンダーテインメント社が正式なライセンシーになるということが発表された。



M2テクノロジー最新情報
項  目  ス ペ ッ ク  備 考
ポリゴン表示能力 100万ポリゴン/秒 セガModel2が36万ポリゴン/秒
ピクセル表示能力 1億ピクセル/秒 理論上640×480の画面を秒間325画面描き変えられることになる
バス転送速度 520MB/sec 現行の3DOは50MB/sec
CPU Power PC 602 RISC(カスタム66MHz)×2 1個につき77MIPS/sec
内部キャッシュ 32K 現行の3DOと同じ
RAM 8MBSDRAM ユニファイドメモリマップ。つまり、自由なメモリマップが作れる。
サウンド機能 66MHzDSP搭載 MIDIデータ再生可能。奥行き、方向などもリアルタイムで制御可能。
グラフィックス 640×480(24ビットカラー) PALにも対応768×578(24bitカラー)
ビデオ表示能力 MPEG1標準装備、JPEG展開可能  
グラフィックチップ能力 ハードウェアテクスチャ展開 圧縮したテクスチャを高速に展開
フィルタリング テクスチャを高品位で表示する
MIPマッピング 数段階のテクスチャを用意し、表示する大きさに合わせて自動選別する
3Dパースペクティブ補正 見た目のパースペクティブを綺麗に表示する
Zバッファー 奥行きを自動的に判断して表示する
グーローシェイディング 滑らかなレンダリングが可能
αチャンネル 最大128段階(7bit)にわたる透明度の設定が可能
拡張性 メモリーカードスロット 128KB〜32MBまでのメモリ装着可能
PCMCIA PCMCIA上位互換のカードスロット。モデムなど。

いったいいつ出るのか?
M2の発売時期は依然不明瞭だが、1997年春よりも早くなるというのは諸般の事情から難しいのではないだろうか。これはある筋からの情報なのだが。もちろん、これは3DOマガジン編集部の見解であることをお断りしておくが。これも、さらに情報が入ったらすぐにご報告することを約束しよう。
これはあくまでも、噂の範囲を超えないが、M2が10月、東京で行われるE3で大々的にデビューする、という情報が入ってきた。70台のM2を並べ、自由に遊べるようにユーザーに開放するというものだ。また、リリース時期は1997年の4月から6月が有力になってきた。もちろん、ソフト10本程度は同時発売されるはずだ。


M2アクセラレータは?
3DOユーザーにとって気になるのは、M2そのものもさることながら、M2アクセラレータがどうなるか、だろう。実際M2のスペックを見ていくとCD-ROMドライブは4倍速、3DOそのもののハードとはかけ離れてるように見える。アクセラレータというと、外部にとりつけるというような意味でのアップグレードは難しいと見るのが普通だ。現行の3DOとM2の共通点といえばすでに電源部くらいのもの。どう考えてもそうした形でのアクセラレータは難しいと考えざるを得ない。逆に、3DOユーザーにはM2を安価で提供するというスタイルの方が現実的ではないだろうか。もちろん、形はどうなろうとある種のアップグレードが行われることは間違いない。これは松下電器産業インタラクティブメディア事業部長の立花氏が「どんなことがあってもやる」と語っていたことからも安心していい。

ライセンス関連
ご存知の通り、松下電器産業はアメリカ3DO社からM2のテクノロジー一式を$100 million($1=\100として10.000.000.000円、つまり100億円!)で買い上げた。当然ソフト、ハードに関するライセンシングする権利は松下電器産業が持つことになる。ハード、ソフトのライセンシングとM2用ソフト開発を受け持つのは松下電器産業の新会社「株式会社パナソニック・ワンダーテインメント」となるようである、と先月は書いたが、これが正式に発表された。ハードそのものの供給は、松下電器産業を初めとしたライセンシー各社ということになる。

ソフト供給
新会社「株式会社パナソニック・ワンダーテインメント」では、M2用のソフトを現在相当数開発中といわれる。もちろん、M2デビューにあわせて2桁以上の数のタイトルを同時発売するためである。しかし、国内でタイトルがわかっているのはWARP『Dの食卓2』だけ。パナソニック・ワンダーテインメントで開発している作品については、近々このページでも紹介できるのではないかと思う。期待していただきたい。



松尾健史氏 (株式会社パナソニック・ワンダーテインメント常務取締役)。 M2のソフトを作るためにヴァージンインタラクティブエンターテインメント社社長から転身。 同社のソフト開発の鍵を握る人物である。




アーケードマシンとの連携は?
M2のスペックを見れば明らかなのだが、これはSEGAのModel3、つまりアーケードの最新鋭マシンと肩を並べるスペックである(余談だが、あるソフト開発会社の開発担当者は、両者のスペックがあまりにも似ているため、実は同じハードなのだと思っていたそうである。もちろん違うのだが)。当然、アーケードマシンとしての活用は射程にとらえられている。すでに、アーケード業界の大手、コナミ、カプコンの両社がアーケード部門でのライセンス契約を結んだといわれており、アーケードゲームのサブセットがコンシューマ機としてのM2に移植されるというよなことも日常化するのではないだろうか。

*M2は開発コードネームなので実際は違う名前で登場することもありうる。


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