------------ すれちがい ------------ 僕がこの鳴滝荘に住み始めて始めて一年が経った。 そして僕は鳴滝荘で出会った一人の女の子と付き合い始めた。 長い黒髪をした彼女はとても友達思いで少し意地悪だがとても可愛いらしい。 僕は僕たちが付き合い始めたことをみんなに言おうと彼女に相談したが、 彼女はなぜか秘密にしてほしいと言った。 そのため僕たちが付き合い始めたことをみんなはしらない。 「白鳥さ〜ん!早く行きますよ〜。」 「うん。わかった。」 今日は彼女と久しぶりのデートでデパートへ行くことになった。 「今日は買うものがたくさんあるのでよろしくです〜。」 「ひぇ〜〜〜!」  梢「桃乃さん。白鳥さん見ませんでしたか?」 桃「白鳥君なら珠ちゃんとどこかへ出かけてたわよ〜」 梢「そうですか・・・」 ジ「そうイヤ、あいつらよく一緒に出かけることが多いよナ。」 桃「案外あの二人付き合ってたりして・・・。」 梢「えっ・・・?」梢の中に一瞬不安がよぎった。 桃「いやね〜。冗談よジョ〜ダン。白鳥君が梢ちゃんをさしおいてほかの人と付き合ったりするわけないじゃない。珠ちゃんだって梢ちゃんをうらぎるようなことしないわよ〜。」 梢は黙りきってしまった。 梢が白鳥を探していた理由、それは一緒にお買い物に行くためだった。 (しょうがない・・・一人で行こう) 梢は一人、デパートへ行くことにした。 「白鳥さ〜ん、この服どうですか〜?」 珠実は赤いドレスを着て白鳥に見せびらかした。 「うん。とても可愛いよ。」 「本当ですか〜?」 「本当だよ。」 「うれしいです〜」 (ドキッ) 珠実の見せた笑顔はとても可愛かった。この笑顔が彼女を好きになったひとつの理由でもある。 「じゃあ、ありがとです〜」 「へっ?何が?」 「12500円です〜」 (はっ、はめられた・・・) この子悪魔的な性格も彼女を好きになったひとつの理由である。 (チュッ) 「!!??」 白鳥は自分の唇に重ねられた彼女の唇に驚いた。 「たっ、珠実ちゃん!?」 「お礼です〜」 {少し時間が戻ります} デパートに着いた梢は白鳥たちと同じ階にいた。 (あれは・・・?) 梢は白鳥と珠実を見てとっさに隠れた。 (白鳥さんと珠実ちゃん、何してるんだろう?) (チュッ) 「!?」 梢は見てしまった。その現場を・・・。 夕方。 隆士と珠実は鳴滝荘に帰ってきた。 白&茶「「ただいま〜」」 桃「おかえり〜2人とも」 白「あれ??梢ちゃんは?」 桃「梢ちゃん、ちょっと前に帰ってきたんだけど何か変なのよね〜。部屋に閉じこもりだし。」 茶「ちょっと見てくるです〜」 (白鳥さんと珠ちゃんって・・・) 梢は見てしまった光景が気になって仕方なかった。 (あれ・・・) 梢の蒼い瞳から泪が流れた。 (トントン) 「梢ちゃ〜ん、大丈夫ですか〜」 「開けるですよ〜?」 (ガチャ) 「梢ちゃん?」 「あ・・・、珠ちゃん。大丈夫だよ。」 「ならよかったです〜、さあ台所へ行きましょう〜」 そう言って珠実が梢の手を持ちドアを開けるべくノブに手をかけたその瞬間 「珠ちゃんって、白鳥さんと付き合ってるの?」 「珠ちゃんって、白鳥さんと付き合ってるの?」 「えっ?」 珠実は驚愕した。 「わたしね、今日デパートで見ちゃったの」 まさか・・・、梢ちゃんが見ていたなんて・・・ 「ねぇ、珠ちゃん?」 「そうです。」 (!?) 「私と白鳥さんは付き合ってます。」 「・・・そう・・・」 2人は黙ってしまった。 「・・・ごめんなさい」 「えっ・・・、何で謝るの珠実ちゃん?」 「えっ?だって梢ちゃんは白鳥さんのこと・・・」 「そうだけど・・・白鳥さんは珠実ちゃんの事が好きなんだよね?」 「・・・」 「私は大丈夫だから。珠美ちゃん、白鳥さんと幸せになってね。」 彼女は泣いていた。 「梢ちゃん・・・」 その夜 (トントン) 珠実は2号室の前にいた 「どうしたの?珠実ちゃん?」 「ちょっと話があります」 「白鳥さん、私の事好きですか?」 「えっ?なっ・・何?いきなり?」 「いいから答えてください!!」 「好きだよ。僕は珠実ちゃんのことが大好きだ!!」 「・・・」 「君の可愛い笑顔、小悪魔的な性格、親友を大切にする心、すべてを愛してる!!」 「白鳥さん・・・うぅぅぅ」 「珠実ちゃん??」 「わ・・私、梢ちゃんが・白鳥さんのこと・・好きなの知ってて・・それなのに私が白鳥さんを取ってしまって・・・梢ちゃんを裏切ったみたいで・・・梢ちゃんが私の事嫌いになったかが心配で・・・」 「もう何も言わないで。」 白鳥は珠実を抱きしめた・・・ 「梢ちゃんは君の事を嫌いになったりしないよ。どんなことがあっても。それは親友の珠実ちゃんが一番よく知ってるじゃないか!!」 珠実は泪が止まらなかった。 (この人は、私の事を誰よりも理解してくれるんだ・・・) 「うううあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」 珠実は白鳥の中で泣いた。 梢はそのとき2号室の前にいた。 そして彼女は2人をこれからも見守っていこうと思った