---------------- 君といつまでも ---------------- 「ではくれぐれも明日の課題を忘れないように〜♪」 銀先生の警告の言葉とともに午後5時ちょうどに授業が終わった。 「ふぅ・・・」 僕は今日一日の疲れを振り払うかのように大きく伸びをした。 「白鳥ィ〜〜〜一緒に帰るぞ〜〜!!」 大声をあげて彼がこっちに向かってきた。あの「麗子さん事件」の一件以来、彼は少しずつ以前の元気を取り戻しているようだった。というか、元気になってくれて本当によかった。もしあの時、本当の事を全て打ち明けていたら今頃彼はどうなっていたのだろうか・・・? 「どうしたの?早く帰るよ白鳥くん」 「あ・・・うん」 不吉な思考を巡らすことをやめ、授業で使った道具を鞄にしまって学校を後にした。 しばらくして、彼は突然質問を投げかけてきた。 「ところでさ〜白鳥、おまえ大家さんとどこまでいったんだ?」 「え・・・エエッ!!?そんな・・・どこまでって言われても・・・その・・」 「ぶっちゃけろよ〜白鳥〜まさかもうセッk(ゴンッ!!)イッ!?痛ェ〜〜〜!」 彼の縦横無尽な質問に答える前に、Xカリパーが彼の頭に襲いかかった。 「何しやがる、この暴力女!」 「あまり調子にのるな、このロリータ!」 「ぇ・・・はぁ?だからアイツとはそんなんじゃねーって」 「毎日弁当作ってもらってるのに?」 「なッ!?それはアイツが勝手に・・・・ってうるせ〜〜ほっとけ〜〜!!」 「あの二人、仲がいいんだか悪いんだか・・・」 「・・・・(ははは・・・)」 こうして僕たちはいつもの駅で別れてそれぞれの帰路についた。僕の家___鳴滝荘に到着するやいなや僕は早速今日出された課題に取り組んだ。 銀先生の折檻だけはごめんだ。 「ここをこうしてっと・・・・よしっ!これで終わり」 ふと時計を見ると9時前を指していた。課題にずっと集中していたため、こんなにも時間が経っているとは思わなかった。 部屋を見回すと、見慣れない箱が置いてあるのに今更気づいた。見ると、どうやら母親からの仕送りらしい。 その箱を開けると、中には一通の手紙とたくさんのリンゴが。     「  隆士へ  親戚の方がリンゴをたくさんくださったので少し送ります。 絵本の勉強を頑張るのもいいけれど、くれぐれも体に気をつけて    母より 」 「・・・母さん」 僕はその時改めて両親に感謝の念を抱いた。 「追伸  出世する日を楽しみにしてるわよ♪」 「・・・・」 とにかく僕は感謝した。 (朝美ちゃんかな?この荷物ここに持ってきてくれたのは・・・そうだ、またみんなにお裾分けをしよう) そうして僕は、リンゴを袋に分けて部屋を後にした。最初に3号室の桃乃さんの部屋に向かった。 「桃乃さ〜ん、ちょっといいですか?」 「ん〜?・・・白鳥君?何か用事?」桃乃さんがドアを開け、顔を出した。お酒を飲んでいたのか(というか、絶対飲んでいたと思う)、顔が少し赤らんでいた。 「あの、これお裾分けのリンゴです」 「あ〜いつもサンキュー白鳥君」 「いえいえ・・・・?」 何やら音がするので部屋の中に目をやると、テレビ画面には高校生に殴られているサラリーマンの姿が映っていた。一体どんな話なんだ? 「・・・ああ、あれは今巷で話題の「FLY,FATHER,FLY」って映画よ。結構面白しろいわよ〜。今度白鳥君にも見せたげるね」 「あ・・はい・・・・じゃあ僕はこれで失礼しますね」 「じゃあね〜」 少しだけあの映画が気になりつつ、次に6号室の灰原さんの部屋へと歩を進めた。 「灰原さーん、ちょっといいですかー?」 「ん・・・おお白鳥か、どうしたンだ?」 ジョニーが先にドアからひょっこり顔を出した。 「あのこれ、お裾分けのリンゴです」 「おお、スマンな」 僕はその時灰原さんの手に持っているペンに気がついた。 「小説書いていらしたんですか?」 何となく訊いてみた。 「ん?・・まあな。一応、本業だしナ」 「あ・・そうですか・・頑張って下さいね。じゃあ僕はこれで」 「ああ、アリガトな」 この前珠実ちゃんが言ってたけど、灰原さんは昔はよく売れる小説家だったそうだ。今の状態からはあまりそんな風には見えないけれど(・・・って我ながら失礼なことを考えてるなぁ・・・)。 その後、黒埼親子や珠実ちゃんにもリンゴを手渡した。黒埼親子は相変わらず内職と奮闘 中。珠実ちゃんはプリンターを使って何かやっていた。 何故かすごく身近に感じる女性の姿が映っていたが、よくは見えなかった。というか、見せてくれなかった。 「後は・・・梢ちゃんか・・・」 僕は自分の中でそう確認すると、管理人室へと向かった。 いつの日か____彼女は一人夜空を見上げて縁側に座っていた___どこか切なげな顔をして___ 僕は少し不安に駆られながらも彼女に近寄り、声をかけた。 「・・・どうしたの?梢ちゃん」 「・・・・」 彼女から応答はなかった。もう一度声をかけた。 「・・・・梢ちゃん?」 「・・・白鳥さん」 虚空を彷徨っていた彼女の目がこちらにやっと気づいた時、その目から涙が今にも溢れそうになっていた。 彼女のこんな表情を見るのは初めてだった。 「・・・もしよかったら僕に話してよ。きっと何か力になれると思うからさ」 「・・白鳥・・さん・・・」 彼女の目に溜まっていた涙が一気に頬へと溢れ出た。そうして、彼女は口を開いた。 ____彼女の話してくれた、彼女が経験した過去___それは残酷だった。あまりにも悲しいものだった。 大切な人との別れ、襲いかかる孤独感、絶望。そして彼女がその日見た夢のことも・・・・。 「・・・もう大丈夫だから。僕がずっと君の側にいるから。だから・・・だからもう泣かないでよ、梢ちゃん」 「う・・・・ぇ・・・白鳥さん・・・」 僕はそっと彼女の肩に手を回し、やさしく抱いた。今にも崩れてしまいそうな彼女を壊さないように優しく・・・。 僕はわかっていなかった。彼女がこんなにも苦しい想いをしてきたことを。ただ、彼女を悲しみから解放してあげたかった。 そして僕は、彼女にキスをした。震えていた彼女の肩が徐々に落ち着きを取り戻し、溢れていた涙はその姿を消していた。 しばらくして彼女は立ち上がり、僕に言った。 「ありがとうございました。もう大丈夫です。・・・では・・おやすみなさい、白鳥さん」 「うん・・・おやすみ」 笑顔を取り戻した彼女が部屋に帰るのを見届けた後、僕も寝ることにした。 管理人室の前に到着すると、僕は彼女に呼びかけた。 「梢ちゃん、これお裾分けのリンゴ」 「わぁ、リンゴですか♪いつもありがとうございます」 「喜んでもらえて嬉しいよ。じゃあ僕はこれで・・・」 そして、僕は彼女に背を向け部屋に戻ろうとしたその時・・・ 「あっ・・・白鳥さん待ってください。よろしければまたご一緒に・・・」 「え・・・?」 かくして、僕は梢ちゃんの部屋で一緒にリンゴを食べることにした。 (そういえばこの前もこんな事があったなぁ・・・確かあの時は・・・) 「・・・あっ」 突然の声で回想は消え去り、僕は我に返った。そして声のした方に目を向けると・・・。 「すみません、手がすべってしまって・・・」  彼女の、正座していた太ももの上に一切れのリンゴ___。甘そうなリンゴの汁がじんわりと広がっていき、そこに輝きを与えていた。___そして気づけば___僕は彼女をベッドの上に押し倒していた。 「あ・・・ご、ごめん。つい・・・」  こんな事をしたら、彼女はきっと傷つくだろう。自分の過ちに気づき、僕は肩を掴んでいた手をゆっくりと離していった。だけどその時・・・ 「・・・いいです。白鳥さんとなら私・・・」 彼女は顔を赤らめながら僕の手を掴んで静かにこう言った。 「・・・梢ちゃん」 9時30分。昼からぽつぽつと降っていた雨が夜になって激しく降り始めた。少し蒸し暑い梅雨の夜___。 「・・・本当にいいの?」 「・・・・はい」 「じゃあ・・」 「あの・・よろしくお願いしますね・・」 「うん・・・」 僕は彼女から了承を得たあと、彼女とキスを交わした。そしてゆっくりと包み込むように優しく彼女の胸に触れた。やわらかい。初めて触れる女の子の胸・・・。僕の心臓は張り裂けそうになっていた。 「ん・・・」  彼女の口から漏れる言葉が僕をさらに高揚させた。上着を脱がして、ブラジャーのホックを震える手ではずした。白く透き通るような彼女の美しい胸に思わずみとれそうになった。「・・・綺麗だよ、梢ちゃん」 そういうと、彼女は無言のまま、また顔を赤らめた。ゆっくりと彼女の胸を揉み、優しく舐めた。 「あぁ・・・白鳥さん・・・」 彼女の息が徐々に荒くなっていく。 「梢ちゃん・・・」 僕は無心に彼女のやわらかい胸をしゃぶり続けた。そして、右手を下半身へと移していく。スカートの奥へと手を伸ばして、初めて触る女性の恥部___。撫でるとしっとりと濡れていることに気づいた。 「あっ・・はぅ・・・・」 やわらかくて温かい。興奮した僕は一気に彼女が下半身にまとっているものを脱がした。初めて見るピンク色の彼女の股間に僕は目を奪われた。彼女の体は小刻みに震えていた。 「白鳥さん・・・そんなに見られると恥ずかしいです・・・」 彼女の赤らめた顔をよそに僕はその小さな穴へと指を入れる。そしてゆっくりと動かす。「ハァ、ハァ・・・」 彼女の息が一層荒くなった。 「・・・どう?梢ちゃん。気持ちいい?」 「あっ・・・ハイ・・・んぅ!!」 指のスピードを徐々にあげ、激しくピストンした。彼女の体はびくびくと大きく震えた。 「ああッ!し、白鳥さん・・・私・・・イ、イッちゃいますぅ!!」 「梢ちゃん、梢ちゃん!!」 「ああああッーーー!!」 指に彼女の熱い愛液がかかるのを感じた。絶頂へと達した彼女は目を閉じて幸せそうな顔をしていた。 10時。彼女と僕はお互いを求め合うように愛撫しあった。そして・・・ 「・・・白鳥さん」 「・・何?」 「もう・・ください・・・入れて下さい」 「・・うん、じゃあ・・・」 彼女の股の間に割り込み、僕の性器をそっと近づけた。彼女は少し怯えているように見えた。 「あの・・・私初めてなので・・・」 「うん・・・ゆっくり入れるね・・・」 彼女は目をつむった。そして彼女のびしゃびしゃに濡れている性器に僕の固くなったそれを入れた。少しキツい。それでも、ゆっくり少しずつ・・・。 「ぁ・・・」 そして僕と梢ちゃんはようやくひとつになった。 「梢ちゃん、痛くない?」 「はい・・少し痛みますが・・・大丈夫です」 ・・・気づけば僕の目には涙が溢れていた。 彼女とひとつになれたこと___それがこんなにも・・・ こんなにも素晴らしいことだったとは___。 「・・じゃあ、動かすよ」 「・・はい」 そして僕は腰を前後へゆっくり一振り、二振りと動かした。 「・・気持ちいい?」 「あ・・はい、気持ちいいです」 「梢ちゃん」 「はぁ・・白鳥さん」   ・・・僕たちは何度も何度もお互いの名前を呼び合った。感じることができる彼女の火照った体___涙が止まらなかった。最初は不器用にしか動かすことのできなかった腰も、今は引き合うかのようによく動かすことができた。そして僕は___ 「こ、梢ちゃん、梢ちゃん!!」 「ああ!はぅ!!し、白鳥さ・・・んぅ!!」 「僕もう・・・でちゃうよ!!」 「来て下さい白鳥さん!!はぁ、はぁ・・・!」 「で、でも・・・あぁ!」 「今日は大丈夫なんです・・・だから!・・一緒に・・・んあッ!!」 「くぁ・・・出る、出るよ!」 激しい二人の吐息。高ぶる鼓動。もう僕はもはやその動きを止めることができなかった。体が熱い。こんなにも熱くなったのは初めてだ。意識がとびそうだ。それでも僕はしっかりと彼女の手を握りながら今この時を感じていた。 僕は再び彼女と唇を重ねた。そして・・・・ 「イ、イクゥ!!ああッ!!い、一緒に・・・!」 「ハア、ハア・・・梢ちゃん・・・・ああああッ!!!」 僕のそれが大きく脈打つのがわかった。白濁した精液を彼女の中へいっぱい流し込んだ。彼女をしっかりと見つめて・・・。今まで張りつめていたものからの開放感に包まれて、体中の力が一気にぬけるのを感じた。 そうして、時間が過ぎ、気づけば12時前になっていた。 「・・・気持ちよかった?」 「・・はい、とても。・・すごく嬉しかったです・・・」 「・・僕もだよ」 気がつくと彼女の目にも僕の目にも涙がにじんでいた。あの時彼女が見せた悲しみの涙なんかではなく・・・。僕たちはしばらくの間抱き合った。 お互いの体温を確かめ合うかのように___。 「梢ちゃん・・好きだよ、大好きだよ」 「私も・・大好きです」 「ずっと一緒にいよう、ずっと」 「・・・はい!」              僕は心に誓った。          彼女を絶対に幸せにすることを。     彼女に二度とあの頃のような辛い思いをさせないように。         そして彼女を愛し続けることを。    彼女に出会えた幸せを噛みしめながらずっと、ずっと_____     激しく降っていた雨は、いつの間にかやんでいた。 610 名前: 妄想特急 投稿日: 2005/06/30(木) 22:30:11 ID:1LEKeGI2 「君といつまでも   あとがき」 小説初めて書きました。やっぱりムズいし・・・orz。 自分の表現力の無さに乾杯!(ぇ では、乱筆乱文にて失礼します。