------------ Angel Dust ------------ ───奇妙な夢を見た。 私の隣で白鳥さんが微笑んでいる。 まるで恋人のように語らい、笑い合う。 私は何故か幸せになった。 目覚めた私は自己嫌悪に陥りながら疑問に思った。 何故、私が白鳥さんと? しかし、───私はまた夢を見た。 私は白鳥さんと見つめ合い、口づけを交わす。 深く深く、まるで恋人のような口づけ。 私はもっと幸せな気持ちになった。 夢から目覚めた私は質の悪い冗談だと自分に言い聞かせた。 しかし、いったん芽生えた疑問は簡単には消えない。 ───そして、私はまた夢を見た。 私と白鳥さんは裸で抱き合い、互いを確かめ合った。 白鳥さんの精を受け入れ、全身で喜びに打ち震える私。 あり得ないほどの幸福感が私の心を満たした。 その夜から何度も何度も夢に見るようになった。 何度も何度も白鳥さんに抱かれ、何度も何度も悦び乱れる私。 それは次第にエスカレートしていった。 ───何故こんな夢を見続けるのか? 私は疑問の答えを探し続けた。 現実の白鳥さんは梢ちゃんのものだ。 梢ちゃんの全てが彼のものであるように、 彼の全てが梢ちゃんのものだった。 私は何を考えているんだろう? ───今、何を考えた? 私はあり得ない考えを振り払うように頭を振った。 しかし、すでにそんなことで迷いがなくなるほど小さな想いではなくなっていた。 ───私の心の中には白鳥さんへの想いがどんどん膨らんでいた。 まるで自分が自分じゃないかのように心が渇望する。 白鳥さんが欲しい、白鳥さんが欲しい、白鳥さんの全てが欲しい。 それは悪魔のささやきだろうか。 私は───また禁断の恋心を抱いてしまった。 それから、寝ても覚めても白鳥さんのことが心を埋め尽くした。 彼の言葉が欲しい、彼の唇が欲しい、彼の体が欲しい、───彼の愛が欲しい。 何故こんなに心惹かれるのか、自分でもわからない。 でも理由なんてどうでも良かった。 彼が堪らなく愛おしい、ただそれだけだった。 そして───。 私の様子を心配してか、白鳥さんはわたしの語りかけてきた。 心ここにあらずの私を熱心に励まそうとする彼。 やめて…そんな目で私を見ないで…。 私を…その優しさで包まないで───。 気付いたときには私は白鳥さんの唇を奪っていた。 戸惑う彼をそのまま強引に押し倒し、彼の性器を無理矢理私の中に押し込んだ。 破瓜の痛みすら、今の私には快感だった。 そのまま私は白鳥さんの上で腰を振った。 何度も何度も何度も何度も何度も───。 夢で見た光景を思い浮かべるように私は淫らに乱れた。 そして、私は彼の精を受け、絶頂に打ち震えた。 私は幸福感に身もだえながらも視線を彼に向け、愕然となった。 白鳥さんは───泣いていた。 涙を流し、梢ちゃんへの懺悔の言葉を繰り返していた。 夢はあくまで夢に過ぎない───。 私はなんて事をしてしまったんだろう。 一番欲しかった物───。 彼の心はそこにはなかった。 私の瞳から涙がこぼれた。 それは親友を裏切ってしまったことに。 それは白鳥さんの優しさを裏切ってしまったことに。 そして、浅はかな私の過ちが全てを壊してしまったことに。 涙でぼやける視界の中には───。 最愛の親友が───。 彼の最愛の人が───。 ───呆然と立ちすくんでいた。 誰よりもふたりの幸せを願っていたはずなのに私は全てを壊してしまった。 それは償えない罪。 消えない罪───。 87 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2005/06/19(日) 12:02:11 ID:C8PbzM5a 即興ネタ。 前スレ埋めで書いたあれが妙に印象に残ってたので…。 ごめんなさい、ごめんなさいorz